豊田市美術館で開催中のブリューゲル展を観賞しました。閉館間近い時間に入りましたが、悪天候が幸いしてか入館者も少なくゆっくり鑑賞できました。
ブリューゲルと言えば、16世紀フランドル絵画の画家ピーテル・ブリューゲル。バベルの塔や雪中の狩人などの作品を思い浮かべる方も多いかと思います。今回の展覧会は、ピーテル・ブリューゲル1世に始まり4代にわたる150年の系譜から生み出された作品100点余りを展示され、そのほとんどが日本初出展となる貴重な展覧会です。
通常みることができない個人所有の作品により構成され、小品ながら寓話や神話も基に人物や静物、動物などを画面全体に網羅された写実的な世界は、フランドル絵画の特色が如実にあらわしており躍動感にあふれる夢のような世界です。
4代にわたる一族の作品を比較しながら、1世から伝わる伝統的なモチーフが継承され、その中にそれぞれの画家の特色も感じられ、その長い歴史の中で培われた芸術性の高さが伝わります。
後半の6章と7章では、静物画と農民たちの祝祭の舞台が展示され5月31日まで写真撮影が可能です。ピーテル・ブリューゲル2世の「野外での婚礼の踊り」など貴重な作品が手元におけるチャンスでので、カメラに収めてみてはどうでしょう。
東京都美術館を皮切りに、2019年3月まで、豊田、札幌、広島、郡山と巡回される地方展ですので、ぜひお近くの方にも画家一族の150年にわたるフランドル絵画の歴史を楽しんで下さい。