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●《30年以上も放出が続けば長い半減期の放射性物質の総量は増え続けることにならないか。微量でも人体に入れば内部被ばくが起きる可能性》

2023年09月04日 00時00分18秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年08月31日[木])
定義も出来ない「廃炉終了」、「廃炉」は1mmも進んでいない。東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も3基で計約880トン》…廃炉終了の定義も無く、デブリの持って行き場所も? いや、デブリの取り出しや廃炉終了までのスケジュールが全く見通せないのだ。小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》。流入する地下水を止める気がないのですから、永遠にデブリに触れた〝汚染水〟が生成…。一体全体、〝汚染水〟の海洋投棄で廃炉作業の何が進むのか?
 長周新聞の記事【海洋放出計画を凍結し、影響を受ける人々が参加する議論のプロセスを 福島大学研究者などでつくる福島円卓会議が緊急アピール発出】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27460)。《政府と東電が24日から開始した福島第一原発汚染水の海洋放出をめぐり、住民参加型の議論を求めて福島大学の研究者が農漁業者らと設立した「復興と廃炉の両立とALPS処理水問題を考える福島円卓会議」が21日、緊急アピールを発出した。地元住民や漁業者との約束を反古にし、一方的に海洋放出を決定した政府に対して計画の凍結と議論のやり直しを求めている。起草したのは、福島円卓会議呼びかけ人である…。福島現地の切実な訴えとして全文紹介する。》《1.今夏の海洋放出スケジュールは凍結すべきである》《2.地元の漁業復興のこれ以上の阻害は許容できない》《3.いま優先して取り組むべきなのは地下水・汚染水の根本対策である》《4.海洋放出は具体的な運用計画がまだなく、必要な規制への対応の姿勢も欠けている》《5.今後、県民・国民が参加して議論する場が必要である》。

 《二重の加害》…そして、何度目の実害か…。
 同紙の記事【「汚染水」の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める れいわ新選組が声明】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/27464)。《政府と東電が24日から福島第1原発内の汚染水の海洋放出を開始することを発表したことを受けて、れいわ新選組(山本太郎代表)は23日、「『汚染水』の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める」とする声明を発した》。《規模、期間ともに前例のない放射能汚染水の太平洋への投棄を撤回し、生態学的・経済的・文化的に貴重な海洋資源と共に生きてきた人類と地域社会をまもるための他のアプローチを徹底追求することを強く求める》。

 #zutto_uso_datta斉藤和義さん「ずっとウソだった」。
 東京新聞の【<社説>海洋放出に周辺国反発 原発事故の反省あるのか】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1774592.html)。《しかし、30年以上も放出が続けば長い半減期の放射性物質の総量は増え続けることにならないか。微量でも人体に入れば内部被ばくが起きる可能性がある。将来への影響がないと言い切れるか、国民は不安を拭えずにいる》。
 《原発事故は周辺国も震撼(しんかん)させた。日本政府は、その反省と責任を認識しているのか。それが問われている》…はずなのに、福島を《原状回復》することもなく、《原発回帰》《原発復権》するニッポン。老朽原発も再稼働させたいそうだ。「脱原発の約束はどこに」?

   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●「汚染水」の海洋放出からX年後を恐れる ―――《政府は
     基準値を大きく下回るまで薄めるというが…物質の総量は変わらない》
   『●《東京電力は処理水を「希釈すれば飲める」》…政府、自公お維の
     議員、原子力「寄生」委員会の皆さん、「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」
   『●【西谷文和 路上のラジオ】《小出裕章さん…東京電力福島第一原発の
     トリチウムなど放射性物質を含む処理水を海洋放出していけないわけ》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●核燃料デブリに触れた汚染水をALPS処理した〝汚染水〟の海洋
     放出に断固反対する…〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行である
   『●(デモクラシータイムス/原発耕論)《汚染水海洋放出は無責任の極み!》
      …希釈しても汚染物質は減らない、〝汚染水〟の海洋放出に断固反対
   『●そんな核燃料デブリに触れた水を処理した〝汚染水〟…そんなものを海に
      捨てた例はどこにもない、〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行
   『●《通常の原発からも海洋放出しているから安全なのではなく、人体に
     とって危険なトリチウムを排出する通常の原発稼働も止めることが必要》
    (長周新聞)《カナダでは、重水炉というトリチウムを多く出すタイプの
     原子炉が稼働後しばらくして住民のあいだで健康被害の増加が問題に
     された。調査の結果原発周辺都市では小児白血病や新生児死亡率が
     増加し、ダウン症候群が80%も増加した。またイギリスの
     セラフィールド再処理工場周辺地域の子どもたちの小児白血病増加に
     関して、サダンプト大学の教授は原因核種としてトリチウムと
     プルトニウムの関与を報告している》

   『●長周新聞【汚染水海洋放出に国内外で反発高まる コスト優先し科学歪める
      政府 トリチウム以外に62核種が基準超え 風評では済まされぬ実害】
   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●「賠償ではなく、漁業をしたいだけ」…福島県漁連は《関係者》では
     ないのか? ―――「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない」?
   『●#zutto_uso_datta、斉藤和義さん「#ずっとウソだった」。そして、「関係
     者の理解なしには、いかなる処分もしない」という約束もウソだった
   『●既に実害…《「汚染水放出は危険・問題派」…汚染水放出そのものが
     すでに中国や韓国など海外による輸入規制など経済的実害を生んでいる》
   『●《「海洋資源に大きく依存している太平洋諸島の人々の命と生活を脅かす」
      …「太平洋を核廃棄物のごみ捨て場にこれ以上するべきではない」》
   『●息吐く様にウソをつく…「日本の原発でそういう事態は考えられない」、
     菅直人氏についてのデマ「メルマガ事件」、「汚染水漏えい問題はない」
   『●【全責任持つという無責任】…《漁業関係者は…反対…岸田文雄首相が
       「漁業が継続できるよう、全責任を持って対応する」として押し切った》

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1774592.html

<社説>海洋放出に周辺国反発 原発事故の反省あるのか
2023年8月29日 05:00

 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出開始後、「核汚染水の海洋放出」と批判する中国で反日感情が拡大している。経済関係に大きな影響が出ているほか、SNSへの差別的な投稿や日本人学校への投石などが起きている。一般人に対する人権侵害は行き過ぎであり、残念である。

 海洋放出は、日本だけの問題ではない。周辺国の漁業者も風評被害を受ける。韓国政府は理解を示すが、韓国国民の反発は強い。日本政府は国内でも、漁業団体の理解を得るという約束をほごにした。国内、国外とも、理解を得ずに強行する日本政府の姿勢が今回の事態を招いた。放出を停止し、代替策の検討も含めて、国内も周辺各国とも真摯(しんし)に協議をやり直すべきだ。

 政府は、希釈しての海洋放出による影響は科学的にないと主張している。放出しているのは、トリチウム以外のストロンチウム90炭素14などの放射性物質の濃度の総和が1ミリシーベルト未満になるよう希釈し、さらにトリチウムが国の基準値の40分の1未満になるよう希釈したものだ。その結果、放出後の海水の測定で検出限界を下回っている

 水産庁は放出初日の24日に周辺海域で採取した魚を検査た結果、トリチウム濃度は検出限界値未満だったと公表した。しかし、30年以上も放出が続けば長い半減期の放射性物質の総量は増え続けることにならないか。微量でも人体に入れば内部被ばくが起きる可能性がある。将来への影響がないと言い切れるか、国民は不安を拭えずにいる。

 地球温暖化や海洋プラスチック問題も、何十年も年月を経て深刻な問題と認識されるに至った。ポリ塩化ビフェニール(PCB)や有機フッ素化合物(PFAS)も、健康への影響が後になって問題となった。「科学的にと言うとき、100年後を展望した謙虚さが求められる

 代替策は十分に検討されたのか。政府は、海洋放出、蒸発させる大気放出、地層注入など五つの方法のうち、国内外に実績のある方法として海洋放出と大気放出に絞り込んだ。そのうち、放出後のモニタリングがしやすいという理由で2021年4月に海洋放出を決定した。2年間の準備を経て今回の放出に至った。

 政府・東電にとって最も都合のいい方法として、海洋放出という結論が初めからあったのではないか。

 京都大複合原子力科学研究所研究員の今中哲二氏は、トリチウムの半減期が12・3年であることを踏まえて、第1原発敷地内でのタンク増設は可能であり、さらに10キロ南にある、廃炉が決まっている第2原発の敷地も使えるとして、長期保管を提案してきた。そして地下水の流入を防ぐ根本的な対策を進めるべきだと指摘している。

 原発事故は周辺国も震撼(しんかん)させた。日本政府は、その反省と責任を認識しているのか。それが問われている。
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●【全責任持つという無責任】…《漁業関係者は…反対…岸田文雄首相が「漁業が継続できるよう、全責任を持って対応する」として押し切った》

2023年09月03日 00時00分44秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年08月30日[水])
既に実害…どう《全責任》とるつもり? <ぎろんの森>《持てない責任を持つというのは無責任極まりない》。
 日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/汚染水放出は経済敗戦…岸田政権は「技術後進国」の汚名を歴史に刻んだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/328264)。《岸田政権と東京電力が福島第1原発で発生した汚染水の海洋放出を強行した。反発する中国は水産物の全面禁輸に踏み切り、韓国でも抗議デモが活発化している。一部メディアはそうした動きを風評被害と報じる水俣病の時と同じだ。汚染水の放出は原発敗戦、経済敗戦の象徴だ。先の大戦で将校…》。

   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●「汚染水」の海洋放出からX年後を恐れる ―――《政府は
     基準値を大きく下回るまで薄めるというが…物質の総量は変わらない》
   『●《東京電力は処理水を「希釈すれば飲める」》…政府、自公お維の
     議員、原子力「寄生」委員会の皆さん、「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」
   『●【西谷文和 路上のラジオ】《小出裕章さん…東京電力福島第一原発の
     トリチウムなど放射性物質を含む処理水を海洋放出していけないわけ》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●核燃料デブリに触れた汚染水をALPS処理した〝汚染水〟の海洋
     放出に断固反対する…〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行である
   『●(デモクラシータイムス/原発耕論)《汚染水海洋放出は無責任の極み!》
      …希釈しても汚染物質は減らない、〝汚染水〟の海洋放出に断固反対
   『●そんな核燃料デブリに触れた水を処理した〝汚染水〟…そんなものを海に
      捨てた例はどこにもない、〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行
   『●《通常の原発からも海洋放出しているから安全なのではなく、人体に
     とって危険なトリチウムを排出する通常の原発稼働も止めることが必要》
    (長周新聞)《カナダでは、重水炉というトリチウムを多く出すタイプの
     原子炉が稼働後しばらくして住民のあいだで健康被害の増加が問題に
     された。調査の結果原発周辺都市では小児白血病や新生児死亡率が
     増加し、ダウン症候群が80%も増加した。またイギリスの
     セラフィールド再処理工場周辺地域の子どもたちの小児白血病増加に
     関して、サダンプト大学の教授は原因核種としてトリチウムと
     プルトニウムの関与を報告している》

   『●長周新聞【汚染水海洋放出に国内外で反発高まる コスト優先し科学歪める
      政府 トリチウム以外に62核種が基準超え 風評では済まされぬ実害】
   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●「賠償ではなく、漁業をしたいだけ」…福島県漁連は《関係者》では
     ないのか? ―――「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない」?
   『●#zutto_uso_datta、斉藤和義さん「#ずっとウソだった」。そして、「関係
     者の理解なしには、いかなる処分もしない」という約束もウソだった
   『●既に実害…《「汚染水放出は危険・問題派」…汚染水放出そのものが
     すでに中国や韓国など海外による輸入規制など経済的実害を生んでいる》
   『●《「海洋資源に大きく依存している太平洋諸島の人々の命と生活を脅かす」
      …「太平洋を核廃棄物のごみ捨て場にこれ以上するべきではない」》
   『●息吐く様にウソをつく…「日本の原発でそういう事態は考えられない」、
     菅直人氏についてのデマ「メルマガ事件」、「汚染水漏えい問題はない」

 《二重の加害》…何度目の実害か…。《原発事故から10年かけて復興に向けて努力してきた地元や漁業者の意向を無視し、東京電力という一企業を保護するため日本の水産業全体を犠牲にする判断》。
 長周新聞の記事【国内水産業を淘汰する汚染水海洋放出 被災地復興の努力水泡に帰す暴挙 東電守るために毀損される日本の食への信頼】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/27451)によると、《福島第一原発(福島県)の敷地内に貯蓄している原発汚染水について東京電力は、漁業者や地元住民からの強い抗議にもかかわらず、岸田政府が海洋放出方針を決定したことを受けて24日から海への放出を開始した。原発事故から10年かけて復興に向けて努力してきた地元や漁業者の意向を無視し、東京電力という一企業を保護するため日本の水産業全体を犠牲にする判断を見せた。政府や東電は、トリチウム等による汚染水を「人体や環境への影響を無視できる程度」にまで薄めるとして安全性を主張しているが、あくまで1㍑当りの濃度であり、放出総量を示していない。検査していないものも含めると今後30年でどれだけの放射性核種が海に垂れ流されるのかは不明で、日本水産物の最大の輸入国である中国や香港などを中心に世界的な警戒感が高まり、日本産の輸入規制が始まっている》。《■海に生きるすべての人々の生業を度外視》、《■「薄めるから安全」の詭弁 除去できぬ核種多数》、《■上位輸入国が輸入規制 中国・韓国・台湾など》、《■太平洋諸国も懸念表明 「海を核のゴミ捨て場にするな》。

 既に〝実害〟、どう《全責任》をとるのか? 《全責任持つという無責任》。なぜ国会で議論しないの? なぜ福島の漁業関係者に説明しないの? 《取り除けない放射性物質トリチウム》の放出は仕方ないんだ、というアピールによって核発電所再稼働を後押しする、あるいは、破綻した核燃サイクルを夢見て再処理工場を何としても稼働したいという意図ではないか。あまりの悪手、愚行。
 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>全責任持つという無責任】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/272699?rct=discussion)によると、《東京電力福島第一原発事故でたまった汚染水を浄化処理した「処理水」の海洋放出が始まりました。漁業関係者は水産物の「風評被害」を懸念して放出に依然、反対していますが、岸田文雄首相が「漁業が継続できるよう、全責任を持って対応する」として押し切った形です》、《放出の是非はもちろん、問われるべきは岸田政権の政治姿勢そのものです。(と)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/272699?rct=discussion

<ぎろんの森>全責任持つという無責任
2023年8月26日 08時16分

 東京電力福島第一原発事故でたまった汚染水を浄化処理した「処理水」の海洋放出が始まりました。漁業関係者は水産物の「風評被害」を懸念して放出に依然、反対していますが、岸田文雄首相が「漁業が継続できるよう、全責任を持って対応する」として押し切った形です。

 東京新聞は二十三日の社説「処理水放出 『全責任』を持てるのか」で「順調に進んでも三十年に及ぶ大事業。誰が、どう責任を取り続けるというのだろうか」と指摘し、放出強行を批判しました。

 そもそも政府と東電は八年前、福島県漁業協同組合連合会との間で「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない約束しています。

 本紙には「廃炉に向け前進した一面もある。各国と比べても低い濃度での放出をそこまで騒ぐ必要があるのか」と放出への賛意の一方「『関係者の理解なく処分しない』という約束を守れないのに『風評被害が起きた際には適切に賠償を行っていく』という約束が守られるわけがない」との厳しい意見が届きます。

