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●辺野古破壊のために美ら海に土砂投入…その翌日も現地で抗議が続く中、アベ様はのんびりとゴルフを満喫

2018年12月17日 00時00分48秒 | Weblog

[※辺野古破壊の愚行を報じる朝日新聞2018年12月15日)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>約束まであと2カ月】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-849080.html)と、
【<社説>辺野古へ土砂投入 第4の「琉球処分」強行だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-849072.html)。

 《▼辺野古新基地建設を進める政府が錦の御旗として掲げるのは、仲井真弘多元知事による埋め立て承認だが、承認を得る際の事実上の前提条件だったのが、期限まであと2カ月に迫った「5年以内の運用停止」。承認を強調するなら、運用停止の約束を全力で実現させるのが筋というものだ》。
 《この光景は歴史に既視感を覚える。沖縄が経験してきた苦境である。…県民の諦めを誘い、辺野古埋め立ての是非を問う県民投票に影響を与えたり、予想される裁判を有利に運ぼうとしたりする狙いが透けて見える》。

   『●2018年12月14日、「美ら海」に土砂投入…
      辺野古を破壊して巨大な新基地が恒久的に沖縄を占領…
    「アサヒコムによると、翌日15日、《名護市辺野古沿岸部の埋め立てが
     始まったことについて質問が飛ぶと、首相は苦笑い》だそうだ(…)。
     呑気なもんだねぇ~。呆れる」
    「《米軍普天間飛行場の運用停止について日本政府が2019年2月までの
     実現を発表したことに対し、米側が「空想のような見通しだ」と
     反対していた》訳で、元々が「空想」。普天間は世界最悪の危険さで、
     返還されず、辺野古は破壊「損」…あまりにデタラメなアベ様ら。
     軟弱地盤の泥沼で、いつまでたっても辺野古破壊は止まず…。
     さらには、那覇空港をヨコセ!、とは一体どんな了見なのか! 
     「ホシュ」なんて名乗るな、山本太郎さんが言うように、
     《保守と名乗るな、『保身』だ》!」
    《だが、諦めるのはまだ早い。いや、というよりも、こうした諦めムードを
     つくり出すことこそが、今回の土砂投入における安倍政権の狙いなのである。
       きょう、朝から土砂投入の様子を海上から取材したジャーナリストの
     青木理氏も、こう話す。「…しかしその実態は、一部海域にわずかな土砂を
     入れただけ。むしろ土砂投入を進めるにも問題が山積している状態です。
     …『もう基地建設は止められないんだ』と諦めさせるための、
     たんなる三文芝居なんですよ


 《期限まであと2カ月に迫った「5年以内の運用停止」。承認を強調するなら、運用停止の約束を全力で実現させるのが筋というものだ》…なのに、アベ様ときたら。ゴルフなんてやっている場合か? せめて《米軍普天間飛行場の運用停止…2019年2月までの実現》してみせよ!

 絶対に止められる! 止めなければならない!! 青木理さん《諦めさせるための、たんなる三文芝居》と。《うちなーんちゅ、うしぇーてぃないびらんどー》。
 【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/土砂投入で諦めていられるほどこの島の現実は甘くない。】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/19678ffb1d2c3c666846264528b1c384)によると、《辺野古の新基地建設に関して、これまでも何度も節目はあったし、これからもあるだろう。そのたびにマスコミは騒ぎたてるが、節目と節目の間にはどれだけ関心を向けているか現場では毎日抗議が続けられている。節目は通過点であって終わりではない。傍観者や評論家にならずに自分の問題と考え、私はこれからどうするか、と問い続けることが大切なのだ…うちなんちゅーや、ヤマトゥに腐り政府んかい、うしぇーらってぃ、黙とーてぃやならんどー

   『●「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー
               (沖縄人を見くびってはいけない)」
   『●独裁国家・アベ様政権相手に「けんか」できる翁長雄志知事の叫び、
                               「うしぇーてぃないびらんどー」
   『●本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
      「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」
    「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー
     (沖縄人を見くびってはいけない)
     「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」……。
     そして、記事が言う《本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
     「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」》
     という言葉を信じたい」

   『●翁長雄志知事亡くなる…「折れない、言うことをきかない
           翁長知事に対し、安倍政権が陰湿ないじめ、報復」
    「翁長さんの《うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー》の叫びが
     忘れられない」

   『●民主主義を破壊し、倫理観の欠片もない醜悪な選挙戦術…
             記憶し、教訓を沖縄県知事選の次にもつなげたい
    《翁長雄志知事が2015年の県民大会で発した
     「うちなーんちゅ、うしぇーてぃないびらんどー!
     (県民をないがしろにするな)という力強い言葉が、いま、再び響く

   『●「空疎で虚飾に満ち」た弔辞を代読する最低の官房長官に怒声…
                     「翁長氏の遺志に応える唯一の道」とは?
    《▼男性の声に、翁長氏の言葉を思い出した。
     「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(沖縄の人をないがしろに
     してはいけない)」。2015年、辺野古新基地建設阻止を訴える
     県民大会での言葉は、多くの人の心に刻まれているのではないか》

   『●沖縄では、《「飴と鞭」で手なずけられる
      と高をくくったようなその態度こそ県民の気持ちを遠ざけた》
    《「うちなーんちゅ、うしぇーてぃないびらんどー沖縄県民を舐めるな
     見くびるな子や孫のために命がけでこの島を守りましょう
     今も聞こえる翁長知事の声が、沖縄県民の心をちゃんとつかんでいた》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-849080.html

<金口木舌>約束まであと2カ月
2018年12月15日 06:00
辺野古 運用停止 玉城デニー 金口木舌

 強者の歓心を買いたいのか、弱者をいじめたいのか。あるいは両方か。米軍普天間飛行場移設問題で、政府が辺野古沿岸部への土砂投入を開始した

▼名作「クリスマス・キャロル」では冷酷で頑迷な金貸し、スクルージが過去や未来の自分を見せられて改心する。沖縄の組踊「雪払い」では、娘をいじめていた継母が悔い改める

▼「善」が最後に輝く物語は古今東西を問わず感動を呼ぶが、民意を無視して工事を強行する政府を見ていると、現実を悲観したくなる。玉城デニー知事と協議のテーブルに着きながら着々と準備を進めてきたのは不誠実極まりない

▼「日米合意を守る」「普天間飛行場の危険性除去のため」と政府は繰り返す。米国との約束は必死に守ろうとするが沖縄側に実現に向けた努力を約束した普天間飛行場の5年以内の運用停止はどうか米側に遠慮して交渉すらしていない

▼辺野古新基地建設を進める政府が錦の御旗として掲げるのは、仲井真弘多元知事による埋め立て承認だが、承認を得る際の事実上の前提条件だったのが、期限まであと2カ月に迫った「5年以内の運用停止」。承認を強調するなら、運用停止の約束を全力で実現させるのが筋というものだ

▼安倍晋三首相が、武器を売り付けるトランプ米大統領への優しいまなざしの何分の1でも、沖縄に向けてくれればいいのだが。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-849072.html

<社説>辺野古へ土砂投入 第4の「琉球処分」強行だ
2018年12月15日 06:01

 この光景は歴史に既視感を覚える。沖縄が経験してきた苦境である。
 政府は、名護市辺野古沿岸に米海兵隊の新基地を造るため埋め立て土砂を投入した。昨年4月の護岸着工以来、工事を進める政府の姿勢は前のめりだ。9月の知事選で新基地に反対する玉城デニー知事誕生後わずか約1カ月後に工事を再開し、国と県の集中協議中も作業を進めた手続きの不備を県に指摘されても工事を強行し土砂を投入したのは、基地建設を早く既成事実化したいからだ
 県民の諦めを誘い、辺野古埋め立ての是非を問う県民投票に影響を与えたり、予想される裁判を有利に運ぼうとしたりする狙いが透けて見える
 辺野古の問題の源流は1995年の少女乱暴事件にさかのぼる。大規模な県民大会など事件への抗議のうねりが沖縄の負担軽減に向けて日米を突き動かし、米軍普天間飛行場の返還合意につながった。
 ところが返還は県内移設が条件であるため曲折をたどる。関係した歴代の知事は県内移設の是非に揺れ、容認の立場でも、使用期限や施設計画の内容などを巡り政府と対立する局面が何度もあった。
 5年前、県外移設を主張していた仲井真弘多前知事が一転、埋め立てを承認したことで県民の多くが反発。辺野古移設反対を掲げる翁長県政が誕生し玉城県政に引き継がれた。県内の国会議員や首長の選挙でも辺野古移設反対の民意が示されている。
 今年の宜野湾、名護の両市長選では辺野古新基地に反対する候補者が敗れたものの、勝った候補はいずれも移設の是非を明言せず、両市民の民意は必ずしも容認とは言えない。本紙世論調査でも毎回、7割前後が新基地建設反対の意思を示している。
 そもそも辺野古新基地には現行の普天間飛行場にはない軍港や弾薬庫が整備される。基地機能の強化であり、負担軽減に逆行する。これに反対だというのが沖縄の民意だ。
 その民意を無視した土砂投入は暴挙と言わざるを得ない。歴史的に見れば、軍隊で脅して琉球王国をつぶし、沖縄を「南の関門」と位置付けた1879年の琉球併合(「琉球処分」)とも重なる。日本から切り離し米国統治下に置いた1952年のサンフランシスコ講和条約発効、県民の意に反し広大な米軍基地が残ったままの日本復帰はそれぞれ第2、第3の「琉球処分」と呼ばれてきた。今回は、いわば第4の「琉球処分」の強行である。
 歴史から見えるのは、政府が沖縄の人々の意思を尊重せず、国益や国策の名の下で沖縄を国防の道具にする手法、いわゆる植民地主義だ。
 土砂が投入された12月14日は、4・28などと同様に「屈辱の日として県民の記憶に深く刻まれるに違いない。だが沖縄の人々は決して諦めないだろう。自己決定権という人間として当然の権利を侵害され続けているからだ。
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コメント
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●「空疎で虚飾に満ち」た弔辞を代読する最低の官房長官に怒声…「翁長氏の遺志に応える唯一の道」とは?

2018年10月12日 00時00分21秒 | Weblog


琉球新報の【<社説>首相の追悼の辞 空疎で虚飾に満ちている】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-816260.html)。
沖縄タイムスの赤嶺由紀子さんのコラム【[大弦小弦]隣に座った年配の男性は…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/327637)。
リテラの記事【翁長前知事県民葬に出席の菅官房長官に「嘘つき」の怒号殺到! 「2人でよく話した」と嘯く沖縄いじめ仕掛人の厚顔】(https://lite-ra.com/2018/10/post-4303.html)。

 《菅義偉官房長官翁長雄志前知事の県民葬に参列し、安倍晋三首相の追悼の辞を代読した。拍手はなく、怒号が飛んだ空疎で虚飾に満ちていたからだ》。
 《身じろぎもしなかった男性が急に大声を出したのは、菅義偉官房長官のあいさつのときだった ▼「うそつけ」。安倍晋三首相の追悼の辞の代読で、基地の負担軽減に結果を出すと述べた直後、吐き捨てるように言った ▼男性の声に、翁長氏の言葉を思い出した。「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー…」》。
 《「嘘つき!」「帰れ!」「いつまで沖縄に基地負担を押しつけるんだ!」「私たちの願いを聞いてください!」 参列者席から次々にあがる怒号──。》

 琉球新報のコラム【<金口木舌>翁長さんを送って】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-816261.html)によると、《▼翁長雄志さんを送る日にふさわしい天気と言えばよいだろうか。県民葬はさわやかな晴天に恵まれた。「はいさい」という明るい声とあの笑顔が浮かんでくる。それぞれの場で県民は前知事を悼み、沖縄の将来像を思い描いたであろう ▼知事選後、沖縄いじめの雨あられがネット上で広がった。辺野古新基地に絡んだ突風が吹くかもしれぬ。それをしのぐ知恵を島人の歩みに求めたい。きっとあるはずだ》。
 《うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー》。

 日刊ゲンダイの記事【菅氏に「帰れ」のヤジ 翁長前知事の沖縄県民葬で会場騒然】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239194)によると、《「うそつき」「さっさと帰れ」「聞いていますか」――。ヤジは30秒間にわたって続いた…「沖縄県民の気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興発展に全力を尽くす」と安倍首相のメッセージを代読した菅官房長官に対し、列席者から罵声が浴びせられ、会場が一時、騒然となる場面があった。県民が怒るのも無理はない…情けないのは県民葬を欠席した安倍首相だ。本気で「県民の気持ちに寄り添う」のであれば、出席して自分の言葉で話すべきだろう。県民の怒りに触れるのを恐れて“逃亡”するとは情けない限りだ…菅氏に怒声が飛んだことについて「魂の叫びではないか。知事がなぜ命を縮めたのか、沖縄の県民はよく分かっている。安倍総理は来るべきだった」》。
 最低の官房長官やアベ様はこれまで沖縄で何をしてきたか!

 最低の官房長官に浴びせられる怒声、当然だ。
 《空疎で虚飾に満ち》たアベ様の追悼の辞を代読する最低の官房長官に怒声…《翁長氏の遺志に応える唯一の道》とは何か? 《本当に翁長氏の思いを受け止めるのなら、新基地建設を直ちに中止し県内移設を伴わない普天間飛行場の全面返還を米側と交渉することだ》。

   『●「政治の堕落」: 上から目線で「力のある者が、
      自分の意を通すだけの政治なら、民主制など空虚な看板」
    「上から目線で、「粛々」と、「力のある者が、自分の意を通すだけの
     政治なら、民主制など空虚な看板だ」。アベ様らは「空虚な看板」を
     たくさんお持ちだ」

   『●沖縄差別は続く: 黙殺により、「『日本を取り戻す』の中に
                 沖縄は入っていない」ことをアベ様が表明
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
    《安倍晋三首相が遺影に向かって追悼の辞を読み上げ、
     席に戻ろうとした時、会場から訴えるような女性の声が響いた
     「基地を造ったら沖縄が戦場になる」 大田さんが生前、
     いつも気にしていたことだった》

   『●「竹やりで…」「特攻艇・震洋」「人間機雷・伏龍」…
         「最も戦争に接近した八月」に「愚かな戦争に学ぶ」
    「青木理さんの言葉(【サンデーモーニング】、2017年9月3日)に全く同感
     …「日本がどう向き合うか。先の大戦で、ドイツは敗戦して分断された。
     ところが、アジアでは解放された朝鮮が分断された。プラス、日本は戦後、
     朝鮮戦争を梃子にして経済発展の土台を築いた。
     基地は沖縄に押し付けたんですよ。つまり、今のこの米朝の対立も分断も、
     日本は歴史的な責任からは逃れられない。歴史を考えた時に、
     北朝鮮と単に対峙しているだけではなくて、どう向き合うかというのは、
     自ずから明らかになってくる。むしろ、朝鮮半島が平和になるために日本は
     努力をしなくてはいけない、ということは忘れてはいけない」」

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-816260.html

<社説>首相の追悼の辞 空疎で虚飾に満ちている
2018年10月10日 06:01

 菅義偉官房長官翁長雄志前知事の県民葬に参列し、安倍晋三首相の追悼の辞を代読した。拍手はなく、怒号が飛んだ空疎で虚飾に満ちていたからだ

 菅官房長官は4年前、知事に就任した翁長氏との面談を4カ月も拒み続けた。沖縄の民意を一顧だにせず、米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設を名護市辺野古で強行する中心人物だ。

 新基地建設に反対する翁長氏は2015年4月、知事として初めて菅氏と会談した際「官房長官は『粛々』という言葉を何回も使う。埋め立て工事に関し問答無用という姿勢が感じられる。沖縄の自治は神話だ』と言った最高権力者キャラウェイ高等弁務官の姿と重なる」と苦言を呈している。

