Sbagliando si impara. (間違うことで人は学ぶ。)

イタリア語の勉強に、nonna ひとりでフィレンツェへ。自分のための記録。

ナイルパーチの女子会

2021年01月22日 | 読書
BS民放で放映されると聞いて読んだ奇妙な題の「ナイルパーチの女子会」。
    
本の表紙の見開きに「ナイルパーチとは・・・」と説明されてました。
「スズキ目アカメ科アカメ属の淡水魚。
 淡泊な味で知られる食用魚だが、一つの生態系を壊してしまうほどの
 凶暴性も持つ。要注意外来種。」
 どうやら「スズキ」として90年代に流通していたようです。
アフリカのビクトリア湖に放流したところ、固有種を絶滅させてしまったと本文中にも
書かれていました。
「魚の説明」と「女子会」の文字で読む前からドロドロとした怖~~いお話だと感じました。

主人公は、
実家から丸の内の大手商社に勤めるやり手のキャリアウーマン・志村栄利子(30歳)。
彼女の密やかな楽しみは、同い年の人気主婦ブログ『おひょうのダメ奥さん日記』を読むこと。
独特の価値観のブログに、栄利子は癒され、友だちのいない彼女は次第に異常なまでの執着を持っていく。
「おひょう」こと丸尾翔子は、スーパーの店長の夫と二人で気ままに暮らす専業主婦。
だらしない主婦生活を綴り、ブログランクの上位に上げられている。
ふたりには同性の友達がいないという共通のコンプレックスもあった。

趣味や性格が正反対のブロガーと愛読者。理想の友人関係が始まるように思えたが。。。
怖いだけでなく、気持ち悪さも加わるストーリー(T_T”)でした!

二人は出逢い、異常な時間を過ごしたが、立ち止まり考える時も持てたことで、
それぞれにこれからの人生が生き易くなったのではないかと私は思っています。
それは、
「栄利子」は周囲の期待に応えることばかり考えていて、自分が本当は何を好きなのかさえも
考えてみたことが無かったことに気付き、「おひょう」は、いつも面倒を避ける生き方をしてきたが、
これからは自分の力で状況を変えることを決意したからです。

最後に主人公たちの未来に希望を持てたように私は感じました。
いや、そうで有るように願います。

関西2府1県にもコロナ感染第3波で「緊急事態宣言」が13日?に出ました!
ず~と、ず~と自粛生活で、中国歴史ドラマ三昧。
中国語にも興味が・・・。
イタリア語教室もお休みしてますが、自習出来てません(^^;)


自粛生活での読書

2021年01月16日 | 読書
辻堂ゆめ著「十(とう)の輪をくぐる」を読み終えました。
自粛生活の中で図書館利用を始めて、15冊目の本です。
   
先ず、題名の「輪をくぐる」の文字から「茅の輪くぐり」を連想してしまいました。
草で編んだ大きな輪をくぐり、災いや厄を払う神社の行事のことです。
「茅の輪」を十個もくぐり、厄払いをしなくてはならないほど辛いことの話かと思った
のでした(^^;)
2019年の現在と、母<万津子>の半生が交互に分けて綴られていて、その章の数かと思い、
数えて見ると13章。
「十」とは何?、「輪」とは何かの答えを探りながら読んでいきました。

この話は2019年の息子<泰介>の日常と、熊本の貧農の家に生まれ、中学を卒業すると
愛知の紡績工場へ集団就職し、19歳で炭鉱職員とお見合い結婚した母<万津子>の半生
の物語です。

中学時代から結婚するまでオリンピックを夢見て、バレーボールの練習に励んだ
青春時代の万津子。
自分には勿体ないほどの相手だと思っていたが、とんでもないDV夫で、悲惨な結婚生活。
手に負えない異常な無茶振りな息子泰介の子育ての苦労。

死んだ父のことも、結婚前の母の仕事も、故郷の家族のことも、何ひとつとして語らない
母だったが、脳血管認知症になったことで、泰介は母の過去を垣間見ることになった。

「どうして自分にバレーボールをやらせたのか? なぜ弟ではなかったのか?」、
母が繰り返し呟いていた「私は東洋の魔女」という意味深な言葉、また「泰介には秘密」。
これらの泰介の疑問も、私の「十の輪」の疑問も最終章で明らかになりました。

思いの他、きれいにこの物語は締めてありました。
COVID-19感染者の増加で、2021年7月に延期されたオリンピックは、後数ヶ月と
なりましたが果たして開催されるのでしょうか?