 基準値以下とはいえ取り除けない放射性物質トリチウムが残るため、人体への影響を懸念する声も相次ぎます。

 首相は全責任を持つと言いましたが、内閣支持率は低迷し、来年の自民党総裁選後も岸田政権が続くとは限りません。持てない責任を持つというのは無責任極まりない

 国として全責任を負うというなら、政府内の正式手続きはもちろん、国権の最高機関である国会で徹底的、多角的に議論し、大方の理解を得ることが大前提のはずです

 まずは野党が求める閉会中審査を速やかに行うか、臨時国会を早期召集すべきです。

 岸田首相は敵基地攻撃能力の保有防衛予算「倍増」殺傷能力のある武器輸出解禁など安全保障政策の大転換国会での十分な議論と承認を経ず政府の一存で進めてきました。原発の新増設や運転期間延長などの原発回帰、今回の処理水放出も同様です。

 放出の是非はもちろん、問われるべきは岸田政権の政治姿勢そのものです。 (と)
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●長周新聞【汚染水海洋放出に国内外で反発高まる コスト優先し科学歪める政府 トリチウム以外に62核種が基準超え 風評では済まされぬ実害】

2023年08月22日 00時00分43秒 | Weblog

[※ 「3.11から12 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(20230804[])
風評どころか実害を生じさせる〝汚染水〟の海洋放出に断固反対する。キシダメ首相らのやろうとしていることのどこが、一体「科学的」なのか? まずは、デブリに水が触れないようにしてはどうなのか。〝汚染水〟を日々増やしつつ、タンクを置く土地が足りないなどと嘯くことは、愚か者のやることだ。東電が持つあらゆる土地を使い、東電が責任をもって保管すべき。〝汚染水〟の海洋放出が風評被害でおさまる保証はどこにあるのか? 汚染水の放出からX年後にどう責任をとるつもりか? 捨てて、拡散させてしまってからでは遅い。いくら希釈しても汚染物質の質量は減らない。
 1グラムの核燃料デブリさえも取り出せない。どうやって取り出し、どこに持って行くのかも示せない。スケジュールさえも。そんなデブリに触れた水を処理した〝汚染水〟。世界中、そんなものを海に捨てた例はどこにもない。〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行。核発電推進団体の《国際原子力機関IAEA)の「お墨付き」を得て岸田文雄首相が判断する》(琉球新報)…国際社会からの非難が出ても、IAEAは責任を取る気など全くないが、キシダメ氏はX年後にどう責任を取るつもりか? キシダメ氏の頭の中を覗いてみたいよ、全く。

   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない

 そもそも脱原発の約束はどこにいったのかね? 《2015年に政府と東電がした「関係者の理解なしに(処理水の)いかなる処分もしない」という約束》は? 武藤類子んは《住宅などの避難者支援が打ち切られ国や福島県が避難者を切り捨てる方向が明確になってきていると指摘。政府方針である汚染水を処理した水の海洋放出を「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない、という漁連との約束を反故(ほご)にしたプロセスは、民主主義に反すると批判した》(東京新聞)。
 全漁連福島県漁連も絶対に認めてはいけない。「海は誰のものか?」 東電や政府、自公お維議員のものなのか?

   『●『松下竜一未刊行著作集4/環境権の過程』読了(5/8)
    《国民はすべて健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」
     (憲法二十五条)を有し、「幸福を追求する権利は尊重される」
     (憲法十三条)のであってみれば、それを充足するための
     よりよい環境に住む権利は基本的人権であり、それはだれからも
     侵害されない―――〈環境権〉とは、端的にいえばこのような法理であり、
     まこと私たちしろうとに理解されやすく、共感は濃い。/もっといえば、
     海の問題でこの法律はきわ立って来る。従来、海を埋め立てるには
     当該海域の漁業者が漁業権放棄をすませれば全手続きは完了した。
     背後地住民に海への権利はなく、一片の発言も認められない。だが
     〈環境権〉は、海に対する住民の権利を鋭く主張する。なぜなら、
     海は万人共有のものであり環境の主要因子だからである》

   『●海は誰のもの? ~繰り返される過ち~
   『●上関町長選での非常に残念な結果
   『●「「アイドル」を守れ!」 『週刊金曜日』
      (2014年6月6日、994号)についてのつぶやき
    「取材班【漁業補償に5年間で約36億円か 政府、「辺野古
     移設強行へ】、「民意を無視する新基地建設の強硬は、
     新たな「島ぐるみ闘争」への始まりになる」。松下竜一さんは
     「海は誰のものか?」を問うた。そして、今、沖縄と各地の原発問題で」

   『●「岩礁破砕許可」というルールを曲げてでも辺野古破壊…
            ルール無用の無「法治国家」デンデン王国の実態
   『●「菅官房長官は徹底抗戦の姿勢を崩さない 
     翁長知事を念頭に、「わが国は法治国家だ」と牽制」だって!?
   『●「環境権」を「お試し壊憲」に悪用しつつ、
      一方で、畏敬の念も無く、何の躊躇もなく「海を殺す」人達の愚
    「松下竜一さんらの提起した「海は誰のものか?」「環境権」。いまや
     「環境権」は、アベ様ら自公の「お試し壊憲に悪用されようとしており、
     その一方で《海を殺す》愚行。「海」はアベ様やその取り巻き連中の
     ものなのか?、番犬様・米軍のものなのなのか? 畏敬の念も無く、
     何の躊躇もなく《海を殺す》人達。《悲痛な海の声》は聞こえないらしい。
     あまりに愚か」

 長周新聞の記事【汚染水海洋放出に国内外で反発高まる コスト優先し科学歪める政府 トリチウム以外に62核種が基準超え 風評では済まされぬ実害】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27254)。《東京電力の福島第一原発の炉心溶融(メルトダウン)事故から12年が経つが、溶け落ちた核燃料デブリは今なお冷却し続けなければ再臨界する危険性をはらんでおり、事故の終息はいまだ見通せていない。ここで持ち上がっているのが、核燃料デブリを冷却するために注入した水や、流入する地下水が直接核燃料デブリに接することで発生する放射能汚染水の処理問題だ。東電はこれまで福島第一原発の敷地内のタンクに放射能汚染水を貯め続けてきたが、タンクの建設に限界があるという理由で2014年に当時の菅政府が「海洋放出」を決定した。この政府の一方的な海洋放出決定は国内の漁業者をはじめ、近隣諸国を先頭に国際的にも激しい反発を呼んだが、最近岸田首相は「春から夏までに海洋放出に着手する計画に変更はない」と改めて表明して、一段と国内外の反発の世論は高まっている。放射能汚染水の海洋放出のなにが問題なのか、海洋放出以外に処理方法はないのかなどについて専門家の意見も踏まえて再度考えてみたい》。

   『●「汚染水」の海洋放出からX年後を恐れる ―――《政府は
     基準値を大きく下回るまで薄めるというが…物質の総量は変わらない》
   『●《東京電力は処理水を「希釈すれば飲める」》…政府、自公お維の
     議員、原子力「寄生」委員会の皆さん、「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」
   『●【西谷文和 路上のラジオ】《小出裕章さん…東京電力福島第一原発の
     トリチウムなど放射性物質を含む処理水を海洋放出していけないわけ》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●核燃料デブリに触れた汚染水をALPS処理した〝汚染水〟の海洋
     放出に断固反対する…〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行である
   『●(デモクラシータイムス/原発耕論)《汚染水海洋放出は無責任の極み!》
      …希釈しても汚染物質は減らない、〝汚染水〟の海洋放出に断固反対
   『●そんな核燃料デブリに触れた水を処理した〝汚染水〟…そんなものを海に
      捨てた例はどこにもない、〝汚染水〟の放出からX年後を恐れぬ愚行

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/27254

汚染水海洋放出に国内外で反発高まる コスト優先し科学歪める政府 トリチウム以外に62核種が基準超え 風評では済まされぬ実害
社会 2023年8月1日

 東京電力の福島第一原発の炉心溶融(メルトダウン)事故から12年が経つが、溶け落ちた核燃料デブリは今なお冷却し続けなければ再臨界する危険性をはらんでおり、事故の終息はいまだ見通せていない。ここで持ち上がっているのが、核燃料デブリを冷却するために注入した水や、流入する地下水が直接核燃料デブリに接することで発生する放射能汚染水の処理問題だ。東電はこれまで福島第一原発の敷地内のタンクに放射能汚染水を貯め続けてきたが、タンクの建設に限界があるという理由で2014年に当時の菅政府が「海洋放出」を決定した。この菅政府の一方的な海洋放出決定は国内の漁業者をはじめ、近隣諸国を先頭に国際的にも激しい反発を呼んだが、最近岸田首相は「春から夏までに海洋放出に着手する計画に変更はない」と改めて表明して、一段と国内外の反発の世論は高まっている。放射能汚染水の海洋放出のなにが問題なのか、海洋放出以外に処理方法はないのかなどについて専門家の意見も踏まえて再度考えてみたい。

     (福島原発敷地内に貯まり続けている汚染水タンク)

 岸田政府は7月4日、国際原子力機関(IAEA)から、東京電力の海洋放出計画は「国際的な安全基準に合致」しており、海洋放出で放射線が人や環境に与える影響は「無視できるほどごくわずか」との包括報告書を受けとり、これを錦の御旗に国内の漁業者や近隣諸国に海洋放出を認めさせようと奔走している。

 7月14日には西村経済産業相が全国漁業協同組合連合会(全漁連)を訪れ坂本雅信会長と会談し、海洋放出への理解を求めた。西村経産相はIAEAの包括報告書の内容を説明したが、坂本会長は政府が夏ごろの開始をめざす汚染水の海洋放出について改めて反対の立場を表明した。坂本会長は「われわれの唯一の望みは漁業を安心して継続したいということだ。科学的な安全と社会的な安心は違う。安心を得ないかぎり反対の立場を崩すわけにはいかない」とのべた。

 会談には福島県をはじめ青森、岩手、宮城、茨城各県の漁業団体幹部も同席した。

 西村経産相は11日にも福島県漁連に対して海洋放出への理解を求めたが、野崎哲会長は改めて反対を表明した。政府と東電は2015年に福島県漁連に対して「関係者の理解なしには(汚染水の)いかなる処分もしない」と約束している。

 福島県の漁業者をはじめ周辺各県の漁業者は東日本大震災と福島原発事故災害からの復興のために筆舌に尽くし難い努力をし、やっと震災前の漁業操業をおこなえる灯りが見えるところまできた。そこに放射能汚染水の海洋放出が持ち上がり、これまでの努力を水の泡にしかねない災いとしてふりかかっている

 香港政府は7月12日、日本政府が福島第一原発の放射能汚染水を海洋放出した場合、日本国内10都県を産地とする水産物の輸入を禁止すると発表した。東京、福島、千葉、栃木、茨城、群馬、宮城、新潟、長野、埼玉の各都県が対象となっている。生鮮、冷凍、冷蔵、乾燥またはその他の方法で保存されたすべての水産物と海水由来の塩、海藻を禁輸するとしている。

 香港に続いてマカオの食品安全行政を管轄する市政署も14日、日本が海洋放出を開始した場合、輸入申請モラトリアム(事実上の禁輸措置)の対象を現行の福島県に加えて9つの最高リスク地区(千葉、栃木、茨城、群馬、宮城、新潟、長野、埼玉、東京の各都県)の野菜、果物、牛乳・乳製品、水産・水産加工品、食肉類・食肉加工品に拡大すると発表した。さらに他の地域から輸入される生鮮食品についても放射線検査証明の添付を必須とし、検査・検疫をパスすることを要件化する可能性も排除しないとした。

 中国政府はIAEAの包括報告書について「日本国内外の反対の強い声を抑えられるものではない」とし、「最新の世論調査では韓国では国民の8割以上が賛成していない。太平洋島しょ国やフィリピン、インドネシア、南アフリカ、ペルーなどの専門家や国民も抗議の声を上げている。福島の放射能汚染水海洋放出は世界の重大な公共の利益にかかわるもので、あいまいにすることは許されず、間違いは許されない。中国は日本が科学を尊重し、事実を尊重し、IAEAの報告を海洋放出の“後ろ盾”とすることなく、国際的道義的義務と国際法の義務を忠実に果たし、海洋放出計画を停止し、責任ある方法で放射能汚染水を処理するよう促す」と表明している。

 また、中国外務省は七日、松野官房長官が「中国と韓国の原発はトリチウムの濃度が比較的高い液体を海洋に放出している」と発言していることについての見解を以下の要旨で明らかにした。

 「日本は福島原発事故の汚染水世界各地の原発の正常運転による排水を一緒に論じている。これは概念のすり替えで、世論をミスリードするものだ福島原発事故の溶解した原子炉の炉心に接触した放射能汚染水と、正常に運転されている原発の炉心に直接接触していない排水本質的に異なる発生源が異なり、含まれる放射性核種が異なり、処理の難度が異なり、根本的に比較できない。とくにIAEAは日本の浄化設備の有効性と長期的信頼性を評価しておらず今後30年間、すべての放射能汚染水が処理基準をクリアすることを保証することはできない。日本が原発の正常運転による排水を持ち出し、海洋放出の誤った決定を“白”としようとするのは、科学の看板を掲げて国際社会をミスリードするものだ」としている。

 さらにIAEAの包括報告書について「IAEAが慌ただしく発表した報告は評価作業に参加したすべての各国専門家の意見を十分に反映しておらず、関係の結論には極限性と一面性があり、国際社会の懸念を解決していない。日本が今回の報告を海洋放出の“通行証”とせず、計画強行を停止し、責任ある方法で放射能汚染水を処理するよう促す」とコメントしている。

 中国政府は7月11~14日にかけて開催されたASEAN外相会議やASEAN地域フォーラムの場でも日本の汚染水海洋放出を批判し、国際会議の場でとりあげるよう促した。

 韓国でもこの間、漁業者をはじめ国民的な海洋放出反対の世論と行動が盛り上がってきていた。尹政府はそうした国民世論に対抗し、IAEA報告書に理解を示し、日本の海洋放出を容認する態度をとった。韓国で7月11~13日に全国で18歳以上を対象におこなった世論調査では、尹大統領の支持率は32%で前の週の支持率38%から6%も下落した。理由としては「福島原発汚染水放出問題」と「外交」がそれぞれ14%でもっとも多かった。支持率の下落幅はとくに福島原発汚染水の海洋放出の直接的な影響を受ける層で大きく、釜山、蔚山、慶尚南道では11㌽も下落した。

 海洋生物学者であるハワイ大学のロバート・H・リッチモンド教授は、日本政府の放射能汚染水海洋放出計画を詳細に審査した結果、同計画の安全性に疑問があると判断したと表明し、IAEAが7月4日に発表した包括報告書を認めない考えを明らかにした。

 同教授は太平洋島しょフォーラムの委嘱を受けた科学者で、福島第一原発にも足を運び、東電や日本政府、IAEAとの会議にも参加した経験を踏まえ、「日本が手配した会談の多くは政治家や政策立案者のものだった」とし、「海洋放出計画では科学は脇に置かれているようだ」とのべている。IAEAの報告書については「これは政治とカネにもとづいた決定であり、日本のこの計画はいくつかの原則に反しているだけでなく、IAEAの基準にも違反している」との見解を示している。


国際条約違反の行為 ロンドン条約など

     (原発汚染水の海洋放出に抗議する海上デモ(韓国、2021年))

 福島原発の汚染水の海洋放出が国内ばかりではなく、国際的な問題として広がっているのは海が一つだからだ。

 6月8日は「世界海洋デー」だが、昨年の「世界海洋デー」にあたって中国の報道機関は「海洋は地球上の生命の揺りかごであり、全人類がともに守るべきものである。しかし、海洋生態を公然と破壊する者たちがいる。2021年4月、日本は福島原子力発電所の原発汚染水を海洋に放出すると発表した。日本国内や国際社会から疑問や反対の声が絶えないなか、東京電力は来春から長期間かけて原発汚染水を太平洋に放出する計画だ」「専門家は原発汚染水は海洋生物を汚染するとともに、魚類の回遊を通じて海洋全体に拡散され、世界の海洋環境の安全、国際公衆衛生システム、周辺諸国の人々の基本的利益を著しく損なうと指摘する。ドイツの科学機関は、日本の発表したスピードで原発汚染水を放出した場合、57日足らずで太平洋の半分が汚染されると推算する」と報道した。