 1961年、琉球政府立法院議員だった平良幸市氏(後の知事)は米国施政下の理不尽な状況を踏まえ、沖縄を訪問した国会議員団に対し「何のかんばせ(顔)あって沖縄県民に相まみえんや、というお気持ちから(議員団は)おいでになるまいという声もあった」と不満を示した。

 住民の意思に反して基地を押し付けられている沖縄の立場は今も大して変わらない。高等弁務官が首相や官房長官に代わっただけだ

 菅氏の参列に「何のかんばせあって」という印象を持った県民も少なくないだろう。今や官房長官は沖縄への圧政を象徴する存在と言っていい。政権の高圧的な姿勢が翁長氏の健康を害する一因になった可能性も否定できない。

 追悼の辞で首相は、沖縄の過重な基地負担について「現状は到底是認できない」とした上で、「政府としてもできることは全て行う。目に見える形で実現するという方針の下、基地負担の軽減に向けて一つ一つ確実に結果を出していく決意だ」と宣言した。

 「政府としてできることを全て行う」と言うのなら、なぜ、県知事選で明確になった新基地建設反対の民意を尊重しないのか

 追悼の辞では「沖縄県民の気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興、発展のために全力を尽くす」とも述べている。

 県は、仲井真弘多元知事による新基地建設予定地の埋め立て承認を8月31日に撤回した。これを受け安倍政権は法的対抗措置を取る構えを見せてきた。

 県民の大多数が反対する新基地を造ることが県民に寄り添うことなのか。読み上げた官房長官自身、矛盾を感じなかったのだろうか。

 首相は「翁長前知事の沖縄にかける思いをしっかり受け止めて沖縄の振興をさらに前に進めることを誓う」と言明している。

 本当に翁長氏の思いを受け止めるのなら、新基地建設を直ちに中止し県内移設を伴わない普天間飛行場の全面返還を米側と交渉することだ。それが翁長氏の遺志に応える唯一の道である。
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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/327637

[大弦小弦]隣に座った年配の男性は…
2018年10月10日 07:52

 隣に座った年配の男性は頬をつたう涙をぬぐいもせず、祭壇を見つめていた。9日に行われた翁長雄志前知事の県民葬。身じろぎもしなかった男性が急に大声を出したのは、菅義偉官房長官のあいさつのときだった

▼「うそつけ」。安倍晋三首相の追悼の辞の代読で、基地の負担軽減に結果を出すと述べた直後、吐き捨てるように言った

▼男性の声に、翁長氏の言葉を思い出した。「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(沖縄の人をないがしろにしてはいけない)」。2015年、辺野古新基地建設阻止を訴える県民大会での言葉は、多くの人の心に刻まれているのではないか

▼政府が繰り返す負担軽減の言葉とは裏腹に、米軍絡みの事件・事故は絶えない。過重な負担を背負い、新しい基地まで押し付けられる不条理や本土の無理解を端的に表している。言葉だけの負担軽減はもはや「うそ」でしかないのだ

▼翁長氏は、基地問題を沖縄の歴史からひもとき、県民の苦悩、怒りを国内外に訴えてきた。複雑な県民感情を「魂の飢餓感」とも表現し、国と対峙(たいじ)した

▼翁長氏が残した言葉をたどる「『言葉』展」がタイムスギャラリーで始まった。座右の銘は「人生は重荷を負うて 遠き道をゆくが如し」。直筆の色紙や数々の言葉に触れるとき、沖縄の未来を考えずにはいられない。(赤嶺由紀子
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https://lite-ra.com/2018/10/post-4303.html

翁長前知事県民葬に出席の菅官房長官に「嘘つき」の怒号殺到! 「2人でよく話した」と嘯く沖縄いじめ仕掛人の厚顔
2018.10.09

     (生前の翁長氏(沖縄県オフィシャルサイトより))

 「嘘つき!」「帰れ!」「いつまで沖縄に基地負担を押しつけるんだ!」「私たちの願いを聞いてください!」

 参列者席から次々にあがる怒号──。本日、沖縄県那覇市でおこなわれた翁長雄志・前沖縄県知事の県民葬が執り行われたが、午前中に終了した日本・メコン地域諸国首脳会議の出席を理由に欠席した安倍首相の代理として菅義偉官房長官が追悼の辞を代読し終わると、一斉に批判の声が起こったのだ

 あまりにも当然の話だろう。辺野古新基地建設に反対する県民の意志を代表する翁長前知事に対し、安倍政権は「対話」の道を閉ざし、一方で強権的な姿勢で基地反対運動に参加する市民たちを暴力で排除したり、繰り返される在沖米軍による事故や事件にも政府として何一つ向き合わず沖縄をいじめぬいてきた。そんな安倍政権に、翁長前知事はまさに命を削って抵抗してきたのだから。

 しかも、菅官房長官といえば、先日おこなわれた沖縄県知事選において佐喜真淳候補の陣営を主導し、潤沢な選挙資金と組織力にものを言わせたすさまじい物量作戦を展開しただけでなく、街頭演説で「携帯電話料金の4割削減」などというデタラメな公約を打ち出し、騙りの選挙戦を繰り広げたばかりだ。

 まったく県民を馬鹿にするにもほどがある。携帯電話利用料の引き下げについて、総務省は県知事にも国にも権限はないと明言しており、選挙公約になど掲げられるものではけっしてない。実際、玉城デニー氏が当選を果たすや否や、菅官房長官は沖縄県に限らず全国的な課題と平然と述べた。ようするに、官房長官という立場を利用し、あたかも実現可能であるかのように語って、県民を騙そうとしたのである。

 そればかりか、玉城氏を誹謗中傷する大量のデマを喧伝した佐喜真陣営の戦略にも、菅官房長官が間接的にかかわっていた可能性さえある。

 というのも、県知事選では、佐喜真氏の選対に“沖縄ヘイト”を垂れ流してきたジャーナリスト・T氏が加わっているのではないかという疑惑が浮上。過去記事に詳しいが(https://lite-ra.com/2018/09/post-4241.html)、T氏は「週刊文春」(文藝春秋)や「週刊新潮」(新潮社)などで翁長バッシングや反基地運動への偏見を植え付けるような記事を手がけてきたとされる人物なのだが、昨年3月、T氏が本名で出した沖縄をテーマにした本の帯には、菅官房長官のコメント(本文より)が写真入りで掲載されているのである。

 選挙を通じて県民を騙し、分断を図ろうとしてきた菅官房長官。そして、なによりも、沖縄にだけ負担を押し付ける政府を批判、抵抗してきた翁長前知事の声を無視しつづけたのも、菅官房長官だ

 2014年12月に知事に就任し、就任挨拶のため上京し永田町を回るも政権幹部は翁長知事と会おうとせず、菅官房長官は会見で「年内は会うつもりはない」と拒絶。翁長知事が再三求めてきた面談がおこなわれたのは、就任から約4カ月も経った2015年4月のことだった。

 にもかかわらず、菅官房長官は翁長知事の訃報に際して2人になると沖縄の発展について話し合いをよくしたなどと発言したのである。

 まったくどの口が言うか、と言わずにはいられないが、そもそも菅官房長官に沖縄を理解しようという姿勢はまったくない

 象徴的だったのが、2015年9月に沖縄県と政府の集中協議が決裂した際の、菅官房長官の発言だ。翁長前知事は、講演でこのように語っている。

   〈菅義偉官房長官は4月に最初に話してから沖縄の歴史を含め
    私が一番思いを話した方だが、集中協議の最後に私の話は
    通じませんかと聞いたら、「私は戦後生まれなので沖縄の歴史は
    なかなか分からないが、19年前の日米合同会議の
    辺野古が唯一というのが私の全てです」という話だった〉


■菅官房長官が翁長知事と沖縄県民に言い放った冷酷な言葉の数々

 沖縄の問題をぶつけても、「戦後生まれだから沖縄の歴史はわからない」で議論をシャットアウトする。これが政治家、しかも官房長官の態度なのかと憤りを覚えるが、この集中審議後の会見で菅官房長官は、翁長知事の「戦後の強制接収が普天間問題の原点」という主張に対し、こんなことを言い放っている。

   「賛同できない。戦後は日本全国、悲惨ななかでみなさんが
    大変ご苦労されて今日の豊かで平和で自由な国を築き上げてきた」

 みんな苦労したのだから、沖縄だけ文句を言うな──。少しでも沖縄の歴史を知っていれば、とてもじゃないが口にできるはずがない言葉だ。しかし、菅官房長官は「戦後生まれだから」という理由で沖縄を知ろうしない。こんな人物が、どうして「辺野古は唯一の解決策」と言えるのだろうか。

 翁長知事は「戦後生まれだから沖縄の歴史はわからない」と菅官房長官に言われたあと、「お互い70年間も別々に生きてきたような感じがしますね」と話したという。翁長知事は、自分を無視しつづける菅官房長官に対し、こう話したこともあった。

   「沖縄は27年間、日本の独立とひきかえに米国の軍政下に差し出されて、
    その間、日本は高度経済成長を謳歌しました。官房長官と私は同じ
    法政大学ですが、私は22歳まで、パスポートを持って、ドルで送金を
    受けていました」
    (2015年4月5日におこなわれた菅官房長官との会談時の冒頭発言要旨)

 菅官房長官は法政大法学部を1973年に、翁長知事は同学部を1975年に卒業している。前日4日に両氏が出席した西普天間住宅地区の返還式で「お互い法政ですね」とひと言交わされていたというが、きっと菅官房長官は、同じ環境で学んでいた同窓生のそうした境遇に思いを馳せたことはないのだろう。無論、「これ以上、基地はいらない」と声を上げる県民の思いにも。


■菅官房長官が「辺野古実現すれば海兵隊がグアム移転」とまたデマ吹聴

 実際、菅官房長官は翁長氏が亡くなり、玉城新知事が就任してからも、テレビ番組で堂々と嘘をついて「辺野古ありき」を主張した。

 それは7日の『日曜討論』(NHK)でのこと。菅官房長官は辺野古「移設」が実現すれば「(沖縄の米海兵隊員)9000人がグアムをはじめ海外に出ていくことになっている」と発言したのである。

 だが、これはまったくの嘘だ。たしかに2006年の在日米軍再編計画では辺野古への「移設」と在沖海兵隊のグアム移転がリンクしていたが、2012年4月の日米合意では、辺野古「移設」とグアム移転は切り離して進めることになった辺野古に新基地が建設されることと9000人の削減はまったく関係ないのである。この嘘は何度も指摘されてきたが、菅官房長官は平気な顔をして、相も変わらずデマを吹聴しつづけているのである。

 翁長前知事は、前述した2015年4月におこなわれた会談において、「粛々」という言葉を繰り返し使う菅官房長官について対し、こう語った。

   「米軍の軍政下でキャラウェイ高等弁務官が『沖縄の自治は神話だ』
    と言いました。官房長官から『粛々』という言葉が何度も出てくると、
    キャラウェイ高等弁務官の姿と重なるような感じがします」

 菅官房長官の態度は沖縄の自治は神話だと言わんばかりの圧政ではないか。──この翁長前知事の言葉は、県民の思いとも重なるだろう。だが、「嘘つき!」「帰れ!」という罵声とともに響いた「私たちの願いを聞いてください!」という声も、菅官房長官は馬耳東風と聞き流したに違いない

(編集部)
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●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖

2018年07月27日 00時00分39秒 | Weblog

[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代共同監督) (LOFT)↑]



琉球新報の長嶺真輝記者による記事【【普天間第二小ルポ・動画付き】米軍機飛行 逃げる児童 1回の授業 3回中断も】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-736596.html)と、
コラム【<金口木舌>日本を代表する写真家だった土門拳…】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-737389.html)。
日刊ゲンダイのコラム【高野孟 永田町の裏を読む/「沖縄スパイ戦史」が伝える軍隊の狂気性への危機感】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/231085)。

 《避難の様子は、73年前の戦時下における空襲警報を想起させる…午前11時40分に始まった4校時目。3年生の児童約30人が体育の授業で準備体操を始めた時だった。「逃げてください」。校庭の隅から駆け寄ってきた沖縄防衛局の監視員が拡声器でそう叫ぶと、児童が一斉に校舎へ走り出した。「あー」といら立つ子、飽き飽きした様子でゆっくり歩く子もいる》。
 《▼58年に刊行された土門の写真集「ヒロシマ」に収められたそれらの写真は、今見ても痛々しい。思わず目を背けたくなるが、「広島の現実を見よ」という土門の声が聞こえてくるようで、くぎ付けになってしまう ▼宮森小ジェット機墜落事故で負傷した子供たちの写真が7日付本紙に載った。事故から約1年後の撮影である。ただれた皮膚、深い傷が残る頭部の写真に接し、土門が撮った広島を思い出した…「宮森の現実を見よ」》。
 《「標的の村」などの作品で知られる三上智恵と、琉球朝日放送の記者からフリーに転じた大矢英代とが共同監督で、諜報・謀略プロの養成機関「陸軍中野学校」卒のエリート将校42人が、敗戦間際の沖縄に潜入して行った「秘密戦」の真相に迫ったドキュメンタリー…改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ狂気性》。

   『●『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い』?
        普天間で起きている、辺野古で起きようとしていること
    《▼新年度、普天間第二小既に146回の避難が行われた
     米軍ヘリ窓落下事故以降、学校方面に米軍機の離陸が確認される
     と運動場から児童が避難する元気な声が響き渡るはずの場所で
     ごう音が響く…「飛ばないでという一言がなぜ出ないのだろう
     「…銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重いと聞こえる」》。

 《銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い》…でいいのか?
 《「飛ばないで」という一言がなぜ出ないのだろう》? 《このままでは惨劇が繰り返される》…本当にこれでいいのか。日米共犯で、在日米軍特権を支えている。
 日刊ゲンダイの記事【米軍機窓落下から半年…子供たちはヘリが飛ぶたび授業中断】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/231154)によると、《運動場の使用は再開されているが、子どもたちは毎日毎日、避難に追われて授業にならない状況が続いている…運動場使用を再開した2月13日から6月8日までの間の避難回数は何と527回1日あたり5~6回も避難していることになる。1日で23回も避難したこともあった。45分の授業時間で2~3回避難することはザラ。プールの授業中でも水から上がり、ひさしの下に逃げるという…平穏な小学校生活は取り戻せないのか――伊波洋一参院議員(沖縄県選出)が言う。 「2004年の沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事故を受けて、07年に飛行ルートについての日米合意がされました。合意では、離陸も着陸も普天間二小からはかなり離れたルートになっています。米軍が合意を遵守すれば、本来、小学校での避難は必要ないはずです。例えば、着陸は小学校よりもっと前で旋回することになっているのに、直前の旋回が今でも続いています。安倍政権が、合意を守らない米軍に対して、しっかり守らせれば済むことなのです」 どうして、安倍政権は米軍にルートを守らせないのか。》

   『●アベ様は「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、
         基地負担の軽減に全力を尽くす」…って、はぁ?