イタリアに魅せられて

2021年01月12日 | 読書
昨日の天気予報通りに、カーテンを開けると窓の外は真っ白。
墨絵のように色の無い風景でした。
      

その後もふわふわとぼたん雪が降り続きましたが、午後からは雪も止み、
殆ど溶けてしまいました。
この雪でコロナも浄化されればいいのですが・・・。

イタリア在住の内田洋子著「サルデーニャの蜜蜂(L`ape di Sardegna)」の題名に
惹かれ、読みました。
     
サルデーニャ島は、ミラノ万博のお仕事でお留守された真奈先生のピンチヒッター
としてイタリア語を教えて貰ったダニエラ先生の故郷なのです。
すごくきれいな島でお料理も美味しい自慢の故郷のようでした。
里帰りされた時に送って下さった絵はがき
                       
本の写真にあるレモンの黄色い鮮やかさとサルデーニャの太陽を浴び、黄金色に輝く
花々の美しい色は、サルデーニャ・ジャッロと名付けたい。

残念ながら、サルデーニャ島だけのエッセイではなく、著者の住むミラノを中心とした
イタリアで出逢った人々の話からなる15の短編エッセイでした
今まで知らなかった”イタリア人気質”の興味深い話しがいっぱいでした!

トスカーナー州の海に面した港町リヴィル、疫病を海際で止めようと建てられた隔離病棟。
古代ローマ時代から世襲で蜂蜜(単花蜜)を作り続けている人達の話や日本では考えられ
ない警察が造る”警察印”の蒸留酒、検察と司法取引をしたマフィア関係者が、ボスの裁判で
証言するために泊まるホテルのエピソード。
古い家具の傷や、知人の幼い頃の怪我の傷の話。
ミラノ郊外の園芸店が、中国から買い付けた樹齢1000年の巨大な盆栽のこと
ミラノ市内のご近所さんで、悲哀に満ちた人生を送る古典高校の女性校長との交流。
トスカーナ、リブリア、エミリヤ・ロマーニャの3つの州が隣り合う山岳地帯の村での
「本のフェスティバル」で出逢ったユダヤ人女性の話。
<地下駐車場建設の嘆願書>を出してから30年後に、ミラノ市役所からの建設許可が下り、
その説明会の連絡があった数々の話題。
・・・。工事が始まってからのイタリア人らしい話しも、それは々面白いものでした!
ゴッホの絵画にも描かれている「イトスギ」が、お墓の周りに植えられている理由なども。
ミラノ人は自己主張が強いことや、南部訛りの強いカラブリヤ出身の知人のこと、
またある時はイタリア人にある時はスイス人に変身しながら暮らしている知人のこと等、
話しはつきません。
また、私が疑問に思っていたイタリア人の行動が、このエッセイを読むことで少し
理解出来ました。

イタリアで出逢った様々な暮らしや料理,体臭を含めたいろいろな香りの話しなども
言葉で豊かに表現されていて楽しく読めました。著者と一緒に旅したい。 
そして、ピンチヒッターのダニエラ先生にも会いたくなりました。

「秘密の晩餐」

2021年01月10日 | 読書
図書館に予約本を受け取りに行くと、「予約本コーナー」が新しく設けられデジタル化されていました。
先ず、自分の図書カードのバーコードをリーダーに読み取らせ、出て来た予約本の数字の棚から本を取り出し、
別のリーダーで再度図書カードを読み取らせる。
そうすると今までと同じ返却日等が書かれた用紙が出て来て終了となります。
「受付で受け取る」よりは手順が増えましたが、人との接触はありませんでした。
コロナ禍での変革の一例でしょうね。

また、本の消毒が出来る機器が2台設置されてました。
新しいものに興味津々の私は早速試してみました~!
1台は本の中央辺りを開いて留め金に立てて挟み、スタートすると風でページがパラパラと高速で開き1枚ずつ消毒されました・・・。
一度に数冊消毒できるボックスでした。
もう1台は小さく、出入り口に置かれており、試してはいませんが、見た感じでは表紙だけの紫外線消毒ではないかと・・・。
今度、試して見ようと思ってます。
ネット調べでは、紙は24時間、プラスチックは72時間放置しておけば、ウイルスはなくなると書かれていました。

以前、「最後の晩餐」の絵の中に描かれた”秘密”が巷で話題になった時がありました。
ハビエル・シェラ作 原題「秘密の晩餐(LA CENA  SECRETA)」を図書館の本棚で見つけ、遅まきながら読みました。
      

作者が美術、文学、歴史学の専門家の協力を受け、3年の歳月をかけ調査研究をし、上梓された作品だそうです。
多くの歴史上の人物や絵画も出てきて興味も増しました。

キリスト教世界が混乱期にあった時代。ドミニコ修道会総長の指示で<サンタ・マリア デェッレ グラッツェ修道院>に
派遣された異端審問官アゴスティーノ神父が、「予言者」と名乗る匿名の手紙を持って
「最後の晩餐」に隠されている秘密を解いていく話です。
大ヒットのダン・ブラウン著「ダ・ヴィンチ・コード」を思い出します。
予言者の手紙には謎の七行詩が記されていました。
「目を数えろ だが顔を見るな わが名の数は側面に見つかるだろう」
この手紙から「予言者は誰か」そして「暗号の解明」も追求しなくてはならないのです。

