塾内の顔と野家庭での顔を使い分ける子は少なくありませんが、そういうことは、例えば友人間での顔、学校での顔、近所の人たちの間での顔と家庭での顔が違うことが珍しくないように、いわばどこでも、或いは誰にでも見られる当たり前の現象と言えるかも知れません。
しかし、こと学習塾に関して言えば、時としてそれが非常に困った問題、或いは厄介な問題を引き起こすことがあります。
学習塾といえば、保護者が費用を継続的に負担して子供の学力を目に見える形で引き上げることを目的として通わせる場所ですよね。
ここで「目に見える」というのは、究極的には通信簿の数値を上げることは、目指す学校への合格を果たすこと、或いは学校内外での順位を上げることなどを指します。
ところが、では、ここに通う子供たち本人の意識はどうでしょうか。
勿論、大多数の子供たちは入会時の誓約通り、かなり或いは全力の努力を傾けてそうした目標達成への道を歩んでいきます。
しかし、中には100人に一人くらい、これとは全く逆に、そういう目標などはどうでもよい、保護者に言われて仕方なく通っているだけ、もっと酷くなると、ここを日常生活の息抜きの場か、または遊びの場くらいの捉え方で通ってこようとする子すらいます。
そういう子は、本当に困ります。
勿論、塾の側では、そういう子に対してもあの手この手で勉強に向かわせ、少しでも成績が上がるように指導しては行きますが、彼らにしてみれば、そういうことすらも実は煩わしい。
そこで、彼等がどうするかといえば、塾内においては少しでも目を盗んで手を抜く、そして、家庭では塾での指導法や、塾の空気そのものについての誹謗めいたことを作り上げて家庭でこぼしてみせるといった、ある意味実に悪質な行動に出ることさえあります。
以前、こんなことがありました。
自分は、塾で出された宿題を全くやってこない。授業の最中にも机の下で携帯電話を操作して遊んでいる。酷い時には教材はおろか、筆記用具さえ持って来ない。
それでいて、塾での指導が物足りないとか、教室内の空気が騒々しくて集中できないなどといった嘘偽りを平気で作り上げる。
騒々しいとしたら、それは少なからず携帯の機械音を発し続けている自分自身の責めもありますし、他の大多数の子達は授業に集中しているわけですから、そんな話は極めて個人的な悪意または作為に基づいたものであるとしかいえません。
そういう事を注意されても改めようとしない、或いは改められない子については、他の善良な生徒の利益を考えた場合、一定の時間経過を見て、退会勧告しなければなりません。
そういう生徒の数は絶対的にも相対的にも極めて少数、極めて稀ではありますが、正当に費用を負担して頂いた上でお子さんを通わせて下さっている他の善良な方たちの利益を損なうこと、これは塾としては、してはならないことです。
そこで、塾としては、平素から塾とご家庭との間の情報交換を風通し良くするために、様々なツールと方法を用いています。指導報告書や、保護者面談などもそうした一環として活用しています。
学習塾は、ここに通ってくださるお子さんの成績を上げ、志望校に合格させることを目標とする点において、これがブレる事はありません。
その目的を達成するため、その過程において時に発生する誤情報、とりわけ通う本人たちの無邪気な、しかし見過ごしてはならない、事実に反し、或いは事実を歪めた情報などに対しては、適宜適切に対処していかなくてはなりません。
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