 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代 共同監督)に出てくる《護郷隊と呼ばれる少年兵たちで組織された部隊》…それは、沖縄の人々にとっての《記憶の澱》かも知れない。高野さん曰く、《改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ狂気性である。エリートであるはずの将校が、何の成算もないこんな幼稚な作戦を思いついて、少年たちの命を平気で奪っていく。しかもそれは昔話ではない。今また自衛隊が南西諸島に次々に基地をつくって進出しつつある中で、その狂気性が再び蘇ってくるかもしれない。その危機感が2人の監督を突き動かしているのである》。

   『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
           「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」
   『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
       「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」


 沖縄では、いまも《不条理の連鎖》は続く。
 琉球新報の記事【奪われた幼い命 ―宮森小 米軍ジェット機墜落事故―】(https://ryukyushimpo.jp/special/miyamori630.html)によると、《1959年6月30日、うるま市(旧石川市)の宮森小学校に米軍ジェット機が墜落した。児童12人を含む18人が死亡、210人が重軽傷を負った。沖縄の戦後最大の米軍機事故だ…沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校。学校上空付近を米軍機が通過するたびに校庭にいる児童らが避難する―という生活が続いている》。
 同様に、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]給食の時間に突然米軍機が落ちてきて、どんなに怖かっただろう…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/276950)によると、《毎年6月30日前後、1959年に起きた宮森小学校と近隣住宅地への墜落に関する記事を読むたびに胸が痛む…全容解明は不条理な死を遂げた18人への弔いだ。そして危険な空の解消こそ最大の供養になる。毎日が「6・30」の状況は終わらせなければならぬ。(磯野直)》。

   『●横浜米軍機墜落事件: 「米軍が現場を占拠し、
       警察は蚊帳の外。被害者のための救急車は一番最後に…」

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https://ryukyushimpo.jp/news/entry-736596.html





【普天間第二小ルポ・動画付き】米軍機飛行 逃げる児童 1回の授業 3回中断も
2018年6月13日 05:00
米軍窓落下 米軍 米軍普天間飛行場 普天間第二小学校 空襲警報 CH53E1

 米軍機が上空に近づくたび、校庭にいる児童が走って校舎に逃げ込む。半年前、隣接する米軍普天間飛行場の所属機から重さ約7・7キロの窓が校庭に落下した宜野湾市の普天間第二小学校。避難の様子は、73年前の戦時下における空襲警報を想起させる。8日、避難の現状や児童の思いを取材した。

 「グォー」「バララララ」。午前9時、学校に着くと、米軍機の旋回音やエンジン調整音が児童のいない校庭に絶え間なく響いている。校舎に反射しているせいか、音がやけに近い。普天間第二小の日常だ

     (米軍機の接近で、避難を指示する沖縄防衛局の監視員(中央)。
      児童たちは体育の授業を中断して校舎へ逃げ込んだ=
      8日午後0時19分ごろ、宜野湾市の普天間第二小)

 午前11時40分に始まった4校時目。3年生の児童約30人が体育の授業で準備体操を始めた時だった。「逃げてください」。校庭の隅から駆け寄ってきた沖縄防衛局の監視員が拡声器でそう叫ぶと、児童が一斉に校舎へ走り出した。「あー」といら立つ子、飽き飽きした様子でゆっくり歩く子もいる。

 その直後、半年前に窓を落としたヘリと同型のCH53E1機が、騒音をまき散らしながら校庭の上空をかすめた。機体の腹がくっきり見えるほど近く、見上げる場所によっては真上にも見える。

 3分後、児童が戻ってきた。「体操体形を取ってください」。女性教諭が声を張り上げるが、児童は隣の子とおしゃべりしたり、砂いじりを始めたりして、なかなか動かない。45分間の授業中、同じ光景がさらに2回続き、その度に児童の集中が切れた。「1回の授業に3回も中断があったら授業が成り立たない」。以前、避難について語った桃原修校長の言葉が頭をよぎる。現実を前に、その言葉の意味がはっきりと分かった。

 放課後、普天間第二小の児童が集う「そいそいハウス」を訪ねた。学校から徒歩3分。子どもの居場所づくりを目的に、市民有志が2年前から運営する。

 室内に入ると、6年生の女児2人がキッチンでスマートフォン動画を見て楽しんでいた。避難について聞くと、1人がスマホを見ながら「必要ない。どうせ(米軍機は)飛ぶじゃん」と、投げやり気味な言葉が返ってきた。それでも日々の騒音に嫌な気持ちがある。「毎日うるさい。今朝の委員会の時も耳をふさぐくらいだった」

 「(米軍機が)上でバーッて飛ぶ時は『落ちてくるかも』と思う」と話したのは5年生の男児。事故後、米軍機の飛行を気にすることが増えた。ただ米軍の訓練については「どうせ変わらないし…」と答えに困った様子で、手にする漫画雑誌に視線を戻した。怖さ、嫌な気持ち。その感情を抱いているが、頭上を頻繁に飛ぶ米軍機や激しい騒音に囲まれて育った2人には、どこか諦め感が漂う

 「だんだん事故の恐怖は薄らいでいく。子どもたちは日々、学校生活を送るため、慣れざるを得ない」。そう推し量るのは、そいそいハウスの森雅寛事務局長(42)だ。子どもの命や学習環境を取り巻く現状に、不安は強い。「事故に対して周囲の大人の反応があまりに鈍い。米軍の危険性に対して、もっと声を上げないといけない」。硬い表情で、語気を強めた。

 8日、県と市が実施する航空機騒音測定調査では、学校から約200メートルの普天間中学校(新城局)で27回の騒音を記録した。最大値は午前8時6分の101・2デシベル。「電車が通る時のガード下」に匹敵するうるささだった。

(長嶺真輝)
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-737389.html

<金口木舌>日本を代表する写真家だった土門拳・・・
2018年6月13日 06:00
宮森小ジェット機墜落事故 F15墜落 被爆者 原爆 土門拳 金口木舌

 日本を代表する写真家だった土門拳に広島の原爆被害を取材した作品がある。初めて広島を訪れたのは1957年の夏であった。原爆投下から12年の日を迎えようとしていた

▼被爆者の苦しみは続いていた。土門は体内被爆が原因とみられる白血病で死の淵にあった少年を撮った。広島原爆病院を訪れ、入院患者のケロイドの皮膚を撮った。手術の場面も撮っている

▼58年に刊行された土門の写真集「ヒロシマ」に収められたそれらの写真は、今見ても痛々しい。思わず目を背けたくなるが、「広島の現実を見よ」という土門の声が聞こえてくるようで、くぎ付けになってしまう

宮森小ジェット機墜落事故で負傷した子供たちの写真が7日付本紙に載った。事故から約1年後の撮影である。ただれた皮膚、深い傷が残る頭部の写真に接し、土門が撮った広島を思い出した

違和感はある写真を撮ったのは、児童を傷つけ、命まで奪った米軍である。遺族や負傷者の補償に意を尽くすべきではなかったか。そう思いながら写真が発する声に耳を傾ける。「宮森の現実を見よ

被爆者の苦悩が続いているように宮森の苦悩は続いている。嘉手納基地所属のF15戦闘機が落ちた。遺族や被害者の心の傷が痛みだしているのではないか。校舎や校庭を焼き尽くした事故からもうすぐ59年。このままでは惨劇が繰り返される
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/231085

高野孟 ジャーナリスト
永田町の裏を読む
「沖縄スパイ戦史」が伝える軍隊の狂気性への危機感
2018年6月14日

     (映画「沖縄スパイ戦史」公式ホームページ)

 7月に公開予定の映像作品「沖縄スパイ戦史」の試写を見た。「標的の村」などの作品で知られる三上智恵と、琉球朝日放送の記者からフリーに転じた大矢英代とが共同監督で、諜報・謀略プロの養成機関「陸軍中野学校」卒のエリート将校42人が、敗戦間際の沖縄に潜入して行った「秘密戦」の真相に迫ったドキュメンタリーである。

 とりわけ印象的だったのは、村ごとに14~17歳の男子を集めて組織した少年ゲリラ部隊護郷隊のことである。沖縄戦では、県立中学や師範学校など12校でやはり14~17歳の男子合計1780人が学校単位で鉄血勤皇隊に組織され、正規の部隊に編入されて戦い、約半数が戦死したことが知られている。

 ところが、この「護郷隊」は、県立中学など以外の男子約1000人を召集して、日本軍が敗北した後もなお北部の山岳地帯に立てこもってゲリラ的な抵抗と攪乱を継続させることを想定して仕立て上げられた秘密部隊で、その実態はこれまであまり知られていなかった。2人の女性監督が粘り強い取材でその生存者を捜し出しては証言を収録したことで、その隠された歴史の一端が明らかになってきたのである。

 2隊に分けられ、多野岳と恩納岳の山中に潜伏した少年たちは、夜陰に乗じて米軍の食料庫や弾薬庫を襲ったり、特殊な爆弾を使って戦車に特攻を仕掛けたり、あるいは、地元の少年のふりをしてわざと米兵に捕まって収容所内に爆薬を仕掛けたりした。全く勝ち目のない戦いに駆り立てられて精神に異常を来す者も出たが、そうなると、けがや病気で移動の足手まといになる者、米軍に通じるスパイではないかと疑われた者などと共に、容赦なく射殺された。ようやく生き残っても、戦争の話をしては暴れるという発作を繰り返す激しいPTSDに陥り、近所から「兵隊幽霊」と呼ばれ、困った家族によって何十年も座敷牢に閉じ込められて余生を過ごしたという悲惨な例もあった。

 改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ狂気性である。エリートであるはずの将校が、何の成算もないこんな幼稚な作戦を思いついて、少年たちの命を平気で奪っていく。しかもそれは昔話ではない。今また自衛隊が南西諸島に次々に基地をつくって進出しつつある中で、その狂気性が再び蘇ってくるかもしれない。その危機感が2人の監督を突き動かしているのである。
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●普天間所属オスプレイ24機中の2機が墜落! 「日本政府が当事者能力を持って」いない…「日米共犯」

2017年08月17日 00時00分57秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



琉球新報の【<社説>オスプレイ豪沖墜落 沖縄での飛行許されない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-550227.html)。

 《米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイがオーストラリア東部の洋上に墜落した。普天間所属のオスプレイが墜落したのは昨年12月の名護市安部沖に続いて2度目だ》。

 普天間所属24機中の2機が墜落! 他の航空機等のリスクと比較して如何なものなんでしょうか? 今回は、「不時着水」でなく「墜落」らしいです。

   『●言論の府として死んでいる国会議事堂や、 
     責任者である首相官邸の上空で「空飛ぶ棺桶」の訓練したらどう?
    「「空飛ぶ棺桶」《ウイドーメーカー》…そんなに安全なら、
     「言論の府」として死んでいる国会議事堂や、
     「責任者」である首相官邸の上空で訓練したらどう?
      《着水》は無理でしょうが、《不時着》するので大丈夫。決して、
     《墜落》などしません。「美しい国」の「言葉の偽装」」

   『●「オスプレイ墜落事故が「看板」の偽りを証明」…
              最「低」裁裁判長に感想を聞いてみたい!
   『●アベ様の頭上は、なぜ「空飛ぶ棺桶」
      「ウイドーメーカー」の飛行ルートに入っていないのか?


 東京新聞の記事【事故から2日 オスプレイ飛行継続 普天間 翁長氏、墜落を批判】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201708/CK2017080702000232.html)によると、《翁長雄志知事は七日、県庁で記者団に「(事故は)起こるべくして起きた。とんでもない飛行機で、原因究明も全く当てにならない」と強く批判した。その上で「日本政府が当事者能力を持って(米側に)何も言えないというのが、今のような状況につながっている」と述べ、政府への不信感を示した》…そうだ。
 東京新聞の記事【オスプレイ墜落「最重大」 豪沖事故で米軍】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017080801001127.html)によると、《事故の深刻度を示す4分類のうち最も重大な「クラスA」に当たると公表…米国防総省のデービス報道部長は7日「米軍は安全を最も重視している」とし、日本側の懸念を解消するために日本政府と密接に協議していると述べた。オスプレイは「日本防衛や地域の安定にとって必要な装備だ」として、運用継続への理解も求めた》…そうだ。
 コンナ深刻な問題だというのに…《日本政府が当事者能力を持って》いない…「本土」に危機感はない。そんなに静穏で、安全・安心ならば、首相官邸や国会議事堂の上で「訓練」をすればよい。

 沖縄タイムスの記事【オスプレイ、沖縄深夜まで 県抗議に米軍「世界中で飛んでいる」】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/125587)によると、《在沖縄米軍トップのニコルソン四軍調整官は…「オスプレイは沖縄に限らず世界中で飛んでいる。軍の方針だ」と述べ、飛行停止を否定》したそうです。
 番犬様の、この酷い物言い。《世界中》にはトランプ氏の頭上も含まれるのか?

 沖縄タイムスの記事【オスプレイ「米軍やりたい放題」 協定違反となる夜10時以降も飛行 沖縄】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/125594)によると、《8日午後6時45分ごろ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)でオスプレイ2機が離陸し、日米の騒音防止協定で訓練が規制されている午後10時45分ごろ、相次いで着陸した。政府や県の自粛要請を聞き入れず、7日に続いて2日連続の訓練強行となった》。
 日刊ゲンダイの記事【飛行自粛要請を無視…米軍が計画するオスプレイ東京配備】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/211055)によると、《シュローティ在日米軍副司令官は、「運用上必要だと判断した」と日本の要求を歯牙にもかけていないのだからフザケている…オスプレイは米軍機の中でも飛び抜けて事故が多い米国では1992年から15年までにパイロットや兵士ら41人がオスプレイの事故で死亡。これまで普天間基地に配備された24機のうち、すでに2機が墜落事故で失われた。事故率はこの5年で1.8倍に増加している。恐ろしいのは、オスプレイが東京上空を飛び回る日が近づいていることだ。東京・横田基地に配備されるのは時間の問題だという…オスプレイの運用に関し、「市街地上空をヘリモードで飛ばない」などと日米政府の間で取り決めた12年の“日米合意”が存在するが、ほとんど意味がないという。普天間基地のピーター・リー司令官は“日米合意は順守する必要はない”との認識を示している》…そうだ。
 普天間や横田基地でなく、アベ様の頭上でしょ、飛ぶべき場所は?

 琉球新報の【<社説>オスプレイ飛行再開 「日米共犯」看過できない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-552156.html)によると、《県民の安全を一顧だにしない米軍は許し難い。墜落事故直後に同型機の飛行再開を後押しする日本政府は、さらに許せない》。
 米政府や番犬様の問題と云うよりも、番犬様にシッポを振るニッポン政府の問題でもある。

 最後に、東京新聞の記事【オスプレイ「沖縄の危険増す」 米軍ヘリ、大学墜落から13年】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017081402000108.html)いよると、《沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場に隣接する沖縄国際大に二〇〇四年、米軍ヘリコプターが墜落した事故から、十三日で十三年となった。大学主催の集会で前津栄健学長は、普天間所属の新型輸送機オスプレイの事故が続いていることについて「県内上空を飛行し、危険性は増大するばかりだ」と批判、日米両政府に飛行場の即時閉鎖や撤去を求めた》。
 「沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件」でも《沖縄は放ったらかし》。

   『●消された放射能汚染: 米軍ヘリ墜落ストロンチウム消失事件
   『●普天間「番犬様」基地: 「毎日頭上を飛ぶヘリの機体に
            ストロンチウム」…墜落により放射性物質が飛散
   『●「沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件」でも
        「沖縄は放ったらかし」……アベ様らは、今も、沖縄差別継続中

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-550227.html

<社説>オスプレイ豪沖墜落 沖縄での飛行許されない
2017年8月7日 06:01

 米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイがオーストラリア東部の洋上に墜落した。普天間所属のオスプレイが墜落したのは昨年12月の名護市安部沖に続いて2度目だ。

 名護市の墜落時には別のオスプレイが普天間飛行場で胴体着陸し、今年6月には伊江島と奄美大島で不具合が生じて緊急着陸している。これを欠陥機と言わずして何と言おう危険極まりない機体が沖縄に配備され、沖縄の上空を日常的に飛んでいる。この状態を放置することなどできない。

 今回の事故でローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官は県側に「豪州の洋上でオスプレイがクラッシュ(墜落)した」と伝えている。ところが在沖海兵隊は「ミスハップ(事故)」と発表している。名護市の墜落事故の時も海兵隊は「浅瀬に着水した」と発表し、防衛省も広報文で「不時着水」との表現を使った。今回も意図的に「墜落」という言葉を避け、事故を矮小化(わいしょうか)している。

 防衛省は事故を受け、米軍に対して日本国内でのオスプレイの飛行自粛を求めた。当然の対応だ。しかし米軍からの回答はないという。事故を起こした当事者にもかかわらず、返答をしないとは極めて不誠実だ。

 名護市の墜落事故の時も米軍は「機体の安全性には問題がない」として、事故から6日後に飛行を再開した。ところが米側はこの事故の調査報告書をいまだに日本側に提供していない

 事故調査報告書は日米合同委員会で、日本が米国に「公表可能な報告書の写しの提供を要請し、6カ月以内に提供されることになっている。名護市の事故でも日本政府は6日後に報告書の写しの提供を要請している。6月19日が期限だったが、米側は日本側に提供せず、提供できない理由などの通知もしていない。

 6カ月以内に提供できない場合、米側は調査終了見込み日を日本側に通知することになっている。その日米合意もほごにしたまま、現時点でも提供されていない。そして今回、墜落事故が起きた。米軍のやりたい放題ではないか。

 調査報告書の遅れは「機体に問題はない」とするこれまでの見解に、疑問符がついているからではないか。2010年のオスプレイ墜落事故の際に「機体に問題があった」と結論付けた調査報告書に対して、空軍上層部が「人為的ミス」と改ざんするよう圧力を掛けていたことがあるため、そう疑わざるを得ない。

 政府関係者は今回の事故の墜落場所について「沖縄でなくて良かった」と安堵(あんど)したという。沖縄で墜落してもおかしくないと思っていたからだろう

 オスプレイが沖縄上空を飛ぶことは許されない。日本政府は飛行自粛ではなく米軍に普天間駐留の24機全てを撤退させるよう求めるべきだ
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●「辺野古が唯一の解決策」という呪文を唱えることしか能の無いアベ様ら…消えた「辺野古」の「へ」の字?

