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映画 人生フルーツ

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異例の22万人を動員し、今も上映を続ける感動のドキュメンタリー「人生フルーツ」を観賞

珠玉の名作を送り続ける東海テレビのドキュメンタリ作品、中でも今回の人生フルーツは世代を超えて幅広い支持を得て異例の22万人の映画動員を果たした作品です。今回は正月特番で改めて観賞したので、その魅力について今一度見つめたいと思います。

戦後の復興の中で生まれた巨大団地、愛知県春日井市にある高蔵寺ニュータウンは、その象徴的な場所です。その都市計画に携わったのが、人生フルーツの主人公の建築家、津端修一さん、そして夫を支えてきた英子さん。

公団住宅の職員でもあった津端さんは、理想の建築求め高蔵寺郊外に師匠であるアントニン・レーモンドに倣い家を建て、家と共に生きる理想の人生を送ります。雑木林の中にある家は、修一さんが風で落ちた枯葉を集め土を耕し肥やしとなった豊かな大地と英子さんが育てる野菜や果物が育っていく夫婦不随の暮らしの営みとなっていく。そんな二人の生活を追っています。

そんな人生の中でも、修一さんの心の中にあるのは建築家としての理想像。彼の理想に共感を得ることなく、日の目を見ることなく人生の終わりを迎えようとしたときに、彼の理想郷を実現しようとするパートナーが現れます。

90歳と87歳の老夫婦が紡いだ人生が、人々の共感を得ることとなったのは自然との共生、決して大それたものではなく自然体の中で行われていることではないかと思います。英子さんの作った食事を愛おしく食し、育てた野菜や果物にお茶目な立札を付ける、雑木林を訪れた野鳥に語りかえるような水かめと立札など、日常の生活を楽しむ遊び心が見られます。そうした愛ある生き方が制作の途中で臨終を迎えた姿に見事に映し出されていました。

夫婦であってもなくても、人々との関わりは不可欠ですが、人生、熟したフルーツのような深い甘みと香を漂わせながら自然体の営みの豊かさを深く感じる作品でした。

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