 海は一つであり、全人類にとっての宝であるところから、「海の憲法」とも呼ばれる「国連海洋法条約」があり、日本も批准している。この条約は「いずれの国も、あらゆる発生源からの海洋環境の汚染を防止し、軽減し及び規制するため、利用することができる実行可能な最善の手段を用い(中略)すべての必要な措置をとる(後略)」(194条1)とし、国家が海洋環境を保護することを義務づけている。

 とくに「毒性又は有害な物質(特に持続性のもの)の陸にある発生源からの放出」を規制し、海洋環境を汚染しないよう諸国に義務づけている。これに照らして見れば、放射性物質を含む汚染水の海洋放出は国連海洋条約に違反する行為であることは明らかだ。

 また、廃棄物その他の物の投棄による「海洋汚染の防止」に関する国際条約としては「ロンドン条約」があり、日本も批准している。1993年の改正であらゆる放射性廃棄物の海洋投棄が全面禁止され、その後放射性排水も対象となった

 2011年の福島第一原発事故によって海が放射能で汚染されることについて、ロンドン条約の会議では加盟国から懸念の声があいついだ。

 日本政府は1993年3月30日の閣議決定で「1993年度原子力開発利用基本計画」の「低レベル放射性廃棄物の海洋投棄については、関係国の懸念を無視しておこなわない」とした。また、1993年11月2日の原子力委員会決定では「わが国としては今後、低レベル放射性廃棄物の処分の方針として海洋投棄を選択肢としない」としている。

 福島原発の汚染水の海洋放出はロンドン条約をはじめこうした閣議決定や原子力委員会決定にも明らかに違反している。

 ところが、2020年に原子力委員会は「低レベル廃棄物は固体廃棄物や固化した廃棄物を海洋に投棄して処分することを指す」とし、「液体である福島第一原発のトリチウム汚染水の海洋放出は海洋投棄には該当しない」との詭弁を弄している。

 ロンドン条約では「海洋投棄が禁止される“廃棄物その他の物”とは、あらゆる種類、形状又は性状の物質をいう」と定義し、「廃棄物その他の物の投棄(その形態及び状態のいかんを問わない)を禁止する」と明記している。固体以外の液体なら除外されるという理解そのものがロンドン条約違反となっている。

 また、2019年には英ロンドンの国際海事機関(IMO)本部で開催されたロンドン条約およびロンドン議定書の締約国会議で、初めて福島第一原発の汚染水の海洋放出問題が正式議題にのぼった。

 締約国会議に出席した中国とチリの代表団が原発汚染水の海洋放出の可能性に懸念を表明した。ガーナ出身の議長は、今後も引き続き議論するとし、日本に情報公開を求めた。

 日本が実際に汚染水を放出したときには、締約国会議で正式に問題提起し、これがロンドン条約およびロンドン議定書に違反すると判断されれば強制力を持つ決議案を提出することもできる。

 それまで日本政府は汚染水の海洋放出問題は、海洋投棄について定めたロンドン条約およびロンドン議定書ではなく、IAEAで話し合う問題だとの立場を主張してきた。それは違反が明らかなロンドン条約を基準にした論議の場ではなく日本やアメリカ政府の影響力が及ぶIAEAを舞台とした論議に絞りたいという思惑が透けている


デブリに接した汚染水 高濃度に汚染

 では、汚染水はどこから生まれ、どういった問題を含んでいるのか。

 2011年の福島第一原発事故では1~3号機はメルトダウン事故を起こした。すべての電源を喪失して冷却機能が失われ、炉心の温度が異常に上昇し、核燃料の大部分が溶融し、圧力容器の底に溜まったメルトダウン、さらには高温により圧力容器の底が溶かされて燃料が容器の底を突きぬけたメルトスルー(溶融貫通)に至ったともいわれる。溶け落ちた核燃料は核燃料デブリ状態となっているが、冷却水を注入して冷却し続けないとふたたび重大事故になりかねない危険な状態が続いている。福島原発事故はいまだに終息していないし、終息の見通しも立っていないのが現実だ

 溶け落ちた核燃料を冷却するために当初は1日400㌧の冷却水を注入し、それに地下水などの流入も加わり汚染水の発生は1日500㌧にのぼっていた。12年経過した今日も、冷却水を循環型にしたことによる減少があるものの、汚染水の発生は1日当り100㌧に達している。それらは直接核燃料デブリに接触した水であり、高度の放射能汚染水だ

 東電は、この汚染水を汲み上げ、多核種除去設備=ALPS(アルプス)に送り、薬液による沈殿処理や活性炭などの吸着素材により放射性物質をとり除くとしている。東電の発表では、ただ放射性物質のトリチウムだけはとり除けないとし、そのままタンクに溜められてきた。これを海水で薄めてトリチウムの濃度を国の基準の40分の1となる1㍑当り1500ベクレル未満まで下げ、地下の入口から海底トンネルを通って沖合い1㌔の地点で放出するという計画だ。

 だが、東電の発表とは裏腹にタンクに溜まった汚染水の7割はトリチウム以外の62の放射線核種の濃度が全体として濃度基準をこえ、最大で1万9909倍になっていることがメディアのスクープで明らかになった。残存している核種のおもなものは、ストロンチウム90、セシウム137、セシウム134、コバルト60、アンチモン125、ルテニウム90、ヨウ素129などだ。

 東電がそれまでALPS小委員会に提出していた資料では、トリチウム以外の核種はALPSにより除去できているとのデータのみを示していた。その後東電もトリチウム以外の放射性物質を含んだ原発汚染水がタンクに貯蔵されていることを認めざるをえなくなった。こうした放射線核種が残存しているのは、汚染水が溶け落ちた核燃料デブリに直接接触したものであるためで、正常運転の原発から排出される温排水などと同等には論じられない

 東電や政府は「ALPSで処理したトリチウム水は安全で、水とほとんどかわらず、しかもさらに希釈して海洋放出するから問題はないあるとすれば風評被害だけだと宣伝している。

 だが、政府のALPS小委員会の報告書では、トリチウムは「他の放射性物質と比較して健康への影響は低い放射性物質」だが、「影響が出る被ばく形態は内部被ばくであることを認めているわずかであっても内部被ばくは生物に蓄積され、食物連鎖のなかで濃縮されていくわずかであってもトリチウムが海藻に付着し、魚介類に摂取されれば、体内に蓄積され、何十年もの長期にわたって食物連鎖のなかで濃縮されていく

 また、トリチウムが人体を構成する水素と置き換わったときには、近隣の細胞に影響を与え、DNAを構成する水素と置き換わった場合はDNAが破損する影響が起きる。

 トリチウムは水素の同位体で、三重水素とも呼ばれ、化学的性質は普通の水素と同一だが、β線を放出する放射性物質だ。半減期は12・3年である。

 トリチウム水の分子構造は水とほとんど変わらないため、人体にそれほど重大な影響は及ぼさないと政府はいうが、分子生物学者はむしろそれは逆だと指摘する。人の体重の約61%は水が占めている。人体はトリチウムを水と区別できず、容易に体内の組織にとり込みやすい。トリチウムを体内にとり込むと、体内では主要な化合物であるタンパク質、糖、脂肪などの有機物にも結合し、有機結合型トリチウム(OBT)となり、トリチウム水とは異なる影響を人体に与える。長いものでは15年間も体内にとどまり、その間、人体を内部被曝にさらし続ける場合がある。

 トリチウムが染色体異常を起こすことや、母乳を通じて子どもに残留することが動物実験で報告されている。動物実験ではトリチウムの被曝にあった動物の子孫の卵巣に腫瘍が発生する確率が五倍増加し、精巣萎縮や卵巣の縮みなどの生殖器の異常が観察されている。日本の放射性物質の海洋放出の基準は1㍑当り6万ベクレルで、これはICRP(国際放射線防護委員会)の勧告に則ったものだ。しかし分子生物学者らは、ICRP勧告はトリチウムのOBTとしての作用を明らかに過小評価していると指摘している。

 東電や政府はトリチウムを海水で希釈するので安全だといっているが、どの程度希釈するかよりも放出する総量が問題だが、海洋放出するトリチウムの総量については示していない。

 政府と東電の計画では福島第一原発の廃炉完成予定が2041~51年としているが、現実には事故から12年たっても核燃料デブリがどこにあるかも、どのような方法でとり出すのかもわかっておらず、廃炉の見通しはまったく立っていない状況だ。核燃料デブリのとり出しが完了するまで冷却水を注入して冷やし続けなければならず、これからも際限なく汚染水は溜まり続ける。こうしたなかで海洋放出が一旦開始されれば、延々と放出が続けられることになり、総量も確定できない

 一旦放出した放射性物質は回収できず、何世紀にもわたって環境を汚染し続ける。世界的な規模での人体や生態系への影響は計り知れず、漁業や農業への長期的な風評被害も深刻だ。


他にもある可能な技術 トリチウム分離も

 汚染水の処理は海洋放出以外にはないのか。

 ALPS小委員会は、技術的に可能な5つの処分方法を検討している。①地層注入=186・5億円以上、②海洋放出=34億円、③水蒸気放出=349億円、④水素放出=1000億円、⑤地下埋設=2431億円となっており、これを受けて2021年4月に菅政府がもっとも安くて済む海洋放出を決定した。

 この決定に対して中国は「海洋放出がもっとも低コストに抑えられるからだ。日本のやり方は非常に無責任かつ利己的なものだ。自国の財政難を口実に利用して、災いを近隣諸国に押しつけるような手法をとってはならない。これは国際社会の支持するルールではない」と反発した。

 「国連海洋法条約」では、「いずれの国も、あらゆる発生源からの海洋環境の汚染を防止し、軽減し及び規制するため、利用することができる実行可能な最善の手段を用い、かつ、自国の能力に応じ、単独で又は適当なときには共同して、この条約に適合するすべての必要な措置をとるもの」とある。陸上保管という実行可能な最善の手段」があるにもかかわらず、海洋放出するということは、海洋環境保護の観点に反しており、認められないとの国際世論が高まった。

 また、実際にトリチウム分離の成功例も出てきた。近畿大学工学部の井原教授、近畿大学原子力研究所、東洋アルミニウム株式会社および近大発のベンチャー企業・株式会社ア・アトムテクノル近大らの研究チームは2018年に、放射性物質を含んだ汚染水から放射性物質の一つであるトリチウムを含む「トリチウム水」を分離・回収する方法と装置を開発したと発表した。

 研究で中心的な役割を担ってきた井原特別研究員は「さらなる研究のため」として政府系の補助金を申請したが、通らなかった。また、実用化に向け、大量のトリチウムを扱ったさいにどんな課題が生じるのか試験する必要があり、東電に第一原発の敷地内で試験がおこなえないか打診したが東電は協力を拒否した。

 当時の梶山経産相は「近畿大の研究技術は承知している」「まだ実験室レベルでの研究」と突き放し、この2カ月後に海洋放出を処理方針とした。

 このほかトリチウム分離技術はアメリカなどでもおこなわれている。技術的に難しいとはいえ、民間や海外で新技術への挑戦が続き、成功例も出ているにもかかわらず、政府や東電は検討もせず、コストの安い「海洋放出ありき」で突き進んでいる。重大事故を引き起こした責任の重さからみてもあるまじき対応だ。

 福島第一原発の重大事故を引き起こした責任は東電と政府にあり、被災者への補償、生活の復興に尽力することは当然だ。ところが、被災者の生活や生業の復興も道半ばにある現段階で、今度は大量の放射能汚染水の海洋放出を強行し、新たな放射能被害を押しつけようとしている。しかも、世界の海に与える影響は二の次で、汚染水をかかえる東電の事情を第一にし、「コストがかからないことだけを基準にした無謀な計画だ。このような海洋放出計画が国際社会からも激しい反発を受けるのは当然のことだ。東電と政府は、重大事故を引き起こした反省に立つならば、現代の科学技術の成果に真摯に学び、環境中に放射能を放出しないやり方での汚染水処理を真剣に追求する責任がある。
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コメント
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●《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本ではそれができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなニッポン

2023年05月09日 00時00分54秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年04月23日[日])
脱原発の約束はどこに》? 《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本ではそれができないのか》?…ではなく、《経産省とタッグを組んできたのが安倍・菅自民党政権》・キシダメ政権であり、そんなことをやる気など全くない。《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、経産省を中心に、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?

 東京電力核発電人災を起こしたニッポンこそが最初にやるべきなのに、恥ずかし過ぎる…核に「寄生」する輩が大手をふり…。
 日刊ゲンダイの記事【ドイツは脱原発を完了 首相襲撃にかき消された「原発汚染水」を巡る国際会議の大混乱】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321793)によると、《大メディアが連日、岸田首相の襲撃事件ばかり報じているために気付いていない国民もいるのではないか。ほとんど黙殺扱いされていると言っていい「ドイツの脱原発完了」のニュースのことだ。ドイツは原発の安全性への懸念から、2002年に脱原発を法制化した。そして11年に…》。
 日刊ゲンダイの記事【ドイツは脱原発なのに…なぜ日本は真逆の道を歩むのか? この裏にも安倍政権の負の遺産】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/321869)によると、《このところ、メディアのニュースは岸田首相への襲撃犯のことで埋め尽くされている。そのため隅に追いやられている重大なニュースがある。欧州最大の経済大国ドイツで今月15日、国内で稼働していた3基の原発が役割を終え、ドイツは脱原発を完了したのである》。

 一方、ニッポン。原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委が追認…原子力「推進」委員会、核に巣食う核「寄生」委員会。例外中の例外のはずが「原則40年」を無視し、運転停止期間を控除することで「最長60年」を蔑ろに。狂っています、ニッポン。《原状回復》は一体どうなっているのか? 《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、経産省を中心に、この12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
 こういうのは、原子力「規制」委員会なんて呼べるのかね。核に蝟集する核「寄生」委員会。《決定の性急さを問われた山中伸介委員長は、記者会見で「(炉規法改正)法案のデッドライン(締め切り)があるので仕方ない」と釈明しましたが、原発推進のためには規制を緩めても仕方がない、とも聞こえます》。
 (古賀茂明さん)《危ない原発ばかりが延命されると言えば、そんな馬鹿な、と思う。だが、現にそういうとんでもない法律改正に向けて岸田文雄首相が原子力規制委員会の山中伸介委員長と二人三脚で暴走を始めた。安倍晋三元首相もできなかった「40年ルール」の撤廃を目指しているのだ》。無責任極まるあの東京電力に、あの柏崎刈羽核発電所を再稼働させようというのですから、まともな人達ではありません。

 ドイツでは《脱原発完了》、一方、ニッポンは《原発回帰》《原発復権》、マトモな国の行いだろうか? 《言うまでもないが、岸田政権は真逆のことにひた走っている》(日刊ゲンダイ)。《こうして将来的な原発再稼働の道を残しつつ再生エネルギーについては本腰を入れずに、むしろ、再生エネルギーの問題点やコスト高を国民に一生懸命に刷り込んできたのが経産省です》。

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
     被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…
   『●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく
      控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ増
     を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…「推進」委、
       核に巣食う核「寄生」委、例外中の例外のはずが原則40年を無視
   『●東京電力核発電人災の教訓はどこに? 《一歩間違えば国全体が壊滅
     してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本》、その教訓は?
   『●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、
     テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」
   『●どこが「規制」? 原子力規制庁と経産省の職員が《面会する場所として、
      なぜか駅を選び、内部文書を受け取っていた。慎重を期すべき規制…》
   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかった
     のか? なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…
   『●東京電力核発電人災から何年経とうとも、坂本龍一さん《「人々の記憶
      は薄れているかもしれないけれど、いつまでたっても原発は危険だ」》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/321869

