ABCDJ―とびきりの友情について語ろうボブ・グリーン,駒沢 敏器日本放送出版協会このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆出版社/著者からの内容紹介◆
57歳の誕生日を迎えて2週間後、ボブ・グリーンはいちばんの親友ジャックが末期ガンに冒されていることを知る。
幼稚園生のころから半世紀以上、いつも一緒だったジャック。
進む道は違っても、ふたりの心が離れることはなかった。
刻々と最期のときが迫る今、一緒にいられる時間はもうほとんど残されていない。
少年時代からの仲間であるアレン、チャック、ダンも、思い出のつまった故郷に集まり、5人で20年ぶりの「同窓会」を開く。
そこには昔と変わらぬ空気があった──。
◆出版社からのコメント◆
アメリカを代表する人気コラムニスト、ボブ・グリーンの最新作。
今回のテーマは「とびきりの友情」。
ベストセラー『十七歳 1964春/秋』(文藝春秋)を読まれた方は分かるはず──。タイトルの「ABCDJ」はボブ・グリーン(B)自身の、5人の親友の頭文字。
60歳を目前にした彼らの生涯の友情と、いちばんの親友を失う痛みを、ボブ・グリーンならではの一流の筆致で描き出します。
さらに翻訳は、かつて「SWITCH」編集者としてアメリカ文化を紹介し、あのジェイ・マキナニーの翻訳をはじめ、アメリカ音楽の源流をめぐる旅を書いた『ミシシッピは月まで狂っている』(講談社)、アメリカのスモールタウンに目を向けた『語るに足る、ささやかな人生』(NHK出版)、Web草思連載「58号線の裏へ」など、常にアメリカの今と過去を切り結んだ作品で活躍する作家・駒沢敏器。
◆カバーの折り返し◆
少年時代からの親友ABCDJ(アレン、ボブ、チャック、ダン、ジャック)。
57歳になったある日、ジャックが末期癌を宣告された。
残された時間をできる限り共に過ごそうと、彼らは思い出のつまった故郷へと集まる......。
生涯続く友情がもたらす人生の輝きを描いた、名コラムニストによる静かな感動の物語。
【読んだ理由】
私も同年齢、最近親友を病気で亡くした。
【印象に残った一行】
もしも人生に幸運というものがあるとしたら、それはジャックのような親友を得ることだ。最初の、そしていちばん古い友人のジャック。
しかもその幸運が特別のものなら、たとえお互いがどのような道を歩むことになろうとも、友情の距離が遠くなることはない。
同じ町に住む必要はないし、毎日のように顔を合わせている必要もない。
友情......とりわけそれがいちばん古いものであれば、距離などは何の関係もないのだ。
お互いのことをこれ以上よく知っている者は、他に誰もいなかった。
大人になってしまったら、私たちのような出会い方は誰にもできないはずだ。
社会という厳しい現実が立ちはだかり、それに対して否応なく壁をつくらなければならなくなるまえに、私たちは出会うことができた。
自分を防御するために何重にも壁をはりめぐらせる以前に、私たちは友人になったのだ。
自分を守りたいともまだ思わなかったし、壁をつくりたいとも思わなかった。
あるとき束となって押しよせる壁が、当時の私たちにはまだなかった。
私たちは誰でも、壁をつくるまえから友人を持っている。
そして、もし幸運に恵まれていれば、その誰かはずっと友人でいてくれるのだ。
【コメント】
私とほぼ同じ世代の著者、日米の差はあれ同じ時代生きてきた。
そして同じ時期に親友を失った。