アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

シッピング・ニュース 2001年 アメリカ

2005-10-24 | ヒューマン・ドラマ
ひどく重い映画である。
原作本の『港湾ニュース』では、ピュリッツァー賞を受賞しているそうだ。
映画自体、内容云々よりも、個人的には配役に注目したい。

主人公クオイルをケビン・スペイシー。
’95の『ユージュアル・サスペクツ』で大注目の俳優である。
彼の優れた演技力には驚かされたが、近頃ではどうもパッとしないように感じられる。
なんだか中途半端な役ばかりで、損をしているように思えてならない。

クオイルの妻、ぺタル役のケイト・ブランシェット。
彼女は女性版ビリー・ボブというか(笑)、作品ごとに違ったキャラしょって出演する、七変化女優である。
’98の『エリザベス』でのエリザベス一世から、本作品のどーしよーもない女まで、イメージを固定させず、幅広い演技を見せてくれる稀有な女優さんだ。

ジュディ・デンチは存在感あっていうことなかったし、ジュリアン・ムーアの抑えた演技もよかった。

ニュース紙のインク係だったクオイルが、叔母の意向で祖先の故郷である島へとやってきて、地元新聞社で再就職をし、いきなり文才を発揮して一面を飾ってしまうのがスゴイ。

人が人を変える。
環境で人も変わる。

Headline(見出し)は非常に重要であり、また記者のセンスがものをいう部分でもあるが、考えてみると、日本の場合は直接的で、あまり隠喩を使わない。
「大嵐、家を奪う」
表現法を比較してみるのも面白いものだ。