大日本赤誠会愛知県本部ブログ版”一撃必中”

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「NGC 6956」棒渦巻銀河 2億1400万光年漆黒の宇宙空間と青い渦

2023年01月10日 12時39分34秒 | 宇宙 月、火星、惑星探査 ビッグバン パーサヴィアランス インジェニュイティ

漆黒の宇宙空間を背景にして、青く輝く渦巻きが美しさを際立たせている棒渦巻銀河「NGC 6956」



こちらはハッブル宇宙望遠鏡によって捉えられた棒渦巻銀河「NGC 6956」です。漆黒の宇宙空間を背景にして青い渦巻きが輝き、美しさを際立たせています。棒渦巻銀河とは、中心部に棒状の構造が見られる渦巻銀河のこと。NGC 6956は棒渦巻銀河の一般的なタイプで、いるか座の方向約2億1400万光年先に位置しています。
NGC 6956では「セファイド(ケフェイド)変光星」が確認されています。セファイド変光星(ケフェウス座δ型変光星とも呼ばれる)は、明るさが周期的に変化する脈動変光星の一種です。その変光周期と真の明るさ(光度)は相関していて、変光周期が長いものほど真の明るさも明るくなります。「周期-光度関係」として知られているこの関係から真の明るさを求め、観測された見かけの明るさと比較することで、セファイド変光星までの距離を求めることができます。

また、NGC 6956では「Ia型超新星」も見つかっています。Ia型超新星は連星系で起こる超新星爆発で、伴星の恒星から主星の白色矮星へと徐々にガスが移動史し、白色矮星の質量が一定の値(チャンドラセカール限界質量)を超えた時に爆発が起きます。このような超新星は、その明るさと時間の経過にともなう減光の速度をもとにして、地球からの距離を計算することが可能です。

注:Ia型超新星(いちえいがた。Type Ia supernova)は、超新星、激変星のサブカテゴリーの1つである。白色矮星の激しい爆発の結果生じる。白色矮星は、核融合を終え、寿命が尽きた恒星の残骸である。しかし、炭素と酸素に富む白色矮星は、温度が十分に高いと、莫大なエネルギーを放出してさらに核融合を進めることができる。

科学者は「セファイド変光星」と「Ia型超新星」の観測データを、宇宙の膨張率を表す「ハッブル定数(※)」の算出方法の1つとして活用しています。この2つの天体は、現代の宇宙論研究で欠かすことのできないツールであり、その両方が観測される銀河もまた重要な研究対象となっているのです。

※…ハッブル定数とは、遠方の銀河までの距離と銀河が遠ざかっていく速度が比例していることを示したハッブルの法則で用いられる定数のこと。

@138億年前のビッグバン、インフレーションときて膨張を続ける大宇宙の膨張率を算出する定数の一つを提供している貴重な銀河です。