ディスカバリー伊豆

伊豆の美しい自然と貴重な歴史物語を徒然なるままに気の向くままに綴りたいと思います。

ジンベエザメ供養塚

2008-06-06 | 富戸地区
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<富戸(払)のジンベエザメ供養塚>
富戸(払地区)の県道の海側、漁協近くの土手に「供養 南無妙法蓮華経」と書かれた高さ3m程の柱がたっている。これは一体何んだろう?
富戸は定置網漁業で有名なところですが、時々「ジンベエザメ(ジンベイザメとも言う)が網に入るそうです。ジンベエザメは大漁をもたらしてくれると言う言い伝えがあって、網にかかったジンベエザメを漁師さんたちは必ず丁寧に海に返してやるそうです。或るとき、一匹のジンベエザメが網にかかりましたが、たいそう弱っていて漁師さんたちが海に返してやる前に死んでしまったそうです。ところがその日から定置網漁は毎日不漁の日が続いたそうです。「これはきっとジンベエザメが往生していないからに違いない」と言う訳で、海岸の近くに塚を作ってジンベエザメを供養したと言うことです。それがこのジンベエザメ供養塚だということです。
因みにジンベエザメはジョーズの様な恐ろしいサメと違って、人になつこく、心まろやかなおとなしいサメだと言うことです。また、軟骨魚類の中では最大の魚で10mもの大きさにもなります。






富戸村落の原点

2008-06-06 | 富戸地区
(Yahoo地図使用)

富戸駅の南西側約500m、線路の山側の山のくぼんだ所に鳥居とその奥に小さな「不動尊」の古い建物がある。ここが富戸の始まりの地と言われている。つまり富戸1丁目1番地である。不動尊の創建は不詳である。不動明王を祀ってある。
(明治になるまでは神仏習合(シンブツシュウゴウ)つまり神道と仏教がチャンポン状態だったので不動尊の前に鳥居がある)


ところで「富戸(フト)」と言う地名の由来は何だろう? 作家で民俗学者の柳田国男氏(明治8年7月31日生~昭和37年8月8日没)著『地名の研究』(角川文庫)153ページを下記に引用します。

”昔の人の感情は驚くべく粗大であった。羞恥という言葉の定義が輸入道徳によって変更せられたまでは、男女ともにその隠し所の名を高い声で呼んでいたらしい。そうしてその痕跡をとどめている地名のごときは、よほど起源の古いものと見てよろしいのである。これも海岸において往往遭遇するフト又はフットという地名は、疑いもなくホドすなわち陰部と同じ語である。
  日向南郡・・・・・
  尾張知多郡・・・・
  伊豆田方郡対島村大字富戸
以上三個のフトは地形が最も顕著に相類似している。・・・(略)”

つまり柳田國男氏によると、その地の地形があたかも二俣大根の如くになっていてその間からは必ず水が流れ出ている、その様な場所や村が「フト」と言われているところは全国たくさんあり、それらは上記の通り「ホド」から由来していると言うものです。