ドイツは脱原発なのに…なぜ日本は真逆の道を歩むのか? この裏にも安倍政権の負の遺産
公開日:2023/04/20 06:00 更新日:2023/04/20 12:33

     (映画「妖怪の孫」の原案者で「分断と凋落の日本」の
      著者である古賀茂明氏(C)日刊ゲンダイ)

 このところ、メディアのニュースは岸田首相への襲撃犯のことで埋め尽くされている。そのため隅に追いやられている重大なニュースがある。欧州最大の経済大国ドイツで今月15日、国内で稼働していた3基の原発が役割を終え、ドイツは脱原発を完了したのである。

 ドイツはシュレーダー政権が1998年に原発全廃の流れをつくり、その後のメルケル政権は揺れたが、福島第一原発の事故を契機に再び、脱原発に舵を切った。シュルツ政権はウクライナ危機で運転延長を決めたが、その期限が15日だった。そして、予定通り、最後の原発は発電量を低下させ、電力網から切り離されたのである。

 言うまでもないが、岸田政権は真逆のことにひた走っている。福島の事故の当事国なのに、2022年9月、米国での講演でウクライナ危機を理由に休止中の原発再稼働や次世代革新炉の開発を宣言した。同年12月には脱炭素を議論するGX実行委員会で「原発を最大限活用する」との基本方針を掲げた。これにより、原発の新増設や建て替え、さらには老朽化原発を止める40年ルールも見直されることになった専守防衛をかなぐり捨てたのと同様に、岸田首相はいとも簡単に廃炉に向けた原発政策も大転換させたのである。

 なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本ではそれができないのか。ここにも「妖怪の支配」を見ることができる。原発再稼働は安倍政権のころから着々と練られてきたものだからだ。映画「妖怪の孫」の原案者で「分断と凋落の日本」の著者である古賀茂明氏はこう言う。

 「岸田さんが突然、暴走したように見えますが、違います。原発再稼働の方針は福島第一原発の事故後わずか2週間で決められた。もちろん、主犯は経産省。賠償金の免責は認めないが、その代わり、東電は破綻させないという方針を決めたのです。その結果、事故対応や汚染水対策は東電が潰れない範囲内でという制約がついて、抜本策が見送られた。こうして将来的な原発再稼働の道を残しつつ再生エネルギーについては本腰を入れずに、むしろ、再生エネルギーの問題点やコスト高を国民に一生懸命に刷り込んできたのが経産省です。再生エネルギーを高値で買い取ることにして、それを再エネ賦課金という形で、電気料金に上乗せし、それを電力料金の明細表で明記させた。その一方で原発事故処理関連のコストはひた隠しですから、国民は『再エネは高い』と思い込んでしまう。再エネのための送電線強化もこれから本腰を入れるという。つまり、これまで何もしなかった。そして、総仕上げが40年ルールの撤廃ですが、巧妙に運転期間に関する規制権限を原子力規制委員会から経産省に移管している。事故の責任者がジャッジするなんて、あり得ないような話です」

 もちろん、この間、経産省とタッグを組んできたのが安倍・菅自民党政権であるのは言うまでもない。

 政府は二言目にはウクライナ危機を理由に挙げるが、電力が足りないというキャンペーンはだ。2022年3月22日に史上初めて「電力需給逼迫警報」が出されたが、この時だって、ピーク時の数時間に数%足りなくなるかもしれないという話なのだ。これで原発回帰とは大きな飛躍だ。このくらいの節電は国民に呼びかければよい。EUは目標値を掲げて、国民に理解を求めている。しかし、日本は具体的目標を掲げて国民に節電を呼びかけることもなく、いきなり原発稼働である。これも原発を動かしたい経産省、自民党政権の巧妙な悪知恵なのだ。

 こうしたことを大メディアも報じないから、反原発の世論も盛り上がらない。安倍的な妖怪支配から抜け出さないと、一部の利権のためのやりたい放題の政治が続いてしまうことになる。
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●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…

2023年03月12日 00時00分59秒 | Weblog

[※ 「3.11から12 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(20230226[])
原発人災被災地は放置で、ちゃっかり東電テレビCMは「原状回復」かょ…。電気代に上乗せされるのかと思うと、はらわた煮えくりかえる。テレビ局も、節操なさ過ぎる。
 大杉はるか中沢佳子両記者による、東京新聞の記事【東京電力「でんこちゃん」CM復活の謎 原発事故後から約11年ぶり、電気料金値上げの一方で広告費は…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/229019)によると、《ジャーナリストの政野淳子さんも処理水や除染土の問題に触れ、「事故処理の終わりは見えないにもかかわらず、東電が再稼働を狙う柏崎刈羽原発では、不祥事が続発だ」とあきれる。同原発を巡ってはID不正の他、核物質防護の不備や7号機の冷却用海水配管の腐食が判明。今年に入ってからも、原子力規制委の審査を受けている3号機の書類に149カ所もの誤りがあり、大半はすでに審査を終えた2号機の記載内容の流用だと分かった。「ハードだけでなくソフトもボロボロ東電にはもはや、原発を運転する能力はないそんな中で、でんこちゃんが省エネや節電をアピールするのは、安全を願う人々の感覚とズレている」》。

 東電核発電人災から12年も経ってしまったのに《原状回復》することも無く、《原発回帰》へと暴走し、《原発復権》。3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》

 やはり、小出裕章さんの講演は凄い。実行委員長は武藤類子さん。悲痛な⦅福島からの声⦆を聞いて下さい。
 国はなぜ汚染水を海洋放出したいのか? 六ケ所村の再処理工場が稼働できなくなるから…。デタラメ過ぎる。


【「汚染水はなぜ流してはならないか」小出裕章講演会】
 (https://www.youtube.com/watch?v=nxpVO0bL5X8
 「汚染水はなぜ流してはならないか」小出裕章講演会
  日時:1月21日(土)13:00~15:30
  会場:三春交流館まほら大ホール
  主催:小出裕章講演会実行委員会
   00:00 開会あいさつ
   00:40 武藤類子実行委員長あいさつ
      「原発汚染水はなぜ流してはならないか
         〜これまでの経過と市民の活動〜」
   13:25 小出裕章さん講演
   1:18:00 福島からの声 小野春雄さん(新地町)
   1:30:17 福島からの声 片岡輝美さん(会津若松市)
   1:41:35 質疑応答
   2:13:20 閉会挨拶

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/229019

東京電力「でんこちゃん」CM復活の謎 原発事故後から約11年ぶり、電気料金値上げの一方で広告費は…
2023年2月3日 11時30分

 東京電力の広報キャラクター「でんこちゃん」がテレビCMで復活した。東日本大震災による福島第一原発事故後に姿を消してから、11年ぶりとなる。燃料高騰で、東電を含む大手電力9社は2023年3月期、計1兆円超の赤字を計上する見込み。東電は3割の値上げを申請している。ちゃめっ気のあるキャラクターで、庶民の気持ちをなだめたいのか。それにしても、なぜ今?  (大杉はるか中沢佳子

     (テレビCMに再び現れたでんこちゃん。
      同様の映像がネット上でも見られる)


◆原発事故とともに消えたキャラ 「おひさしぶり!」と突然の復活

 「おひさしぶり!」というメッセージとともに「でんこです」で始まるテレビCMは15秒で、冷蔵庫の温度設定を弱めるなど節電を呼びかけ、「電気を大切にね!東京電力」で終わる。昨年12月3日から、東電のエリア(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、静岡)で流れている。

 東電広報によると、現在、この「省エネ・節電方法編」と「省エネプログラム促進編」を使用中。電力事情がさらに厳しくなった時の「需給ひっ迫発令対応編」も用意している。

 でんこちゃんの本名は「分電でんこ」。20代で夫と二人暮らしの設定だ。作者は「南くんの恋人」などで知られる漫画家の内田春菊さん。1987年に、キャラクターとして登場した。テレビCMでは、冷蔵庫の開けっ放しなど、電気の無駄遣いをしている場面に、「じゃん!」とでんこちゃんが現れ「電気を大切にね!」と呼びかけていた。

 人気キャラだったが2011年3月、東電福島第一原発事故が発生。深刻な事態にでんこちゃんは出番を失い、テレビCMは同年2月が最後になった。

 12年3月末にはキャラクターの使用契約期間が満了。16年に再契約したものの、ホームページなどでの使用にとどめていたという。

 今回テレビCMも復活させたのはなぜか。東電広報は「ウクライナ情勢の影響で燃料不足に陥っているところもあり、エネルギーの安定確保は予断を許さない状況。より多くの皆さまに節電に協力いただきたい」と狙いを語る。

 新たなキャラクターではなく、でんこちゃんを再登用した理由は「30代〜50代には懐かしさ、それ以外の世代にも親しみを感じていただけるから」と説明。ただ、広告費は「回答を差し控える」と明かさなかった


◆復活は今の時代、SDGsで何でも再利用だから?

 でんこちゃん復活を街の人はどう思うのか。東電本社(東京都千代田区)近くで聞いてみた。

 弁当を販売していた飯倉みなみさん(25)は「久しぶりに見たという感じ」としつつ「東京電力のキャラクターだったんですね」と印象はおぼろげ。復活の理由は「思い付かない」と首をかしげた。

 東京都八王子市の無職長岡剛さん(57)は、昔のでんこちゃんを「よく覚えている」と懐かしそうに語り、復活は「今の時代、SDGsで何でも再利用だからじゃないか」と推測する。

 同品川区のパート小谷礼子さん(75)は「そんなことより、電気代を何とかしてほしい」と強調する。言われるまでもなく節電しているが、昨年は月8000円台だった電気代が、今年は1万2000円まで上がっているという。「また値上げするんでしょCM代を使うなら、電気料金を下げてもらいたい

 都内の高校に通う高原若葉さん(17)と前原優理さん(16)は、でんこちゃん自体も、復活したことも「知らない」と口をそろえた。イラストを見せて感想を聞くと、「かわいいけど、古めかしい感じもする」とのことだった。


◆原発推進政策と同時期に復活したのは偶然か?

 やや唐突なでんこちゃん復活劇。時期は政府の原発政策の転換と重なり合う。

 岸田文雄首相は昨年8月、脱炭素社会の実現に向けた「GXグリーントランスフォーメーション)実行会議」で、次世代型原発の開発と建設に言及。同年12月に決定したGX実現への政府の基本方針に明記した。基本方針には最長60年だった原発の運転期間の延長も盛り込んだ。原発活用に向け、急速に前のめりになっている

     (GX実行会議であいさつする岸田首相(中)。
      原発の建て替え推進などの基本方針を決めた=首相官邸で)

 首相は同年7月には、冬の安定的な電力供給のため、原発を最大9基稼働させるとも表明している。

 これについて、NPO法人「原子力資料情報室」の松久保肇事務局長は、原発の必要性を印象付けるまやかしだと切り捨てる。「もともと電力会社の計画で決まっていたことで、稼働しても電力不足の解消にならない逼迫と絡めたのは、原発の必要性を強調したいからだろう電力が足りないから再稼働、という理屈は国民の耳に通りやすい

 そこへ再登板した、でんこちゃん。松久保さんは「力の大切さを宣伝するキャラクターで、ソフトな企業イメージを演出している再稼働や電気料金の値上げを受け入れてもらいやすくする策では」とみる。

 「(ソフトなキャラクターは)メッセージをマイルドに伝え、親近感をかき立てる」と、ゆるキャラ研究家の犬山秋彦さん。「懐かしのアイドル」とも言えるでんこちゃん登用についてこう分析する。「東電のマイナスイメージが薄かった原発事故前に活躍し、知名度はある。新たなキャラをつくるより費用もかからない。事故後、東電にはこれといったPRキャラがなかっただけに、若い人には目新しさもあるだろう」


◆2年前にはトリチウムゆるキャラ化→炎上で公開中止に

     (放射性物質トリチウムをキャラクター化したチラシの
      一部(左)と、トリチウムをTに直した修正版
      (復興庁ホームページより))

 とはいえ、原発絡みでキャラが炎上したことも。2021年、復興庁が福島第一原発の処理水に関するチラシや動画で、放射性物質トリチウムをゆるキャラ化して安全性をPRし、物議を醸した。犬山さんは安易なキャラ頼みにくぎを刺す。「キャラの効果は使う側次第。トリチウム問題のように、不謹慎ととられれば逆効果になる」

 東電や原発には、とかく問題が絶えない。処理水の海洋放出や、除染作業で出た汚染土(除染土)の再利用に、人々の不安は根強い。柏崎刈羽原発(新潟県)では20年、他人のIDカードで中央制御室に入室する不祥事が発生。昨年も、運転期間延長を巡る原子力規制委員会の検討前に、事務局の原子力規制庁と経済産業省が事前協議していたと分かり、「規制と推進の分離の原則が揺らいだ

 山積みの問題をよそにキャラで省エネを語る東電に、原発事故後、福島県南相馬市から横浜市に避難した村田弘さん(80)は「先祖返りした岸田政権の原発政策に、便乗したのでは東電には甚大な被害を出した責任がある事故は風化したと言わんばかりに、事故前のPRキャラを生き返らせたのは問題の本質から外れたやり方責任の棚上げだ事故で被害を受けた側には許せない」と憤る。

 ジャーナリストの政野淳子さんも処理水や除染土の問題に触れ、「事故処理の終わりは見えないにもかかわらず、東電が再稼働を狙う柏崎刈羽原発では、不祥事が続発だ」とあきれる。

 同原発を巡ってはID不正の他、核物質防護の不備や7号機の冷却用海水配管の腐食が判明。今年に入ってからも、原子力規制委の審査を受けている3号機の書類に149カ所もの誤りがあり、大半はすでに審査を終えた2号機の記載内容の流用だと分かった。「ハードだけでなくソフトもボロボロ東電にはもはや、原発を運転する能力はないそんな中で、でんこちゃんが省エネや節電をアピールするのは、安全を願う人々の感覚とズレている


◆デスクメモ

 人気テレビ番組でシャワーカーテンを窓に掛けると保温効果があると聞き、100円ショップに行ったら売り切れていた。代わりに非常用アルミシートを掛けている。でんこちゃんにさらなる節電をお願いされても、その先には値上げが…。すっきりしない気持ちを抱く人は多いだろう。 (北)

【関連記事】「トリチウム」がゆるキャラに? 復興庁「親しみやすいように」原発汚染処理水の安全PR
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●「まだ復興していない。臭いものにふたをしての五輪。自分たちは除外されているように感じる」…何が復興五輪か! 原状回復して見せよ!

