職場の椅子のそばに置いてある、鉢植えのオリヅルラン。
もともとは、去年、工事中だった職場の玄関先にいくつか転がってたものである。
水分もなくなった土なのに、がんばって生きようとしているように見えた。
その健気さに、枯れかけていたそのいくつかを、少し大きめの鉢に土を入れ、まとめて植えておいたのだった。
あれから、数カ月。
今、オリヅルランが毎日花を付けている。
その花は、細く白い花弁、細長く先端が明るいオレンジ色の雄しべが美しい。
1日咲くと花は終わりのようなのだが、毎日次々と新しい花を咲かせている。
今、職場で一番好きな場所がこのオリヅルランが目立たず咲いているここかもしれない。
調べてみたら、面白いことが分かった。
走るのが好きな私は、「ランナー」の精神で、少しずつでも前に進みたいなと常々思っている。
ところが、オリヅルランにも、「ランナー」があるのだ。
おお、共通しているじゃないか!
私と同じだ…!?
さて、何のことなのか。
このオリヅルランの花が次々とさくのは、茎のような部分である。
この茎のことを、実は「ランナー」というのだとのこと。
その訳は、「匍匐茎」(「匍匐前進(ほふくぜんしん)」の「ほふく」)とか、「走査茎」という。
なるほど、地面に這うように走るから、「ランナー」なのか、と納得。
ランナーの習性、一歩ずつ前へ。
その精神を鉢植えの植物からも感じ取れるとは。
なんだかとても楽しく思える、オリヅルランのランナー。
今までになく、その花が美しく、細い茎や葉もたくましく見えるように感じるこの頃である。