癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

病気と季節

2007年01月08日 | 動物一般
風が強く吹いています。
気温が高く、雪ではなくときどき雨のようなものが降っています。
とても1月の北海道とは思えない風景です。地面が出ています。今日は少し雪が積もりましたが、ほんの少しです。今年はエルニーニョ現象の影響が世界各地で起きているようです。

季節が季節らしくないとなんとなく、不安になるものですが皆さんは如何ですか?
ところで、
動物の病気にも季節性があるようです。特に産業動物には如実にその傾向がでると思います。

例えば冬は肥育牛の「尿石症」が出やすいのです。これは冬季は飲水量が落ちたり、寒さで飲み水が凍ってしまうことがあり、そのような要因で発症しやすいのです。
また、出生する子牛にも事故がでやすい傾向があります。寒冷による新生児の衰弱もありますが、寒くて分娩監視がおろそかになることも遠因でしょう。

お産後に泌乳が多くなり、カルシュウム不足が起きて牛が立てなくなる「乳熱」も冬季に多発する傾向があります。これも寒冷感さや飼料摂取に影響があることが遠因ではないかと思います。
夏は牛の大敵「乳房炎」やお産のときに暑さが加わると産褥性の疾患が多発します。
春先は子牛の下痢や肺炎が多い傾向です。
秋はもっとも病気の少ない時期ですね。しかし、個体によっては秋の初めの頃まで夏の疲労を引きずる場合もあるようです。

まあ、これは産業動物の場合ですが、犬や猫にも病気の季節性は当然あるでしょう。
家の犬は尿石症の既往症があるので、冬季は飲水欲が落ちるのでなるべく水分を摂らせるようにしています。

季節と病気については興味があり、相関を調べようとして一度気象台のデータを取り寄せたこともありますが、結局そのままでおわりました・・・


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