Sbagliando si impara. (間違うことで人は学ぶ。)

イタリア語の勉強に、nonna ひとりでフィレンツェへ。自分のための記録。

束の間の再会

2021年07月24日 | 日記
コロナの様子を窺いながら、イタリア語教室再開の時期を3人で相談してきましたが、
やっと7月22日から始めることになりました。 
今年に入ってから初めての授業です。

先生とsig,ra Kanakoに7ヶ月ぶりに会えることだけを楽しみに出掛けました。
一番先に着き、待っているとMana先生が「Buon giorno! Da quanto tempo!」と
白い爽やかな衣装と共に、いつもの和やかな笑顔で手を振りながら来られ、
いつものお決まりの会話で始まりました。先生から「Come stai?(お元気?)」,
「Non stavo bene.」とイタリア語で私が応えたのはここまで。
そこからは日本語でアルコールアレルギーになった話しや、ワクチン接種の話しを
していると、sig.ra Kanakoが少し元気なくやって来たのです。
彼女も原因不明のアレルギー湿疹が全身に出たことなどLINEで知っていたので、
その話になり、コロナ禍でいろいろ大変な状態のことも聞きました。

日本語での会話が落ち着いたところで、Sig.ra Kanakoから
「いろんな事情で自分の時間が取れなくなったので一旦中断します。」と残念そうに
言われた時に、私はいつかはと思ってはいましたが、もう彼女と一緒にお勉強出来ない
のかと思うと寂しく不安にもなりました。

sig.ra Kanakoとは月2回とは云え、7年間のお付き合いでした。
sua figliaが幼稚園児だったのが今では中学生。
彼女は優しくて穏やかな性格で授業ではよく助けられました。
彼女がお休みの時なんて、1人でパニックってその授業は先生にも「大丈夫ですか」
なんて言われたほど疲れ果てましたが、これからはひとりで落ち着いて乗り越える
しかありません。

Mana先生の「ソプラノコンサート」が開かれるようになったらご一緒する約束をして
その日は別れました。

8月からはLINE授業でお願いしましたが、どうなることでしょう。
もう頼る相手もいないので、今までさぼってきた勉強を頑張るしかありません。

    Kanako, grazie.  Arrivederci!

「ひとつむぎの手」

2021年07月21日 | 読書
蝉時雨という言葉通り、シャン、シャンと蝉の大合唱で毎朝目覚めます。

蝉の短い人生を焦っているかのように、自分の存在を確かめているかの
ように夏の朝を力強く鳴き叫んでいます。
また、太陽が熱く輝く夏だけの蝉の合奏は、私には楽しくもあり、時には
悲しく響く時もあります。

知念美希人著「ひとつむぎの手」
   装幀 新潮社装幀室 銀色の糸と手が淡く浮かんで見えます
     

この作家「知念実希人」は、私の故郷福山市の出身者であるミステリー作家島田荘司選
「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞した翌年に作家デビューしています。
その縁あってでしょうが、福山の本屋さんでサイン会が時々開かれるそうです。

この物語は大学病院を舞台としたミステリーというよりは、人間ドラマだと思いました。

主人公「平良祐介」は心臓外科の中堅医局員、実直で温厚な努力家。
彼が念願の心臓外科医の道をひたすら目指している中で起こる権力争いや人間模様。

心臓外科医として、将来大きく関わってくる出向先の病院を彼の希望通りにすること
を約束に3人の研修医の指導を任せられる。但しそれには条件があります。
研修医たちとの関係のなかで、その条件を満たすために主人公らしくない卑屈さに
私はイライラし、情けなく、腹立たしくもなりましたが・・・

死を目前にした患者の家族とのやり取り、また理不尽な要求やライバルとの競争、後輩の
育成・・・と様々な苦悩、葛藤を経験しながら、医師として、人として大切なものを
体得し、清々しく未来に向っていく感動ドラマでした!

主人公が心臓外科医の道を目指したきっかけとなった最高権力者「赤石教授」は
彼に伝えます。
「だだ血管を紡ぎ合わせているのではない、患者の人生を、ひいては『人』そのものを
紡いでいるんだ、自分の形で人を紡ぐ医師になれ」

*「ひとつむぎの手」とは、副題『Hands of the Soul Savior』、直訳すると
 「魂の救世主の手」、心臓外科医としての技術だけでなく、患者に対して
 もっと血の通った、もっと温かい選択のできる医師であれと説いている物語だった
 と思います。

冠動脈バイパス手術の担当教授のミスによって死に直面した赤石教授を救ったのは、
主人公「平良」でした。
「最初で最後の冠動脈バイパスの手術を始めよう、きっと俺は、この時のために、
この一紡ぎのために心臓外科医になったんだ。」
この平良の言葉に私の心臓も震え、これからの彼に精一杯のエールを送りました。

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この本の冒頭に出てくる「解離性大動脈瘤」という病名を、昨年知人の夫が発症し、
初めて知りました。
今現在、食べ物などに気を付けながら元気に生活されています。
作者が現役の医者だけあって、いろいろな病気の原因や治療が詳しく織り込まれ、
医療技術も日々進歩している中での選択肢があることを知ったことも大きな収穫でした。

直木賞

2021年07月16日 | 読書
今日は、小雨時々晴れ時々曇り。 少し風がある中、図書館に予約本を受け取りに。
その途中にある幼稚園の前で、大きなひまわりが天にそびえて花を咲かせていました。
まるで王様のように。
          