2021年07月27日 00時00分46秒 | Weblog

[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑]


(20210723[])
小野沢健太記者による、東京新聞の記事【凍土壁、想定外の長期運用へ 福島第一原発汚染水対策の「切り札」、検証不十分なまま】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/117551)。
奥野斐記者による、同紙の記事【「原発事故は長期的な対応が必要」自主避難者への住宅退去請求に支援者が反発 福島県に訴訟準備も】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/117909)。
片山夏子記者による、同紙の記事【復興五輪と言われても 苦しみ続く震災者「自分たちは取り残されている」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/118111)。

 《東京電力福島第一原発で汚染水対策の切り札とされ、国費345億円を投じて造られた凍土遮水壁。東電は当初、2021年をめどに対策を終えるはずだったが、凍結から5年が過ぎても大量の汚染水は発生が続き、ゼロへの見通しすら立たない毎年億単位の維持費がかかる氷の壁は、検証不十分なまま長期運用に入る。(小野沢健太)》。
 《東京電力福島第一原発事故による避難指示区域外からの「自主避難者」が、福島県から、東京都江東区の国家公務員宿舎・東雲住宅の退去を求められており、支援者らが19日、東京・永田町の衆院第2議員会館で集会を開いた。主催グループは、同県が避難者に家賃の2倍相当の損害金を請求し追い出しをしているのは違法だと主張。県が訴訟を起こす場合は、県側に提訴する可能性もあることを明らかにした》。
 《政府が掲げた「復興五輪」の看板は、新型コロナウイルス禍でかすんでいる。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から10年余り。「復興」が強調されるほど、抱え込んだ悲しみを吐き出せずにいる被災者たちがいる。(片山夏子)》

 「復興五輪」だそうだ。どこが「アンダーコントロール」なのだろうか? 未だに原子力緊急事態宣言下で…。
 核発電人災の原子力緊急事態宣言下でウラアリなオ・モ・テ・ナ・シだの、アンダーコントロールだの、果ては、復興五輪だのと嘯き、COVID19緊急事態事態宣言下でも《コロナに打ち勝った証》として五輪貴族やその取り巻きによる〝バカの祭典〟〝パソナ五輪〟を強行。一体どんな国?? 《スガさんの生命維持装置》としてのバカの祭典パソナ五輪スガ政権の祭典を強行する無為無策無能な政権。最早、殺人オリンピック

   『●無観客開催にすり替え…緊急事態宣言の最中、五輪貴族やその取り巻き
         連中による醜悪な〝バカの祭典〟〝パソナの祭典〟をやる気?
   『●《大会経費の赤字の尻拭いを背負わされるのは国民だ》 ―――
     どこまでも醜悪なバカの祭典、パソナ五輪。一体どちらが《反日的》か?
   『●《人々を苦しめているのは…満足に給付や補償をせずに自粛を強制
     する政権》(町山智浩さん)…一体どちらがバカで、《反日的》か?
   『●《「スガ総理」…内閣支持率の下落が止まらない。その要因は
     コロナ対策の度重なる不手際と、国民に我慢を強いながら五輪開催に…》
   『●この最悪なCOVID19禍、さらに、酷暑の中、開催強行…皆さん
     ご帰国の折、《反日》アスリートや《反日》ジャーナリスト製造な東京五輪

 2013年9月、世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ……以来ずっと《五輪中止を》言い続けてきたのだが…。いや、《空疎な小皇帝石原慎太郎元東京「ト」知事が五輪招致をやり始めて以来だ。2011年の東京電力核発電人災で、五輪招致など、消し飛んでいないといけないはずだったのに。

 それにしても、福島県庁の所業、冷酷過ぎやしませんか? 東電や国がさっさと「原状回復」すればいいのです(出来やしないでしょ?)。
 〝自主避難者〟という区別・差別…区域外避難者に、どこまでこの国は冷酷なの? 東京電力や政府、福島県は、なぜ「原状回復」してくれないんですか? 10年も経ちましたけど? 「原状回復」してくれれば、区域外避難者のみなさんも喜んで古里、故郷にお戻りになるはずです。なぜ「原状回復」しないのですか? 《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》。


 繰り返します、何度でも。
 国や東電のデタラメに対する答えは簡単だ、責任をもって東電や政府が「原状回復」して見せればよいだけ。元の姿に完全に戻してくれれば良いだけ。責任を果たして下さればよいだけ。《原状回復》して見せてくれれば、喜んで皆さんは元の福島の生活に戻られるでしょうよ。それに、そもそもこんな核発電人災などなければ、《福島を出た人は誰もいなかった。東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない…「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」。

 あぁ、それにしても、《復興五輪と言われても》ねぇ、色々な意味で虚しくなるばかりだ。その膨大なドブガネ、真の福島復興のために使っていれば…。

   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》
   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●希望の牧場・吉沢正巳さん「この牛たちを見て、命の扱い方とか、
     原発があるというのはどういうことかを考えるきっかけになってほしい」
   『●《「国に法的責任はある」−原発事故で千葉県に避難した人々が
     起こした訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》
   『●《宮本亞門…「…誘致のための架空のものだった。悲惨な現実を見て
     『何ということに加担してしまったんだ』と罪悪感にさいなまれた」》
    (政界地獄耳)《宮本亞門は東京新聞の取材に
     「『世界一お金がかからない五輪』や『復興五輪』を信じたが
     大会経費は倍以上に膨れ上がり福島第1原発事故の後処理も進まない
     誘致のための架空のものだった悲惨な現実を見て『何ということに
     加担してしまったんだ』と罪悪感にさいなまれた」と発言》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/117551

凍土壁、想定外の長期運用へ 福島第一原発汚染水対策の「切り札」、検証不十分なまま
2021年7月19日 06時00分

 東京電力福島第一原発で汚染水対策の切り札とされ、国費345億円を投じて造られた凍土遮水壁。東電は当初、2021年をめどに対策を終えるはずだったが、凍結から5年が過ぎても大量の汚染水は発生が続き、ゼロへの見通しすら立たない毎年億単位の維持費がかかる氷の壁は、検証不十分なまま長期運用に入る。(小野沢健太


◆冷却液で凍土、年間維持費十数億円

 凍土壁は、山側からの地下水を事故で原子炉内に溶け落ちた核燃料(デブリ)など高濃度の放射性物質が残る建屋に入れさせないようにするために造られた。1~4号機周囲(全長1・5キロ)の地中に打ち込まれた約1600本の凍結管(長さ30メートル)に、零下30度の冷却液を循環させて周辺の土を凍らせている。16年3月から凍結を始め、2年近くで全面凍結。凍らせる電気代など毎年の維持費は導入当初で十数億円かかり、東電が負担している。

     (凍結開始から8カ月後に凍った壁の状況をハンマーで確認する
      経済産業省の職員=2016年11月21日、
      東京電力福島第一原発で)

 19年12月~21年1月、凍結管の計5カ所で冷却液が漏れるトラブルが続いた。東電によると、いずれも原子炉建屋近くの道路の地下にあり、通行する車両の振動で金属部品が疲労破壊した可能性が高い。
 長期運用を想定していなかった東電は、これまでトラブルが起きてから補修してきたが、今年からは部品の交換頻度を定め、交換用の部品をあらかじめ用意する。広報担当者は「凍土壁は有効で継続して使う。適切な保守管理で長期間の運用は可能」と説明する。


◆隙間から地下水、効果は限定的

 全く水を通さないという触れ込みだった凍土壁だが実際は水を通す部分があちこちにあり、効果は限定的にとどまっている
 東電は18年3月、凍土壁によって1日約95トン分の地下水が建屋に入り込むのを防ぐことができたという試算を公表。壁がない場合は1日189トンになるとし、「半減できていると強調した。
 ただ、試算を巡っては雨が少ない時期だけを切り取って評価したことや、建屋周辺の井戸(サブドレン)による地下水のくみ上げなど他の対策の効果との区別があいまいで根拠に乏しい原子力規制委員会更田豊志委員長は「地下水対策の主役はサブドレンのくみ上げ」と断言している。
 試算公表時の会見で、東電の廃炉最高責任者だった増田尚宏氏(現・日本原燃社長)は凍土壁の効果について「検証を続ける」と明言。しかし今は「個別の対策の効果を示すことは難しい」と、広報担当者が説明を避けるようになった。


◆規制委からは代案求める声も

 政府や東電は当初、21年ごろまでに汚染水の発生を止める目標を立てていた。しかし、地下水がどこから入り込んでいるのか今も分かっていない
 15年度に1日490トン発生していた汚染水は、20年度に約140トンまで減ったもののゼロは実現できず、25年に100トンに減らす目標に後退した。東電は「25年までは現行の対策を続ける。それ以降は検討中」と歯切れが悪い。
 凍土壁の維持費は、消費者が東電に支払う電気代を通じて賄われる。規制委の検討会では「費用対効果の観点から、凍土壁をやめて鋼板やコンクリート壁などを埋め込むべきだ」との専門家の意見が根強い。この意見にも東電は「検討中」と答えるだけで、事故から10年が過ぎても汚染水対策の終わりは見えない
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/117909

「原発事故は長期的な対応が必要」自主避難者への住宅退去請求に支援者が反発 福島県に訴訟準備も
2021年7月20日 11時52分

     (集会で原発避難者への支援を訴える主催者ら
      =19日、東京・永田町で)

 東京電力福島第一原発事故による避難指示区域外からの「自主避難者」が、福島県から、東京都江東区の国家公務員宿舎・東雲住宅の退去を求められており、支援者らが19日、東京・永田町の衆院第2議員会館で集会を開いた。主催グループは、同県が避難者に家賃の2倍相当の損害金を請求し追い出しをしているのは違法だと主張。県が訴訟を起こす場合は、県側に提訴する可能性もあることを明らかにした
 自主避難者への住宅の無償提供は、2017年3月に打ち切られている。さまざまな事情で退去できない人もいるが、同県は住み続ける人に対し19年から家賃の2倍相当の損害金を請求。今月16日までに退去するよう再度、文書で通知していた。既に県は東雲住宅の4世帯には明け渡しを求め提訴している。
 集会で、「避難の協同センター」世話人の熊本美弥子さん(78)は「原発事故は長期的な対応が必要なのに、避難指示がどんどん解除されている避難者の状況に合う支援策になっていない」と指摘。
 主催グループ事務局長の瀬戸大作さん(58)は「コロナ禍で月の収入が10万円に満たない人もおり、県には避難者が安心して住める公営住宅や転居費用を用意してほしい。9月の福島県議会での県側の対応を見て、訴訟も考えたい」と話した。 (奥野斐)

【関連記事】仲間の自死、見せかけの復興「このまま戻れない」…原発事故「自主」避難者たちの不条理な現在地
 (⇨ https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e47bc65159fbc9b4d937c1503f7d61b9 に引用済み
   『●《子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない。
     同じ過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで…》
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/118111

復興五輪と言われても 苦しみ続く震災者「自分たちは取り残されている」
2021年7月21日 06時00分

 政府が掲げた「復興五輪」の看板は、新型コロナウイルス禍でかすんでいる。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から10年余り。「復興」が強調されるほど、抱え込んだ悲しみを吐き出せずにいる被災者たちがいる。(片山夏子

     (「お葬式をしても仏壇を作っても、お父さん(夫)の死を
      まだ認められない。まだ戻ってきていないから…」と話す
      藤沢範子さん=福島県相馬市)


◆誰にも話せず7年超

 「今も人に話せず1人で苦しんでいる人がいると思う」。福島県相馬市の介護職藤沢範子さん(66)は、自宅の仏壇の前で静かに語った。津波に巻き込まれて戻らない夫への思いを誰かに打ち明けるまで、7年以上の月日が必要だった
 2016年8月、激しい頭痛が1分ごとに襲った。検査と治療で病院を転々とする中、吐き気や目まいも続き、うつ状態になった。
 たどり着いたのは相馬市の精神科医の蟻塚ありつか亮二医師(74)のクリニックだった。子どもたちや知人に話せなかった胸の内を泣きながら何度か話すうち、気持ちが軽くなっていくのを感じた。


◆夫見つかるまで

 「今も夫の死を認められない」。11年3月11日早朝、運転手の夫、則雄さん=当時(56)=は、体調を崩して寝ていた範子さんに、その日に限って何も告げずに仕事に出た。
 大震災以降、夫は連絡が途絶えた。翌日、隣の南相馬市の田んぼで則雄さんのダンプが見つかった。津波に巻き込まれて車体はひしゃげ、夫の姿はなかった。
 則雄さんの葬式を挙げ、仏壇も作ったが、「まだ戻ってきていないから」と手を合わせられない。「復興五輪」の言葉について記者が聞くと「私たちのことは忘れられている、取り残されていると感じる」とぽつり。「夫が見つかるまでは終わらない」と言った。


◆臭いものにふた

 原発事故による避難で、故郷に戻れない人も苦しんでいる。帰還困難区域の浪江町津島地区で生まれ育った関場和代さん(62)は17年秋から、ほとんど眠れなくなった。食べ物がのどを通らなくなり、3カ月で体重が16キロ減った。
 亡くなった津島の人たちが夢に出てきた。蟻塚医師に心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され泣きながら思いを吐露した。
 避難に伴う転居は7回に及んだ。14年に子どもたちが移り住んだ茨城県日立市に家を買った。それまで、故郷を離れて引っ越しを繰り返す中、「賠償もらえていいね」「よそ者」などと言われて傷ついた。「隠れキリシタンのように自分を押し殺して生きてきた」という。
 「地域が仲良くて自然体でいられる津島に戻りたい」。父も「帰りたい」と繰り返しながら、14年に亡くなった。愛猫の死も、大きな心の傷になった。
 夫の健治さん(66)と、津島の家の風呂から見た天の川や、モリアオガエルの卵からかえったオタマジャクシが川に落ちる音をよく思い出す。「まだ復興していない臭いものにふたをしての五輪自分たちは除外されているように感じる
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●言論の府として死んでいる国会議事堂や、責任者である首相官邸の上空で「空飛ぶ棺桶」の訓練したらどう?

2016年12月18日 00時00分56秒 | Weblog


日刊ゲンダイの記事【沖縄だけじゃない オスプレイ墜落の恐怖は全国に拡大する】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195787)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>水没しても「着水」】(http://ryukyushimpo.jp/column/entry-411945.html)。

 《米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸機オスプレイが13日夜、沖縄本島東方の海岸付近に墜落。機体はバラバラに壊れ、海中に沈んだ。これがもし市街地だったらと思うと、背筋が寒くなる》。
 《相手に配慮した婉(えん)(きょく)表現は日本人の美徳とされる ▼しかし、「墜落」を「不時着」や「着水」と言い換えるのはどうだろう…▼この政権は言葉の偽装に長けている》。

   『●沖縄出身脚本家上原正三さん、「民意を顧みず、
     基地を押し付け…沖縄を植民地としてしか見ていない証拠」
   『●「植民地意識丸出し」(安慶田光男副知事)な番犬様に
         尻尾をフル「言葉の偽装に長け」た政権(琉球新報)

 「空飛ぶ棺桶」《ウイドーメーカー》…そんなに安全なら、「言論の府」として死んでいる国会議事堂や、「責任者」である首相官邸の上空で訓練したらどう?
 《着水》は無理でしょうが、《不時着》するので大丈夫。決して、《墜落》などしません。「美しい国」の「言葉の偽装」。

 さて、琉球新報の記事【若宮副大臣「辺野古移設進めたい」 墜落事故で宜野湾市長に】(http://ryukyushimpo.jp/news/entry-412226.html)によると、《普天間基地の危険性除去を第一に考えている。そのためにやはり(名護市)辺野古移設を最優先に今後とも協力してほしい》…だそうです。
 辺野古はどうなっても良いとでも? 酷い言説…。それを、いま、言う神経を理解不能…首相官邸の近辺にでも移設すればどうだろう?

