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映画 サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ

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先日のアカデミー賞2021の受賞作品の中で、Amazonオリジナルとネットフリックスのオリジナル作品が5本受賞しました。最近はネットフリックスオリジナル作品の受賞が際立っていますが、今回もネットフリックスオリジナル作品が4本が受賞、Amazonオリジナル作品が、2017年のマンチェスター・バイ・ザ・シーと2018年のセールスマン以来1本が受賞しています。

今回はアマゾンプライムで視聴可能な音響編集賞に輝いた「サウンド・オブ・メタル」をご紹介します。

 

メタルロックのドラマー、ルーベンは恋人のルーと共にトレラーハウスで生活しながらライブで各地を巡っている。ある日ルーベンの耳がほとんど聞こえなくなってしまいます。医師から回復の見込みがないことを告げられたルーベン。ルーのすすめで、ろう者のコッミュニティーに参加することに、手話を覚えコミュニティーの人々とも心を通わせ始めたルーベンでしたが、音楽への思いを断ち切れず、ある決断をします。

主人公のルーベンを演じるのはヴェノムやナイトクローラーに出演したリズ・アーメッド。ラッパーでもある彼は、薬物依存症で退廃的な役どころがピタリとはまってます。ちなみに主演男優賞にノミネートされています。監督のダリウス・マーダーは、主人公にろう者を選ばなかったのを、ろう者や障がい者を差別的な役どころに当ててきたハリウッドに対するアンチテーゼとして健常者がろう者となった時の苦悩を表現したかったそうです。

全編でルーベンの耳を通じて感じるろう者の世界と健常者の持つ世界を対比しながら、お互いが感じる日常をうまく表現しています。タイトルのサウンド・オブ・メタルのメタルにはメタルロックとは金属音としてのメタルの方が強く印象付けられました。ラストシーンは正にろう者となったルーベンの心の解放につながっているようです。

人間大なり小なり、人生の中で身体的な欠如をもって送っています。それは平等な欠如ではないかとこの映画を通じて感じます。そのことを自覚した時に差別という意識から本来解き放たれるのではないかと思います。


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