『ナイトスクープ』について追記:今朝の朝日の朝刊文化面で東大の松原さんが『ナイトスクープ』について触れられていた。やっぱりこの人も『ナイトスクープ』が本当に好きなのだなぁ、というのが伝わってくるものだった。でもちょっと引っかかったのは最終段落の一文、以下引用。
「東西における人気の格差は、この番組の本質と地域間の文化の違いを反映している。東京での放送打ち切りは、地方におけるささやかな日常への東京人の無関心を物語っているのだろう。」(2006年06月01日朝日新聞木曜日朝刊)
僕は東京生まれで、中学から関西というか島根県に引っ越した。引っ越した当時は西日本の文化に馴染めないところがあった。当然西日本ローカルの番組には拒否感があった。「何か安っぽい」。出てくる芸人さんも東京に居たころは見たことも無いような人ばかりだった。だから『探偵ナイトスクープ』も見れなかった。でも、でもだんだんと西日本に慣れるにしたがって次第に見れるようになり、関西の番組の「親さ」を東京のプロダクト的な番組との比較から感じられるようになる。関東の、東京の番組は確かに全体的に洗練されてはいるが、そこには何か嘘くささが、悪い意味で「大人な」気遣いが漂っているし、笑いが何か嘘くさい。信用なら無い。無理して笑っている。そんな感じだ。
で、何が言いたいかといえば、関西の番組が東京で受けないというのは東西の文化の違いでは絶対に無いということ。関西の番組が受けないのは関東のキー局が関西の番組をまともに扱ってないから。受けないという偏見ゆえか、関東キー局のプライドか、どちらかだ。これは僕個人の経験に限られない。例えば今年の3月まで日本テレビでも放送されていたよみうりテレビ製作の『なるトモ』。放送開始時こそ視聴率が低迷していたが、3月ごろには日本テレビ製作の前番組よりも視聴率が良かった。視聴率を単純に視聴者支持と捉えられたらば、それは関西ローカルが受け入れられているということに解することが出来るはずだ。
視聴率が良かったにもかかわらず、『なるトモ』は東京での放送は3月で打ち切られた。日本テレビ関係者によると「関西ののりが受け入れられなかった」ことを理由として、打ち切ったとしたが、客観的な指標である視聴率は反対の傾向を示し始めているにもかかわらずだ。これは単に文化の違いなのか。
そしてこれは『探偵ナイトスクープ』にも言えるはずだ。関西では金曜日の夜11時15分くらいから放送されたにもかかわらず、関東では確か木曜日の午前4時とかそんな時間。ど深夜というかもう早朝だ。関西と同じ時間であれば、果たして打ち切られたの、僕は疑問に思う。文化差によって受け入れられないのではなく、それ以前の問題で『探偵ナイトスクープ』をはじめとした関西製作の番組は受け入れられないのではないだろうか。要は関東のテレビ局の不誠実さ、先入観が関西の番組の”進出”を阻んでいるのではないか。