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東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

数学オリンピック(日本予選)の問題

2014-05-25 10:17:57 | 学習塾塾長の日記
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

曇りで少し蒸し暑く感じます。明日は晴れから雨になるようで天気は下り坂のようです。

数学オリンピックと言う数学好きな若者の祭典があって、今年は南アフリカで開催されます。参加資格は、20歳未満で大学教育を受けていない者です。各国の予選で6名の代表が選抜され、日本の場合、1月に予選、2月に本選が実施され、代表が選抜されます。

今回は、先日紹介した整数方程式(不定方程式)と因数分解に関連した問題を紹介します。これは、2009年の日本での予選で出題されました。

問題は、「次の2つの式をみたす正の整数の組(a,b,c)をすべて求めよ。ただし、3つの数の並ぶ順番が異なる組は区別する。
ab+c=13
a+bc=23 」
です。

数学オリンピックの問題は大変難しく手に負えないものばかりですが、国内予選の問題となると簡単です。ここで、
ab+c=13  式(1)
a+bc=23  式(2)
とします。

a、b、c≧1 の整数で、式(1)から
c=13-ab
なので、
1≦c≦12
が判ります。

そこで、c=1、2、3、・・・、12 を片っ端から調べてみれば正解できそうです。

また、式(2)から、
a=23-bc
なので、
1≦a≦22
で、同様に、a=1、2、3、・・・、22 を調べてもOKです。(cのほうが少ないのでcを調べるほうが早そうですが)

上記のように力ずくで解いても良いのですが、芸がないといえばその通りで、式(1)と(2)を眺めてみると、それらの左辺を足したり引いたりすると、それが因数分解できそうです。そうなると、それらの因数は、式(1)、(2)の右辺の和と差、つまり、36と10の約数になる訳で、これを利用すれば簡単になりそうです。

実際に和を作ると、
ab+c+a+bc=a(b+1)+c(b+1)
         =(a+c)(b+1)
         =36
となるので、(a+c)と(b+1)は、どちらも2以上であることを考慮して、(2,18)、(3,12)、(4,9)、(6,6)、(9,4)、(12,3)、(18,2)の7通りになり、b=17、11、8、5、3、2、1 となります。

次に、差を作ってみると、
a+bc-ab-c=a(1-b)-c(1-b)
         =(a-c)(1-b)
         =10
となるので、(a-c)と(1-b)は、1-b<0であることを考慮して、(-10,-1)、(-5,-2)、(-1,-10)の3通りになり、b=2、3、11 となります。

以上から、bは、2、3、11 と3つに絞ることができました。(和を計算する必要がなかったということです)

あとは、bに2、3、11を代入し、aとcを計算すればOKで、
b=2では、a+c=12、a-c=-10 なので、a=1、c=11
b=3では、a+c=9、a-c=-5 なので、a=2、c=7
b=11では、a+c=3、a-c=-1 なので、a=1,c=2
で、まとめると、
(a,b,c)は、(1,2,11)、(2,3,7)、(1,11,2)の3組になります。

数学好きの高校生は数学オリンピックに挑戦しては如何でしょうか。また、中学生にはジュニア数学オリンピックがあります。後日、ジュニア数学オリンピックに出題された問題も紹介します。

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