マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

公式ではなく非公式です。

再会の地球

2018-12-30 17:54:38 | マクロス短編
-ねぇお母さん
-なぁにランシェ。
-私は姉や妹に負けたくない、どうしたらいいのかな?
-難しいわね、でも好きな分野を特化し努力したらいいんじゃない。
-そっか~

ねぇお母さん・・・
私・・・私がもし志半ばで死んだら・・・・

待って・・・ランシェ!!

「おわっなんだ!?」

地球.北米.シアトルタウンの街の何処かの住宅。
緑髪の一見、まだ二十代に見える女性は涙を流しランシェと叫びながら起きた。

その叫び声にとなりにいた髭を生やした老人が起きる。

「んんなんでもない。いつもの夢よ。」

「そうか、いい加減・・・・トラウマから脱却しろよ。おやすみ。」

「おやすみ。あなた・・・・」

いつもの夢・・・それは悲しみがこもった悪夢であった。
受け入れたくない、悲しみと絶望・・・

緑髪の女性は、ゼントラーディ人らしい少し尖った耳を触り就寝した。

【西暦2065年.地球.北米.シアトルタウン】
戦争から半世紀経過し、ある程度の住民を取り戻したシアトルタウン。
近年はお酒の町となっており、数多くのバーが連なっていた。

そんなとあるバー

「よぉ姉ちゃん、一人かい?」

「まぁねぇ。」

一人の髪型が緑のショートで、胸が大きく・・・
ブーツを履き、ミニのタイトスカートが似合う女性がちゃらそうな男に絡まれる。

その女性は酒を飲んで酔いつぶれており・・・・
意識不明に近いような状態になっており、言葉がべろんべろんである。
絡んできた男性は女性が酔っている事をいいことに太ももを触ろうとしていた。

バシッ

「ぎゃぁぁ。」

「私が酔い潰れて、太もも触ろうなんて百年早い!」

「ぎゃぁ。」

触ろうとした寸前、女性は絡んできた男性にアッパーを喰らわせ・・・
後ろに倒れそうになった所を、足で支えてキックした。

男性はそのまま落ちて地面に落ちた・・・・

「痛て~・・・・おわっ・・・・」

「触るなら、正攻法で責めればいいのに・・・・馬鹿な人ね・・・・」

地面に落ちた男性を見下ろすように、スタイルのいい若い女は語りかける。
胸も大きい、正面でもミニのタイトスカートと黒タイツ姿が魅力的・・・

だけど、特徴的な癖っけ・・・何処か見たことがある・・・

男性は必死に思い出した結果・・・・・

「まさか・・・・あんた・・・超時空シンデレラ・・・ランカ・リー」

ランカ「懐かしい呼び名ありがとう。今はバトル・シンデレラ・ランカよ!」
女優.ランカ・リー

今自分を見下ろしている女性が、バジュラ戦役で活躍した歌姫・・・
超時空シンデレラ、ランカ・リーだと気がついた。

あの頃とは別人のように・・・・違っていた。

西暦2059年・・・・・・
超長距離移民船団マクロス25(フロンティア船団正式名称)は・・・・
シェリル・ノームのコンサート当日にバジュラと言われる生命体と交戦状態に入った。

数ヵ月に及ぶ戦いは、バジュラとの和解とバジュラ本星への入植。
そして・・・・裏で糸を引いていたギャラクシー船団を逆賊とする事で終わった。
その後、ランカはシェリルとコンビを組んで歌手活動したり・・・・

または別の惑星に赴いてコンサートを開いたりと積極的に活動してたが・・・

シェリルは想い人早乙女アルトと共にマクロス・オリンピア船団に移動。

ランカは一人ぼっちになったばかりか、恋の勝負に負けてしまった・・・
そして2063年・・・・・

オズマ「待ってくれランカぁぁぁぁぁぁ」

ランカ「お兄ちゃん、じゃあね♪結婚しているのに、シスコンはダサいよ♪」

オズマ「ぐはぁぁぁぁ(精神的ダメージ、オズマは軽い鬱病になった)」

恋の勝負に負けたとは言え、まだ歌や女優業がある・・・・
そんなわけで、ランカは自分自身のスキルアップのため地球へ向かった。

道中で自身の修行を兼ねた仕事をやりながら、収入を得て翌年・・・地球に到着。

映画会社に入社し、脇役ながらも修行で学んだ事を生かし大ブレイク。
今年になってから映画スニーキング・ミッションのヒロイン・・・
女性兵士マレーネ・フィッシャーを熱演し、更に反響。