2017年02月23日 00時00分32秒 | Weblog


日刊ゲンダイの記事【安倍政権が米国誘導 日米共同声明「辺野古が唯一」の実態】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/199446)。

 《ただ、大メディアの報道を見ると、米国がさも「辺野古」を望んでいるかのように思うが、実態は怪しい》。

   『普天間移転「空想のような見通し」の結論
       《いい正月になる》仲井真弘多氏もアベ様らも猿芝居をしていた


 《辺野古への移設が唯一の解決策》という呪文しか唱えない、アベ様や最低の官房長官沖縄負担軽減担当相のスガ殿。で、その結果、現場では何が起きているか? 高江での無惨な「穴」(しかも、手抜きな突貫工事)に続き、美しき海に大量のコンクリートブロックを不法投棄し、辺野古破壊を再開。選挙でいくら沖縄の人々が辺野古破壊反対の判断しても、最「低」裁を頂点とした司法は「政治判断」を繰り返すばかり。
 普天間の運用停止について、「アベ様らは《まともに対米交渉をしたこともな、《政府自らの責任を棚に上げ》し、《実現できないのは辺野古新基地建設に反対している知事のせいだと責任を転嫁》しているのです」。さて、米国側は《▽マティス 普天間の移設先の施設を整備する努力を続けることに合意いたしました。これは現在の海兵隊の普天間飛行場をアメリカが日本に返還する唯一の解決策であります》とあり、そこには、辺野古の「へ」の字もない。《安倍政権のままでは沖縄県民は永遠に報われない》、日刊ゲンダイの記事の言う通り。

 一方、それにしても以下はあまりに酷い。
 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/こういう連中のために新たな基地を造ってやるのか。】(http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/4bc5f3d6a45d81bd287b2097dd12b492)には、《昨年4月に名護市出身の女性を殺害した元海兵隊員の米軍属が、被害者の女性に責任転嫁する見解を示している。15日は朝っぱらから怒りと不快感を駆り立てる記事を目にして辺野古に向かった》…とある。

 琉球新報の【米軍属暴行殺人 「彼女が悪かった」被告、弁護士に話す】(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-444823.html)によると、《米軍属女性暴行殺人事件で殺人や強姦(ごうかん)致死などの罪で起訴されている元米海兵隊員の…被告(33)が犯行について「(事件が起きたあの場所に)あの時居合わせた彼女(被害女性)が悪かった」との認識を示していることが14日、分かった。13日付の米軍準機関紙「星条旗」が被告の弁護人を務める高江洲歳満弁護士を通じて同被告の見解を報じた。被害女性への責任転嫁とも受け止められる認識に、女性団体などは反発を強めている》…そうだ。

   『●「どうぞ米軍は撤退してください」:散々「思いやら」されて、
                   そしてまたしても「肝苦(ちむぐり)さ」…
   『●「落とした魂(マブイ)」を探しに、なんて悲し過ぎる…
             「選択肢は一つしかない。沖縄から去ることだ」
   『●遺族の願いとはほど遠い現実…
     「沖縄に米軍基地があるゆえに起こる。一日でも早い基地の撤去を…」

 稲嶺進さんは「我々は、また命を救う“風かたか”になれなかった」と仰ったそうです…しかし、これでは、《風かたか》になりようもない。普天間に巣食う番犬様には、本国にお引き取り頂く、それが「唯一の解決策」。

   『●映画タイトルは、稲嶺進さんが「我々は、
      また命を救う《風かたか》になれなかった」という嘆きの言葉」から
    《三上智恵監督の新作映画『標的の島 風かたか』の試写に行ってきました。
     前作の『戦場ぬ止み』から2年近く。その2年の沖縄の状況が、
     あますことなく描かれた映画》。
    「《稲嶺進・名護市長が口にした「我々は、また命を救う風かたか
     なれなかったという嘆きの言葉から》映画のタイトルは採られたそうだ。
     《沖縄のことばで「風よけ」のこと》だそうです。
      番犬様には何も言えないアベ様ら。一方で、番犬様にシッポを
      振るために沖縄でやっていることは、「沖縄イジメ」そのもの」

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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/199446

安倍政権が米国誘導 日米共同声明「辺野古が唯一」の実態
2017年2月14日

     (マティス米国防長官は「辺野古」とは言っていない(C)AP)

 沖縄の米軍普天間基地の移設について、日米首脳会談の共同声明に「辺野古が唯一」と盛り込まれた。先に来日したマティス国防長官と稲田防衛相との会談で確認されたものが、そのまま共同声明となったわけだ。

 ただ、大メディアの報道を見ると、米国がさも「辺野古」を望んでいるかのように思うが実態は怪しい。というのも、4日の共同記者会見での稲田防衛相とマティス国防長官の言葉遣いが微妙に違うのだ。

   ▽稲田 私から、普天間飛行場の一日も早い移設と返還を実現する必要が
         ある旨お伝えし、マティス長官とは辺野古への移設が
         唯一の解決策であり、引き続き協力することで一致いたしました。

   ▽マティス 普天間の移設先の施設を整備する努力を続けることに
           合意いたしました。これは現在の海兵隊の普天間飛行場を
           アメリカが日本に返還する唯一の解決策であります。

 2人とも「唯一」とは言っているものの、マティスは「辺野古」の「へ」の字も言っていない

 沖縄の民意は「辺野古の新基地建設に反対」で変わらず、米国は沖縄で反対運動が続いていることを知っている。普天間基地返還の日米合意を主導したジョセフ・ナイ元国防次官補ですら、かつて琉球新報の取材に「沖縄の人々の支持が得られないなら、米政府はおそらく再検討しなければならないだろう」と言い、アーミテージ元国務副長官も「日本政府が別のアイデアを持ってくれば私たちは耳を傾ける」と発言していた。辺野古にこだわっているのは、米国ではなくむしろ日本政府なのだ

 シンクタンク「新外交イニシアティブ(ND)」の猿田佐世事務局長は言う。

   「日本政府はトランプ氏に従来の日米外交の踏襲を訴え続け、
    抱きつき心中のごとく、世界が批判する入国禁止令にもノーコメントを貫き
    既存の日米安保体制にトランプ氏を引き戻しました。本来は、新しい外交の
    余地が生まれていたのですから、例えば、トランプ氏に、
    『メーク・アメリカ・グレート・アゲイン』には沖縄の新基地は必要ないなど、
    新たな交渉をすべきだったのですが……」

 安倍政権のままでは沖縄県民は永遠に報われない
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●「どっちもどっち」論と云う暴論の上を行く、鶴保沖縄北方相「差別だと断じることは到底できない」論

2016年11月16日 00時00分26秒 | Weblog


沖縄タイムスの渡辺豪氏による記事【「土人」VS「土民軍」の背景にあるもの】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69899)。

 《沖縄の人々の心奥に刻印されたであろう、東村高江のヘリパッド建設に抗議活動する市民に向けた10月18日の大阪府警機動隊員の「土人発言」は、在京メディアでは既に過去のことにされつつある。本土社会は、この発言を単に「特異な事例」として受け流そうとしているのではない。事態はより深刻かつ醜悪だ》。

 沖縄差別・「歴史的暴言」に対してヘイトな対応をする方々。そこで出てきたのが「どっちもどっち」論と云う暴論。そして、さらにその上を行く、鶴保庸介沖縄北方相による「差別だと断じることは到底できない」論。タマゲタネ!

 東京新聞の記事【「土人」発言「差別と断定できない」 鶴保沖縄北方相が答弁】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201611/CK2016110802000255.html)によると、《沖縄県の米軍北部訓練場の工事反対派に大阪府警の機動隊員が「土人」と発言した問題に関し「差別だと断じることは到底できない」と述べた。…「第三者が一方的に決めつけるのは非常に危険だ」と指摘。「現在は差別用語とされるものも、過去に流布していた例はたくさんある」と強調》。

 そして、リテラの記事【鶴保庸介沖縄担当相が「土人」発言を擁護!「差別とは断定できない」「昔は差別語じゃなかった」】(http://lite-ra.com/2016/11/post-2682.html)…《これは差別の上塗りだ。…「土人」と人を罵る行為が差別に当たるかどうか判断できない。……まったく見識を疑わざるを得ない発言…頓珍漢にも程がある》。


 ホントに《頓珍漢にも程がある》! 自身や家族がそう呼ばれても気にしない!?、ってことですかね。《反対する市民を弾圧できない官僚は容赦なく吹き飛ばのが今の官邸流人事》…アベ様の閣僚が「あぁ成る」のも納得。そして、《沖縄で起きていることにあまりに鈍感な本土社会》。《日本人が沖縄を見放すことによって実は日本人が沖縄の人々から見放されつつある》。

   『●沖縄差別、その究極の姿:「報道の自由」「知る権利」の
           破壊に立ち向かわない「本土」マスコミの差別意識
   『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」? 
      …沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」
   『●「第二の加害者」として「悪質なデマ」「事実関係を
       無視した沖縄攻撃」「蔑視・差別」、沖縄イジメに加担
   『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
      基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」
   『●「歴史的暴言」、アベ様のシモベらの度の過ぎた
      差別意識の酷さ…無数の「沖縄差別」の氷山の一角が露見
   『●沖縄差別・沖縄破壊の「やりたい放題」…
     「歴史的暴言」から想起されるナチソネ氏や「産経のドン」等々
    「沖縄タイムスのコラム【我々は皆「土人」である 【金平茂紀
     新・ワジワジー通信(20)】】」

   『●高江破壊と歴史的暴言: 「みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、
              無用な衝突を招いている張本人は誰か」?

    「「民意圧殺」=高江破壊での「歴史的暴言」とその周辺の酷い反応。
     それを「歴史的暴言」と感じないヘイトな人々。ニッポンの
     社会そのものが相当に歪んでいる…《今の日本の病んだ空気》。
     《みんなが嫌がる“仕事”を押し付け、無用な衝突を招いている張本人
     誰か》?、を理解できないようだ」

   『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」
       …ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘

   『●前泊博盛さん「在日米軍は、本土から…
      ウルトラマンに見えるが、沖縄から見ると怪獣でしかない」
   『●沖縄差別: 「両論併記は比較すべきものでもないものすら
              “論”に昇格させてしまう危険なロジックだ」

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/69899

「土人」VS「土民軍」の背景にあるもの
2016年11月6日 14:02 土人発言問題 安倍晋三首相 防衛省機動隊員
渡辺豪

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渡辺 豪(わたなべ つよし)

フリージャーナリスト(元沖縄タイムス記者)
1968年兵庫県生まれ。関西大学工学部卒。92年毎日新聞社入社。98年沖縄タイムス社入社、2015年3月に退職。現在、東京都内在住。主な著書に『「アメとムチ」の構図』(沖縄タイムス)、『国策のまちおこし』(凱風社)、『私たちの教室からは米軍基地が見えます』(ボーダーインク)、「日本はなぜ米軍をもてなすのか」(旬報社)、共著に『この国はどこで間違えたのか~沖縄と福島から見えた日本~』(徳間書店)、「波よ鎮まれ~尖閣への視座~」(旬報社)、4月に「普天間・辺野古 歪められた二〇年」(集英社新書)を刊行。
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     (目取真俊さん(左端)を4人がかりで押さえ込む警察官
      =18日、東村高江・米軍北部訓練場N1地区表側出入り口
      (撮影:沖縄タイムス))

 沖縄の人々の心奥に刻印されたであろう、東村高江のヘリパッド建設に抗議活動する市民に向けた10月18日の大阪府警機動隊員の「土人発言」は、在京メディアでは既に過去のことにされつつある。本土社会は、この発言を単に「特異な事例」として受け流そうとしているのではない。事態はより深刻かつ醜悪だ

 大阪府の松井一郎知事は発言翌日、自身のツイッターに

   「ネットでの映像を見ましたが、表現が不適切だとしても、
    大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのが
    わかりました。出張ご苦労様

労うようなニュアンスを含む感想を投稿。記者会見では「混乱を引き起こしているのはどちらか」と抗議する市民の側にも非があるような見方を示した。一部メディアやネットはこれに沿う形で、どっちもどっち」の論を展開した。

 極め付けは、以下の広告見出しで記事を特集した主要週刊誌だ。

   「なぜ土人発言だけが報道されるのか?
    沖縄ヘリパッド『反対派』の『無法地帯』現場レポート」

 正直に告白すれば、都内の地下鉄でこの中吊り広告を目にしたとき、筆者は腐った食べ物を無理矢理口に放り込まれたような吐き気をもよおした。刺激的でインパクトのある見出しを並べたこうした「報道」は、沖縄に興味や関心のない首都圏の人々の注意も引くだろう。中吊り広告だけを見て、「なるほど、そういうことなのか」と得心したような気になる人も少なくないのではないか。そんなことを考えながら、筆者も無意識のうちに「なぜ土人発言だけが報道されるのか」という見出しの文字を反すうしていた。そして、あるフレーズを思い出した。

 「土民軍」という言葉だ。

 防衛施設庁をある程度長く取材、リサーチしたことがある記者や研究者なら、一度は彼ら(防衛施設庁職員)が自分たちの組織をそう表現するのを聞いたことがあるはずだ。

 昨年上梓した拙著「日本はなぜ米軍をもてなすのか」(旬報社)から一部引用させていただく。


防衛施設庁は、〇六年一月に表面化した空調設備工事の発注をめぐる競売入札妨害事件に絡む一連の不祥事で「解体」が決まります。事件を通じて、防衛施設庁が20年以上前から民間業者に天下りを受け入れさせる見返りに不正な受注調整がおこなわれていたことや、事件後の内部調査に際して施設庁内で組織的に証拠隠滅が図られていたことも発覚しました。不正の根の深さから、「再生不能」と判断されたのです。

 〇七年一月に防衛庁が「省」に昇格した後、防衛施設庁は同年九月に防衛省に吸収統合されました。旧防衛施設庁に在籍した職員の中には、「省昇格のために施設庁が召し上げられた」という見方をする人もいます。

 この廃止・統合に当たって防衛施設庁は、歴代の長官、次長経験者らに意見を求めたようです。『防衛施設庁史』が「貴重な意見」として紹介した一つに以下の内容があります。

   「防衛施設行政を担当する防衛施設庁を『外局』として設置してきたのは
    先人の知恵である。防衛施設庁という『外局』が、これまで
    自衛隊施設及び米軍施設に係る各種の業務を一元的に実施してきた
    メリットを踏まえた組織改編とすべきである」

