映画館で観れなかった作品をＤＶＤで観るシリーズ。今回は2017年のトム・フォード監督作品で「ノクターナル・アニマルズ」です。
ファッション界の帝王、トム・フォードが手掛けるミステリー作品ですが、2011年にコリン・ファース主演の「シングルマン」で監督デビューし、そのマルチな才能振りに感嘆した人も多いかと思います。
今回の作品は二作目となり2017年に公開されましたが、今回はミステリーの原作を基に暴力的な要素と彼ながらのファッショナブルでハイセンスな部分を対比させながら進むフィルム・ノワールの空気も漂う作品です。
主演はジェイク・ギレンホールとエイミー・アダムス。別れた元夫婦を巡る復讐愛です。アートギャラリーのオーナーのスーザンは、名声と富を手に入れたものの、事業がうまくいかず、浮気をしている夫との関係に悩んでいる。そこに突然、小説家の別れた夫から、小説の原稿が届きます。タイトルはノクターナル・アニマルズ/夜の獣たち。私小説しか書けなかった元夫が、再会のメッセ―と共に衝撃的な内容の小説を読んだ彼女は、元夫への思いが募ってくる。
成功を手にしながら、精神的に満たされない生活に苦しむス―ザン。エドワードの小説を内容が克明に描かれていきます。その内容は、ドライブ中の夫と妻の娘がトラブルに巻き込めれていくもので、ジェイクがエドワードと小説の夫、トニーの二役を演じています。
映画は、美しさと醜悪さ、新旧の観念、理性と野性など様々な事象が対比された形で組み込まれ、欠けることのないパズルのように作品全体に組み込まれていて魅力的な脚本です。また、シングルマンでも披露された彼なりの信条と美意識も垣間見れる内容でした。
ファッション界のみならず、映画界でもその才能を如何なく発揮する天才のトム・フォード。次回作は、劇場で観たいと思います。
