映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は2017年作品で大友啓史監督、神木隆之介主演の青春棋聖作品「3月のライオン」です。
2018年もあと僅か。最近アマゾンプライムで2016年から2017年に見逃した作品を視聴してます。今回は、羽生善治名人が国民栄誉賞を、また地元愛知の藤井聡太プロが最年少記録を更新していることで注目を浴びている将棋界を舞台にしたコミック原作を映画化した3月のライオンを鑑賞。前後編あわせて一気に観賞しました。
僕はコミックの映画化には否定的です。それは、コミックファンが映画に否定的であるのと違い、映画界のコミックに頼る傾向に否定的であることです。これはドラマにも共通することですが、安易な映画化には抵抗感があります。前置きは長くなりましたが、今回は「るろうに剣心」シリーズの大友啓史監督とあって、どんなものか観てみることにしました。
3月のライオンは、「ハチミツとクローバー」で知られる羽海野チカの大ヒットコミック。幼い頃に両親と妹を交通事故で亡くした桐山零が、父の友人のプロ棋士に引き取られ、プロ棋士としての道を進む内容です。
コミックのキャラクターから飛び出したような神木君演じる零と親友であり病と闘う染谷将太演じる二階堂、零が立ち向かうライバルには伊藤英明、そして絶対存在として君臨する宗谷に加藤亮など、若手に中堅、ベテラン俳優が数多く顔をそろえています。また、零を取り巻く女優陣も義理の姉に有村架純、零を陰日向に支え人間的にも成長させいく、隣人家族の三姉妹の姉に倉科カナなど女優陣も豪華で、それぞれに与えられた配役を熱く演じていました。
僕は元来、将棋や麻雀など少年時代に慣れ親しむものに相性がよくなく、友人たちに付き合っても長続きできませんでしたが、ルールはわからずとも、観ていて、人間同士が勝負事に対峙しする姿には惹かれるものがあります。今回の作品は、真剣勝負の中で生まれる対極の臨場感が様々な舞台で繰り広げられ惹きつけられました。
また、駒を進める中で生まれる独特な間も映画でしか味わうことが出来ない要素で、コミックとは別の存在感が生まれていました。そこには、多分コミックファンも共感できる部分ではないかと思います。
そうした意味でも、この作品は格闘技と人間ドラマをうまく昇華させていると感じました。次回は、同じく実在の人物を主人公に描き将棋界を舞台にした2016年の日本映画を代表する作品「聖の青春」をお届けします。