新潟の田んぼは、収穫の時期を迎えている。
早稲品種は、早くも刈り取られてしまった。
だが、大半の田んぼは、これから収穫期に入る。
稲穂が、重そうにこうべを垂れている。
その風景は、新潟ではまさしく当たり前の風景である。
台風一過。
今日は、すがすがしい青空が広がった。
その下に、黄金色をした田んぼが広がる。
さらにその広がりの向こうにそびえ立つ、見覚えのある濃い緑の山並み。
そうした、立体感のある風景に、日本の原景とも言えるふるさとの美しさを感じる。
美しいはずの日本のふるさとが、今年は、ずいぶんこわされてしまったような気がする。
大地震と大津波は、人々の暮らしをめちゃくちゃにした。
想定外の地震と津波に襲われた原子力発電所は、破壊され、大気中に、地中に、水中に、危険な汚染物質をまき散らした。
それだけでも、十分すぎるほどのダメージなのに、今度は集中豪雨による被害が甚大だ。
あまりにも大量の雨は、美しき山を削り、緑の木々をなぎ倒し、清らかな流れを恐ろしい濁流に変化させ、人の命を奪い、美しい景色を見るも無残な光景に変えた。
様々な災害からかろうじて逃れられている(?)身として、美しき日本のふるさとが、これ以上こわされていくのを、見たくない。
それは、また、これ以上悲しみにくれる人々の姿を見たくない、という思いなのである。
各種の災害に見舞われた各地の、少しでも早い復興を願う。
ふるさとは、誰の心にも、懐かしく美しく続くものであってほしいと、切に思う。