 「先人の知恵」とは具体的にどういう知恵で、「メリット」とは具体的にどういうメリットなのでしょうか。

 安全保障政策にかかわる職務のうち、「汚れ仕事」のパーツを引き受ける「外局」として防衛施設庁を防衛庁とは別部隊に切り離した「先人の知恵」によって、日米同盟をはじめとする防衛政策に対する国民の信頼を維持できたという「メリット」を忘れてくれるなよ、という思いが込められているのではないでしょうか。

 『防衛施設庁史』の編さん後記で、編集にかかわった職員のうちの一人の文章に目が留まりました。「施設庁の廃止、『内局』への統合が現実味を帯びてくるにつれ、施設庁に思い入れのある先輩職員などからは、『<土民軍>の仕事を内局にできるのか』などという声も聞かれました」という下りです。】(引用ここまで)


 文中にある「防衛施設庁史」は、防衛施設庁が解体される直前の2007年に同庁職員によって編さんされた、施設庁の足跡をたどる記録・証言集だ。

 旧防衛施設庁職員が自分たちを「土民軍」と称するのは、自分たちが官僚組織の下層に位置しているという意識と、「現場」の仕事に携わっているという自負があるからだろう。

 ある防衛施設庁OBは筆者にこう語った。

   「要するに自分たちのやってきたのは外務省の尻ぬぐいですよ。
    防衛施設庁の仕事は日米安保の土台を支えるための、
    いわば汚れ仕事。でも、安保体制を縁の下で支えてきたという
    自負はありますよ」

 大臣の国会答弁やコメントを振り付けたり、各国との外交交渉や日米間のさまざまな取り決めを議論する非公開の日米合同委員会に出席したりと、大所高所から外交・防衛政策を検討するのは外務・防衛省のキャリア・エリートだ。一方、日米安保条約の履行のため外務省がレールを敷いた日米地位協定や、基地政策にまつわる日米合意の実施機関として、防衛施設庁の末端の職員はまさに「安保の現場」で住民と米軍の間に立ち、ときには住民の「嫌われ者」になることも承知でその役割に徹してきた

 日本国内でさまざまな特権に守られた米軍人関係者が住民感情を逆なでする事件や事故を繰り返すたび、「抗議」や「要請」の窓口として対応し、平身低頭する姿を見せ、世論や住民をとりなすのも防衛施設庁職員の仕事だ。かつては「内灘闘争」や「砂川闘争」といった日本本土での熾烈な米軍基地反対運動の現場でも、防衛施設庁職員は機動隊員とともに前面に立ってきた。日本本土と沖縄の米軍専用施設の比率が逆転し、74%が沖縄に集中する現在、勢いのある根強い米軍基地反対運動は「沖縄限定」の様相を帯びるようになった。

 防衛施設庁の仕事はなくなったわけではなく、防衛省に吸収統合される形で温存されている。しかし沖縄では今や、高江や辺野古といった米軍基地の建設現場で、防衛省の沖縄の出先機関である沖縄防衛局職員の姿はあまり目に付かない。代わりに機動隊員や海上保安庁の海上保安官、民間の警備会社従業員らが組織の命を受け、反対派市民と対峙させられるようになった。この中には、沖縄以外の都府県警から派遣されている機動隊員も混じる

 誤解を恐れずに言えば、彼らはみんな「土民軍」ということになるその土民軍の1人が今回、対峙する市民を「土人」と言い放ったのだ

 大阪府警から派遣された若い機動隊員はおそらく、沖縄が「本土」によって負わされてきた歴史的痛苦も安保政策の意味も基地問題の実情も十分把握していなかったのではないか。ただ上司に命じられた通り、任務を遂行していたはずだ。派遣を命じたのは、形式はともかく日本政府にほかならない。

 辺野古や高江の工事を強行せよ、との官邸の意向は関係省庁に浸透している。地元世論に配意し、反対派市民の排除命令を現場に徹底できず更迭される幹部官僚もいれば、弾圧姿勢を貫き官邸の覚えがめでたい幹部官僚もいる。後者はキャリア官僚として出世の道が約束される。ある政府関係者はこう打ち明けた。

   「反対する市民を弾圧できない官僚は容赦なく吹き飛ばのが
    今の官邸流人事です」

 権力機関は絶対的なたて社会、階級社会で構築されている。14年5月の内閣人事局発足後、官僚人事は官邸が完全掌握するようになっている。

 われわれは末端の役人だけを見るのではなく、本質を見極めなければならない

 すべての住民に歓迎される国策というのはないのかもしれない。しかし、権力の中枢に近い人たちが決めた国策が不条理なゆがんだものであればあるほど、現場の摩擦は大きくなり、その尻ぬぐいは地元の住民と末端の役人が負わされることになる

 9月26日の所信表明演説で安倍晋三首相は、安全保障環境の変化や高江のヘリパッド移設にも言及した上で、こう訴えた。

   「現場では夜を徹し、今この瞬間も海上保安庁、警察、自衛隊の
    諸君が任務に当たっている。今この場所から、心からの敬意を
    表そうではありませんか」

 安倍首相に促された自民党議員は一斉に立ち上がって手をたたき続け、約10秒間、演説が中断した。この異様さは、「起立」と「拍手」だけによるのではない。国家や為政者に忠誠を尽くす立場の特定の職業従事者に絞って首相自らが喝采を送り、周囲にも同調を促す、というのは「自己翼賛ともいえる異様な構図だ。これは自画自賛ではないのか。にもかかわらず、演説内容に異論をはさむ余地はない、というのが日本本土社会の常識的受け止めになっているが本当にそれでいいのか

 国会での安倍首相の振る舞いも松井・大阪府知事の見解も、高江や辺野古で抗議活動する市民に対峙させる任務を機動隊員らに付与することへの躊躇や苦渋は微塵も感じられない。それは、彼らにとって国の政策に従わない者は、明確に「敵」と識別されているからではないか

 その感覚は正常と言えるのか

 「国民」を分断する政権の沖縄政策は「国益」や「安全保障政策」の観点から本当に有益といえるのか。日本本土の「国民」は今一度立ち止まって真剣に考えなければならない。

 

 しかし、沖縄で起きていることにあまりに鈍感な本土社会では、「土人発言」をきっかけに、沖縄の歴史に思いを馳(は)せ、現在も続く「過重な基地負担」という差別と不条理に向き合おうとする動きが活発化する期待はもてない。これが日本社会の現実だ。

 同じ時代に、同じ価値観を共有する社会に属しながら、大半の日本人は沖縄を見放している、という自覚もないまま沖縄を追い込んでいる日本人が沖縄を見放すことによって実は日本人が沖縄の人々から見放されつつある。そんな気がしてならない。
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●翁長雄志知事、再度の決意表明: 「安倍晋三首相は「急がば回れだ」と言うが…政府の選択は誤りだった」

2016年05月19日 00時00分21秒 | Weblog


東京新聞の後藤孝好記者による記事【あらゆる手法で辺野古阻止 訪米の翁長知事に単独会見】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016051890070441.html)と、
後藤孝好石川智規の両記者によるインタビュー記事【普天間運用停止、進まねば約束違反 翁長知事インタビュー詳報】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201605/CK2016051802000130.html)。

 《米軍普天間飛行場(…)の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に関し、和解を受けた国と県の新たな訴訟で敗れたとしても、あらゆる手法で建設を阻止する意向》。
 《安倍晋三首相は「急がば回れだ」と言うが、私からすると政府の選択は誤りだった》。

   『●「主権在アベ様」=「地域住民ごときが文句を言うのは
                 許されないというのが安倍政権の立場」

   『●王様による「人治主義国家」を沖縄辺野古から覆す:
       「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」
    「「日本は法治主義国家」にはほど遠く、21世紀のこの世で、
     世界でも珍しい、アベ様という王様・独裁者による人治主義国家」。
     政治制度の欠陥もあり、自公支持者や「眠り猫」の皆さんがそれを
     支えているという稀有な国。「主権在民」「国民主権」どころか、
     「主権在アベ様」であり、それを「良し」とする、世界的に見て大変に
     珍しい国家。お隣の国々を嗤えません」

   『●本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
      「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」
    「「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー
     (沖縄人を見くびってはいけない)
     「「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」」……。
     そして、記事が言う《本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
     「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」》
     という言葉を信じたい」

   『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人が
     その嘘っぱちを信じている、というよりも、信じたいんでしょう」
    「辺野古破壊高江破壊による「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様や、
     スガ殿・百田尚樹氏などのその酷い取巻き連中。
     何のためらいも無く、「番犬様」に貢ぐ非道」

   『●一体何をどれ程「思いやらされている」?…
      「われわれはカネを出さない。どうぞ米軍は撤退してください」
    「《安保条約で米国は日本防衛の義務を何ら負っていない》し、
     《日米地位協定24条経費負担は米国がする》と決まっているし、
     《24条が日本に求めているのは基地の無償提供だけ》のはずなのに、
     アベ様らの歴代自民党政権は気前のいいことだ。つくづく、
     「思いやる」先を間違っていると思う」

 アベ王国の王様・アベ様による「人治主義国家」を沖縄辺野古から覆す翁長雄志沖縄県知事による辺野古破壊阻止に向けての、そして、反「沖縄差別」・「住民分断」への再度の決意表明。この先何があろうとも、改めて、《あらゆる手法で建設を阻止する意向》を明確に示した。そして、《大きな圧力の前で県民もしっかりがんばらないといけない。その先頭に立つ私は、命懸けで政治をやっていく》とも。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016051890070441.html

あらゆる手法で辺野古阻止 訪米の翁長知事に単独会見
2016年5月18日 07時04分

 【ワシントン=後藤孝好】訪米中の沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は十六日(日本時間十七日)、県ワシントン事務所で本紙の単独インタビューに答えた。米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)への新基地建設に関し、和解を受けた国と県の新たな訴訟で敗れたとしても、あらゆる手法で建設を阻止する意向を示した

 翁長氏は九日から十八日まで米国に滞在。上下両院議員らと相次いで面会し、新基地建設阻止を求める沖縄の世論について理解を求めている。十八日には、一九九六年に当時の橋本龍太郎首相と、普天間飛行場の返還で合意したモンデール元駐日米大使と会って、返還実現への解決策などを協議する。

 翁長氏は「もし敗訴した場合、確定するのは仲井真弘多前知事の埋め立て承認が適正で、僕らが取り消したのが違法というだけだ。(国の)やりたい放題ということにはならない」と指摘。工事を止めるため、新基地の設計変更や岩礁破砕に関する知事の権限を行使するほか、地元の名護市の稲嶺進市長もさまざまな権限を行使できるとした。

 新基地建設の現状に関しても「安倍政権は昨年の夏までに埋め立てを始めると言っていたが工事はほとんど進んでいないし、これからも最高裁の判決が出るまで工事は止まる」と指摘。「米上下両院の議員に経緯を説明して、日本政府の選択の誤りだと話したら『なるほど』と理解を示していた」と述べた。

 沖縄の在日米軍基地の負担軽減に向けた政府の取り組みに対しては「普天間飛行場の五年以内の運用停止は、仲井真氏が埋め立て承認をした時の大きな条件だった。安倍政権はやることはやると言葉は勇ましいが、逃げ腰のようにみえる。今のところ、約束違反ではないか」と批判した。

 新基地に反対する沖縄の民意と、建設を阻止するという知事の公約については「大きな圧力の前で県民もしっかりがんばらないといけない。その先頭に立つ私は、命懸けで政治をやっていく」と述べた。

<普天間飛行場移設問題> 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設問題。日本政府は1996年の普天間返還の日米合意を受け、99年に移設を閣議決定。仲井真弘多前知事は2013年12月、辺野古沖の埋め立てを承認したが、14年11月の知事選で新基地建設阻止を掲げて勝利した翁長雄志知事が15年10月に承認を取り消した。政府、沖縄県はともに提訴したが、福岡高裁那覇支部が示した和解案を16年3月4日、双方が受け入れた。和解に基づき、政府と県が協議を続けている。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201605/CK2016051802000130.html

普天間運用停止、進まねば約束違反 翁長知事インタビュー詳報
2016年5月18日 朝刊

     (「工事が1年間止まることは大変な前進」と語る翁長知事
      =16日、米ワシントンで(石川智規撮影))

 翁長雄志知事は十六日、米ワシントンで本紙の単独インタビューに応じた。主なやりとりは以下の通り。 (聞き手=ワシントン・後藤孝好石川智規


 -昨年の訪米から約一年がたった。

 知事 昨年五月ごろ、私は「このままでは辺野古移設は難しい」と話した。米側は「日米合意がすべて」「辺野古が唯一(の解決策)」と言っていた。

 訪米後の夏、政府との集中協議に応じた。ところが政府側は一カ月の協議後、即座に(辺野古への移設作業を)再開しますというので、僕も「それでは阻止してみせます」と。この言葉を交わして最後の協議は一分ぐらいで終わった。

 その後も三つの裁判を経て和解勧告が出され、工事中止となった。これは僕らにとって大きい。


 -和解条項をどう捉えているか。

 知事 地方自治法が改正され、国と地方が対等な関係になった。これを国が無視した結果、出された和解案だろう。

 執行停止と審査請求も問題だ。沖縄防衛局を私人と認め、内閣の一員である国土交通相が執行停止を認めたり代執行を国交相が原告として行った。これらが、地方自治法にもとる大変な落ち度だということが和解案に入った。私たちに理解を示している。現実として工事が一年間止まる事は、昨年の今ごろの私たちの苦しさから比べると、大変な前進であると思っている。(事態が)止まった中から物事が発想できる。


 -沖縄の現状に米側の理解は広がったか。

 知事 私は昨年五月から六月にかけ「辺野古移設はできない」と言った。既にあれから一年を越え、ほとんど進んでないでしょうと(面会した)上下両院議員に言った。彼らは「そうだった」とまでは言わないが「なるほど」と理解を示した。これからも最高裁の判決が出るまで工事は止まる。そうすると一年半か、もう少し止まる可能性があると。

 安倍晋三首相は「急がば回れだ」と言うが私からすると政府の選択は誤りだった、という話もした。


 -和解案についての説明は。

 知事 沖縄を含むオールジャパンで解決策を見いだし、米政府と協議をすれば打開も見えると和解案は指摘している。そこでは「辺野古が唯一」という考えが外されている。

 一方、辺野古がこういう状況の中で、普天間の固定化という問題も出てくる。菅義偉官房長官は何回も普天間飛行場が世界一危険と言っているが、私が国との集中協議で辺野古移設ができない場合はどうするのかと聞いても返事がなかった。こういう経緯を議員らに説明した。


 -手応えは。

 知事 あると思うが、無関心派も多い。国と沖縄県が和解に応じたことを知っている上下両院議員がどこまでいるだろうか。今回の訪米で直接説明する議員は十二人。もともと沖縄に関心がある人が二十~三十人。計四十~五十人が分かるようになる。


 -最高裁判決が出たあとの対応は。

 知事 政府の方では最高裁判決が出れば(辺野古新基地が)できるという話だが、私たちが行政法学者や専門家に聞くと、一つの裁判の判決ですべてをやりたい放題にできるようにはならない

 もし敗訴した場合、確定するのは仲井真弘多前知事の埋め立て承認が適正であると認めたということ。私たちの取り消しが違法というだけ。仮にその後、四十五トンブロックを埋め立てとして海に投げても、それは撤回の対象になる。設計変更もそう簡単ではない。岩礁破砕許可もそうだ。もろもろを適正にやっていきたい


 -安倍政権の評価は。

 知事 私からすると、厳しい評価だ。仲井真氏が承認した埋め立ては、普天間飛行場の五年以内の運用停止が条件だった。ところが中谷防衛相は最近、安易に言って期待を持たせるものではない、そういう定義はないと打ち消している

 安倍政権は、やることはやるというが裏を返せばできないことはやらないということではないか言葉は勇ましく見えるが、逃げ腰であるようにみえる。

 いま県民のコンセンサスを得ているのは五年以内の普天間運用停止だ。宜野湾市長選でも佐喜真淳さんが辺野古新基地に一切触れず、私も名護市長も五年以内の運用停止は触れている。これが前に進まないということは、今のところ約束違反ではないか。まだ交渉が続いているが、ぜひ政府は真摯(しんし)に取り組んでいただきたい。


