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映画 シェイプ・オブ・ウォーター

本年度アカデミー賞最多ノミネート、ベネチア映画祭金獅子賞作が、ついにベールを脱ぐ

アカデミー作品賞受賞の「シェイプ・オブ・ウォータ」を先日観賞しました。

昨年は、最有力のラ・ラ・ランドからムーンライト受賞というサプライズの結果で日本でも賛否両論がありました。内容的にも難解な部分があり好みがわかれるところだと思いました。

1962年の東西冷戦下のアメリカ。アマゾンの神と崇められている半魚人が極秘実験の研究材料と運ばれ、そこで働く声の出ない女性との恋愛映画がベースになっています。その内容には性的シーンがあることで一部を修正してR15指定となっている大人の恋愛ドラマともいえます。

ノスタルジーな音楽と華やかなアメリカ社会。夜が中心のネオンが輝く人工的な光の映像にギレルモ・デル・トロ監督が子供時代に目にした記憶に残る大アマゾンの半魚人を主人公の恋人役とする大胆さ。しかも、半魚人がかつての映画をモデルにしながら、いうに言われぬ美しさを持っています。さらに東西冷戦の背景を舞台に社会の様々な問題を散りばめ、ミステリーとサスペンスを融合させながら見事なラブロマンスに昇華していました。

今回のシェイプ・オブ・ウォーターは、2015年の作品賞「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」に似た傾向にあると考えています。日本でも好調なヒットを続けている背景には、女性の支持が高いのではと感じます。一部では酷評するレビュアーもいますが、僕は昨年の「ムーンライト」や2014年の「それでも夜は明ける」と比べられば、一般的に受け入れやすい作品になっていると思います。

現在のアメリカを象徴するように、社会性の高い作品が支持される中で、芸術性の中に社会性を内包したシェイプ・オブ・ウォーターの受賞は、今後のアカデミー賞の分岐点となるのではと思います。


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