   『●消された放射能汚染: 米軍ヘリ墜落ストロンチウム消失事件
   『●普天間「番犬様」基地: 「毎日頭上を飛ぶヘリの機体に
            ストロンチウム」…墜落により放射性物質が飛散
   『●「沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件」でも
        「沖縄は放ったらかし」……アベ様らは、今も、沖縄差別継続中
   『●12年経っても「米軍機は沖国大墜落など
     「なかったこと」のように、今も県民の頭上をかすめ飛んでいる」

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http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/195787

沖縄だけじゃない オスプレイ墜落の恐怖は全国に拡大する
2016年12月14日

     (オスプレイが市街地に墜落したら…(C)日刊ゲンダイ)

 米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸機オスプレイが13日夜、沖縄本島東方の海岸付近に墜落。機体はバラバラに壊れ、海中に沈んだ。これがもし市街地だったらと思うと、背筋が寒くなる。

 オスプレイは開発段階から事故が相次ぎ、犠牲者は40人近くに上るため、「ウイドーメーカー」(未亡人製造機)と呼ばれている。オスプレイが普天間基地に配備された2012年以降もモロッコや米フロリダ州、ノースカロライナ州、ハワイ州、カリフォルニア州で墜落や不時着するトラブルを起こしている

 普天間基地には現在24機が配備されており、今月に入って宜野座村の民家の上空で物資の吊り下げ訓練を行い、地元住民が抗議したばかり。今回の事故に地元住民からは「市街地に墜落していたら大惨事だった」「オスプレイ配備を受け入れた日本政府の責任は大きい」などと怒りの声が上がっている。


■日本各地の米軍基地に飛来

 だが、オスプレイ墜落の恐怖は沖縄県に限ったことではない。年明け早々には、米軍のオスプレイの定期整備を陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市)で行うことが決まっている。定期整備のたびに首都圏上空をオスプレイが飛び回ることになる

 さらに、防衛省は昨年5月、オスプレイ17機約30億ドル(当時のレートで約3570億円)で購入することを決め、19年度から陸上自衛隊が佐賀空港(佐賀県佐賀市)で順次配備する計画だ。

 また、米軍は17年にオスプレイ3機を東京都の横田基地に配備し、21年までに10機を常駐させると発表した。オスプレイはこれまでも沖縄以外に山口県の岩国、横田、静岡県のキャンプ富士、神奈川県の厚木の各米軍基地に飛来している。

 このままでは、日本中どこにいてもオスプレイ墜落の恐怖が付きまとうことになる。
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http://ryukyushimpo.jp/column/entry-411945.html

<金口木舌>水没しても「着水」
2016年12月15日 06:00

 肥満=「ぽっちゃり」、老けている=「大人っぽい」。「物は言いよう」の代表例を尋ねたインターネット調査でこんな言葉が上位に入った。ストレートに言うと角が立つ。相手に配慮した婉(えん)(きょく)表現は日本人の美徳とされる

▼しかし、「墜落」を「不時着」や「着水」と言い換えるのはどうだろう。名護市安部で起きたオスプレイの事故を日米両政府や一部メディアはこう呼んでいる。機体がばらばらに散乱している写真を見れば事実は明らか

▼満潮で機体が水没する「着水」ってあるのだろうか。交通事故を起こした運転手が、車が大破しても「衝突ではない」と言い張っているのと同じ珍妙さだ

この政権は言葉の偽装に長(た)けている。福島第1原発汚染水は「コントロールされていると言い放ち、安保法の議論では「戦争」を「事態」に言い換えた。「武器輸出」は「防衛装備移転」に、最近では南スーダンの「戦闘」を「衝突」と矮小(わいしょう)化した

▼戦中に大本営が「敗走」を「転進」、「全滅」を「玉砕」にすり替えた体質が残っている。かつて自己判断せず権力に追随したメディアも、今は違うと言い切れるだろうか

▼童話「裸の王様」では、大人たちは疑いつつも真実を言えなかった。「王様は裸だ」と指摘できた子どものように、当局の言いなりにならず素直な目で真実を見極める報道の当然の役割を忘れないでいたい。
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●「暴走するゾウ、ゴジラを解き放とうという「愚」」な東電をどのように「信頼」すればよいのか?

2015年02月20日 00時00分08秒 | Weblog


東京新聞の社説【原発汚染水 処理に欠かせぬ信頼】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015013102000154.html)。

 「東京電力は、福島第一原発内の高濃度汚染水を年度内に処理する目標を断念し、五月中へと延期した。大量の汚染水は廃炉作業の妨げになっている。しかし、その処分には国民の理解が欠かせない」・・・・・・。
 「理解」? 「信頼」?? 「タコネズミイタチモグラ・・・・・・」で十分に確認済みでしょ? 暴走するゾウゴジラを解き放とうという「」」な東電をどのように「信頼」せよ、というのだろう。アベ様らの無策、「無責任」がそれに輪をかけている。

   ●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が
         出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・

   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・

 
   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい:
       高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015013102000154.html

【社説】
原発汚染水 処理に欠かせぬ信頼
2015年1月31日

 東京電力は、福島第一原発内の高濃度汚染水を年度内に処理する目標を断念し、五月中へと延期した。大量の汚染水は廃炉作業の妨げになっている。しかし、その処分には国民の理解が欠かせない。

 メルトダウン(炉心溶融)して溶け落ちた核燃料は、それが、どこに、どのような状態であるのかもわかっていない

 建屋には今も、一日三百五十トンの地下水が流れ込み、放射能に汚染され、たまっていきつつある

 対策の切り札として、東電は一昨年、多核種除去設備(ALPS)を導入した。六十二種類の放射性物質を除去できる。ただし水とそっくりな性質を持つトリチウム(三重水素、半減期一二・三年)汚染水だけは、ろ過できない

 この切り札もトラブル続きで、昨秋増強されたが、当初の目標には追いつかず、敷地内に立ち並ぶタンクには、二十七万トンの高濃度汚染水が残されて、廃炉・解体作業の支障になっている。

 東電は、地盤を凍らせて地下水の流入を食い止める凍土遮水壁の運用に三月から取りかかる。しかし、効果は未知数だ。

 汚水処理の入り口でつまずいた状態で、安倍晋三首相が表明した「コントロール下」の状態からはほど遠い

 ALPSが今後順調に機能し続けたとしても、トリチウムを残した水をどうするか、という問題は残る。

 原子力規制委員会は二〇一七年以降に海洋へ放出すべきだとしているが、全国漁業協同組合連合会(全漁連)は反発を強めている。水産関係者にとっては死活問題だけに、当然だ。

 米スリーマイル島原発事故の際にも、約六千トンのトリチウム汚染水が残された

 米原子力規制委は、河川への放出など九通りの選択肢を地元住民に提示した。そうして選ばれたのが、ボイラーで少しずつ大気中に蒸発させるという方法で、処理には十年をかけた。

 福島とは量が違う。廃炉は早く進めたい。しかし、トップダウンで決めるべきではない。

 今のところ最終処理の決め手はない。だからなおさら、漁業関係者や地元以外にも選択肢を示し、それぞれの利点、難点、安全性や危険性を十分説明した上で、理解と合意を求めるべきである。

 住民・国民の信頼なしには、汚染水の処理も廃炉も、円滑には進まない。
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●「これでもコントロールできているのか」 『週刊金曜日』(9月27日、961号)についてのつぶやき

2013年09月29日 00時00分32秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年9月27日、961号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、横田一さん【世界に大恥をさらした安倍晋三首相の「汚染水コントロール」発言】と伊田浩之氏【終わらない原発汚染水 これでもコントロールできているのか 福島原発事故 海洋汚染シミュレーション】。

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■①『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 阪上武氏【発足1年の原子力規制委 安全より再稼働優先に疑問】、「田中俊一・・「安全文化」を語っているが、それよりも目の前・・問題に・・これに集中することが先だろう」。原子力「推進」委員会(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8

■②『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 星徹氏【高校教科書の採択妨害に抗議 行政側の異常な介入を批判】、「実教出版・・を妨害し、最終的に採択がゼロとなった」。ハタやウタを強制しておいて、「強制」と記述した教科書を妨害するとは!(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8adfc28e3a834d65c8088d41cd74d9cb

■③『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / ローレンス・レペタ氏【特定秘密保護法案反対 この悪法は、政府の下半身を隠すものだ】、「日本は「秘密保護法」を制定してはならない」。盗聴法時と一体何が違うのか?(videonews.com: http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002953.php

■④『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 【村岡和博の政治時評/IOC総会前に汚染水審議をしなかった国会は、内閣のコントロールを放棄したのか】、「状況はコントロール・・完全にブロック・・ニュース速報を読んでのけぞった」。同感(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/060c22aa9939913740ad6aaaa7acd5df

■⑤『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 伊田浩之氏【終わらない原発汚染水 これでもコントロールできているのか 福島原発事故 海洋汚染シミュレーション】、「原子力規制委のずさんな対応」。「終わり」との声もあるというのに(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8

■⑥『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 横田一さん【馬淵澄夫・・安倍首相がプレゼンした凍土による汚染水対策は不適切だ】、「東電の巻き返しで立ち消えになった」。「致命的欠陥対策にドブ金か?」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/214de1c2e7f5a62db982f6ec0058c6de

■⑦『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 横田一さん【世界に大恥をさらした安倍晋三首相の「汚染水コントロール」発言】、「ドイツの公共放送が首相発言を一刀両断」「水俣病の教訓を忘れたのか」。ドイツの公共放送「ZDF」は、「安倍首相はウソをついていると断言http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A5%C9%A5%A4%A5%C4

■⑧『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 木野龍逸さん【この期に及んでも 情報を直ぐに出さない東京電力の汚染具合】、「海洋流出認めたのは参議院選挙の翌日」「タンクの製造コスト公表を拒み続ける」。参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺいhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8

■⑨『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 矢崎泰久さん【発言2013】、「「美しい国」なんてちゃんちゃらおかしい・・恐怖ゾロゾロの災禍が日常的に襲ってくれば、もうひとたまりもなくなる。クソ安倍の無知に、殺される」。本当に怖い(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/060c22aa9939913740ad6aaaa7acd5df

■⑩『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 山口正紀さん【報道全体を問い直す裁判に 実名報道被害訴訟】、砂川浩慶氏【メディアの役割が問われている「秘密保護法案」】。どちらの記事もメディアの論理、倫理、役割の問題
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●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続

2013年09月08日 00時00分56秒 | Weblog


「ジャーナリスト・金平茂紀 変えてはいけないもの」の記事【筑紫さんの死から6年目の誕生日に】(http://www.taji-so.com/kaeteha/?c=20130621182404)、ちょっと時機を逸していますけれども。レイバーネット日本http://www.labornetjp.org/)の記事【もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050】(http://www.labornetjp.org/news/2013/0901hokoku)。nikkansports.comの記事【汚染水対処、五輪控え政府主導演出か】(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130903-1183563.html)。gendai.netの記事【ア然…五輪招致トップ「汚染水は安全」書簡の中身】(http://gendai.net/news/view/110558)。東京新聞の記事【「想定外、もう許さない」 東電汚染水 福島の警察信じ告発】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000123.html)と、社説【原発汚染水問題 危機意識がまだ足りぬ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013090402000146.html)、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013090402000107.html)。最後に、asahi.comの【天声人語】(http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin)。

 記事の羅列で、すいません。「あろうこうとか」、の連続。

 東京電力原発人災にはケチり、一方、五輪をカネで買うという。世界とフクシマは危機意識を持ち、首都東京や日本政府、原子力ムラは「東京安全です」「2020年には汚染水問題は解決しています」と「科学的」に安全を喧伝。3.11以前の「安全神話」に逆戻り。「東京安全です」「2020年には汚染水問題は解決しています」・・・こういった発言を福島の被災者や避難者の人達はどう思っているのだろう・・・?

   『●原発への「日本の回帰「理解できぬ」」
   『●「汚染水ダダ漏れは東電のケチが原因」とはどういうことなのか?
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・
   『●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~
   『●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」

 【もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050】の記事に、何とか希望を見出したい。

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http://www.taji-so.com/kaeteha/?c=20130621182404

#23 筑紫さんの死から6年目の誕生日に
2013/06/23

死から6年目の誕生日に

6月23日、沖縄慰霊の日が誕生日だった筑紫さんは
この日はお祝いできないんだよな、と 
生前よく笑いながら言っていたことを思い出す
生きていれば 今日で78歳を迎えていた
「ニュース23のDNA」だと 遺言のように 
最後の「多事争論」で言い残していったことばは
今、見事なほどに裏切られ、忘却され
かつその状態が放置されている
去る者は 日日に疎し、か?
なかでも耐えがたいのは、ウォッチドッグの役割の喪失
強い権力に擦り寄り、プードルと化した仲間たちを眺め、
引き攣った笑いを顔面に張り付けながら 生きていく
からだをはってたたかうものは もはや絶滅寸前だ(けれども まだいる)
忘却とイナーシアが支配する世界
ほら、僕らはもう原発過酷事故がまるで収束したかのように忘れている
ほら、僕らは大震災の被災地がまるで復興したかのように
「絆」とか「ひとつ」とか言って カラオケを歌っている
むかしの通りにやればいいんだよ
経済成長なくして日本は立ち行かない、と
株価をみて、まるでわが身の一大事であるかのように 一喜一憂している
彼ら彼女らは、ほんとうは何もわかっていない
底堅い動きだの、透明感のみえない展開だの
まるでバクチを打っているかのような出来事にうつつを抜かし、
あろうことか 原発を輸出だとさ
僕ら日本人は、広島、長崎に原爆を見舞われようと
第五福竜丸が水爆実験に巻き込まれようと
福島第一原発で未曽有のメルトダウンが起きようと
忘れるのだ  忘れるのだ
経済成長なくして日本はない、と
うち棄てられているのは誰か

誕生祝いはもう言えません。
ただ
僕らはあなたたち死者とともに生きていきます。
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http://www.labornetjp.org/news/2013/0901hokoku

もう一度力を合わせて~「さようなら原発講演会」に2050

9月1日、「さようなら原発講演会」が東京・千代田区の日比谷公会堂で開かれ、定員を超える人々が座席を埋めつくした。(主催・「さようなら原発」一千万署名市民の会)。福島第一原発の止まらない汚染水漏れに、東電も国も何ら有効な対策を打てない深刻な事態が続いている。焼けつくような暑さのなか、予定の午前11時を待たずして整理券が配られはじめ、12時過ぎには早くも入場が開始された。

もう一度 力を合わせて

午後1時、木内みどりさんが司会を務めて開会。呼びかけ人の鎌田慧さんが登壇した。「関東大震災から90年が経った。当時は戒厳令下で大杉栄伊藤野枝ら社会主義者が虐殺され、戦争に向かっていった。外には軍備拡張、内には弾圧体制。今の安倍政権の動きと重なっている。脱原発運動は命を守る運動だ。この秋からもう一度力を合わせてがんばっていきましょう」。

チンドン太鼓とクラリネット、チューバ、ギターなどを融合させた独特の音楽で観客を魅了したのは「ジンタらムータ」。アジアから南米の街頭音楽に脱原発のメッセージを織り交ぜて力強い演奏を披露した。

いわき市議会議員の佐藤和良さんは、「再び関東大震災が起これば、首都圏こそ原発災害の現地になる」と警告し、原発関連死を約1400人と告発。仮設住民の厳しい実態を伝えた。また参院選後に汚染水漏れを公表した東電の態度を、「はじめから出来レース」と糾弾。国と東電の責任を問うために「被害者は絶対にあきらめない。みなさんとつないだ手を離さない」と力を込めた。

新しいモラルに希望を

大江健三郎さんは、小説家のいとうせいこうさんの作品が芥川賞を逃した経緯について話した。死者の声を代弁するヒューマニズム、センチメンタリズムが選考委員に批判されたが、それがなぜいけないのか。むしろそれが文学行為だと反論した。また、作家の故井上ひさしさんと評論家・加藤周一さんとのエピソードにも、時間を割いた。井上さんが旅先で色紙サインの依頼を自分に譲ったこと。そこに書かれた言葉に、ウイットを加えた大江さんの思い出話に、会場は沸いた。

加藤さんとのフランスでの出来事に触れ、原発の是非をめぐる同国の市井の論争を紹介。「日本人は60年間平和憲法を守ってきた。『原発ゼロ』で日本人の新しいモラルが問われる。それに希望を持とう」と、まとめた。木内さんが安倍晋三首相を紹介した。「ザ・ニュースペーパー」のものまねコントにホールは爆笑の連続。懐かしい小泉純一郎氏も駆けつけた。