 -オバマ米大統領が広島を訪問する。同じように歴史の懸案といえる沖縄基地問題では進展がみられない。

 知事 日本政府の姿勢が大きい。広島や長崎は二度と繰り返してはいけない。広島出身の閣僚や首相、官房長官、さらにはオバマ大統領が政治的な意義を取れるという意味合いもあったのかもしれない。

 沖縄の場合、気持ちをくむということがまったくない。唯一の地上戦があった沖縄を訪れお互いに平和について話し合いましょう、という積極的な姿勢はない戦後七十年間、僕らが訴えているというものについて、官房長官は戦後の歴史は分からないという姿勢だ

 海上保安庁や機動隊を動員し、おじいちゃんやおばあちゃんや誰であろうが排除して工事を進めようとしている。沖縄に対してのオバマ大統領やアメリカ政府のその姿勢の違いも目が曇っている


 -本土へのメッセージは。

 知事 メディアの役割は大きい。私たちが問題をしっかり言うときは言葉が厳しくなる。一般の国民は「なんでこんなに本土の人をしかるの」と思われるかもしれない。そして無関心、無理解が広がるのだと思う。それを避けようと言葉を抑えると関心をひかなくなる。そういう中で私たちは悩んでいる。この表現方法の苦しさは、知事である私が一番感じている。
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●沖縄差別は続く: 黙殺により、「『日本を取り戻す』の中に沖縄は入っていない」ことをアベ様が表明

2015年09月23日 00時00分58秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の記事【集中協議決裂で翁長知事が政府の不誠実対応を全暴露! 安倍首相に「日本を取り戻す、に沖縄は入っているか」と迫ったら…】(http://lite-ra.com/2015/09/post-1469.html)。

 「「集中協議」とは名ばかりの“アリバイ作り”。いや、むしろ安倍政権の“沖縄差別”がより鮮明になった……そう繰り返すこの宰相の目は、実のところ「国民」の方にはまったく向けられていない。そんな人間に沖縄を、日本を、まかせておいていいわけがないだろう」。

   『●菅義偉官房長官は辺野古破壊の「工事を
      再開させていただく」と表明: 「時間稼ぎ…あまりにも不誠実」


 「本土の人間が「沖縄だからいいや」と差別している」。沖縄差別は続く……。辺野古破壊再開が宣言された。この一ヶ月の「話し合い」は一体何だったのか。沖縄県民をバカにするにもほどがある。

   『●辺野古破壊や高江『標的の村』などなど・・・・・・
      「本土の人間が「沖縄だからいいや」と差別している」


 「「安倍自民党が勇ましく叫ぶ「日本を、取り戻す」というフレーズのなかに「沖縄が入っているんですか?」と問うた際も、安倍政権の沖縄政策は戦後レジームからの脱却ではなく死守ではないかと話したときも、安倍首相はなんの反応もみせず、無視したという」。

   『●一カ月の「中断」・話し合いで距離が縮むなどあり得ない、
             「辺野古移設断念こそ唯一の解決策」

 おおよそ1年まえに、翁長さんは「『日本を取り戻す』の中に間違いなく沖縄は入っていない」と予想していたわけだが、今回の「時間稼ぎ…あまりにも不誠実」な無駄な一ヶ月の後に、黙殺・無視により、アベ様にそれが事実であることを「告げ」られたわけです。

   『●前那覇市長・翁長雄志氏「(安倍首相の言う)
      『日本を取り戻す』の中に間違いなく沖縄は入っていない」


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http://lite-ra.com/2015/09/post-1469.html

集中協議決裂で翁長知事が政府の不誠実対応を全暴露! 安倍首相に「日本を取り戻す、に沖縄は入っているか」と迫ったら
【この記事のキーワード】安倍晋三, 宮島みつや, 沖縄 2015.09.10

      (翁長雄志オフィシャルWEBサイトより)

 「集中協議」とは名ばかりの“アリバイ作り”。いや、むしろ安倍政権の“沖縄差別”がより鮮明になった。

 9月7日、普天間基地の辺野古移設をめぐる沖縄県と政府の第5回集中協議が首相官邸で行われた。沖縄県側からは翁長雄志知事と安慶田光男副知事が、政府閣僚からは菅義偉官房長官、中谷元防衛相、岸田文雄外務相、山口俊一沖縄担当相、そして、事実上最後の集中協議にして初めて安倍晋三首相が出席。そのなかで、菅官房長官は近く辺野古での工事を再開する方針を伝え、翁長県知事は「あらゆる手段を使って阻止する」と述べ、協議は完全に決裂に終わった。

 だが、実はこの集中協議、政府側は沖縄側の意見をまともに取り合わず、ようは 話し合いはしたね? じゃあ辺野古埋め立て再開するんでよろしくと言わんばかりの一方的なものだったという。というのも、協議後の記者会見で、翁長知事が政府側の不誠実過ぎる対応の内幕を暴露しているのだ。

 「沖縄タイムス」が掲載したその詳細のなかで、翁長知事が政府閣僚たちとのやりとりを振り返って、つぶさに語っている。まず、中谷防衛相とのやりとりは以下のようなものだったという。

   「中谷元・防衛大臣から、海兵隊の抑止力、抑止力
    というのは海兵隊の機動力、即応性、一体性、
    これがあって初めて機能するので、沖縄に置くべき
    なんだという話がありましたから、私は前にも
    申し上げましたけれども一体性と機動性と即応性は
    岩国だったり佐世保だったりハワイだったりグアム
    だったりで分散されていて、それは意味が
    ございませんよ、と」
   「それからもう一つは、いまミサイルが発達していますので、
    沖縄は近すぎて危ないんだと私が言った時に、
    ミサイルにはミサイルで対抗するとおっしゃった時には、
    私は心臓が凍る思いがしました、と。沖縄を領土として
    しか考えてないんじゃないか。140万の県民が住んでいる
    ということに、ご理解がなかったのではないかと」

 実際、海兵隊はさまざまな場所に点在していて「一体性」がインチキだと言うのはとっくにばれている話なのに、中谷大臣は相変わらず嘘をつき続けていたらしい。しかも、「ミサイルにはミサイルで」というのは、沖縄をたんなる“防衛前線”としかみなしていないということだ。まるで戦中、沖縄が本土決戦の“捨て石”とされた構図と同じではないか。

 続いて、岸田外相とのやりとりでは、いかに沖縄が日本、米国両方に軽視されているかが明かされている。翁長知事は今年6月の訪米で米国務省の部長らと会談し、普天間基地の辺野古移設反対の意を伝えるも、米側から「日米合意をもとに移設計画を進めることが唯一の解決策」と一蹴されたが、そのときの“内幕”をこう暴露したのだ。

   「(米上院軍事委員会の)マケイン(委員長)さんとか
    リード(筆頭知事)さんとか、アメリカのワシントンDCに
    行っていろいろ話をしようとする時に、全員が紙を
    読み上げるんですね。全員が紙を読み上げて同じ
    セリフを言ってからの会話でありましたので、これは
    佐々江(賢一郎)日本大使も向こうで話をしましたら、
    同じ返事だったでしょう、という話がありましたので、
    同じ文書を回したんじゃないですか、と。ケネディ大使も
    同じようなことをここに帰ってきてお会いしたらやって
    いましたので、(岸田外務相には)これは外務省としては
    どうでしょうかね、という話もさせていただきました」

 つまり、訪米して要人と会話しても、事前に用意された文面が読み上げられるだけで、全く議論にならなかったというのだ。おそらく、その書面は事前に日本政府側から働きかけて作成されたものであることは容易に想像がつく。

 そして、翁長知事はこうした実態を安倍首相に説明した上、かなり厳しく迫ったらしい。

   「私たちは今日までアメリカに何回となく、私以外の者も
    含めたら、何百回もホワイトハウスだったりペンタゴン
    だったり、知識人だったり上院議員、下院議員だったり
    沖縄の問題訴えてきました。(中略)最後に言うのは、
    これは日本国の国内問題だから日本政府に言いなさい
    というのが、最後に必ずきます。それを持って日本に
    帰ってきて、外務大臣、防衛大臣と話をすると、
    大概ですね返事は後ろでアメリカがノーと言うんだよ
    というのが、今まで私たちのたらい回しの現状です。
    そうしますと総理の「日本を取り戻す」という中に、
    沖縄が入っているんですかというようなことも
    聞かせてもらいました」
   「それはサンフランシスコ講和条約で治外法権の中で
    私たちが生きている時に、キャラウェイ高等弁務官から
    「沖縄の自治は神話である」と言われて、私たちは
    それに反発して人権獲得をしましたが、ぜひ安倍総理に
    おいては、日本の独立は神話であると言われないよう
    頑張ってくださいということが、私の5月17日の
    県民大会での最後の言葉でありました。そして、
    戦後レジームからの脱却と言っているけれども、
    沖縄の現状を見ると、戦後レジームの死守ではないか
    というような話もさせていただきました」

 だが、安倍自民党が勇ましく叫ぶ「日本を、取り戻す」というフレーズのなかに「沖縄が入っているんですか?」と問うた際も、安倍政権の沖縄政策は戦後レジームからの脱却ではなく死守ではないかと話したときも、安倍首相はなんの反応もみせず、無視したという。

 安慶田副知事が辺野古移設はそもそも手続きとしても正当性を欠いていることを政府側に説明した際も、同じだった。

 辺野古移設案の変遷を要約すると、まず1996年、橋本龍太郎首相とモンデール駐日米大使の会談で、米軍普天間基地を5年から7年以内に日本に返還すると合意ここでは辺野古移設案は提示されていない。辺野古移設案が出てきたのは小渕政権下の98年で、稲嶺恵一氏が沖縄県知事に当選、軍民共用で使用期間を15年に限定して認めたのが最初だ。これを受けて翌年の12月28日、小渕内閣は普天間基地の代替施設としての移設候補地を「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」とする旨閣議決定を行った。だが、この案は小泉政権下の2006530日に廃止の閣議決定をされている。

   「そういう意味からすると、私たちは辺野古案が唯一
    という政府の考え方はおかしいんじゃないかというのを
    私たちは感じています、と言うと返事はありませんでしたし、
    ただ聞いていました」(安慶田副知事)

 ようするに、辺野古移設は、歴代政府の決定として一度廃案になっているのだ。しかし、そのことについて沖縄側が丁寧に説明しても、安倍首相たちは返事もせず「ただ聞いてい」ただけだったというのである。

 これはもはや“国策を貫き通す”という一方的な姿勢というだけの問題ではない。沖縄側がどんなに真剣に語ろうがまともに取り合わないまま、協議したという事実だけをアリバイにして、これからも沖縄に基地負担を強制し続ける。これは“沖縄の切り捨て”としか言いようがない。

 しかも、集中協議の最後、辺野古移設の強行を宣言した菅官房長官の態度も非常に狡猾なものだった。

   「これからも交渉、協議を続けたいと官房長官、話がありました
    ので私は、そうするとこの辺野古の中断は再開ですか?
    という話をしましたら、そうさせてもらいますというので、
    私からすると全力を挙げて阻止をさせていただきます
    ということで、最後締めくくりました」

 翁長知事は会見の後の質疑応答の中でこの政府側の姿勢についてこう解説を加えている。

   「総理がまず最後に触れて、出て行かれて、それから
    菅さんが具体的に話をされたので私の質問になりました。
    私が質問しなければおそらく今日は何の話で締めくくったか
    分からなかったと思いますが」

 もうおわかりだろう。今夏の集中協議であらわになったのは、話し合いを申し出た安倍政権の姿勢はポーズだけで、沖縄の置かれた状況なんて一顧だにしていないという事実だ。

 翁長知事はあまりの無理解に、菅官房長官に対して「別々にお互い70年間生きてきたんですね」と語ったというが、この言葉は安倍首相や菅官房長官にまったく届いていないだろう。グロテスクな沖縄差別主義者の彼らは、むしろ「別々なのは当たり前だろう」「話を聞いてやったんだからありがたく思え」くらいのことを考えているかもしれない。

 そして、強調しておかねばならないのは、こうして意思を無視されるのは、なにも沖縄県民だけではないということだ。

 「国民の皆様に平和安全法制をご理解いただく」「国民から祝福される五輪に」「批判も国民の声として受け止める」──そう繰り返すこの宰相の目は、実のところ「国民」の方にはまったく向けられていないそんな人間に沖縄を、日本を、まかせておいていいわけがなだろう。

(宮島みつや)
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●さあ、ここから: 高江・辺野古破壊問題等々・・・「過去のもの」や「終わり」にしてはいけない

2014年11月19日 00時00分06秒 | Weblog


asahi.comの記事【翁長氏、辺野古阻止どう動く 国は埋め立てへ淡々】(http://www.asahi.com/articles/ASGCH6T5SGCHTPOB005.html)。
東京新聞の社説【新基地拒否の重い選択 沖縄県知事に翁長氏】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014111702000130.html)。
nikkan-gendaiの記事【自民大敗…安倍政権に鉄槌を下した沖縄県民の凄まじい怒り】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/155034)。

   ●菅義偉官房長官曰く「この問題は過去のものだ。
        争点にはならない」・・・・・・なんという言い草!!
   『●沖縄で連敗続きのアベ様、「この問題は過去のものだ。
                   争点にはならない」で済まされるのか?


 「安倍政権は今度こそ、沖縄県民の怒りのすさまじさを思い知ったのではないか」・・・・・・。沖縄県知事選、当然の帰結。問題はこれからどうするかだ。そして、来るべき衆院選で自公政権にトドメを。 

 「初当選の翁長雄志氏の公約は「辺野古阻止」。安倍政権が移設作業を淡々と進めようとするなか、翁長氏は抵抗策を模索」・・・・・しないといけない。「この問題は過去のものだ。争点にはならない」(菅義偉官房長官)なんて許されない。そのヒント、突破口は、コレかもしれない。

   『●辺野古破壊: 「いい正月になる」なんて、
       仲井真氏もアベ様らも猿芝居をしていたんじゃないのか?


 日米合意について、「「5年以内」がまやかしに過ぎないことは、もう誰の目にも明らかであろう・・・・・・米側が「空想のような見通しだ」と反対・・・・・・米側は・・・・・・一貫して5年以内の実現性を否定」している。出来もしないことをアベ様と仲井真元沖縄県知事は辺野古破壊によってゴリ押しし、「いい正月になる」などと沖縄県民をバカにした訳だ。

 「これ以上の米軍基地建設を拒否する県民の重い選択だ。安倍内閣は真摯に受け止めるべきである」。アベ様達に「真摯」さを求めても仕方なく、来る衆院選で、自公議員に「最高の責任者は私だ・・・私たちは選挙で国民の審判を受け」させるべきだ。

 アベ様達や自公議員・翼賛野党議員は辺野古破壊を衆院選のドサクサに紛れさせようとしているし、消費税再増税に「矮小化」させようとしている。公然の「密漁」辺野古破壊を含めて、壊憲原発推進をはじめとしたアベ様達が行ってきたあらゆる事柄に、NO!、を突きつけねば。

   ●首相は産経や読売以外も読んでるのね!?:
            「首相はくず」とは言っていないけれど・・・
   『●ブレーキは無く、二つの「アクセル」な自公政権
   『●「戦争も、原発も、本当の怖さを知る人の言葉を
        かみしめたい」: あ~、アベ様らは聞く耳持たず
   『●「最高の責任者」アベ様のオツムの中身
   『●丸腰市民へ掃海母艦派遣・・・アベ様豪語
      「最高の責任者は私だ。・・私たちは選挙で国民の審判を受ける」
   『●「最高の責任者は私だ・・・私たちは選挙で
      国民の審判を受ける」のアベ様の政権、いよいよ末期的?


