不良おやじの小言

思いのまま、自分で考え 人の生きる人生を認めた上で 

自由に、のびのびと、たった一度の人生

販売力等あてにならない!

2013年07月18日 | 金融の経済問題


前にもお話ししたとおり、鉄鋼業界、電力・水道・ガス業界、鉄道業界、
マンション業界、自動車業界、高級ブランド業界等供給力の立場が強い
大企業メーカーの業界は、もともと販売力などないのです。
競争がありませんから、
縦割りの販売システムで合法的粉飾を繰り返してきただけなのです。

今のところ家電業界を除いたほとんどの大企業メーカーは、
需要者のための経済的コストダウン競争は行われていません。

たとえば鉄鋼業界では、商社という販売会社を通して、
世界の特約店や代理店網を通じて販売するシステムになっています。

大元のメーカーでは自分たちで販売したことはありませんから
現場のことは何もわかりません。だからただ商社との数量契約で、
多く引きっとってくれるところに有利(安く)に卸すだけです。

例えば今の家電や携帯のように、量販店でテレビ・ビデオは松下、日立、
シャープ、ソニー等、携帯はNTT、ソフトバンクAU等
いずれのメーカーの商品も、
お客が比較検討して選んで買える体制になっていますよね。

つまりいいか悪いかは別にして競争があるのです。

しかし供給力の立場が強いほとんどの大企業メーカーでは
需要と供給の競争はないのです。
販売会社や関連会社に卸して、争うとしても販売会社が争うのです。
ですから本当の自由競争がないわけですから、
大企業の決めた金額で販売し競争しなければなりません。

だから需要者は値段を選べないし、安くもならないわけです。

例えば自動車業界はどうでしょう、トヨタ、日産、マツダ、三菱、すべてを
比較して買える量販店がありますか?

それに国産・外車にかかわらず、2011年7月時点で、
日本で買うより米国で買った方が約2分の1近くの価格で買えます、
逆輸入は関税の問題もありスンナリとはいかないでしょうが、
米国の方が物価が安いということです。


電気水道ガスもどうでしょう?競争なんてありませんよね!

コンビニ業界は競争があるように見えますが、
商品の競争があるわけではありません。
ただ便利さを売りに出店の競争をしているだけで、
商品が競争によって下がっているわけではありません。

これには企業の利益競争と販売と金融の問題が大きくかかわっています。

自動車では生産は人を減らし機械化し、大量に生産すれば、
1台当たりのコストは大きく下がります。
しかしこれはすべて商品が捌けての話です。
例えば人口1000名のところに2000台作ったとします。
1000台しか必要が有りませんから、
残り1000台は余裕のある人が2台目として多少買うかもしれませんが、
大半は余ってしまいます。

このリスクを補うために、代理店制度は作られました。
つまり作ったものを各地域の販売店のグループを統括している
販売担当が市場を見ながらここにはいくらと数量契約を、
生産したものすべてについて、代理店に割り振れば、
メーカーでは在庫が残りませんから在庫負担0で済みます。
別に大企業が販売力を持ているわけではないのです。

そして販売会社が在庫を持ちすぎておかしくなったりしたら、
手形をジャンプしたり、資金を貸し付けたりして
生かさず殺さず管理運営するわけです。

それが販売担当のミス等でうまくいかない場合は倒産になり、
財務部門や社長室等が回収や人員整理、再建などに走り回るわけです。

高度成長時代では前にも記述した通り、合法的粉飾などで、
生き延びることができたのですが、色々なものが、
人口1億の日本で充足されたころこのシステムはほころびが出始めていました。
そこで、大株主や代表のトップは主に金融機関から財務部門に出向社員を
受け入れることにより資金繰りを楽にし生き残る道を探りました。

特に、デベロパー等建設業部門は資金が先に大量に必要になるため
そうせざるを得なくなりました。

だから今のデベロパー等建設業部門の大企業は金融機関が人事部門を牛耳り、
代表や役員は殆ど金融機関の天下りや息のかかった社員で
占めるようになりました。

ですが、この金融機関の人たちは現実には、金融のことはわかるでしょうが、
建設部門の現場を知っているわけではありません。
金融ではコストダウン競争等顧客販売より、
不良債権が発生することを極端に嫌い避けます。

