Sbagliando si impara. (間違うことで人は学ぶ。)

イタリア語の勉強に、nonna ひとりでフィレンツェへ。自分のための記録。

「同志少女よ 敵を撃て」 逢坂冬馬

2022年12月13日 | 読書
フィクションでありながら、ノンフィクションかのように感じました。

第二次大戦中の旧ソビエトとドイツによる「独ソ戦」が舞台。
ドイツ軍の襲撃で母親と故郷を奪われた少女が復讐を果たすため、女性だけの
狙撃隊の一員として、過酷な戦場を生き抜く主人公セラフィマを描いた物語です。

今、ウクライナで引き起こされているロシアによる軍事侵攻が続く現実を思いながら
複雑な気持ちで読みました。

故郷イワノフスカ村にいたとき、自分は人を殺せないと疑いもなく思っていたセラフィマ。
そんな彼女がスナイパーとなり、殺した敵兵の数を自慢し、人殺しを楽しんでいるかのよう
に別人に。
何が普通の少女をここまで変えるのか。戦場では自分が生きるためには殺すしかないのだろ
うか。本当の敵とは、誰なのか、何なのか。
生々しい戦場に息苦しさを感じながらも、私は答えを探しました。

ソ連、ドイツ、ベラルーシ、ウクライナ、クリミア半島。
カッコー(ドイツ狙撃兵のこと)、フリッツ(ドイツ兵)、パルチザン(土地の住民たちが
立ち上がり武器をとって戦う赤軍)、ヒーヴィ(協力者:ドイツ軍のスパイ)
これらの言葉が息苦しく現れ、今現在のウクライナのことと重なりました。

この物語の中で「ロシア人どもは捕虜に対しても残忍だった。9割が殺害された。」
と書かれていました。 戦争が理性を失わせ、人間を悪魔に変えたとしか思えません。 
そして、テレビのニュースが生々しく思い出され、ページを捲ることが出来ませんでした。

戦争の悲惨さや異常性が書かれているだけでなく、スナイパーとなった少女たちの人間ドラマ
でもありました。

「『戦争、No!』と叫ばない自分自身が敵であり、お互いを尊重し認め合うことが不可欠なの
ではないか。」と思いながらも、
国境がある限り、人間がいる限り、戦争がなくなることはないのではないかと不安になり
ました。 



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2 コメント

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この本 (aya)
2023-01-09 18:01:14
この本、私も読みました。
今起きている戦争と、イメージが重なり、
なんとも言えない気持ちになりました。

大河ドラマを見ても、、昔から、人間は戦争ばかり。。
と、戦争の歴史を見ているようでもあり、
戦争がこの世からなくなることはないのではないかなんて重い気持ちにもなったりします。

や~~~ですねぇ。。
もっと仲良くして!!!って叫びたいです。
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同感 (jun)
2023-01-19 17:45:37
cara aya
grazie per il tuo commento
scusa per ritardare la risposta m(__;)m

異常気象やコロナ感染者の増加、凶悪事件等、不安
になるニュースばかりで、心も折れそうです。

心が疲弊しないように、
現在は何か楽しい事を始めようといろいろと探しています。

ayaさんのアクティブに行動されているご様子に、
 私も元気を頂いています。
Grazie mille
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