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http://www.asahi.com/articles/ASGCH6T5SGCHTPOB005.html

翁長氏、辺野古阻止どう動く 国は埋め立てへ淡々
山岸一生 星野典久 ワシントン=大島隆 2014年11月16日23時41分

 


[↑ブログ主注: すいません、勝手にコピペさせて頂いております
  (http://www.asahi.com/articles/photo/AS20141116001608.html)]

 沖縄県知事選で、県民は米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設という国策に「ノー」を突きつけた。初当選の翁長雄志氏(64)の公約は「辺野古阻止」。安倍政権が移設作業を淡々と進めようとするなか、翁長氏は抵抗策を模索する。

 「オール沖縄、大きな輪ができた。党利党略を超えて心を一つにできたことが大きい。日本も変わってもらい、全体で(基地)負担をしてもらいたい」。16日夜、当選を決めた翁長氏は支援者を前に語った。

 一方で「難しい課題がこれからも出てくる」と気を引き締めた。辺野古移設の「断固阻止」を主張して当選した翁長氏にとって、「課題」は自ら掲げた看板をどう実現するかだ。

 仲井真弘多知事(75)が昨年末に辺野古沿岸部の埋め立てを承認し、工事には既にゴーサインが出ている。翁長氏の当選だけではその有効性は消えない。国は、早ければ年度内にも埋め立てを始めたい考えだ。

 翁長氏は12月10日に知事に就任する。選挙戦で承認の撤回や取り消しは明言しなかったが、就任後は仲井真氏の承認の経緯を検証する方針。経緯に問題があれば撤回や取り消しも可能との考えだ。一方で、行政法の専門家らからは撤回・取り消しについて「県が審査して出した結論を覆すのは極めて難しい」といった指摘も出ている

 これとは別に翁長氏は、移設計画の「変更申請」への対応を迫られる。

 防衛省は9月、辺野古の埋め立て工事の一部の作業工程を変更したいと県に申請した。移設反対の稲嶺進・名護市長の協力が得られないことから、市が関わる手続きなしに工事を進めるためだ。県は月内にも、知事が承認・不承認を判断するための準備を終えるとみられる。

 仲井真氏の任期は12月9日まであるが、県幹部は「新知事の判断を仰ぐのが常道だろう」と話し、翁長氏に判断が委ねられる公算が大きい。翁長氏は当選を決めた後、「厳しくチェックする」と語った。

・・・・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014111702000130.html

【社説】
新基地拒否の重い選択 沖縄県知事に翁長氏
2014年11月17日

 沖縄県の新しい知事に翁長雄志(おながたけし)前那覇市長が選ばれた。これ以上の米軍基地建設を拒否する県民の重い選択だ。安倍内閣は真摯(しんし)に受け止めるべきである。

 仲井真弘多(なかいまひろかず)知事(75)の任期満了に伴う今回の知事選は三選を目指す自民党など推薦の仲井真氏に、翁長氏(64)、下地幹郎(しもじみきお)元郵政民営化担当相(53)、喜納昌吉(きなしょうきち)元参院議員(66)が挑む構図で、事実上、仲井真、翁長両氏の一騎打ちだ。

 沖縄県知事選は「保守」対「革新」の対決構図が続いてきたが、今回は、四年前の前回知事選で仲井真陣営の選挙対策本部長だった翁長氏が仲井真氏と袂(たもと)を分かつ、初の「保守分裂」選挙となった。


◆「基地依存」は死語

 最大の争点は、世界一危険とされる米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)を日本側に返還するため、その代替施設を名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部に建設する、いわゆる「県内移設」の是非である。

 沖縄県には在日米軍基地の約74%が集中する。その存在は、騒音や事故、米兵らの犯罪、戦争への加担という精神的重圧など、県民に重い負担を強いてきた

 基地の存在は経済発展の阻害要因でもある。返還された跡地がショッピングセンターなどになり、雇用を生んで経済的繁栄の場となる多数の例を見れば、明らかだろう。

 一九七二年の本土復帰時に15%を超えていた県民総所得における米軍基地関係収入の割合は年々減少し、今や5%台にすぎない。もはや「基地依存経済」は死語だ

 日米安全保障条約上、米軍への基地提供は日本政府の義務だとしても、一地域に過重に負担を押し付けるのはやはり不平等である。

 普天間返還のためとはいえ、米軍基地をこれ以上、沖縄県内に造るのはやめてほしい、というのは県民の素直な思いと理解する。


安倍内閣も「不信任」

 もともと県内移設を条件付きで認める立場だった仲井真氏は、前回知事選で県外移設を求める姿勢に転換し、再選された。その後も県民の反対が強い県内移設は「事実上不可能」と繰り返していた

 しかし、仲井真氏は昨年暮れ、政府が申請した辺野古沿岸部の埋め立てを承認してしまう。県内移設容認への転換であり、公約違反は明らかだった

 仲井真氏は今回の選挙戦で「サイズが(普天間の)四割になり、民家の上も飛行させない。安全性は雲泥の差だ」と辺野古移設の妥当性を訴えたが、仲井真氏の「変節」を批判し、県内移設阻止を掲げた翁長氏を県民は支持した。

 県民の思いを顧みず、公約違反でもある県内移設を進めようとした県政リーダーへの、県民による痛烈なる不信任の意思表示だ。

 同時に、今回の選挙結果は「アメとムチ」によって県内移設を強行してきた安倍内閣に対する「不信任」でもある

 県本部が県内移設に反対する公明党は仲井真氏を支援せず、自主投票で臨んだ。二〇〇二年以来続いていた知事選での協力態勢が崩れ、安倍内閣の基地政策の正当性に疑問符を投げかけている。

 選挙期間中、多くの自民党議員に加え、菅義偉官房長官も異例の選挙応援に入った。そこで訴えたのは、那覇空港第二滑走路の早期完成や米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の沖縄誘致支援だ。

 経済振興策は必要だとしても、県内移設受け入れを前提とした露骨な手法である。基地押し付けに「構造的差別」を感じ始めた沖縄県民には、もはや通用しまい。

 翁長氏の陣営には自民党を離党した県議ら「保守系」に加え、共産、社民両党など「革新系」も加わった。

 仲井真陣営は「共産党主導の県政にするな」などと保革対決構図に持ち込もうとしたが、翁長陣営の「イデオロギーよりアイデンティティー」「オール沖縄で基地問題の大きな壁をこじ開ける」との訴えの前では、説得力を欠いた。

 対立してきた革新陣営と「県内移設拒否」で結束し、支持を集めた背景にある沖縄保守勢力の「政治的目覚め」を、安倍内閣と仲井真陣営は完全に読み違えた。


「過去の問題」でない

 菅氏はかつて「県内移設」の是非をめぐる議論は「過去の問題」と言い放った。知事選で仲井真氏が敗れても県内移設を進めるために、予防線を張ったのだろう。

 しかし、安倍内閣が全面支援する仲井真氏に突き付けられた拒否の意味は重い。県民の選択を無視して、海底掘削調査や工事入札など本格着工に向けた作業を続けることなど、あってはならない

 在日米軍基地の適正な規模や配置、沖縄県民の負担軽減は引き続き、すべての日本国民が考えるべき課題である。決して過去の問題などではない
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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/155034

自民大敗…安倍政権に鉄槌を下した沖縄県民の凄まじい怒り
2014年11月17日

     (支援者と万歳する翁長氏(中央)/(C)日刊ゲンダイ)

 安倍政権は今度こそ、沖縄県民の怒りのすさまじさを思い知ったのではないか。16日、投開票された沖縄県知事選は、夜8時の開票とほぼ同時に当確が出た。米軍基地の辺野古移設反対を掲げる翁長雄志・前那覇市長(64)が推進派の仲井真弘多知事(75)を10万票差で蹴散らした

 沖縄の憤激が炸裂したような選挙結果だったが、今度の選挙で政権与党の自民党は、辺野古推進派の仲井真氏を当選させるために、それこそ、ありとあらゆる禁じ手を繰り出してきた

 もともとは移設反対派だった仲井真氏を札束で頬を張るような形で変節させ、しかし、仲井真氏の苦戦が伝えられると、なりふり構わぬニンジン作戦やネガティブキャンペーンを展開したのだ。

   「沖縄南北縦断鉄道の建設やユニバーサル・スタジオ・ジャパンの誘致、
    カジノを含むIR開発、国際医療拠点建設構想など、ありとあらゆる
    バラマキ策をぶら下げたのが自民党です。菅官房長官を筆頭に幹部が
    何人も沖縄入りし、業界関係者を集めた秘密会合でアメ玉を配った
    かと思うと、自主投票だった創価学会を動かすために、同日投開票
    だった那覇市長選の応援に来た公明党の斉藤鉄夫幹事長代行の
    演説場所に仲井真さんが現れて、一緒に写真に納まったり、事実誤認に
    基づく共産党との癒着キャンペーンなどその選挙戦はエゲツなかった
    それでも、これだけの差がついたのですから、安倍首相は、この民意を
    厳粛に受け止めるべきです」
    (現地で取材を続けてきたジャーナリストの横田一氏)


それでも埋め立て強行が既定路線

 基地問題を争点にした沖縄の選挙は名護市長選に続く連敗になる。今度こそ、思い知ったか、自民党――。こう言いたくなるのだが、狡猾な自民党は県知事選で負けることを想定、選挙結果に左右されず、辺野古埋め立て、基地建設を強行するつもりだ。

 16日の選挙結果を聞いた自民党の茂木敏充選対委員長はイケシャーシャーとこう言っていた。

   「普天間の危険性除去に向け、政府・与党として準備を進めていく」

 要するに、普天間移転=辺野古埋め立ての計画にいささかの変更もないということだ。裏切り者の仲井真氏が公有水面埋立法に基づく埋め立てをすでに承認しているからだ

 実際、辺野古の海では今年8月、海保の巡視船が広範囲に制限海域を設定、反対運動を展開している地元民のカヌーを蹴散らし、ボーリング調査を強行した。それも「確保、確保」と叫んで、抵抗する住民を岸に投げだし、非国民のように扱っていた

 沖縄平和運動センター議長の山城博治氏は本紙の取材に「まるで明治時代の沖縄併合が戻ってきたのか、と思った」と話していたが、そうやって、既成事実をどんどん推し進め、反対派をあきらめさせようとしたのが安倍政権だ。それに対して、今度の選挙で県民は改めて、明確な「ノー」を突きつけたわけである。

 それでも安倍政権は埋め立てを強行するのか。間違いなくそのつもりだろう。集団的自衛権の行使容認でも原発再稼働でも、平気で民意を無視するのが安倍首相のファッショ政治だからだ。今度の総選挙では、政権をひっくり返すほど負けさせるしかない
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●辺野古破壊: 「いい正月になる」なんて、仲井真氏もアベ様らも猿芝居をしていたんじゃないのか?

2014年10月20日 00時00分17秒 | Weblog


琉球新報の社説【<社説>普天間5年内停止 実現の困難さは明らかだ】(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-233241-storytopic-11.html)と、
沖縄タイムスの社説【社説[5年内停止「空想」]辺野古を見直す時期だ】(http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=86895)。

 「「5年以内」がまやかしに過ぎないことは、もう誰の目にも明らかであろう・・・・・・米側が「空想のような見通しだ」と反対・・・・・・仲井真弘多知事が承認する際、政府に実現を強く求めた基地負担軽減策の柱・・・・・・だが米側は昨年末から一貫して5年以内の実現性を否定」。両社説とも同じ内容の指摘。
 な~んだ、「いい正月になる」なんて、仲井真氏もアベ様らも猿芝居をしていたんじゃないのか? 米国や番犬様が「迷惑」とまで言うような「担保無しのお約束」をアベ様達は沖縄県民にしておいて、「いい正月になる」と仲井真弘多氏は「実現不可能なお約束」「空想」であることを知っていながら、お互いに猿芝居をしていたわけだ。その上で、辺野古破壊を続けている。沖縄県民をバカにしている。アベ様達の沖縄に対する「差別性の極み」。来る沖縄知事選、「仲井真氏を選択」という前回と同じ過ちを繰り返してはいけない。

   『●国外移設どころか、やはり辺野古埋立承認へ:
        2010年11月の沖縄知事選の予想が現実に

    「仲井真氏は「政府の決意を示していただいた。格別のご高配に
       深く感謝申し上げる」とするコメントを発表した。県は、17日の
       沖縄政策協議会で「普天間の5年以内の運用停止
       「米軍牧港補給地区(浦添市)の7年以内の全面返還」などの
       ほかに、振興予算の確保や鉄軌道の導入なども要望。
       政府の回答にも「
担保」を求めていた。閣議での指示は、
       これに応えた形だ」

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http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-233241-storytopic-11.html

<社説>普天間5年内停止 実現の困難さは明らかだ
2014年10月17日

 「5年以内」がまやかしに過ぎないことは、もう誰の目にも明らかであろう。政府は米側との協議内容をつまびらかにすべきだ。

 米軍普天間飛行場の運用停止について日本政府が2019年2月までの実現を目指す方針を発表したことに対し、米側が「空想のような見通しだ」と反対していた。

 5年以内の運用停止は、普天間の辺野古移設に向けた埋め立てを仲井真弘多知事が承認する際、政府に実現を強く求めた基地負担軽減策の柱だ。知事の要望を受け、安倍政権は最大限努力する姿勢を示してきた。

 だが米側は昨年末から一貫して5年以内の実現性を否定している。今回、「空想」との表現まで持ち出して日本側に直接反対を伝えていたことは、米側の強いいら立ちを物語っていると言えよう。

 この問題では9月中旬に来県した菅義偉官房長官が「5年以内」の起点は「政府としては2月と考えている」と明言し、19年2月の運用停止方針を初めて示した。

 発言には、9月に就任した江渡聡徳防衛相が起点について「決まっていない」と述べて波紋を呼んだことを打ち消す意味もあった。江渡氏はその後、発言を修正した。

 言葉だけではない。政府は今月7日に閣議決定した答弁書で「県から、14年2月から5年をめどとする考え方が示されている。実現に向け全力で取り組む」と表明している。ところが米側は2日の日米合同委員会で「一方的発表に驚いた。米側と調整もなく発表したことは迷惑で、米国を困った立場に追いやる」と伝えたという。

 米側の説明だと、菅氏らは根拠もなく「5年以内」の方針を示したことになる。これでは知事選を前にして、移設反対が根強い県内世論を懐柔するためにまた口約束をしたと批判されても仕方がない。

 そうでないなら政府は5年以内の実現に不可欠なオスプレイの県外移駐の具体的な道筋を提示すべきだ。だが現状は訓練の県外移転さえ進まない。

 米側は昨年4月の合意に基づく代替基地の完成予定から、運用停止は最も早くて22年としている。だがこれとて疑わしい。米海兵隊少将は昨年5月の米上院小委員会で、普天間を27年度ごろまで継続使用する可能性を指摘している。

 「5年以内」を実現する唯一の道は辺野古移設を見直し普天間を速やかに閉鎖することにある。両政府は現実を直視すべきだ。
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http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=86895

社説 [5年内停止「空想] 辺野古を見直す時期だ
2014年10月17日 05:30

 米軍普天間飛行場の運用停止について、政府が2019年2月までの実現を目指すとしていることについて、米政府が今月2日に都内で開かれた日米合同委員会で「空想のような見通しだ」と、強い言葉で反対を表明していたことが分かった。

 菅義偉官房長官は9月に来県した際、それまであいまいにしていた「5年以内」の起点について県の認識に基づき「ことし2月」とする考えを示した。さらに政府は今月7日の閣議で、普天間の5年以内の運用停止について照屋寛徳衆院議員の質問主意書に対し「政府として実現に向け全力で取り組んでいく」との答弁書を決定した。

 11月の知事選に向け、辺野古埋め立てを承認した仲井真弘多知事を後押しする色合いが濃いが、今回、米側代表は「米側と調整もなく発表したことは迷惑で、米国を困った立場に追いやる」と、強い不快感を示した。