原子力から抜け出そう

京都大学の小出裕章さんは、スライドを使って原発事故の汚染実態を告発。「戦争が終わった後、国土は荒廃しても人々はそれを再建した。しかし原子力災害は違う」。「他者を犠牲にして成り立つ、原子力的なものすべてから抜け出すこと」。 憲法前文が投影されたスクリーンを差しながら「憲法は素晴らしい。人生は、命は一度きりだ」と語ると、大きな共感の拍手が起きた。

作家の澤地久枝さんは「こんなに猛暑が続くのに停電しないじゃないですか。未来の子供たちのために、原発は止めるべき」だと語った。

評論家の内橋克人さんは、これまでの運動を振り返った。私たちはかつて「福島から学ばない人間を国会に送るなと心から訴えたところがまったく逆のことが起きた。「有権者はいったい何を考えているのか。民主党政権時代のヒアリングを、民意を一顧だにしない現政権の手法にだまされず、新しい安全神話を見破らなければならない」。内橋さんの言葉からは、抑えきれない憤りがにじみ出ている

はじめの一歩から声をかけて

集会の最後に落合恵子さんが発言した。「銀座でショッピングを楽しむ人をつかまえて聞かせたい」と切り出した。全国を講演でまわりながらも、まだまだ真実を知らない人が多いという。この会場にいれば心地いい。でもしばらくは、政治は変わらない。福島の70代の女性は「こんな無念の思いのまま死ねるものか」と口にした。あきらめない。ここにいない人にこそ、声をかけたい。

非暴力主義を貫いた落合さんが、「武闘派になろうか」と口にする。「私は外に出てノックをし続ける。あいつを変えてやる」。焦りやもどかしさが、そして変革への強い意志が伝わってくる。「東京五輪に使う金を福島に注ぎ込め」――この呼びかけに、参加者は渾身の拍手で応えた。

「つながろうフクシマ!くりかえすな原発震災」をサブタイトルに掲げた4時間にも及ぶ長丁場。2050人の聴衆は、最後まで集中力と一体感を維持して集会を成功させた。1千万人をめざす署名は現在、830万筆超に達している。(Y)
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http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20130903-1183563.html

汚染水対処、五輪控え政府主導演出か

 政府は3日、東京電力福島第1原発の汚染水漏えいに対処するための基本方針を公表し、国費の投入を決めた。「政府一丸で解決に当たる」(安倍晋三首相)と政府主導を強調するが、東電任せの汚染水処理が後手に回って破綻し、国民負担を迫られたのが実態だ。目新しい対策はなく、2020年の夏季五輪の開催地決定を控え、国際社会の懸念を意識した政治的パフォーマンスの色合いが濃い。

 ▽戦犯

 「(五輪の選考に落ちたら)われわれが戦犯になってしまう」。8月末、東電を所管する経済産業省は危機感を募らせた。

 第1原発で止まらない汚染水の漏えいを、海外メディアも大きく報道。五輪開催地を決める9月7日(日本時間8日)の国際オリンピック委員会(IOC)総会への影響が現実味を帯び始める。あるIOC幹部は「(漏えいを)非常に重大と受け止める委員もいる」と明かす。

 政府は「五輪とは関係ない」(菅義偉官房長官)と平静を装うが、招致に失敗すれば、批判の矛先は政府に向かいかねない。関係省庁幹部は「とにかく今週中は悪い話はするなというのが官邸の意向だ」と、対策を急きょ取りまとめた背景を説明する。

 ▽つけ

 基本方針では、原子炉建屋の周囲の地中を凍らせて壁をつくる凍土遮水壁に320億円程度の国費を投じる。資金面で東電を後押しすることで、完成は当初予定の15年度から14年度に前倒しできる想定だ。汚染水から放射性物質を取り除く浄化設備の増強も含め、総額は470億円程度となった。

 ただこれらの対策の実現は数年先で、目先の漏えいを食い止める決定打にはほど遠い。国際的な環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、基本方針は抜本対策には不十分で、タンクからの漏えい防止の具体案もないとして「巨額の税金を垂れ流しするものだ」と批判する。

 鋼板の接合部をボルトで締める「フランジ型」タンクは以前から危険性が指摘されていたが、低コストで工期も短い。東電は増設を重ね、300基を超えたころ、汚染水漏れが相次いで発覚した。

 4月には地下貯水槽からの漏えいが見つかっており、巨額の赤字に苦しむ東電による作業の限界が明らかになりつつあったが、安倍政権は数十年かかるとされる廃炉工程の前倒しなど「遠い未来」の議論に傾注。与党自民党からも「危機感が薄い」(塩崎恭久元官房長官)と批判が上がっていた。

 ▽お祭り騒ぎ

 「今、東京はオリンピックだ、何だ、とお祭り騒ぎと聞く。(五輪より)国の威信にかけて、事故を収束しなければいけなかった」。

 3日午後、福島県相馬市の相馬双葉漁業協同組合の高橋通さん(58)は、汚染水対策を説明する経産省の担当者に迫った。

 相馬双葉漁協は8月、汚染水問題の深刻化を受け、9月以降の試験操業を見送った。県南部のいわき地区の漁協も、9月に予定した事故後初の試験操業を断念した。

 「国は危機感がなく、もっと前から対策をしてほしかった」(相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長)。五輪招致の旗印に掲げる被災地の復興は遠のきつつある。(共同)

 [2013年9月3日21時2分]
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http://gendai.net/news/view/110558

ア然…五輪招致トップ「汚染水は安全」書簡の中身
2013年09月04日 23:39 更新

 東京五輪招致委員会の竹田恒和理事長(65)が、IOCの委員らに宛てた「みっともない手紙」(外国メディア関係者)をAP通信にスッパ抜かれてしまった。

 APが入手した竹田理事長の手紙は先月27日付で、現地時間2日、ロンドン発の記事で内容を詳細に報じた。見出しは〈東京招致のリーダーはIOC委員に福島は大丈夫と保証する〉。竹田理事長は汚染水漏れの懸念を打ち消すのに必死で、IOC委員に手紙を送りつけたのだ。

 APの記事によると、手紙の内容は一方的な“安全宣言”ばかりだ。

   〈東京の生活これまでと変わったこともなく、安全なまま。
    空気も水も影響を受けていない〉

   〈皆さんも、福島原発の状況をニュースで見たかもしれませんが、
    もう一度、言わせて欲しい。東京全く影響を受けていない、と〉

   〈東京の空気と水は毎日計測されており、何か問題があるという
    根拠は全くない。それは日本政府によっても確認されている〉

 そして竹田氏は手紙の最後をこう締めくくっている。

   〈世界中が政治的にも経済的にも不安定な中、東京極めて安全。
    地震や津波から復興するうえで、五輪招致を国の魂を
    高揚させるチャンスにしたい〉

 手紙を読んだIOC委員たちは、竹田氏が泣きすがる姿を想像したのではないか。

 竹田氏はAPの電話取材にも応じ、どんな根拠があるのか「東京の放射能濃度はニューヨークやロンドンと同レベルだ」とまで言ってのけた。

 いくら東京の安全性を強調したいとはいえ、ちょっとやりすぎじゃないのか。

   「開催地決定の最終投票直前に、実際に票を投じるIOC委員に
    汚染水漏れに関する手紙を送りつけるのは逆効果でしょう。
    寝た子を起こすような話で、汚染水漏れの恐ろしさを想起させる
    だけです」(前出の外国メディア関係者)

 AP通信は世界各国の約5000のテレビ・ラジオ局、約1700の新聞社と契約し、記事を配信している。竹田理事長は世界中に赤っ恥をかいてしまったか。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000123.html

想定外、もう許さない」 東電汚染水 福島の警察信じ告発
2013年9月4日 朝刊

 「汚染水対策の失敗はまさに『想定内』。今度こそ『想定外』の言い訳は許されない」。東京電力福島第一原発の汚染水問題で、福島県民による福島原発告訴団が三日、広瀬直己社長ら東電幹部を公害犯罪処罰法違反容疑で福島県警に告発した。県民たちは真相解明の役割を、同じく原発事故の被害者でもある地元の警察官たちに託した。

 代理人の河合弘之弁護士は東京都内で会見し「安全よりお金を優先して原発事故を起こした東電の体質や構造は、事故後もまったく変わっていない」と批判した。

 告訴団は昨年六月、原発事故をめぐり東電幹部らを業務上過失致死傷容疑で福島地検に告訴。検察当局の捜査に、東電幹部たちは「大津波は想定外だった」と過失を否定し、告訴団が求めている家宅捜索もいまだに行われていない。

 告発の理由を、河合弁護士は「被害を受けた人と暮らしている県警なら、被害者に寄り添った捜査をしてくれると思った」と話す。

 告訴団は告発に合わせ、汚染水対策に関する東電の内部文書を公表した。文書には、東電が事故の三カ月後の時点で、原発地下に遮水壁を造るのが「最も有効」と位置付けながら、費用や着工時期を公表しない方針が書かれていた

 団長を務める武藤類子さん(60)は「抜本的な対策を取らないと大量な汚染水が出ることは、東電にとって想定内だったはず。文書はそれを示す証拠だ。これまでのずさんな汚染水対策を見ると、私たち被災者の犠牲はなんだったのかと思う」と憤る。

 東電広報部は三日、本紙の取材に対し、告訴団が入手した文書が「社内に存在する」と認めた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013090402000146.html

【社説】
原発汚染水問題 危機意識がまだ足りぬ
2013年9月4日

 政府が、東京電力福島第一原発の汚染水対策への関与を強める方針を決めた。遅きに失した感はあるが、政府も東電も、この問題は国の緊急事態だとの危機意識を持ち、対策に全力を挙げるべきだ。

 「汚染水問題は、東電任せにせず、政府が前面に立って解決に当たる。廃炉が実施できるかには世界中が注視している」。安倍晋三首相はきのう、政府の原子力災害対策本部でこう語った、という。

 その決意は多とするが、安倍内閣がこの問題を甘く見て、本腰を入れるのが遅れたのなら、民主党前政権と同罪だ。

 東電の汚染水対策はこれまでも度々「後手後手」「場当たり的」との指摘を受けてきた。

 八月には約三百トンもの高濃度汚染水がタンクから漏出したことが発覚し、原子力規制委員会は国際的な原子力事故評価尺度による評価を上から五番目のレベル3(重大な異常事象)に引き上げた。

 東電の当事者能力に疑問符を付けざるを得ない現状を考えれば、政府はもっと早く汚染水対策に力を入れるべきではなかったか。

 安倍内閣がこの時期に国の関与強化を決めたのは、二〇二〇年夏季五輪開催都市決定を控え、東京招致への影響を抑えようとの思惑が働いたのかもしれない。

 東京招致委員会の竹田恒和理事長は、開催都市決定の投票権を持つ国際オリンピック委員会(IOC)委員に「東京全く(汚染水の)影響を受けていない」などと訴える手紙を送った、という。

 東京五輪への影響があろうがなかろうが、汚染水問題は一刻も早く収拾すべき問題だ。東京が安全ならいいものでもない。福島第一原発周辺は国土が失われたと同然だ。その回復には、国を挙げ、最優先で取り組むべきだろう。

 首相は海外に原発を売り込むよりも先に、汚染水問題の深刻さを自覚すべきだった。災害に強い国土づくりは大切だが、公共事業をばらまくくらいなら、汚染水対策に振り向けるべきではないか。

 今年は八月から九月にかけ、東日本大震災以降、自粛傾向にあった海外視察に、多くの国会議員が出掛けるという。

 切迫した事情があるのならまだしも、原発事故や汚染水の現状、いまだ避難生活を強いられている被災者の辛苦を、自分の目で確かめるのが先ではないのか

 それを国会での論戦に生かし、政府に対策を迫る。そんな基本的な仕事もできないのなら、国会議員として存在価値もない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013090402000107.html

【コラム】
筆洗
2013年9月4日

 <母と子は/存在の岸辺に/佇(たたず)んでいた/現代の業が/滝のように/水俣の海に流れ込むのを/見つめていた/そしてそれが/自分自身に流れ込み/わが子に流れ込んだことをさとった/わが子は/現代の業苦に/焼けて苦しむ小さないのちだった>▼熊本県水俣市の水俣病資料館の館長を務めた坂本直充さんの詩集『光り海』から引いた。父はチッソの社員。ようやく立てるようになったのは六歳の時だ。自分も患者では…。疑問を抱きながら、差別を恐れ水俣病を引き受ける勇気がなかったという▼大卒後、市職員になり、二〇一一年に資料館長に。震える手を見た来館者に「館長も患者ですか」と何度も問われた。もう逃げてはいけない。水俣病と向き合い、認定申請することを決めた▼<人は高度成長と呼んだ/人は繁栄と呼んだ/もっとほしい/もっといいものを/もっとうまいものを/もっともっとのために/資源を掘りつくし/資源を使い尽くし/限りない欲望の道を/疾走していた/繁栄のために/少女は死んだ>▼水俣に何を学んだのか。福島第一原発は「収束宣言」を嘲笑するように放射能汚染水を垂れ流す。五輪招致の妨げになってはならぬと、レベル3を前に見えないふりを決め込んだ政府は、世界中から批判を浴びた▼きょう四日は、公害の原点である足尾鉱毒事件を告発した田中正造の没後百年。
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http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin

2013年9月4日(水)付
天声人語

 時の流れに色あせてしまう偉人もいれば、いよいよ輝きを増す傑物もいる。田中正造は後者である。公害の原点とされる栃木県・足尾銅山の鉱毒事件で民衆の先頭に立ち闘った。〈真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし〉という至言を残して没し、きょうで100年になる▼明治の半ば、鉱毒は清流を死の川に変え、山や田畑を枯らした。しかし銅は国の経済を支える産品で、政府は人を救うより富国強兵を優先した。そのさまは昭和の水俣病、今の原発にも重なってくる▼衆院議員だった正造は議会で質問を繰り返す。運動を組織し、死罪を覚悟で天皇に直訴した。官権に抗し、幾多の妨害を受けつつ人々を引っ張った。不撓不屈(ふとうふくつ)の四文字が、これほど似合う人はまれだ▼正造を高く買っていた勝海舟が、冗談ながら、この者は末は総理大臣だという証文を、閻魔(えんま)様や地蔵様あてに書いたという逸話が残る。原発事故のあと正造が総理だったら、困っている人、弱い立場の人を、何をおいても助けるに違いない現実の総理は、早々と収束宣言を出し(民主)経済のためには再稼働が必要と唱え(自民)、なお15万人にのぼる避難者は忘れられがちだ。事故処理より外国への原発セールスに熱心というのでは、ことの順番が違う▼冒頭の「真の文明は」の後には、こうした文が続いている。〈……今文明は虚偽虚飾なり、私(し)慾(よく)なり、露骨的強盗なり〉。1世紀が流れて、古びないのがやりきれない。
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コメント
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●「もはや犯罪というしかない」 ~東京電力汚染水流出大事故と再稼働・輸出という犯罪~

2013年08月25日 00時00分42秒 | Weblog


gendai.netの記事【福島第1原発汚染水タンク350個が全滅危機】http://gendai.net/articles/view/syakai/144131)。asahi.comの社説【汚染水漏れ―首相先頭に危機管理を】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit110月22日)と【天声人語】(http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin10月22日)、【チェルノブイリ、進まぬ廃炉 事故から27年】(http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201308210350.html)。東京新聞の記事【タンク汚染水漏れ 堰の排水弁すべて開放 海に流出可能性大】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082290070949.html)と社説【レベル3相当 新しい事故に等しい】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082202000152.html)、コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013082202000150.html)。最後に、鎌田慧さんのブログに出ていた橋下勝さんの絵と記事【橋本勝「地球を汚染する 安倍政権」】(http://nomorewar77.blog.fc2.com/blog-entry-596.html)。

 3.11東京電力原発人災以降、そして冷温停止「状態」「収束」宣言以降も、様々な「事象」・事故は起こってきた。しかし、日量300トンの流出に続き、排水弁全開の欠陥汚染水タンクからの今回の300トンの高濃度汚染水漏えいは重大事故・・・・・・、前野田政権の「収束」宣言などというヤラセ宣言は撤回し、福島第一原発周辺の海洋汚染だけでなく、刻々と外洋へと拡散していく放射性物質汚染を何とかしないといけない、とてつもない重大な事故である。

 3.11東京電力原発人災以来の「重大事故」「重大人災」という意識は、自公議員や電力会社には感じられない。またしても、「重大事故」「重大人災」を起こしてしまったという意識があるようには思えない。

 最後の『橋本勝「地球を汚染する 安倍政権」』にある通り、「もはや犯罪というしかない」状態。日本は、いま、そういう目で世界から見られていることに、もっと危機意識を持たねば。妙案は思い浮かばない。でも、大至急、内陸からの地下水の流入を完全にバイパスし、原子炉のかけ流し状態から出てくる冷却汚染水は完全な閉鎖系に閉じ込め、さらに、湾を閉鎖するなりしないと、汚染は外へ外へと広がるばかりだ。3.11東京電力原発人災に関わることや、全ての原子炉を廃炉に向けて作業開始すること以外、いま、自公政権や電力会社に、一体何をやることがあるのだろうか。すべてはそこに集中するしかないはず。原発再稼働や原発輸出なんてやってる場合だろうか? 

