アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

オペラ・ハット ’36 アメリカ

2006-09-04 | クラシック
’30の『モロッコ』では、マレーネ・ディートリッヒの影になってしまっていたゲーリー・クーパーだが、本作品では堂々たる主役を演じている。
以後、彼は二枚目俳優として活躍してました。

アメリカ人だが、幼少の頃イギリスで教育を受けただけあって、立ち居振る舞いがとてもスマートな俳優である。
単なる長身で終わることなく、洗練されたその仕草は、当時の日本女性が沸き立っただけのことはあろう。

大資産家が亡くなり、世間では、相続人は一体誰なんだ?と大騒ぎ。
それが田舎で暮らす、甥のディーズであることが判明。
記者や政治関係者たちが動き出す。
遺産はなんと2千万ドル。
ディーズは今までののんびりとした生活から、ニューヨークでの騒々しい暮らしへと一転する。

遺産を狙う強欲な親戚や、まとわりつくマスコミ関係。
毎日、一面に書き立てられるゴシップ記事。
うんざりする中、唯一信じていた女性にも裏切られたと思い込んだディーズは、ひとりの男の話をきっかけに、ある決断を思い立つのだが・・・

長身でルックスもいいお金持ち。
知性があり、ユーモアも多少あって、センスもよい常識人。
純真で嘘もつかず、言うべきところはガツンと言う。
子供っぽいところもあって、ちょっとケンカっぱやいけど、思いやりがあって優しいディーズ。
今時少女マンガの中でも存在しないであろうキャラだが(笑)、女性にとっては永遠の王子様像なんだろうなぁ。