NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

グッドコップが地味に面白い

2018-09-24 | 備忘録
-『グッドコップ』(Netflix公式)
勝手にふるえてろ

『名探偵モンク』の製作総指揮を務めたアンディ・ブレックマンの1話完結型のサスペンスコメディ。
『名探偵モンク』は私にとってただのサスペンスコメディではなく、愛して止まないテレビシリーズの一つだった。

8話まで観たけれど、本当に『名探偵モンク』を髣髴とさせるサスペンスコメディになっている。サンフランシスコからニューヨークに舞台を移した『名探偵モンク』と言うか。

主人公はジョシュ・グローバン演じるイタリア系の警察官であるT・J・カルーソ(トニーJr)。優秀な警察官ではあるが、警察の規則や社会の規則を厳格に守るため、周囲のノリとは相容れない場面がある。だが、モンクと異なるのはモンクは強迫性神経症を患っており、社会性にも欠ける人物だったから、様々なものへの恐怖症がギャグになっていたが、本作のT・Jは脅迫神経症などではなく単純に真面目すぎるだけで、公式では病的と記載されていたりするがそうでもない、単純に頭の良い奥手の青年でしかない。それなりに女性から好意を向けられるし、ユーモアのセンスもあり、社会性も兼ね備えている。そのため『名探偵モンク』と比べると、ギャグは抑え目になっている。

キービジュアルに登場するもう一人の人物はT・Jの父親、トニー・ダンザ演じるビッグ・トニー。ビッグ・トニーはT・Jと正反対で不真面目で、ルールは無視し、且つ汚職で有罪となり前科モノの元警官。お金にも女性にもだらしないが、ユーモアに長け、コミュニケーション能力も高い。ビッグ・トニーはキャラクター的にストットルマイヤー警部の役割にとても近い。なお、妻をひき逃げで亡くしており、この点では『名探偵モンク』のトゥルーディーの存在も感じさせる。

『名探偵モンク』と比べると、主人公や登場人物が幾分まともでリアリティがあるので、コメディとしての強度は弱い。また演出もそこまで強烈ではないのではっきり言ってとても地味だ。特に第1話からエンジン全開という感じではないのでここら辺で離脱してしまう人が居るかもしれない。ただ、『名探偵モンク』で特有のだった突飛なトリックと突飛な動機はしっかりと受け継がれていて(伏線の張り方が本作は結構控えめで、『名探偵モンク』の目立ちまくる伏線と比べると良くも悪くも控えめ)、盆百のミステリを見るよりも面白い。また、徐々に人間関係がなじんでくるので、特に吹替え版を観ていると、ドンドンと馴染んでくる。休みの日に気兼ねなくダラダラ視聴するにはうってつけ。


※追記:
最終話まで観終えた。最終回を観ると今まで以上に『名探偵モンク』感を感じさせるラストだった。Netflixさん、続編をください。