「映画秘宝」6月号で主演のマイケル・セラのインタビューと共に『スコット・プルグリムVS邪悪な元カレ軍団』の元ネタリストが掲載されていたけど、元ジャンクハンター吉田さんによると原題の『Scott Pilgrim vs. the World』は昔懐かしい『ザ・シンプソンズ』のビデオゲーム、『Bart VS The World』のオマージュなんだとか。あんな古くてマイナーで、おまけにつまらないゲームのタイトルを何故引用したのか。エドガー・ライトってやっぱりおかしい。
―『スコット・プルグリムVS邪悪な元カレ軍団』(公式)
ブライアン・リー・オマーリーの原作自体が海外版『熱血硬派くにおくん』にオマージュを施したコミック(アメコミでも、バンドデシネでもなく漫画!)なのに、撮った監督が『ショーン・オブ・ザデッド』で『ゾンビ』をメタ的な視点でコメディに仕上げたり、『ホットファズ』でこれまたアクション映画のオマージュをふんだんに盛り込んだメタ映画を作ったエドガー・ライトなのでとんでもないことになってる。
はじめ、普通の映画のように見てしまっていたので酷く混乱してしまったけど(そしてひどくつまらないものに思われた)、この映画が漫画原作、それも言葉通りに荒唐無稽な漫画原作と言うこと、エドガー・ライト監督と言うことを鑑みると、妄想と現実が行ったり来たりすることにも、非現実的な設定や表現も理解できる。混乱と言う意味では『ブラックスワン』よりも混乱させられてしまいます。
しかもそれだけではなく、映画やゲーム、音楽からの引用に溢れかえり、細かなネタがそこかしこに盛り込まれている。さらに言うと、会話量が尋常じゃなく、映画の中の情報量が半端ではないので、2時間近くの上映時間以上に観た後に疲労感を感じさせるほど。面白いことは認めるけど、この映画を”漫画”であると捉えられないと、非常に苦痛な2時間になってしまいそう…
主軸となるストーリーは一目ぼれした彼女と付き合い始めたけど、その彼女の元恋人たちが次々に主人公に襲いかかってくると言う話。でもその元恋人たちが普通の人たちではなく、踊るインド人やレズビアン、ヴィーガンを極めてスーパーパワーを身に付けたスーパーヴィーガンや日本人のテクノ双子(斉藤兄弟!)などがさまざまに命を賭けた戦いを挑んでくると言うまさに荒唐無稽な、そして単純すぎるシナリオ。
単純なシナリオだからこそ出来た濃密な横道なんだろうけど、それにしても粘度が濃い。監督がじきじきに任天堂に許諾を得た『ゼルダの伝説』のBGMとかゲーム的な表現などなど。倒した敵がコインになっちゃうとかを説明なしにやっちゃうというゲーム的世界観。実写の人物が倒されたらコインになるが、そこに”死”とかはない。1UPを生かした演出には驚かされた。これは漫画やゲームに忠実な映画なんだなぁ。
いろいろ割り切れないと楽しめない映画だと思うけど、ぼくは楽しめた。結局去年体験版をプレイして終わりだったPS3若しくはXbox360用ダウンロード専売ゲーム『Scott Pilgrim vs. the World』を購入しちゃった。まだレベル1しかプレイしてないけど、映画を見た後だと感情移入度が格段に変わる!そしてゲーム自体は『熱血硬派くにおくん』オマージュのベルトスクロールアクション。これほど幸せなシネマゲームも珍しい。しかも追加DLCではなんとドッジボールモードまであったから、かっちゃったよ!
―『スコット・プルグリムVS邪悪な元カレ軍団』(公式)
ブライアン・リー・オマーリーの原作自体が海外版『熱血硬派くにおくん』にオマージュを施したコミック(アメコミでも、バンドデシネでもなく漫画!)なのに、撮った監督が『ショーン・オブ・ザデッド』で『ゾンビ』をメタ的な視点でコメディに仕上げたり、『ホットファズ』でこれまたアクション映画のオマージュをふんだんに盛り込んだメタ映画を作ったエドガー・ライトなのでとんでもないことになってる。
はじめ、普通の映画のように見てしまっていたので酷く混乱してしまったけど(そしてひどくつまらないものに思われた)、この映画が漫画原作、それも言葉通りに荒唐無稽な漫画原作と言うこと、エドガー・ライト監督と言うことを鑑みると、妄想と現実が行ったり来たりすることにも、非現実的な設定や表現も理解できる。混乱と言う意味では『ブラックスワン』よりも混乱させられてしまいます。
しかもそれだけではなく、映画やゲーム、音楽からの引用に溢れかえり、細かなネタがそこかしこに盛り込まれている。さらに言うと、会話量が尋常じゃなく、映画の中の情報量が半端ではないので、2時間近くの上映時間以上に観た後に疲労感を感じさせるほど。面白いことは認めるけど、この映画を”漫画”であると捉えられないと、非常に苦痛な2時間になってしまいそう…
主軸となるストーリーは一目ぼれした彼女と付き合い始めたけど、その彼女の元恋人たちが次々に主人公に襲いかかってくると言う話。でもその元恋人たちが普通の人たちではなく、踊るインド人やレズビアン、ヴィーガンを極めてスーパーパワーを身に付けたスーパーヴィーガンや日本人のテクノ双子(斉藤兄弟!)などがさまざまに命を賭けた戦いを挑んでくると言うまさに荒唐無稽な、そして単純すぎるシナリオ。
単純なシナリオだからこそ出来た濃密な横道なんだろうけど、それにしても粘度が濃い。監督がじきじきに任天堂に許諾を得た『ゼルダの伝説』のBGMとかゲーム的な表現などなど。倒した敵がコインになっちゃうとかを説明なしにやっちゃうというゲーム的世界観。実写の人物が倒されたらコインになるが、そこに”死”とかはない。1UPを生かした演出には驚かされた。これは漫画やゲームに忠実な映画なんだなぁ。
いろいろ割り切れないと楽しめない映画だと思うけど、ぼくは楽しめた。結局去年体験版をプレイして終わりだったPS3若しくはXbox360用ダウンロード専売ゲーム『Scott Pilgrim vs. the World』を購入しちゃった。まだレベル1しかプレイしてないけど、映画を見た後だと感情移入度が格段に変わる!そしてゲーム自体は『熱血硬派くにおくん』オマージュのベルトスクロールアクション。これほど幸せなシネマゲームも珍しい。しかも追加DLCではなんとドッジボールモードまであったから、かっちゃったよ!