好んで勉強する子はあまりいないかもしれませんが、だからといって、彼らがこれを好むまで待っていたのでは、いたずらに時間ばかりが過ぎてしまうばかりですよね。
先日、この欄で普段化学などを担当している或る講師が、おりからの低気圧にかこつけてこれを題材にした即席話法で理科の興味を喚起したという話を書きました。
こうした例は、実は結構あって、このところの異常気象などは、地球と太陽の関係に関する話題や、地球自体の物理的な話に結び付けてこれを解説すると、多くの生徒が目を輝かせるようにして聞き入ります。
暑くてかないません、などという会話が続くときは、ホメオスターシスに結びつけて話をすれば、人体が如何に成功に組み立てられているか、その機能が如何に安定しているかという、理科と保健体育の両方にまたがった説明になります。
ほかにも様々な手法があって、それらを適宜用いることで、知らないうちに生徒の知識になるような仕掛けが働くように持って行くことが肝心で、大上段に構えて「さあ、これから説明するぞ」というような体勢ではあまりうまくありません。
普段行っている1回80分の授業などではあまりこうした小技を使う時間的な余裕はありませんが、朝から夕方までびっしり詰まっている夏期講習の期間は、授業のところどころや、授業と授業の合間などで、ちょっとしたエスプリの利いた話を挿入すること。
こうした小さな工夫で、途切れがちな生徒の集中をつなぎとめ、或いは更に集中させることは十分に可能ですし、大切且つ必要なことであると思います。