アリ・アスター監督の白夜の祝祭ホラー「ミッドサマー」を鑑賞
ホラー映画が苦手な僕にとって、たとえ話題作で全米で大ヒットした作品であっても観るのを躊躇します。まして観るのもためらう前作の衝撃的な内容を聞くにつけ絶対観ないと思っていました。しかし、インスタの映画好きのフォロワーさんたちが、こぞって鑑賞、さらに親しい友人仲間の一人である姫から、命を受け勇気を出して観ることにしました。
物語は、冒頭から家族を無残な死からスタート。心を病んだ主人公の女性ダニー、そんな彼女に嫌気がさしてきた恋人と大学の同級生たち5人でルームメートの故郷スウェーデンの村の90年に一度に祝祭に出かけます。夏至の日が沈むことのない白夜と美しい大自然で行われる儀式は、やがて想像を絶するものへと変化していきます。そして彼らと彼女が招かれた理由が明らかになっていきます。
ホラーと言えば、夜のシチュエーションが多い中で、この作品は明るい日差しと花々が咲く草原と白い肌と青い目の人々、そして祝祭の衣装も牧歌的な民族衣装で、すべては柔らかな色に彩られた世界です。そこで踊り、寝食を共にしながら祭りの儀式が進むのですが、ある儀式を境に血塗られたものへと変化、段階を踏みながら核心へと迫っていきます。
ホラーとミステリーを筋道を作りながら展開させる演出に怖いけど引き込まれました。また、祝祭で行われる儀式が、未知なる世界だけど在りうるかなと思わせる民族学的がベースになっているのでリアリティーも感じる作品でした。
ホラーファンでもなくても、賛否両論の作品ですが、こうしたわだかまりを残す映画が好きな人もいるはずです。僕にとっては、やはりこの種の映画は観るのに覚悟がいるので再鑑賞はないと思います。裏を返せば、それほど脳裏に刻まれてしまう作品です。