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映画 影裏

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大友啓史監督、綾野剛&松田龍平共演のヒューマンミステリー映画「影裏」を鑑賞

 

デビュー作であり、本作で芥川賞を受賞した沼田真佑の小説を原作の映画ですが、以前も述べましたが僕自身が小説と縁遠いこともあって映画を通じて原作を知ることが多いです。沼田さんの風貌が、今回の主人公を演じた綾野剛とよく似ていて、どこか私小説のように思えてきました。またカメレオン俳優にふさわしい綾野の中に潜む孤独な影となぜか父の松田優作を一番感じた龍平の孤独な影を感じとることができ、改めて次世代の名優は、この二人だなと思いました。

舞台は岩手の盛岡。会社の転勤で来た綾野剛演じる今野修一は、同い年の同僚、松田龍平演じる日浅典博と出会いその後親友として過ごします。夜釣りを楽しんでいたある日、今野は日浅と口論となり帰宅。その日を境に日浅と音信不通となります。数か月後、会社の同僚女性の西山から、行方不明となった日浅が死んでいるかもしれないと聞かされ、今野の知らない日浅の裏の顔を知ります。

盛岡の自然と文化を織り交ぜながら、ゆっくりと時間が進む穏やかなく空気感のなかで、先ず今野の過去が少しづつ紐解かれ、東日本田震災を境に日浅の過去が浮き彫りとなっていきます。自分に向けられる優しさとは異なる日浅の裏の顔。失踪前夜に日浅が言った「人を見る時はな、その裏側、影の一番濃いところを見るんだよ」の意味が深く突き刺さります。そして、ラストには影の一番濃いところには、今野しかわからない日浅の裏側が隠されていた。時間の流れが見事にいかされた作品で、綾野と松田の演技力が十二分生かされた演出でした。

僕には、映画を通じてタイトルにある影裏(えいり)人の裏側にある本当の影を感じるとることができました。

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