65オヤジのスタイルブック

DVD・リアリティのダンス

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。鬼才ホドロフスキーが23年ぶりに作り上げた作品「リアリティのダンス」です。

僕自身は、ホドロフスキーの名は知ってはいましたが、観賞の機会に恵まれず、その天才ぶりだけが伝わってました。

23年ぶりに手がけた85歳になる彼の新作を観て、あのコクトーも高く評価し、ジョン・レノンなど熱狂的な支持者がいるのも納得がいきました。

物語は、ホドロフスキー監督がチリで育った少年時代をモチーフにしたファンタジックな世界。主人公は、軍事政権下の中で大統領の殺害を企てる共産主義者の父親ハイメ。父親役には、息子のブロンティスが扮しています。また、ホドロフスキーは、少年時代の自分の幻影として自ら登場し語り部となっています。 

ハイメは、父親としての厳格さと醜悪なものへの憎悪、弱者への慈愛など異なる人格を持つ矛盾に満ちた存在。前半では、息子への異常なまでの厳しいしつけを行い、息子が愛するすべてのものへ、憎悪を向け、後半では、大統領の殺害に失敗し、馬番となることで大統領への尊敬の念さえ抱いてしまう。その後は、浮浪者となって流浪の旅を続けます。

そんな、過酷な状況も、その色彩と道化のより美しい幻想的な世界を広がっていきます。

思想と詩情が混じりある世界は、ホドロフスキーでしか表現できない世界であるのことを、この映画は十二分に表していました。


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