超時空シンデレラから、激しいアクションをこなすバトルシンデレラと言う異名を持つになった。

映画から人々から得たイメージは、普段はクールでかっこいいがたまに見せる可愛さが魅力的だと定着している。

が・・・・・

エルザ「ランカさん、お酒何杯飲んでいるんですか?もう止めてください、明日は休みとは言え健康に害します。」
新統合軍から派遣された護衛.エルザ・スレフマン少尉

ランカ「いいじゃない、エルザちゃん。これが楽しみだから・・・」

エルザ「超時空シンデレラの頃を知っている頃のファンが泣きますよ、って寝ないでください。」

酒が好きであり、酒豪。
バーに来ては飲んで食べて寝て、護衛のエルザも頭を痛める光景は・・・
今となっては日常茶飯事であった・・・

そして翌日・・・・

ランカ「ん~よく寝た~」

エルザ「ランカさん、もう少しはお酒控えめに。」

ランカ「分かっているわよ、今夜はヨーグルトのお酒は飲みたいわ。」

エルザ「あっ・・・はい(懲りない人)」

近くの格安ビジネスホテルからランカとエルザが出てくる。
ランカは気分爽快な顔であるが、エルザは若干疲れている表情を浮かべていた。

酒を控えるようにと言っているが・・・・

エルザはどうだめだこりゃと呆れながら、北米の寒空を歩く。
しばらくして・・・・一人の緑の髪をした女性とすれ違う・・・・
普通に通りすぎたが、緑の髪の女性が振り返った。

ランメル「あなたがランシェの娘、ランカ?」

ランカ「そうですけど・・・・あなたは?」

ランメル「ごめんなさい、私はランメル・ターリーよ。あなたが孫のランカだと思って。」

ランカ「えっ私ですか?確かに私がランカですけど。」

緑色の髪をした女性はメルトラン、それに何処かランカに似ている。
それにランシェの名前を知っているのはこの人は何者だろうか?

ランカは目を細くし、ランメルと名乗る女性を見る。
ランメルと名乗る女性はふっと笑い、ランカとエルザに衝撃的な事を言った。

ランメル「あなたのおばあちゃんよ。」
ランカの祖母.ランメル・ターリー

ランカ「お.おばあちゃん。」

エルザ「まさか・・・」

ランメル「ランカは覚えてないけど、小さい頃一度会っているのよ。」

自分がランカの祖母・・・・

この言葉は、ランカとエルザにナイフで心臓を刺さるぐらいの衝撃を受け。
ランカはあまりの衝撃に手の震えが収まらなくなる。

目の前にいる女性が自分の祖母・・・・

今まで自分の祖母とは会った事がない。
今の衝撃はだんだんと、震えから何かの感動を覚え・・・・

ランカ「おばあちゃん。」

ランメル「はははは、小さい頃のランメルとそっくりだよ。」

思わずランカはランメルに泣きながら抱きつく。
幼い頃に母ランシェを失い、オズマに育てられた・・・・

だけど・・・・何処かランカは母親を求めていた・・・・・

実の家族の存在を知ったバジュラ戦役の後も、その傾向が強くなった。
ランメルも遠い地に行ったランカがこうして会える事に嬉しさで涙を浮かべている。

感動の抱擁・・・・エルザも貰い泣きするが・・・・

ランメル「所であそこの女の子誰?」

ランカ「あっ・・・・・」

エルザ「どうも新統合宇宙軍地球本国統合運用軍.北米地区第4統合飛行隊少尉のエルザ・スレフマンです。」

ランメル「軍人ね・・・・・」

どうやらランメルからすれば、エルザの存在はなかった事扱いにされていた。
ランカ思わず、苦笑。

その後三人はファーストフード店に入った。

ランメル「ランカの映画見たわよ、中々の戦闘シーンね。」

ランカ「そんな・・・恥ずかしいですよ。」

ランメル「恥ずかしいがらなくていいのよ♪後、エルザちゃんはジーナス家の人なの。」

エルザ「私は特に気にしてませんけど。」

ファーストフード店でハンバーガーとグリーンサラダを食べながら談笑。
ランカもあんまりエルザが話そうとしない出自が聞けて笑顔を浮かべて・・・
ランメルがゼントラーディ軍時代や第1次星間大戦の思い出話を語り、盛り上がり・・・

