チョコハナな日々

ちょこっとした日常のさまざまなことに対する想いを書いていきます。

本当の「個」

2010-02-13 | 日々のひとこま
2月7日(日)の朝日新聞掲載分より一部抜粋。

 日本人は、江戸時代以来、集団の和を壊すことを恐れ、自分が他人にどう見られているかを常に気にしながら生きてきました。その傾向は強く残っている。「KY」という言葉の流行も、そうした状況を表しています。

 人の目を過剰に意識することは、自分の評価を他人に委ねてしまうことにつながる。そして、そういう人ほど、ちょっとしたことで傷つきやすいのです。ピンチに陥った時、「他人がどう思おうと自分は自分だ」と思えるかどうか。そのためには、本当の意味での「個」を育てておく必要がある。そして、このような「個」は、自分の頭で考え抜き、他人と意見をぶつけ合いながら、人間関係を培っていくなかでしか、育ち得ないのです。

 徳川幕府の治世以来、日本人の多くは「お上のいうことだから」「どうせ変わらないから」との理由で、社会のあり方や国の未来像を考えることなく、ただ流されてきた気がします。多くの人が、何の疑問を抱くことなく、世間のいう「幸福行き」の列車に乗りたいと思い、そのレールから外れたら不幸になると、自らや子どもたちを駆り立てました。そして、子どもたちから考える力や生きる力が奪われてしまったのです。