熟メン茶々丸の「毎日が美びっとカルチャー」

福田美蘭展 名古屋市美術館

今回の展覧会レビューは、名古屋市美術館で開催中の「福田美蘭展」です。

一般的に日本の現代美術を語る上で思い浮かぶアーティストは誰でしょうか。今なら村上隆を筆頭に草間彌生、奈良美智などではないでしょうか。今回の展覧会の主人公である福田美蘭(ふくだみらん)は村上隆と同年代であり東京藝大時代にも重なります。僕にとって画壇での知名度は福田美蘭の方が強く今でも現代美術を平易な形で表現できる唯一無二の存在だと思っています。

福田美蘭は現在60歳。東京藝大油画専攻を卒業後、画壇の芥川賞と言われる安井賞を史上最年少の26歳で受賞、具象画から古典絵画などの名画をモチーフに彼女独自の解釈で発表する作品で注目される国際的に評価の高い画家で、今回の展覧会は彼女の画業の集大成ともいえる展覧会であり、現代美術を知る上でたいへん有意義な展覧会でした。

展覧会のポスターとなった松竹梅は、うな重のランクを松竹梅の言葉に替えバックには職人が使う手ぬぐいの豆絞りの柄を使うことで日本独自の文化が表現されています。

また、見返り美人やポーズの途中で休憩するモデルは古典絵画を多面的にとられたり、ダヴィンチのモデルとなったモナリザがポーズの途中で休憩する姿を想像して描かれています。他にも古今東西の名画を画家独自の視点でとらえることで、名画の持つ魅力を現代に問うているように感じます。




他にも初期の具象画作品にも現代美術家としての思考があり、近作には絵画芸術を通じて現代を写し取る彼女自身の役割を感じさせる作品など、個展を通じて現代美術とは何かを誰もが理解できる。福田美蘭のたおやかさを感じる展覧会です。


会期は11月19日まで。本年度必見の展覧会ですので、ぜひご鑑賞ください。

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