ランカやエルザも今まで生きてきて楽しかった思い出を話し合い。
終始笑顔、三人は今の出来事をエンジョイ。

ファーストフード店から出ると、1日だけランメルの家に泊めてもらう事が決まり。
三人は家に向かう。

家に入るとすぐに・・・・

ランカ「久しぶり、お母さん。」

ランカは母ランシェの遺影を触った。
昔は全然記憶はなかったが、実の家族を知って以降・・・

母ランシェに対し特別な感情を抱いていた。

ランメル「あの娘は、長女じゃないから。姉達や妹に負けたくない言っていろいろ努力したな~」

ランカ「えっ?」

ランメル「バジュラ戦役の時より、輝いているのはテレビや映画で知っている。その裏でランカは努力したんでしょ。」

ランカ「う.うん。」

ランメル「あははははは、そんなに緊張しなくていいのよ。本当にあの娘に似たわね、ランカ・・・将来はいいお嫁さんになりそうね。」

ランカ「ちょっと・・・・恥ずかしい

ランメルはランカが今は亡きランシェに似ていると言う。
ランシェに似て真面目と言う意味なため、ランカの顔はゆでダコのように赤くなった。

いいお嫁さん・・・・・・それを言われると・・・・・・

照れるランカであるが・・・・

ランメル「生娘じゃあるまいし、そのような照れ方ではいい女になれないわ。もう少し色気のある照れ方しなさい。」

ランカ「はい!」

その手に関してランメルは厳しいのか、もっと色気のある照れ方をしろと・・・
やっぱりかなわないな~

同じ年代の容姿だけど、人生経験の多さは違う。

ランカは今まで会った事のない祖母を尊敬した。

翌日・・・・・・

ランカは仕事のため、映画撮影地であるサンディエゴに向かう予定であった。
役柄は新統合海軍の女性将校・・・・・

それなりに遠い地であったので、ランメルに車で送ってもらう事になった。

ランメルの家から出て北米きっての海軍の街サンディエゴにたどり着く。

エルザ「すいません、ランメルさん送ってもらって。」

ランメル「いいのよ、可愛い孫とそのボディーガードを送るのは今の私の義務だから。」

本来はエルザが運転する予定だったが・・・・・・
私が運転したいとランメルが運転、エルザはランメルに申し訳ない気持ちになった。

ランカもサングラスをかけ、祖母ランメルに別れの挨拶をしようと近づく。
祖母の前に立つと・・・・・

ランメル「ねぇランカ、行く前に一つ聞いて欲しい事あるの。」

ランカ「一つ?」

ランメルがランカの前に腕を組ながら立っていた。
ランカは不思議そうに見ると、ランメルはある一言を放った。

ランメル「ゼントラーディ人の戦士としての誇りを胸に生きなさい、恋も仕事も厳しい事が起きても敗けはしないと。」

ランカ「おばあちゃん・・・・・」

ランメル「短い間だったけど、ありがとう。私の誇りの孫・・・・いや同胞よ・・・」

ランカ「同胞。」

ランメル「また会いにいらっしゃい、今度は従姉妹にも会えるわ。」

別れの挨拶・・・・・・
ランカにゼントラーディ戦士の誇りを持って、何事も負けない覚悟を持て。
一瞬とは言え目の前に映ったランメルの顔は優しい祖母ではなく・・・

残忍で冷酷なゼントラーディ人の戦士の顔であった。

エルザは驚くも、ランカは驚きはしない。
なんと言うか、心に来る。

ランカ「安心して、おばあちゃん。ゼントラーディ人の魂、しっかり受け継いで頑張るから。」

ランメル「よし!頑張ってね、ランシェも喜ぶわ。合言葉は・・・・」

ランカ「サ・エスケスタ(了解)っでしょ!」

ランメル「そうサ・エスケスタよ!じゃあね、ランカ。そしてエルザ。」

ランカ「こちらこそ元気で・・・・」

ランカはゼントラーディ語を話し、敬礼しながらその場を後にする。
エルザもランカの後を追いかけ、撮影地のサンディエゴ基地に入った。

その様子を見守ったランメルは敬礼し、ランカ達の姿が見えなくなるとジープに乗り家に帰っていった。

ランシェ・・・安心して・・・・ランカは今もこうして元気に過ごしている
ランカがいつか命尽きるまで、最後まで見守り、守ってください
また、いつか・・・・また・・・会おう・・・・愛しき・・・・娘よ・・・

【イメージキャスト】
◆ランカ・リー
=中島愛

◆エルザ・スレフマン
=西田望見

◆ランメル・ターリー(ファルカ)
=瀬戸麻沙美

◆絡んできた男
=杉田智知

【新規キャラクター】


エルザ・スレフマン
【階級】
少尉
【所属】
新統合宇宙軍地球本国統合運用軍.北米地区第4統合飛行隊
【性別】
女性
【種族】
地球人とゼントラーディ人のクォーター
【生年】
2047年
【解説】
新統合軍地球本国軍に勤務する女性士官。
生真面目だが、愛嬌のあり独自の戦い方を考えるなど勉強熱心な性格。
実はマクシミリアン・ジーナスとミリア・ファリーナ・ジーナスの孫であり・・・
エルザはミューズ・ジーナスの5姉弟の末っ子として姉エカテリーナ・スレフマンと共に双子で生まれている。

新統合軍のノンキャリアであるが、数々の戦闘の経験や資格を持っており。
その功績が認められ少尉に任官している。

コールサインは、カコミスル。

コメント
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