 米側はこれまでも繰り返し、5年以内の運用停止を否定してきており、仲井真知事の政府への要求が、実現の見通しを欠いていることがあらためて浮き彫りになった。

 この構図は、稲嶺恵一前知事が移設条件とした「15年使用期限」「軍民共用空港」のケースと似通っている。この条件は1999年12月に政府方針として閣議決定されたものの、日米両政府によりほごにされた。5年以内の運用停止も実現可能性が見通せないまま、一種の「仮想現実」と化す可能性が高い。

    ■    ■

 「普天間の固定化は絶対あってはならない。その中で抑止力は維持しなければならない」。安倍晋三首相をはじめ閣僚が辺野古移設を強調する際に使う決めぜりふである。

 だが、昨年4月の日米合意は、普天間の返還時期を「2022年度またはその後」と明記している。早くても8年を要する新基地建設を前提とした合意自体、固定化であると言わざるを得ない。

 政府が強調する抑止力についても、沖縄の「地理的優位性」が薄らいでいる状況がある。元米国防次官補でハーバード大教授のジョセフ・ナイ氏は、中国の弾道ミサイルの発達で在沖米軍基地の脆弱(ぜいじゃく)性が高まっていると指摘し、米軍は各拠点を巡回配備(ローテーション)すべきだと主張している。2020年代前半には沖縄の海兵隊のグアム移転が開始される。沖縄に残るのは1年のほとんどを海外に遠征する部隊だ。

    ■    ■

 仲井真弘多知事は、埋め立てを承認する前の11年9月、米国で開かれた有識者による会議「沖縄クエスチョン」で「日本国内の他の都道府県への移設が合理的かつ早期に問題を解決できる」とスピーチした。同年の雑誌のインタビューでは「辺野古に固執するのではなく、もっと早く現実的に移設できる県外の場所を探すべきだ」と述べている。

 普天間飛行場の危険性除去は、辺野古移設を前提にしなくても可能である。そのことは多くの専門家が指摘しており、辺野古移設を自己目的化してはならない。普天間返還の新たなアプローチを考える時期にきている。
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●菅首相の答弁に今更ながら失望

2010年06月16日 00時07分20秒 | Weblog


AMLに代わるCMLの記事

  本日の国会での福島瑞穂社民党党首の質問に対する菅首相の答弁に、予想できたこととはいえ、おおいに失望しました。

 それとは別件ですが、首相答弁について小泉元首相の息子がタカビーな物言いをしているインタビュー映像を見ました。親父の下品な答弁に比べればはるかにマシでしょう。しかし、まったく・・・、自民党も人材がいないものです。

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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2010-June/004442.html】

[CML 004519] 6・11首相官邸前行動で菅首相に提出された徳之島と名護からのメッセージ
                                 2010年6月13日(日) 18:50:28JST

 全国のみなさんへ 「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」は6月11日夜、菅首相に5・28日米共同声明の撤回を求めて首相官邸前行動をおこないました。79名が参加した同行動には奄美・徳之島と沖縄・名護市から菅首相あてのメッセージが寄せられ、それらはスピーカーで読み上げられた後、首相官邸に提出されました。以下で両メッセージを紹介します。
            
          井上澄夫(辺野古への基地建設を許さない実行委員会)


内閣総理大臣 菅直人様

 日本政府は米軍基地訓練移設先として日米共同声明に徳之島を明記しました。
 4・18の15000人の集会と実に徳之島島民9割にものぼる反対署名の民意を完全に踏みにじったのです。
 奄美・沖縄は戦後米軍統治の下、苦難の歴史を共にしています。
 私たちは、今再び日本政府によって本土の安全のための捨て石として、アメリカに売り渡されようとしています。
 私たち徳之島は子宝・長寿の島として静かにおだやかに暮らしています。
 豊かな実りに恵まれたこの島を騒音と犯罪の島にする企みを絶対に許しません。
 基地の痛みは分け持つものではなく、痛みそのものを取り除くことこそが必要です。 
 子どもたちの未来に禍根を残す米軍基地に関わる一切のものを拒否します。
    
         徳之島の自然と平和を考える会  2010年6月11日


内閣総理大臣 菅直人さま  2010年6月11日

 私は「普天間基地代替施設」建設計画の予定地とされた名護市東海岸・大浦湾沿岸の住民で作る「ヘリ基地いらない二見以北十区の会」(199710月結成)の共同代表を務めています。
 「市民運動出身」を標榜するあなたが、鳩山前首相による528日の日米合意=米軍普天間飛行場の辺野古移設を引き継いだことに、私たち名護市民・沖縄県民は深い失望と怒りを禁じ得ません。
 昨年の衆議院選挙で沖縄県民が民主党を圧倒的に支持したのは、「最低でも県外(移設)」という公約が、戦後65年間の基地の重圧、14年間も沖縄を翻弄し、地域住民に耐えがたい苦しみを与えてきた新基地計画からやっと解放されるという希望を生んだからだということを、あなたがご存じないはずはありません。
 政権交代に託した私たちの期待を鳩山前内閣はことごとく裏切り、打ち砕きました。しかし私たちは、地元合意のない日米合意は実現しないと、確信を持って忠告します。1996年のSACO合意が、地元住民を中心とする反対によって14年間も実現しなかったことを、あなたはどのように考えていらっしゃるのでしょうか?
 「アメとムチ」といわれる、ありとあらゆる手段をとった(私たちから見れば)恐ろしいまでの攻撃や圧力によっても、また県知事や名護市長が容認の姿勢を示す中でも、その反対の声は潰されることなく、私たちの命の源である辺野古・大浦湾の海に杭1本打たせることはありませんでした。
 今、稲嶺進名護市長は明確に、断固とした反対を貫き、市民・県民の「県内移設ノー、辺野古移設ノー」の世論はこれまでにないほどの高まりを見せています。これまでよりいっそう厳しくなった地元の不合意の中で、あなたは、日米合意が実現可能だと本気で考えていらっしゃるのでしょうか?
 あなたが実現不可能な日米合意に固執し、鳩山前首相と同じ轍を踏むことを私たちは望んでいません。それは、沖縄県民を含む日本国民および米国の信頼を、ともに失うことになるからです。
 新首相となられたあなたが今なすべきことは、第一に、日本国民である沖縄県民および徳之島島民の不退転の強い意思を後ろ盾として、日米合意は実現不可能であることを米国に理解させ、それを撤回することです。第二に、日本の中でどこも引き受け手のないことがはっきりした米軍基地と、その根拠である日米安保を見直す国民的議論を起こし、それをもって米国と対等に交渉することです。「最小不幸の社会を作るのが政治の役割だとおっしゃったあなたが、まさか沖縄県民をこれ以上不幸にするようなことはなさいますまい。「沖縄の負担軽減」をおっしゃるのなら、県内移設を断念することがその第一歩であり、新基地を造った上での「負担軽減」はありえないことを強調したいと思います。
 長年にわたる多大な基地負担によってゆがめられてきた沖縄の、経済を含め社会のあらゆる面にわたる歪みをただしていくことこそ「政治の役割」であり、そのためにご尽力下さいますよう、心よりお願い申し上げます。
   
         浦島悦子/ヘリ基地いらない二見以北十区の会共同代表
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●アメリカのポチでは困ります

2010年06月13日 15時22分37秒 | Weblog


 これまた古くなったgendai.netの記事

 沖縄の合意無き日米合意」重視では、記事が指摘するように小泉元首相のようなアメリカのポチになり下がります。折角、野党には〝左翼政権〟と思われているのに、これでは失望感が広がるばかり・・・。右翼極右を標榜する人たちや、在特会普天間問題こそ大騒ぎすべきではないのか?

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【http://gendai.net/articles/view/
                         syakai/124443】

【菅内閣スタート 表の世論 裏の世論】
     日米合意と民主党政権の存在意味
                  【政治・経済】 2010年6月9日 掲載

 普天間移設問題で、菅首相は「日米合意重視」の立場だ。鳩山首相がアメリカを怒らせて短命に終わったのを見てきたせいか、「沖縄の負担軽減」よりも「日米関係」に配慮する姿勢が言葉の端々に出ている。
 だが、それだったら自公政権時代と変わらない逆戻りだ。

  「普天間問題で最低でも県外と頑張った鳩山さんは思いを
   成し遂げずに退陣となった。でも、沖縄県の米軍基地問題を全国民に
   認知させた意味は大きい。沖縄県民の気持ちもひとつになりました。
   米国も、日本の民主党政権はこれまでとは違うなと感じたはずです。
   それを踏まえて、菅さんにも鳩山路線を敬重してほしいのですが、
   その気概を持っているかどうかが伝わってきません。理念派の
   鳩山さんに対し、菅さんは現実派ということなのでしょう」
                     (軍事問題評論家・前田哲男氏)

 もちろん、こじれにこじれた普天間問題はだれが総理になっても解決はおぼつかなくなった。辺野古に基地建設は不可能だ。問題は、その現状を米国に突きつけ、第3の道を探れるかどうかである。しかし、北沢防衛相、岡田外相の再任に加え、菅首相まで慎重姿勢となると、何も進まない展開が見えてくる

  
「戦後65年、日本の外交・安保政策はアメリカに言われるままでした。
   忠犬ポチになっていれば、政権を守ってもらえた。それを変えよう、
   少しでも対等関係にもっていこうとしたのが民主党政権ができた意味です。
   もし、菅政権がその志を捨てたら、政権交代の意味はなくなって
   しまいます
よ」                 (小林弥六氏=前出)

 小泉純一郎のように、ポチになりきって、政権延命をするのか。それとも米国に対して多少のイラ菅ぶりを見せられるのか。これも政権変質を測るターニングポイントなのだ。
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●杭打ちで解決するのか?

2010年05月06日 05時00分00秒 | Weblog

CMLに掲載された抗議声明

 杭打ち案では何の解決にもならんでしょ。県外や国外なんてのも止めてはどうなんでしょうかね。アメリカ自身に引き取って頂きたいものです。自民党の旧政府との約束? あ~あっ、まったくも~。政権が変わったんだから、さっさと話しあっとけばよかったのに・・・。それにしても、諸悪の根源は〝沖縄密約〟時まで戻るのでしょうか? 罪深い話です、当時の佐藤栄作首相とその周辺、その後の自民党政権

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http://list.jca.apc.org/public/cml/
                 
2010-April/003833.html


[CML 003900]
【抗議声明】私たちは、普天間基地の辺野古移設を絶対に許しません!!
                                  2010年4月30日(金)14:39:45JST

【転送・転載大歓迎】

【抗議声明】私たちは、普天間基地の辺野古移設を絶対に許しません!!

     北限のジュゴンを見守る会(代表・鈴木雅子)
  2010年4月30日

内閣総理大臣 鳩山由紀夫様
  4月25日に沖縄・読谷村運動広場で開催された、米軍普天間飛行場の「県内移設に反対する」県民大会には9万人を超える多くの沖縄県民・市民が参加しました。そこに表われた「県民の総意」をあなたは「民意の一つ」と表現しましたが、あなたはその「民意の一つ」を正面から受け止め、それに応えるつもりでしょうか。あなたの内閣の現実の動きは、「沖縄県民の総意」を踏みにじろうとしているのではないでしょうか。
 県民大会の翌日、4月26日に、これまで中断していた日米外務・防衛実務者協議がワシントンで始まりました。「日本側の提案に勇気づけられている」というキャンベル米国務次官補の発言は米国政府の並々ならぬ決意を反映しています。そのような米国政府の姿勢は明らかに、日本政府が八方ふさがりの普天間問題の解決を2006年の日米合意案である「キャンプ・シュワブ沿岸域案」に見出す方向に転じたことによるものです。
 私たち「北限のジュゴンを見守る会」は沖縄のジュゴンが生き続けられる環境の保全を求めて、1999年以来10年余にわたって活動してきましたが、今回、鳩山内閣が2006年の日米合意案に回帰しその「修正」を方針としたことには深い憂慮を禁じ得ません。同案はジュゴンの生存を脅かす辺野古沖海域と大浦湾の埋め立てを伴うものだからです。
 あなたはこれまであなたの「腹案」の中味を明らかにせず、4月28日に元衆議院議員・徳田虎雄氏に対し初めて「徳之島に(普天間の)航空部隊の一部、もしくは訓練の一部を持っていきたい」と表明しました。しかし2006年の日米合意案への回帰とその「修正」については、なお詳細な説明を拒みながら、5月4日に沖縄を訪問すると発表しました。あなたの沖縄訪問の目的が仲井真沖縄県知事に「県内移設」を容認させるためであることは疑いの余地がありません。
 
「キャンプ・シュワブ沿岸域案」を「修正」して米国政府に承認を求めるつもりであると伝えています。その「修正」とは新基地の位置を2006年の日米合意案より沖合に移動させることと、建設の工法をくい打ち桟橋方式(QIP)あるいはメガフロート方式にすることと報じられています。
 私たちは両工法とも、埋め立て同様、海の生態系を決定的に破壊すると確信します。くい打ち桟橋方式はリーフに数千本の杭(くい)を打ち込んで桟橋を作り、その上に滑走路を建設するものですが、くい打ちがリーフの海底を損壊するばかりか、滑走路がリーフの生態系を維持するために不可欠な太陽光線を遮断してしまいます。またメガフロート方式は鋼鉄製の箱舟を多数並べてそれらをつなぎ、その上に滑走路を建設するもので、QIPと同じように海底への陽光を閉ざしてしまいます。その上メガフロート方式は海面に浮かべる滑走路が浮動しないよう、巨大な防波堤と係留施設の建設を必要とします。それがリーフの海底を破壊することは確実です。しかも防波堤がリーフの潮流を変えてしまうことは、金武湾(きんわん)で勝連半島と平安座島(へんざじま)を結んで建設された海中道路が潮流の変化でサンゴ礁生態系を撹乱させた例から容易に想像できます。
 要するに、両工法ともリーフにフタをして海を殺してしまうのです。それは埋め立てと同等の海の生態系の破壊であり、それこそあなた自身がのべた「自然への冒涜」にほかなりません。報道は政府が埋め立てさえしなければ環境への影響は軽減できると考えていると報じていますが、とんでもない誤解あるいは強弁と言わざるを得ません。
 ジュゴンの生息環境の観点から言えば、多数の杭によるサンゴ礁の破壊、生態系の攪乱、桟橋や浮体構造物による振動や騒音の影響はジュゴンを追い払うことになるでしょう。何よりもジュゴンは岸に近い深さ数メートルの浅海域に生育しているリュウキュウアマモなどの海草(うみくさ)を唯一の食料としているため、人間活動の場に近い沿岸から離れられない宿命を背負っています。ジュゴンにとって唯一の餌場である海草藻場は光合成により育まれるために、陽光の遮断はすなわち、餌場の消滅につながります。
 私たちは、あなたが政府の方針を辺野古への新基地押しつけに回帰させることに強く反対します。「世界で一番危険な普天間基地」を押しつけられている宜野湾市民をはじめとする沖縄の人びとが求めているのは、「普天間基地の即時閉鎖・返還」であり、県内での「基地のたらい回し」ではありません。民主党は「地域主権の確立」を掲げて政権交代を果たしたのですから、「県内移設」などもともと論外のはずではありませんか。
 あなたがなすべきことは、移設先探しではなく、普天間基地の一日も早い撤去を、米国政府に対し毅然として要求することです。それこそ「対等な日米関係」構築の第一歩ではありませんか。新基地建設の強行によって沖縄の豊かな自然とそれに依拠する人びとの生活を破壊することは犯罪です。
 ジュゴンと共に生きたいと願う地元住民と共に辺野古の浜に6年間座り込み、非暴力の抵抗でジュゴンの海に1本の杭(くい)も打たせなかった私たちは、いかなる工法であろうとも辺野古への新基地建設を許しません。  私たちはかつて宝珠山昇防衛施設庁長官が期待した「米軍基地との共生」ではなく、「自然との共生」を目的として、志を同じくする人びとと共にいっそうの活動の強化を図り、県内のすべて、および緑豊かな徳之島を含め、琉球列島につらなるどの島々への基地・訓練場所の移設にも強く反対します。
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