人を表現するのに、野菜による侮蔑語は沢山あります。
大根役者、大根足、土手かぼちゃ、おたんこ茄子、ぼけナス、ピーマン、レンコン、モヤシ、ゼンマイ・・・などなど人を悪く表現する野菜たちです。
サツマイモ、じゃがいも、里芋、山芋など・・・“いも”にもいろいろな種類があります。
芋っぽい、いも、芋ねえちゃん、芋侍、あまり良い意味を持っていません。
でも、野菜たちに罪はありません。人間が勝手に使っているだけですから。
☆ ☆ ☆ ☆
お仕事を頂戴している、とある会社の社長さんから「太白(タイハク)が食いてぇ、何とか探してくれ!」と完全な命令口調で電話がかかってきたことがあります。以前にも“バラのさくらんぼ”を贈ったら、すぐさま電話がかかってきて、「上を向いて並んでいるさくらんぼを送り直せ」と威張って怒鳴られたことがあったお方です。
「太白って何ですか?」と聞いたら、「太白だよ、太白!太白知らねぇのか!」と云うばかり。ワルポンよりも数段上の自己中心で、いつも我儘目一杯で、ガキ大将がそのまま歳とってじいさまになったようなお方なので、「はい、判りました」と云って電話を切りました。
反論とか、しつこく聞き返すと頭に血が上って、湯気を立てて怒り出す、七十歳をとっくに過ぎたハゲ頭の頑固おやじなのです。もう、逆らいたくないのです。
仙台市に太白区ってぇのはありますが、太白と云うのは何だろう?
辞書を引いたらサツマイモとありました。農業試験場に電話して聞いてみましたら、「戦前から戦後の、ものの無い頃に食べたもので、今じゃ作っている農家も無いと思うよ、それにあんまり美味しくないし、ベニアズマの方がホクホクしてずっと美味しいよ」とのお答え。
聞いた通りそのままを、くだんの我儘頑固社長に電話すると、「バカ!俺は太白が食いてぇんだ!懐かしいんだ!」とクソガキそのものでのたまう。
しようが無い、探すしかないか。
川越のいものお菓子屋さんに聞いてみたが駄目。農事試験場に聞いても今は作っていないという。田舎の兄貴に聞いてもわからない。専業農家の友達に聞いてもやってない。昔サツマイモからアルコールを作っていたという方に聞いたが昔の事だという。・・・。
今時あるはずが無いか・・・。
直立不動の姿勢から、腰を折り、背を丸めて、小さくなって、受話器を両手で持って、腹を決めて電話しました。
「申し訳ございませんが、探せませんでした」とおそるおそる小声で申し上げると、「おう!見つかってもう食ったよ。やっぱり美味かった!」と上機嫌の大声が響いて来た。・・・なぬ!
川越の在の農家で探してもって来てくれたとのこと。
☆ ☆ ☆ ☆
飛び切り上等の米沢牛を沢山入れて、いも煮を作った。
里芋とこんにゃく、長ネギ、きのこを入れて、かつお・コブだしのしょうゆ味。
上品な“おとなの味”です。
さあ!熱燗で一杯やるか!
“いもオヤジ”は太白食ってろ!
大根役者、大根足、土手かぼちゃ、おたんこ茄子、ぼけナス、ピーマン、レンコン、モヤシ、ゼンマイ・・・などなど人を悪く表現する野菜たちです。
サツマイモ、じゃがいも、里芋、山芋など・・・“いも”にもいろいろな種類があります。
芋っぽい、いも、芋ねえちゃん、芋侍、あまり良い意味を持っていません。
でも、野菜たちに罪はありません。人間が勝手に使っているだけですから。
☆ ☆ ☆ ☆
お仕事を頂戴している、とある会社の社長さんから「太白(タイハク)が食いてぇ、何とか探してくれ!」と完全な命令口調で電話がかかってきたことがあります。以前にも“バラのさくらんぼ”を贈ったら、すぐさま電話がかかってきて、「上を向いて並んでいるさくらんぼを送り直せ」と威張って怒鳴られたことがあったお方です。
「太白って何ですか?」と聞いたら、「太白だよ、太白!太白知らねぇのか!」と云うばかり。ワルポンよりも数段上の自己中心で、いつも我儘目一杯で、ガキ大将がそのまま歳とってじいさまになったようなお方なので、「はい、判りました」と云って電話を切りました。
反論とか、しつこく聞き返すと頭に血が上って、湯気を立てて怒り出す、七十歳をとっくに過ぎたハゲ頭の頑固おやじなのです。もう、逆らいたくないのです。
仙台市に太白区ってぇのはありますが、太白と云うのは何だろう?
辞書を引いたらサツマイモとありました。農業試験場に電話して聞いてみましたら、「戦前から戦後の、ものの無い頃に食べたもので、今じゃ作っている農家も無いと思うよ、それにあんまり美味しくないし、ベニアズマの方がホクホクしてずっと美味しいよ」とのお答え。
聞いた通りそのままを、くだんの我儘頑固社長に電話すると、「バカ!俺は太白が食いてぇんだ!懐かしいんだ!」とクソガキそのものでのたまう。
しようが無い、探すしかないか。
川越のいものお菓子屋さんに聞いてみたが駄目。農事試験場に聞いても今は作っていないという。田舎の兄貴に聞いてもわからない。専業農家の友達に聞いてもやってない。昔サツマイモからアルコールを作っていたという方に聞いたが昔の事だという。・・・。
今時あるはずが無いか・・・。
直立不動の姿勢から、腰を折り、背を丸めて、小さくなって、受話器を両手で持って、腹を決めて電話しました。
「申し訳ございませんが、探せませんでした」とおそるおそる小声で申し上げると、「おう!見つかってもう食ったよ。やっぱり美味かった!」と上機嫌の大声が響いて来た。・・・なぬ!
川越の在の農家で探してもって来てくれたとのこと。
☆ ☆ ☆ ☆
飛び切り上等の米沢牛を沢山入れて、いも煮を作った。
里芋とこんにゃく、長ネギ、きのこを入れて、かつお・コブだしのしょうゆ味。
上品な“おとなの味”です。
さあ!熱燗で一杯やるか!
“いもオヤジ”は太白食ってろ!