今週月曜からの熱は中々引いてくれず先延ばしも考えたが折角のお約束を反故にするのも憚
られ朝から三浦半島を南下した。 今回のご依頼主は水平対向 4気筒空冷エンジンを搭載した
車で著名なF社さんのKさんでカーラジオの修理では以前からお世話になっていた。最初場
所は横須賀と聞いていたので東京湾の横須賀を思い起していたが地図をお送り頂き、相模湾
に面した佐島と分かった。佐島なら以前ブリキのおもちゃで有名なKさんのお宅のイタリア
製ラジオ/レコードプレーヤ、スイス製電気時計を修理したお話しをしたところ昔から親交
が有り、時々ビジネスもご一緒になさっているとのことだった。
サテ正直にお話しすれば実は今回の1940年製モデル 700(生産数9,498) 78回転、24選曲に興
味が有ったからで同時代の同業他社 Seeburg 及び Rock-Ola は共に 20選曲でありました。
アンプは 6J5-6SC7-6L6G(p-p)-5U4G (本来は5Z3)で問題無く機能していた。
上の画像では見難いが左端のモーターのシャフトに付けられていたユニバーサル・ジョイン
トが外れていた。 その原因を作ったのはこのモーターを固定していた木の板が割れていて
本来のモーターの位置より低くなっていたからでこの板は出入りの宮大工さんにお願いする
ことにした。
アンプが正常なのに音が出ない原因を調べたところ何とレコード針が欠落していた。 この種
の物を扱っている米国の業者の連絡先を来週教えて頂き取り寄せることにした。 幸いカート
リッジにも問題は見られなかった。
この 1/30馬力のモーターは持った感じ 6-7 Kg だったが経年変化と輸送時のショック等で割れ
て仕舞ったのかも知れない。 思い出したがモデル 700 は 50 サイクル用も作られていたので
モーターの入手の可否もついでに尋ねてみよう。
3月7日 先日お預かりして来たユニバーサル・ジョイントに欠落していたネジを仕事場近く
のホームセンターに探しに行った。 時々行くホ-ムセンターの中ではネジ類の種類が豊富
で望みを託したが幸いユニファイの No6 のことが分かり1/2 のビスとナットを各一袋買って
来た。 しかし金属部分はアルミ・ダイキャストで分かるが、中央の屈曲部分は何と皮製なの
であります!
3月10日 ご依頼主にお願いしておいた今回の 2機種関連の資料が届いた。 これまで
ジュークボックス関連の資料と云うのは見たことも無く、早速目を通させて頂いた。
気になっていた 50Hz 電源用の記述も有ったがいまいち良く分からない部分が有る。 下のパ
ーツリストから 50Hz用も 60Hz用も同じ 36199 と云うモーターを使う様だが、次のTurntable
Drive Gear Assembly は 50Hzが 28686、60 Hz用が 27251、60Hz用モーターを 50Hzで使う場合
が 28685。 また Main Drive Gear Assembly は同じ順で 28687、27252、28681となるが元々の
モーターの回転数 1,140rpmを最終的に 78rpmとするには 14.615:1 のギア比が必要となるがこ
れを如何にして作っているのか?
50 Hz用のギアを含む一式をアイオアの会社に発注したので早ければ1週間程で着くので到着
後組み立ててみよう。 ところでターンテーブルの回転数は想像よりラフで例えば 60 Hzで
78rpmの場合に使われているギアはウォームギア 6対89 のギアが使われておりギア比で14.83、
回転数は略 76.85となり若干遅い結果となる。
3月30日 予想を大幅に超えて仕舞ったがアイオアの店に頼んでいた部品が漸く届いた。
50 Hz用のギアセットはウォームギアが実効 5t、ファイバー製のギアが 61tなので減速比は
12.2 モーターの回転は50 Hzでは 950rpmとなるので最終的な回転数は約 77.86rpmとなる。
4月2日にこれらを組み込むことになるが好結果が得られることを祈るばかりであります。