65オヤジのスタイルブック

フェルメールと17世紀オランダ絵画展 大阪市立美術館

神戸、大阪アート旅のレビュー2件目は大阪市立美術館で開催中の「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」です。

※動画は東京都美術館のものが見やすいので参照しています。

今回の展覧会は、ドイツのドレスデン国立古典絵画館所蔵作品展ですが、なんと言ってもヨハネス・フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」でしょう。1979年のX線調査で壁面にキューピットの画中画が発見され、2019年からの修復プロジェクトによりキューピットが蘇った作品が世界初出展となります。日本でのコロナ禍により、一時は幻に終わると思えた巡回展覧会が開催されていることは美術ファンにとっては朗報です。

今回は、いつもはあまり使わない音声ガイドを聴きながら展覧会をゆっくり鑑賞しました。音声ガイドは主にオランダ絵画についての作品解説で知名度が低い作品について解説してますので今回は良かったなと思います。中でも「窓辺で手紙を読む女」の詳細な解説もあり、消されたキューピットについて私的考察も後日したいと思います。

展覧会は7章から構成されており、第1章では17世紀のザクセン選帝公爵たちが愛した作品で構成され当時の社会風俗を反映した風俗画が並びます。最初に登場するのはレンブラントの弟子ヘラルド・ダウの「老齢の教師」と「歯医者」石作りの窓からのぞく老齢な男、年老いたぎこちない男から当時の風刺が漂います。レンブラント弟子らしい光の演出も見事です。当時の生活が如実に伝わる風俗画は観ていても楽しいです。また、神戸での展覧会に続き印象に残った画家フランス・ファン・ミーリアスの「化粧をする若い女」出会えたのは幸運でした。

第2章はレンブラントとオランダ肖像画作品が、レンブラントの「若きサスキアの肖像」はレンブラントの妻の21才の頃のもので、その謎めいた微笑みがレンブラントの運命を握っているかのように感じます。第3章では当時のオランダでブームを呼んだ風景画の名品が、第4章では聖書の登場人物と市井のヤン・ステーンの宗教画に始まり農民などの生活が生き生きと描かれているのですが、火災で娘を亡くしてから火事の現場を描いた「村の夜の大火」は燃え盛る炎に対する憎しみと怒りを感じます。他にも静物画や当時流行した複製版画などが展示されています。

オランダ絵画の詳細がわかる魅力的な展覧会ですので、お近くの方はぜひ訪れてみてはどうでしょう。


美術館・ギャラリーランキング


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「【美術鑑賞・イベント】」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事