金融機関支配の会社本部としては、一番無難な原価積み上げ方式で、
会社の利益、代表や役員の高額な報酬を前もって確保し、
生産が不良債権とならないよう、先に回収する方法を取ります。

自動車業界等で行ってきた販売代理店などに丸投げし、代金を先に回収し、
大きな利益を確定しておき、後は資金の貸し付け等で、
販売会社会社、下請けなどを生かさず殺さず管理運営する方法を取るわけです。

ですから安い新築マンションなどできるわけがありません。

競争がありませんし、代表や役員の高額な報酬は、合法的粉飾による原価積上げ、
多額の利益確定方式で、前もって確保していますからね。

それにこれは私の個人的感想なのですが、
マンションのワンパターンのリビング・ダイニングが異常に広く、
小さな小部屋というパターンは、来客の少なくなった高齢者にはとても向かない。

若者から高齢者まで、色々な顧客ニーズの間取りのバリエーションが
必要だと思うのですが。

簡単に言えば金融機関中心の現場を知らないマンション設計には
顧客志向が抜けているような気がします。

そんなわけで本当にマンションはそんなに売れ行きがいいのでしょうか?

試しに完売御礼という物件のマンションを問い合わせてみてください、
たぶん「解約物件が一つだけ残っています、問い合わせが多数ありますので、
手付だけでも先に打っておいた方がよいと思いますよ!」
とか契約を急がせる返事が返ってくると思います。

そして高額物件ですと平気で500万ぐらい値引きします。値段って何!?
て感じですかね。そして営業担当には高額の報酬が入りますね。
原価構成など何もわかりません、
なんだか自分で建てた方が納得するような気がしません。

メーカーが強い業界は皆そうやって従来型縦型組織で、
関連会社や下請けに資金力で負担を押し付け、
高度成長後生き残ってきたわけなのですが、
高度成長から低成長に代わってきた時、すぐにその体制を改め、
需要に応じて販売する体制に変えるべきだったのだと思います。

それを日本の大企業メーカーは、今まで作り上げてきた縦型の生産、
販売の組織に胡坐をかき、従来通り先に述べた株式会社奴隷金融制度を利用して、
大株主・それに依頼される代表・それに従う取締役等が合法的粉飾を通して、
甘い汁を吸う、システムで、大きな利益を享受し続けているのです。

大企業のメーカーには元々販売力などないのです。
それに品質が良くて安い商品であればそんなに競争しなくても
自然に売れるはずですよね!?

高度成長が終わった後、この大企業や大金融機関等の、
本部では天下りとともに出世競争をする、
ただの人事部だけがあればいい組織となり、現場とは遠く離れてしまいました。

現場が見えなくなり、金融で合法的粉飾を繰り返し、
自由競争経済等名ばかりになってしまいました。

そして今日の政府はその政・官・業(大企業トップグループ)の蓄財のために
1000兆円の借金を抱え、事実上政治経済運営がマヒしてしまいました。

ある政治家は1000兆円の借金など、100年かかって、返せばいいと、
開き直り、うそぶく始末です。

民間では今まで、借りた金は返すのが当たり前と、生命保険で死んで返せとか、
肝臓を売って返せとか、やくざの取立て屋を政府はある程度許しました。

その政府は自分ではちゃんと借りた金は返すということも
できなくなってしまいました。

そして政府の資金不足を社会福祉のせいにしたり、
増税で国民に負担を強制するのですよ、おかしいと思いませんか?

以上のように、日本では(世界の資本主義国は同じような状況と思いますが)
需要と供給の関係で市場は動いていないようです。

ですから色々な市場係数などあてにならないことが多いのかもしれません。

現状の日本の経済状態を強いて言うと、大企業の生産過剰部分
(例えば、問題を起こした住宅金融専門会社の特別融資による、
全国のブームになったリゾートマンションや、別荘地や大規模開発地、
使わない飛行場・高速道路等)や戦争のための米国債購入等の長期資金を、
主に赤字国債発行などで、国民所有の資金を吸収し、大企業を中心とする
政・官・業経済トップグループに供給したということですかね。

政府が1000兆円の借財を抱えた原因は、決して福祉や年金の問題でなく、
主に自民党政府の大金融機関や大企業優遇政策が、
一番の原因になっているということは明らかなようです。
コメント
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