昨日の大橋歩展に続き、今回は辻村寿三郎人形展のレポートをお届けします。
茶々丸オヤジと辻村寿三郎の人形との出会いは、1973年のNHKで放映された「南総里見八犬伝」の人形劇です。
子供ながらに、その美しい人形の姿に魅了されました。その後の世代の方には、真田十勇士の人形劇の方が印象深いかも。
NHKの人形劇は、ひょっこりひょうたん島に始まり、かなり人形のレベルも高く大人が観ても十分楽しめるものでした。
そんな中でも、八犬伝での艶やかな人形の姿は印象強く、その人形を作る寿三郎さんの独特な表現は、ガラスケースに収まっている静のイメージの人形を概念を一変しました。
今回の作品展はあやつり人形の作品は少ないですが、「源氏物語」「五人女」「吉原遊女」など日本の女性美とパラミタミュージアムのイメージのように、数々の仏が鎮座した。日本美術の妖艶と深遠さを表現した展示でした。
また、その中でも、ひときわ茶々丸オヤジの心を打った作品が十二星座です。ギリシャ神話に登場しそうな神々がそれぞれの星の元に宿したような姿は宇宙の誕生を想像するような美しさを秘めています。
75歳を迎える氏の作品を作る繊細の指と人形に命を宿す人形師としての腕裁きにいささかも衰えはなく、今後もますますのご活躍を期待しています。