最近、小さな「ひまわり」はよく見掛けるのですが、こんなに大きな「ひまわり」を
見るのは随分久し振りで、遠い子どもの頃のひまわりが目の前に現れたようでした。

昨日は「芥川賞」、「直木賞」の発表の日でした。

直木賞の「佐藤 究」さんの「テスカトリポカ」は、5月2日に図書館予約しているの
ですが、いまだに・・・どうやら3週間後に受け取りできるようです。 
直木賞受賞前みたかった。
「古代アステカ文明」から現代に繋がるストーリーが描かれているようで、「メキシコ
世界遺産」を旅したこともあり、たいへん興味を持ちました。(メキシコ旅行へリンク

もう1人、『星落ちて、なお』の「澤田瞳子」さんは歴史を専門に小説を書かれる若い
作家がおられるのは新聞紙上で知っていましたが、近くの大学で公開講座があるという
ので3,4年前に出席したことがあります。
その時、既に「中山義秀文学賞」「新田次郎文学賞」等を受賞されていましたが、講演
を聞いても、この人は今後いろいろといい仕事をされるだろうなという印象を持ちました。

講演で説明されていましたが、歴史は古代になる程、資料が少なく論文等も一応目を通す
が、何でもないような資料の端々で見つかる「おやっ」と思う事柄がヒントになって、
それを自分の想像力で拡げていくのが醍醐味とのこと。
なる程、歴史小説の面白さを作るポイントは、作家のそういう着眼点で決まっていくのか
と納得しました。 
今後、尚一層の飛躍が嘱望される作家の1人に間違いないと感じました。

「ノースライト」横山秀夫

2021年07月14日 | 読書
梅雨も明け、蝉の本格的な鳴き声に初夏の1日が今日も始まりました。
朝からテレビでは、大谷翔平二刀流でのMLBオールスター戦を生放送で
伝えていましたが、みんなマスク無し、密で楽しんでいるのが、別世界
のようです!!

「ノースライト」横山秀夫著」、装画 agoera(多摩美大卒のイラストレイター)
     

    本の帯には「横山秀夫史上最も美しい謎」熱く込み上げる感動
         「64」から六年 待望の長編ミステリー

「あなたが住みたい家を建てて下さい。」とクライアントの吉野夫婦から奇妙な依頼を
されたことから始まるストーリー。

建築雑誌「平成すまい二00選」に「Y邸」が掲載されたことで、大阪のクライアント夫妻
から主人公「青瀬」に
「信濃追分に建てたY邸と同じのを建てて欲しい」と依頼があります。
その依頼の件で吉野夫婦に連絡するも所在不明で、しかも吉野一家が引っ越してさえいな
かったことを知ったのです。
あんなに引き渡しの日に喜んでいたのに、何か吉野家に問題でもあったのか、ノースライト
の設計に不都合でもーーと私でも心配になりました。
唯、その家にはブルーノ・タウトの「椅子」がひとつだけ大きな窓の前に置かれていたの
です。
そこから主人公「青瀬」の憶測が巡る。

青瀬の勤める設計事務所の社長でもある友人「岡嶋」の「画家『藤宮春子』のメモワール」
のコンペに関わる汚職、政争、そして彼の家族のこと、
建築家「ブルーノ・タウト」の人生や、彼が建てた「日向邸」のことも興味深い話しでした。
タウトの椅子を調べる中で「吉野」の父に繋がっていきます。
「なぜ青瀬に家の設計を依頼したのか、なぜ青瀬でなければならなかったのか」

  この空間にも感動のドラマが言い尽くせないほどに書かれていました。

ある日、吉野から告白と謝罪の手紙が届き、信濃追分のY邸でふたりは会って、やっと
すべてが分かり、
「ノースライトを湛えて息づく木の家」Y邸の「始まり」と「これから」ーーが動き始め
たように感じられました。

この長編は正に人間ドラマで、その中でたくさんの人生の疑問と答えが凝縮していました。
また、主人公「青瀬」が、自分の居場所を取り戻していく長編小説でもありました。

青瀬稔は大阪のクライアント夫婦に言います。
   「あなたたちだけの家を建てましょう」と。

彼の希望の持てるこれからを想像しながら、明るくすっきりと分厚い本を閉じました。

追伸:読後感想文の苦手な私は重要な事、肝心なことが五分の一も表現できず、
「横山秀夫」さんにお詫びします。でも、私の中にはちゃんと残っています。

犯人確認

2021年07月12日 | 日記
朝、まだ睡眠タイムの6時前に、「ヒーヨ、ヒーヨ♪」とベランダから
ひときわ甲高い鳥の鳴き声がしたので、現行犯を確認しょうと素早く
起き上がり現場へ。
   
  昨日、鳥さんに食べられた無惨な痕跡
       

トマトチョイ食べ犯は、思った通り、「ヒヨドリ」でした!
駆けつけるのがほんのちょっと遅かったようで、表面をつついた傷跡が
残ってました。

ちょうどよい位置に洗濯竿(ヒヨドリにとっては正に客席!)があり、
「どうぞ食べて下さい。」の状態。ラッキーとばかり試食したのでしょう!

     矢印が洗濯竿、丸で囲ったところをチョイ食べされました
        

お日さまの恵みをなるべく多く取り入れようと、前に出し過ぎたのが
仇となりました。まさか鳥さんに狙われるなんて、想像してませんでした!

鉢の位置を後ろに下げ、台所のゴミネットをかぶせ賢い鳥に食べられないように
防御しました。
これで、何とか完熟まで大丈夫でしょう?!