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http://gendai.net/articles/view/syakai/144131

福島第1原発 汚染水タンク350個が全滅危機
2013年8月21日 掲載

東電の安普請・ドロナワ作業で最悪事態

 どうしたらこうなるのか。東京電力は福島第1原発のタンクから漏れた放射能汚染水の量を当初「少なくとも120リットル」と推定していたのに、20日になって「300トンに達する」と変更した。一気に2500倍に増えたことに絶句だが、汚染水の漏出量はこんなものでは済まない。

 東電はダダ漏れになっていた地下貯水槽の汚染水を、6月上旬までに地上タンクに移し替えた。タンクは直径12メートル、高さ11メートルの円柱状で、容量は約1000トン。漏れた300トンは大体、25メートルプール1つ分だ。

 実はこのタンクは当初から“ヤバイ”と指摘されていた。部材を溶接ではなく、ボルトでつないで組み立てる構造のため、ボルトが緩んだり、止水用パッキンが劣化すると、汚染水が漏洩するんじゃないかと懸念されていたのだ。

   「過去に4回、タンクから汚染水漏れが起きていて、いずれもつなぎ目部分から
    見つかっています。今回はまだどこから漏れたか分かりませんが、
    恐らく、つなぎ目に原因があるのでしょう」(ジャーナリスト・横田一氏)

 東電によると、パッキンの耐用年数は5年ほど交換するにはタンクそのものを解体しなければならないが、漏洩が見つかるたびに解体するのは非現実的だ。外側から止水材を塗るなど、その場しのぎの対応に追われることになりそうだ。

 問題はボルトとパッキンだけではない。タンクが“鋼鉄製”なのも大きな懸念材料という。日本環境学会顧問・元会長で元大阪市立大学大学院教授(環境政策論)の畑明郎氏が言う。

   「汚染水は原子炉冷却に使われた水で、当初の海水冷却により塩分を
    含むものです。鋼鉄製のタンクは錆びやすく、腐食して穴が開き、
    漏れた可能性があります。安全性を考えるのであれば、東電は
    鋼鉄製ではなくステンレス製のタンクにすべきでした」

錆びて腐食、止水用パッキンの寿命はたった5年

 東電がそうしなかったのは、鋼鉄製の方がコストがかからないからだ。さらに言うと、溶接型ではなくボルト型にしたのも、短時間で増設できるから。いかにも東電らしいドロナワ対応といえるが、このボルト式の同型のタンクは敷地内に350個もある。もし、今回と同じ300トンの汚染水がすべてのタンクから漏れ始めたら、10万トンではきかない計算になるから、考えるだけでもゾッとする。

 しかも、汚染水は1日400トンのペースで増え続けていて、東電は現在貯蔵可能な約39万トン分のタンクの容量を2016年度までに80万トン分まで増やす計画だ。
 一方で安普請のタンクからの汚染水漏れの手当ても同時にやらなければならない。

 今回の汚染水からは、法令で放出が認められる基準(1リットルあたり30ベクレル)の数百万倍に達する8000万ベクレルの放射性ストロンチウムが検出された。300トン分で約24兆ベクレルである。

 はっきり言って東電は終わっている。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1、10月22日】

2013年8月22日(木)付
汚染水漏れ―首相先頭に危機管理を

 福島第一原発で、新たな事故が起きた。放射性物質で高濃度に汚染された水が、保管タンクから300トンも漏れたのだ。

 原子力規制委員会はきのう、8段階の国際基準に当てはめると上から5番目の「レベル3」(重大な異常事象)に相当すると発表した。

 隔離していた放射性物質を大量に環境中に逃した事態は文字どおり重大である。海外からの懸念の声も高まっている。

 周辺の安全だけでなく、日本の信用にかかわる危機であり、安倍首相は早急な対応でリーダーシップを発揮すべきだ。

 福島での原発事故は86年のチェルノブイリ原発事故と並び、国際基準で最も重大な「レベル7」(深刻な事故)だ。

 レベル7の事故自体が収束にほど遠く、今も放射性物質による環境汚染が続いている

 その事故対策の過程で生じたタンクからの汚染水漏れを、改めて「レベル3」と判定することに異論もあるようだ。

 しかし、新たな事故と位置づけることで、「なぜ防げなかったのか」という重要な問いに向き合うべきだ。

 汚染水が漏れたタンクは、約1千基のうち約350基を占める簡易型で、耐用年数も5年しかない。漏れる危険性は当初から指摘されてきた。

 大量漏出が起きたのは、汚染水対策が東京電力任せにされ、その場しのぎの不十分な対策が繰り返された結果だ。

 汚染水問題は、安倍首相が今月7日の原子力災害対策本部で「東電任せでなく国としてしっかり対策を講じる」と述べて、ようやく省庁間に連携の動きが出てきたと関係者は語る。

 汚染水対策は従来、原災本部の下の廃炉対策推進会議で、東電と経済産業省中心にまとめられてきた。それが裏目に出た。

 現状の把握や国内外への説明、対策での国際連携、必要な資金投入など、省庁の壁を越えて政府が総力で迅速に取り組むべきことばかりだ。首相の指導力が問われる局面である。

 事故関係の情報は原災本部の内閣危機管理監の下に集約して共有と調整を図るなど、政府として原発事故発生時に準じた態勢を組んではどうか。

 東電任せの枠組みを認め、一歩引いた監督にとどまりがちだった規制委にも責任がある。

 楽観に傾かず、冷徹に最悪を想定するのが役目である。漏水を防ぐ複数の代替策を準備させたり、環境汚染の徹底監視に乗り出したり、内外の最新知見を積極的に取り入れた対策の具体化をただちに進めてほしい
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http://www.asahi.com/paper/column.html?ref=com_top_tenjin、10月22日】

2013年8月22日(木)付
天声人語

 水に恵まれた国土のゆえだろう。私たちは比喩としての水のイメージを豊富に持っている国民だと、本紙歌壇の選者馬場あき子さんが書いていた。たしかに「水もしたたる」や「水を向ける」など、誰でも指折り挙げることができる▼しかし今、「水も漏らさぬ」は立つ瀬がない。福島第一原発のタンクから、高濃度の放射能汚染水が漏れていたことがわかった。推計でドラム缶1500本分。大部分は地中にしみこんだとみられ、付近から高い放射線量が計測されている▼原子力規制委は、国際的な尺度でレベル3の「重大な異常事象」にあたるとの見解を示した。そもそもの事故が大きすぎて感覚が鈍るが、平時にこのレベルなら大騒ぎになろう。漏れた原因さえ分かっていない▼それにしても、水に絡む、次から次への深刻事態である。1日に約300トンの汚染水が海に流れ込んでいるという試算が出たのは、つい先日のことだ。あれやこれやで、東電はもはや、ダウン寸前のボクサーさながらだ▼立っているのがやっとの一企業に、事故処理を任せっぱなしにはできまい。原発の再稼働や諸外国への売り込みを急ぐために、廃炉、収束は東電に任せて自らの責任は水に流したいそうした意図が政府にあると見るのは、勘ぐりが過ぎようか▼「水に流す」とは、なかったことにすること。いわゆる禊(みそ)ぎの思想が裏にあるという。禊ぎは政治家の得意技だが、国策として推進した事実は消しようもない。災害は今も進行中である。
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http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201308210350.html

2013年8月22日9時20分
チェルノブイリ進まぬ廃炉 事故から27年

 ウクライナのチェルノブイリ原発で、史上最悪の事故から27年がたち、ようやく廃炉に向けた準備が始まろうとしている。しかし、事故を起こした4号炉は高い放射線量に阻まれ手つかずのまま。建屋をコンクリートで覆った「石棺」が崩壊して放射性物質が飛び散らないよう、巨大シェルターの建設が進められている。

溶けた燃料 撤去めどなし

 4号炉の燃料は炉心の下部に落ち、「ゾウの足」のような形をして固まっている。2011年、隣接する3号炉の部屋で炉内の温度や放射能を監視するシステムが完成。24時間監視している。燃料付近は毎時約30シーベルト以上ある。今でも近づけば死に至るほどの強い放射線を放つ

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082290070949.html

タンク汚染水漏れ 堰の排水弁すべて開放 海に流出可能性大
2013年8月22日 07時09分

 東京電力福島第一原発のタンクから三百トンの汚染水が漏れた問題で、東電は、ほとんどのタンク群の周りに水を食い止めるコンクリート製の堰(せき)を設けたのに排水弁をすべて開けていたことが分かった。今回の漏出事故では、大量の汚染水が排水弁から堰の外に漏れ、土のうを越え、近くの排水溝から海に汚染が広がった可能性が高い。

 汚染水漏れが起きたタンク群には、二十六基のタンクがあり、これを囲む堰の二十四カ所に弁が設置されている。東電は、汚染水が漏れても広がらないよう堰を設けたが、堰内に雨水がたまると汚染水漏れが発見しにくくなるとして、弁を開いたままにして雨水が抜けるようにしていた。

 しかし、弁が開いていたことで、漏れた汚染水は簡単に堰の外に出た。外部には土のうが積んであったが、土に染み込むなどしてその外側に漏れ出した。

 二十一日には、問題のタンク群から排水溝に向かって水が流れた跡が見つかったほか、排水溝内でも汚染水が土砂とともに流れた跡が見つかった。放射線量も毎時六ミリシーベルトと高かった。排水溝は海に直結していることから、汚染水が海に流れた可能性は低いとしていた東電も、海洋汚染があることを前提に対応していく考えを示した。

 排水弁が閉まり、コンクリート堰内に汚染水がたまる運用をしていれば、三百トンのうち半分以上は堰内にとどまった上、水が漏れているのを早期に発見できた可能性が高い。

 原子力規制委員会は今回の事故を国際的な評価尺度で上から五番目のレベル3と評価することを検討しているが、その大きな理由として「安全防護層が残されていない」ことを挙げている。二十一日夜に開かれた汚染水対策を検討する同委の作業部会で、更田豊志(ふけたとよし)委員は、弁が開いていたことに関し、「何のための堰なのか。たまった水が雨水だと確認できてから弁を開けるのが、まっとうなやり方だ」と厳しく批判した。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082202000152.html

【社説】
レベル3相当 新しい事故に等しい
2013年8月22日

 たかが水漏れと侮っていたのだろうか。レベル3。大事故に重なる大事故と言っていい。福島第一原発内で大量の高濃度汚染水が漏れていた。止められる見込みもついていない。国は無責任すぎないか

 これは新しい事故である。

 それも、ただの事故ではない。原子力規制委員会は、国際的な尺度(INES)に合わせたこの事故の重大性の暫定評価をレベル1からレベル3まで引き上げる。

 レベル3は「重大な異常事象」と定義され、レベル4以上が「事故」ということになっている。

 しかし、一般の常識に照らせばそれは重大な事故であり、人災ではないのだろうか。

 レベル7の「深刻な事故」に分類される福島原発は、収束に向かうどころか、大事故の上に大事故を日常的に重ねている状態だ。

 これでは漁師たちだけでなく、周辺住民もたまらない

 汚染水漏れを起こしたとみられるタンクは、二年前から応急的に導入された「フランジ型」と呼ばれるタイプである。

 鋼鉄の板をつなぎ合わせてボルトで留めたもの。つなぎ目はゴムパッキンで埋めてある。水漏れの危険があることは素人にも分かる。近づくだけで人の命が危険になるような、高濃度汚染水の保管場所とは思えない二十五メートルプール一杯分もの水漏れを見逃していたずさんな管理体制のこともある。そのうち、海へ流せばいいと、高をくくっていたのではないか

 国際的な影響も出た。

 韓国のアシアナ航空は十月以降、ソウル-福島間のチャーター便の運航を止めるという。このままだと波紋はさまざまに広がりかねない。

 溶接型のタンクを一基造るのに数カ月かかるとか、周囲を凍土壁で囲むのに一~二年かかるとか、費用を負担するのは誰かとか、そんな悠長なことを言っている場合ではないはずだ

 内外の不安に対してもっと真剣な危機感を持って対策を急いでもらいたいレベル3の事故を何とかせねば、レベル7を収拾できるはずもない

 国民の東電への不信は、さらに高まった。今や政府への不信も募りかねない。

 産・官・学の総力を挙げて地下水の流入箇所と流出場所を突き止め、ふさぐ努力をしてほしい。

 今この瞬間にもタンクから漏れ出ていくのは、この国の安全と信用なのである。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013082202000150.html

【コラム】
筆洗
2013年8月22日

 鏡面のような穏やかな海に、無数の筏(いかだ)が浮かぶ。三陸・山田湾名産のカキの養殖は震災で壊滅的な被害を受けたが、筏の数は震災前の六割ぐらいまで戻ってきたという。絶望を乗り越えた人たちの苦闘が結実した▼この夏、三陸の被災地を鉄道とバスで回った。無残に破壊された防潮堤に土のうを積んだ小さな浜が多かった。津々浦々の集落を襲った津波の痕跡は今も生々しい。あったはずの民家はなく、草だけが生い茂る▼浸水した土地のかさ上げのために土砂を数メートル積み上げる工事が各地で始まっていた。ダンプカーが砂煙を上げて走り回る。遅々とした足取りではあるが、再生の道を歩んでいるように見えた▼テレビのニュースは大船渡のサバの豊漁を伝えていた。山田湾のカキ養殖と同じように復活の兆しは希望の光だが、同じ被災した漁業者なのに一筋の光明も見いだせない人たちがいる▼汚染水の海洋流出が明らかになった東京電力福島第一原発で、タンクから三百トンもの高濃度汚染水が漏れていたことが分かった。福島県のいわき市漁業協同組合は、九月から始める予定だった試験操業を延期する▼原子力規制委員会は国際的な事故評価尺度をレベル3まで引き上げる可能性があるという。タンクに構造的な問題があるなら極めて深刻な事態だ。操業再開の夢は遠のいた。「収束宣言」のなんと罪深いことか
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橋本勝地球を汚染する 安倍政権
2013年08月16日(金)

福島第1原発事故は
汚染水のたれ流しが続いていることにみるように収束していない
それなのに安倍政権は原発の再稼働をたくらんでいる
さらに福島原発事故を経験したから
「世界一安全な原子力技術を提供できます」を売り文句に
世界へ原発をセッセと輸出しようとしているのだからあきれる
海を、地球を、放射能汚染してやまない、安倍政権
もはやこれは犯罪というしかない
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コメント
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