人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

あなたの日給は?

2005-08-06 08:23:37 | ビジネス
あなたの日給はいくらでしょうか。年間250日働くとして、年給から0を3つ落として4で掛ければいいわけですね(税引前)。1000万円だったら、日給4万円ということです。そして、手取りで年間1000万円を稼ごうとしたら、日給5万円は必要でしょう。

黙っていても日給が入ってくるサラリーマンとは違い、ベンチャー企業のオーナー経営者は日々この日給計算を念頭に置く必要があります。しかも、税引前純利益ベースで毎日5万円でやっと自分に1000万円入るのです。一日休めば、挽回するために1日で10万円。(皮肉にも、サラリーマンの方が休みをとると逆に日給があがるんですよね。)もちろん電気代から賃借料まで、すべて引いた後でです。

ということでベンチャーは大変なのですが、サラリーマンの皆さんにもこのような計算を意識してほしいと思うのです。本当に自分は、今日会社に(自分の席のスペース分の賃借料など諸々を含めて)5万円の付加価値を与えたのか。できていなければ、会社にとって負債でしかありません。もちろんこの分の売上を上げよ、というわけではなく、管理部門等でも同じことが言えます。付加価値が大事なのです。

上記の話は、最低限の付加価値の話です。会社に税引前純利益ベースで5万円の付加価値を与えてやっと、あなたがいてもいなくても会社にとって同じということになります。むしろ、「なんなんだこの安日給は」と文句を言えるぐらい付加価値をつけてほしいですね。

最後に、営業をなさっている方は、1億の案件をとったら1億の付加価値を足しているわけではないことをご理解ください。当たり前です、あくまで(管理部門の給与等も含む)純利益ベースで考えなきゃいけないですし、会社はあなたなしでもその案件を取れたかもしれません。「俺が研究、開発、管理部門などをすべて賄ってるんだ」というのは検討違いですね。

ということで、会社に更なる付加価値を。日本経済を盛り上げましょう。そして、謙虚に行きましょう。それが日本人の長所のひとつなのだから。

3 コメント

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同感です (haru)
2005-08-06 20:11:55
全てに対して非常に納得です。

私の会社では、そういうことを考える人は非常に少ないです。

会社全体で考えても、当然のことながら銀行にはきちんと利払いをしていますが、お客様からは値段が高いと言われ、協力会社(仕入先)には値下げを迫り、社員の給料は下げ、株主資本コストを賄えるだけのキャッシュフローを生み出していない(経営をしていない=適切な資本と利益の配分がなされていない)会社なのです。

当然ながら、その社員も、そのようなことも意識せず(知らないのか?)に、組合と共に自分の権利を主張しています。

かなりの危機感を抱いている私ですが、大きな組織の中では無力で、長い間続いてきた「権益」を壊すことは本当に難しいなと思います。

一人ひとりが自らの「付加価値」を意識しさえすればいいだけなのですけどね・・。

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ご無沙汰です (たっく)
2005-08-07 18:23:54
ご無沙汰です、コメントどうもありがとうございます。



確かに、ずっと甘えてきた子供に「今までどおりお菓子は用意するけど、自分で食べないように努力しなさいね」ということみたいなものでしょうか。危機感がなければあまりインセンティブがないですよね・・・。残念なことです。



haruさんのように危機感を持って現状を打破すべく努力されている人は本当に貴重です。引き続き頑張ってください!
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危機感の欠如 (haru)
2005-08-08 02:43:39
危機感の欠如というのか、経営陣は必死で危機感を煽っているのですが、あまり気にかけられていないというところでしょうか。

結局、危機感を煽っている本人たちが、さほどの危機感を持って行動しているようには見えないのが一番タチの悪いところなのでしょう。



ぶら下がっている人たちはぶら下がれるうちはぶら下がっていてもいいですが、いざぶら下がれなくなったときに、いきなり「自己責任社会」になってしまう(文句を言っても後の祭り)ということに気付いてもらいたいものです。



国をみても、支えきれなくなった無駄遣いのツケは全て国民の負担になり、今後の無駄を削減するための改革も頓挫しそうになっています。そして、最後にツケが来るのはまた国民です。

ペイオフ解禁等もそうですが、どんどん資本主義の自己責任社会が到来しています。(そのための教育はなされることなく…です)



歴史は何度も繰り返します。全ては自分の責任です。今、面倒臭がって物事の真相を見ようとせずに、あとからアイツが悪いとかコイツが悪いとか、自らの責任逃れだけはしないようにしてもらいたいものですね。

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