人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

小さな男女差別

2004-07-01 00:32:31 | Afia
男女差別というと大変なことに聞こえますが、とても小さな形で差別が行われている場合も多くあります。そして、これらの小さな差別はあまり気にされないため根強く、慣行になったりより大きな問題を起こしたりしかねません。日本における小さな男女差別を一つ見てみましょう。

「男性8,000円、女性7,000円。」

良く見ますよね、結婚2次会などでの会費の差です。背景の考えは、以下のようになっているのではないでしょうか。

理論A:男の人の方が良く食べ、良く飲む。
理論B:男の人の方がお金を持っている。

平均的に見ると間違ってはいないかも知れませんが、お酒を飲めない男性もいます。食事を済ませてから会場に来る人も。逆に、良く食べて良く飲む女性もいます。たとえば工事現場では、「男の人の方が腕力があり、足が速いからバイト料を高くする」などということは、いわゆる男女雇用機会均衡法に反し許されません。収入側で差別されず、消費側で差別される。これは男性に対する差別といいざるを得ないのではないでしょうか。

クラブなどで「女性と一緒でないと男性は入れない」というのもいかがでしょうか。店のイメージや長期的に見た顧客の囲い込みという観点から意味があるということはわかりますが、ここまでしなくてもいいのではないでしょうか。米法でいう、less restrictive alternative があるのではないでしょうか。

女性に対する差別は重要視され、男性に対する差別は問題とされないがためにアメリカではreverse discrimination (逆差別)という概念が問題となり、裁判で幾つもの判例が見られます。日本でこのような意識は充分であると言えるのでしょうか。

何より恐ろしいのが、上記のようなものが慣行となり、常識とすらなり、変わらなくなってしまうことなのです。

たとえば、収入の半分近くも税金で国に渡している人も多くいますが、税金という慣行がない国で突然「半分国に払ってね」と言われたら誰でも怒ります。しかし税金は世界中の発展国で常識となり、憲法に埋め込まれ、何百年も前からあたりまえのことになっています。この状況で「払わない」という人は少数派だと思います。

心理的な基準を次第に変化させるというのは目に見えないが故にとても危険なことです。男女差別に限らず、国としても細かいところまでに行き届く配慮が必要になってくることは、言うまでもありません。

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