前の大学は大嫌いだった。中学レベルの英語の授業、やる気のない教授陣に、やる気の無い生徒。加えて向上心・向学心も無い。就職のことしかのたまわない学部長。高校の延長でしかない大学だった。
だが感謝すべき点もある。その一つはゼミだ。一年の後半から二年次終了まで同じ教授のゼミに所属した。僕のゼミの担当の教授は哲学者だった。僕から見ても内向的で、ゼミのみは一回も無かったが、授業は充実したものだった。一年目は論理のトレーニング。二年目は『ソクラテスの弁明』を持ち回りで日本語訳を行った。確かに味気ないものだったが、確実に論理的思考と英語力が身についた。あの教授には感謝の仕様が無い。
二つ目は経済学の教授の教えだ。その教授の講義は少なくとも僕にとっては面白いものではなく、興味を抱かせるものでものではなかったが、彼の新入生への教えは役に立った。それはメモ魔の勧めだ。新聞を読むにしろ、テレビを見るにしろメモを取れと彼は言っていた。純粋な学生だった僕はその通りにメモを取りまくった。つまらない事であろうが何であろうが、メモを取りまくった。そのおかげか前の大学に居た2年間の間で、それまでには無いほどの知識を身につけることが出来た。
以上の二点には大感謝だ。