ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

娘よ(97) ~DECADE~

2023-05-30 21:43:51 | 生き方

10年。

言ってしまえば、簡単に言える、10年。

 

突然の発症から10年。

過ぎてしまえば、あっという間、10年。

DECADE…。

 

このDECADE、うちの家族の生活は、娘を中心に回っていた。

2013年5月29日から…。

 

今でも、娘は、毎日朝と晩に5種類9錠の薬を服用している。

以前に比べて、昼食後は飲まなくてもよくなったし、毎回3錠ほど減ったとはいえ、服薬が欠かせない。

 

そんな現状だが、毎日の暮らしは、ほとんど平常に戻った。

2月から3か月間、週に4日間5時間ずつ働いてきた。

そのパートの仕事は、いろいろなものを運んだり並べたりする仕事だった。

病の後は、あれほど足腰が弱っていた娘だったが、重い荷物を運ぶ仕事もがんばっていた。

あちこちぶつけるのだろう、腕や脚に青あざをいくつも作りながらも、自分なりに精一杯やっていたようだった。

 

ただ、残念なことに、試用期間の3か月が終わる今月で、職場の上司から「試用期間満了」と告げられ、悔し涙を流していた娘であった。

満了の理由は、「仕事が遅いから」と言われたのだとか。

病の影響で、今でも頭の中に地図を描くことが苦手になっている。

だから、ものの覚えが常人に比べてうまくないのだ。

それが、仕事の遅さにつながってしまったようだ。

 

しかし、3か月間、働くことができた。

給料ももらうことができた。

うまくいかなかったこともあったが、やれる部分も多くあった。

それを自信にして、また次に向かえばいいのだ。

 

ここ10日間ほど、働いている日も休みの日も、娘はわが家の毎日の夕食づくりにも精を出している。

休みの日は、昼食づくりもがんばっている。

毎日のしたこと、作ったもの、食べたものなどの記録も、欠かさず行っている。

 

いろいろとできるようになったなあ、と思う。

だが、できるようになったとはいえ、「以前に比べ」である。

このDECADEの初めは、何もできなくなったのが、よくここまで回復したと思う。

まだまだ記憶の積み上がりに難があるが、日常生活は普通にできている。

 

入院当時、「一人で留守番ができるくらいなところまで回復してほしい」というのが現実的な願いだったが、そこまでは確実に到達した。

入院当時や退院したばかりのころを思うと、雲泥の差だ。

 

このDECADEは、娘にとって停滞以外の何物でもなかっただろう。

まだまだ、彼女の人生は続く。

だから、これからも親としてその奮闘ぶりを見守っていこうと思っている。

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