あいにくの雨…。
JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ 第2節。
第1節でアビスパ福岡に負けた新潟は、鹿島アントラーズとホームで対戦。
先発メンバーを見て、ああなるほど、と納得。
今はけが人が多い事情もあって、先日のリーグ戦浦和戦の先発メンバーからなんと、10人がターン・オーバー。
8日前の浦和戦にも先発したのは、星のみ。
あとのメンバーは、控えもしくはベンチ外だった顔ぶれ。
鹿島も、アウェイでの戦いになるし、同様にメンバーを変えるのかと思っていたら、なんと。
先日の横浜F・マリノス戦とほぼ同様のガチの布陣で、3人しか代わっていない。
ガチガチのレギュラーメンバーじゃありませんか!?
でも、このメンバーの鹿島と互角に戦えたら、新潟の日ごろは控えだったメンバーやチームにとっては素晴らしい自信になるのでは?
なんて考えたりもしたが、相手は鹿島、そう簡単じゃないだろうなあというのが本音のところだった。
試合が始まると、予想どおり鹿島の猛攻にさらされた。
ほとんどが自陣に釘付けにされての展開。
ボールは奪取できないし、つなげない。
さすがレギュラーメンバーの鹿島だ。
だけどね、新潟の今日の出場している選手たちだって、そうそうレベルの低い選手たちではないはずだ。
「全員が戦力」とは、よく監督も言っていること。
こういう試合は、最初の15分くらいを耐えきれれば、まったく違う展開になることもあるのを、今までよく見てきた。
コーナーキックも何本かしのぎ、がまん、がまん。
そうやっているうちに、耐え忍んだ15分が過ぎた。
すると、少しずつボールを保持する場面が増えてきた。
選手たちが鹿島の戦い方に慣れてきたのだ。
25分には、攻め込んだ小見からゴール前に早いクロスを送ると、2年目で出場機会の少ない陣平がヘディングでシュート!
惜しくも枠の外だった。
そんなふうに、シュートシーンやコーナーキックのシーンも見られるようになって、前半を0-0で終えた。
後半になると、選手たちの動きが明らかに変わった。
非常に積極的にボールに絡むようになったのだ。
相手陣に攻め込む時間が長くなった。
前半と違って、新潟の選手たちの方がボールを保持するようになっている。
セカンドボールも、よく回収できるようになった。
なぜこうも大きく変わった!?
ロッカールームで松橋監督の激が飛んだか!?
などと、ニヤニヤしながら雨中の選手たちのがんばりを見ていた。
すると、53分だった。
秋山がペナルティエリアの手前から低く放ったシュートが、ゴールネットを揺らした。
どうやら、相手DFに当たって、少しコースがずれたらしい。
でも雨に濡れてスリッピーなこのピッチなら、シュートを打つと何かが起こりそうだった。
とにかく、新潟先制!
この後も、新潟は全員がよく動き、ボールを追った。
鹿島に絶対的なチャンスを与えなかった。
後半15分以降は、うまく選手交代も使いながら試合の主導権を渡さなかった。
まず、若い二人をレギュラーの伊藤や太田に交代。
72分、ワントップでがんばって走ってきたシマブクも松田と交代。
鹿島も、次々に選手を代えながら、同点にしようと攻めてくる。
だが、新潟は、さらに選手を代えていく。
87分、最後に、星、早川に代えて、島田、舞行龍を投入。
選手を代えるたびに、新潟の戦い方の安定感は増した。
それはそうだ。
控え中心のメンバーから、より力量のあるレギュラーメンバーたちが、満を持して登場するのだから。
特に、伊藤涼太郎の味なプレーは、新潟に落ち着きと自信をもたせるのに十分だった。
攻撃が活性化するとともに、攻めと守りのメリハリがさらにはっきりして、チーム全体が戦いやすくなっているのがよく分かった。
結局、鹿島相手に、後半は危なげなく勝利することができた。
滑りやすいコンディションであったが、雨の中ホームで応援した新潟の観衆に歓喜の時を与えた。
それに比べて、鹿島のサポーターたちの目には、自分たちのチームがよほどふがいなく見えたのだろう。
試合後の挨拶に整列した選手たちに対して、容赦ない罵声やブーイングの声が浴びせられていた。
J2からようやく上がってきたチームから1点も取れずに零封されて負けたのだから、憤懣やるかたないだろう。
スタッツも、前半と比べてみると、新潟は、ボール保持率も落ちているが、そんなイメージはなく、シュート数に見られるように大幅に改善されているのが分かった。
試合中に修正をはかることができたということだ。
お決まりの勝利パフォーマンスも、WBCに関係させたものをやっていて、笑えた。
ヒーローインタビューの秋山も、堂々としていたし、ずいぶん骨太なプレーヤーになってきたなあと思ったよ。
とにもかくにも、試合前に感じた「控えメンバー中心で…」の思いは、本当に勝利につながったから自信になる以外の何物でもないことになったよ。
せっかくU-22の代表になったのにけがをして途中離脱し、ヨーロッパから帰国せざるをえなくなった三戸をはじめ、けが人が多くて、困っているアルビ。
だけども、さすが「全員が戦力」。
今日の、吉田もシマブクも小見も含めて、みんなでチームの目指す戦い方をやり通すことができているのは自信になる。
J1で旋風を巻き起こしていこう!
Visca Albirex !!!