NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

共依存、どんと来い!パーフェクト・レボリューション

2018-06-24 | 備忘録
『パーフェクト・レボリューション』を観た。ずっと気になっていた映画だったけれど、端的に言って最高だった。これを気持ち悪い、共依存と批判する人の考えも分かるが、共依存でも良いじゃない派の私はサラッと飲み込めた。






リリーさんのお芝居はもちろん凄いし、
この役を出来るのはリリーさんしか居ないと思わせるお芝居。ただ、もっと凄いのは清野菜名さんが凄い!凄いパワーで、そして何より可愛い。これまでで1番可愛い清野奈々さん。

障害者と境界性人格障害者が恋愛をするってよくよく考えると特段映画的なハードルを考えないで良いってことで、ただの恋愛映画、それが単に恋をするだけじゃなくて、互いの欠けた部分を埋め合う関係で愛の映画だった。

ミツは所謂"黄金の娼婦"なんだけれど、それだけではなく境界性人格障害と言う設定があって設定はちゃんとしてる。ある種これが物語的な飛躍の部分の説明にもなっている。

ちょっと飛躍や跳躍がある気はするのだけれど、ラストは特に大跳躍があるんだけれど、もう僕はクマピーとミツの応援者でしかないので、許容できます。

予算無いだろうに、こんなにルックも内容も素晴らしい映画になっているとは。本当に凄い。

本当に、本当に、4年前に観てたら死んでた。本当に、本当に、素晴らしい映画だった。

スリービルボードを観た

2018-06-23 | 備忘録
重たい犯罪と家族を描いているにも関わらず、
不謹慎なギャグを不謹慎なタイミングで突っ込んでくる!

ウディ・ハレルソン、ズルイ!
恐持てだけれど、優しくてユーモアがあり、優しい。
サム・ロックウェルもズルイ!!
『ザ・シンプソンズ』のネルソン署長レベルのボンクラで、
差別主義者で仕事が出来ずキレまくる。
フランシス・マクドーマンドも強烈だけれど、
弱さもちゃんと併せ持つ。

そして観客の感情を手のひらの上でもてあそぶかのうように
行ったり来たりさせられる。
ムカつくくらい面白い!

面白いだけでは飽き足らないのか、
社会批判までぶち込んでくる。

ラストもズルイ!凄い!

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ を観た

2018-06-21 | 備忘録
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』を観た。
石井裕也監督の作品の中で一番面白かった。

冒頭からスプリットスクリーンとかカットを切り替えまくったり、
カット切り替えのリズムがとっても良くて、
映像自体も結構遊んでいて、
映像だけ見ていてもとっても楽しかった。

正直『僕たちの家族』とか映画館で観た時、
どうしようかと思うくらいつまらなかった。

小賢しい男と小賢しい女の恋愛というよりも
分かり合っていく過程というか、
単なる恋愛にならずに、観ていて面白い。
周りの人生を甘くなく描く感じで
社会批判的な部分もあるので、
そういうところも含めて人を選ぶけれど面白い。

見知った渋谷や新宿の街を
嫌いだと言って歩き続けて会話する二人。
ラスト、本当に良いラスト。

勝手に、石井裕也監督が前妻との関係でダメになっていたけれど、
本作で吹っ切れたのだと勝手に思っていた。
本当に良かった。

今日から世界は君のものを観た

2018-06-20 | 備忘録
『ブラックプレジデント』の尾崎将也さんと門脇麦さんのコンビで尾崎将也さんの初監督作品。
引きこもりの主人公が社会に出て行く話でしかも主演が門脇さんだったので期待したものの、
予告で見られたゲーム会社の描写とサバゲーの描写がアレだったので観てなかった。

で、危惧の通りゲーム会社周りの演出はとってもやばかったです。。
メールのアドレスを確認せずに、添付ファイルを開ける社員。
自分でイラストを描いていないのに、ノリで描いたと答えちゃうイラストレーター。
上手いとされつつも説得力の無い絵。
ある程度名のあるであろうイラストレーターの絵を
勝手にリテイクさせるディレクター。
ザ・ゲーム会社のイメージ通りのオタクの集まるゲーム会社。
サバゲーの描写もしかり。。
留守中に勝手に女性の部屋に入り込む男のニートの友達と男性上司。
何故か主人公が働くゲーム会社はmages.なんだけれど、
よくこんな描写を許したな、心が広いな、mages.
あと、不快極まりない駒木根さんのくだり。。

正直、途中で観るのが辛くなるほど酷い描写のオンパレードなんだけれども、
改心の描写があることで凄い救われた。

この映画の何が良いか。

それは主人公がニートになってしまった切っ掛け。
YOU演じる主人公の母親がいわゆる毒親で
主人公の興味を幼児の頃から否定し続け、
大人になった今でも主人公のやりたい事を
「無理だから、無難にやれ」と否定し続ける。
それをとってもナチュラルに悪気無い感じで演じる。
心配している風で、娘を見下している母親。

そして主人公が恋愛を切っ掛けとするのではなく、
自分がやりたい事を見つけて、
自分の為にやりたい事をやっていくという結末。

母親を許すのではなく、母親に別れを告げ、
自分のやりたい事を見つけて、主人公が自立を掴み取る。

本当に色々と観ていて辛い演出が多くて辟易するのだけれど、
毒親からの脱出、恋愛ではなく自分のしたいことを
しようとして、世界を自分のものにしていくのは
中々観ない設定と結論だよ。

元ニートの講演会の講師を任せられた時、
ニートを克服していないと自ら認める描写もよかったです。

もっとブラッシュアップして欲しかった。





アトミックブロンドを観た

2018-06-18 | 備忘録
北野武が思いついた様々な殺し方を見せる為に撮られた『アウトレイジ』が如く、
キアヌ・リーブスのガンフーを見せる為に撮られた『ジョン・ウィック』と比べると、
ちゃんとシナリオがある『アトミックブロンド』の方が好み。

シナリオはスパイものの定番であるスパイリストを巡っての
奪い合いと騙しあい。

ガンフーと比べると、泥臭い格闘振り付けと
シャーリーズ・セロンの美しさは本当に格好いい。

ただ、群集シーンのモブの作りこみがどうにもうーん。。
シナリオは本格思考ながらも台詞とか
シャーリーズの衣装のケレン味とかがマンガなので、
泥臭いアクションしてもマンガ感がでるけれども、
やはりリアル志向でちょっとバランス悪いような。