絵の中に、聖書に記される内容と相違する個所、つまり教会や信仰を破壊する暗号を見つけなくてはならないのです。
解くまでに、結び目、異端の書「新黙示録」、暗号解読法、タロットカード、十二使徒の特徴、キリスト教世界の異端カタリ派、
図像学等さまざまなものが出てきて、私は混乱。

イタリアでは「最後の晩餐」は「チェナーコロ(cenacolo)」と呼ばれているようです。
レオナルドは、「最後の晩餐」の製作をミラノ大公に依頼されて製作しているのですが、
未だに未完成の状態で、完成するかどうかもあやふやな状態でした。

修道士の性格や雰囲気からそれぞれのモデルを選び「十二使」を描いているのですが、
その使徒の中にレオナルド自身を描いているようで、
修道士の中でいろいろと憶測されていました。
どうやら「タダイ」の髪の色、髭の生え方等がレオナルドにそっくりのようです。

「ヨハネ」は女性がモデルだったので、「マグラダのマリアでは?」と勘ぐられたのも仕方ありません。 
真相は分かりませんが・・・
その女性はストーリーの中で、モデルとなった後にレオナルドと共に生活し、
その後「モナリザ」のモデルにもなったとも・・??

ストーリーの中からレオナルドの目の色は青であることや性格も想像でき、
途中から彼とお友達のような気分になってしまいました。

なぜレオナルドは絵画にせずに壁画にしたか、しかもフレスコ画でなく劣化しやすいテンペラ画で描いたのか? 
壁画にしたのは、新しいものに作り変えろと強制され、簡単に取り替えられる心配がなく、
異端者たちの慰安の場を密かに確保できると彼は考えたようです。 
テンペラ画にした理由は読み取れませんでした。

要するにローマ教会は神の祝福を感じるのに「目に見える秘跡を必要とし、聖体を口にし、
聖油を塗ってもらい、聖水に身を浸す」けれど、
カタリ派の主張は、「秘跡は目に見えない抽象的な力で、自らの内にそれを感じるに
至った時に歓喜が満ち救われる」と。
そして、聖職や教皇の存在を認めていません。

レオナルドは、聖職者が神を幕屋に閉じ込めて、思いどおりに利用する宗教のあり方の事実を伝える秘密の司祭となり、
真実をチェナーコロに託したとかーー。
暗号が解明されそうになった時、レオナルドは完成を急ぎ、
完成の日まで異端審問官アゴスティーノ神父は何処にいたのかはこの本を
読んだ人のみが知るでしょう。(^_-)**

完成後、異端審問を司どり、正統信仰の守護者たるドミニコ修道院の、
正に中枢でカタリ派の秘跡(サクラメント)が人々の眼差しと崇拝に
さらされているのは面白いですね~。

いろいろとストーリーが展開され、解き明かされていく過程は絵画鑑賞の上でも
勉強になりました。
SANTA MARIA  DELLE GRAZIE教会の「最後の晩餐」を実際に目にして、
本に書かれていた食堂の様子やレオナルド・ダ・ヴィンチ、
異端審問官アゴスティーノ神父、修道士たちを想像したい。
コロナ収束を切に願います。

Buon Anno!

2021年01月02日 | 日記
                       

今年のお正月はこれまでとは全て違った新年となったことでしょう!

そんな中で、新聞に載った新潮社の広告の文章に目が止まりました。
私たちは人類史上かつてなく他人と接続しているのに、
  なぜ孤独を感じるのだろう。」
会社や学校はもちろん、風呂場でもリビングでも、いまや私たちは常に
誰かとつながっていられます。(省略) なのに、なにかが、足りない。
 精神科医・作家のアシデシュ・ハンセンは『スマホ脳』という本の中で
「私たちを取り巻く環境と、人間の進化の結果が合っていないことが、私たちの
心に影響を及ぼしている」
 そのギャップから何が生まれたか。”心の病"、集中力低下、記憶力減退等々。
SNSを使っている時間が長い人のほうが孤独を感じている、という研究結果も
出ている。多くの人々とつながっているはずなのに、孤独を感じたり、自信を
失ったりしていると。

コロナ禍、友だちとのLINE会話やLINEでの講座、学校の授業、会社の会議等々、
リモートで行われることが多くなった昨年でした。
「群衆の中での孤独」も辛いでしょうが、LINEや電話でつながっていても
人との直接対話を楽しめなかった昨年はもの悲しいものでした。
今は”コロナ収束”を唯ひたすら祈るばかりです