今回の衆議院選挙。アベノミクス選挙と銘打った与党の圧勝となりました。政治評論家の見解を聞くと今回の選挙はアベノミクスと反アベノミクスだけに焦点が当たり、対案を出せない野党に風が吹かずに終わり、結果選挙に行っても同じと言う空気により低投票率につながったと言われています。
安倍首相は、選挙後に憲法改正を口にしたことでも、他の政策は封印し経済再生だけに絞って選挙戦を戦ったことでも、小泉郵政選挙の時のように結果的にはワンフレーズ選挙で勝ち取ったと言えるのではと思います。また、野党にかつての大物政治家にも陰りが出てインパクトが薄いようにも感じました。
NHKのBSプレミアムに「英雄たちの選択」と言う番組があります。各分野のスペシャリストが歴史上の人物のくだした決断を検証していく内容です。選挙戦の中で戦前、戦中、戦後の時代に軍部と真正面から闘った斎藤隆夫と言う政治家を取り上げていました。
2・26事件以後、軍部の政治介入が強くなる中で、ただ一人軍部に対して粛清演説を行い、太平洋戦争開戦の前年、怒号が飛び交う中で軍部に対抗する演説を行った人物です。結果、斎藤は国会議員を除名となるのですが、終戦後は吉田、片山政権で国務大臣を務め生涯を政治に捧げた人物です。
斎藤隆夫と言う政治家の生き様を知り、今の政治家に彼のような覚悟があるかは疑問ですが、庶民と共に生き続けた政治家がいたことに感動を覚えました。与党であれ野党であれ、国民のための政治を真剣に考え行動する政治家の誕生を切に願っています。