ringoのつぶやき

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■過度な円安にご用心(1)■(中原メルマガより)

2013年01月17日 22時01分59秒 | 為替

私も、天然ガスを先物価格の8~10倍という超高額で輸入している昨今、ドル円90円でも心配していました。

私は単純計算で、現在、約1割高、でもこんなふうにちゃんと数字で提示してくれるととってもわかりやすいです。

さすがです、中原さん。

マスゴミのみなさん、2%インフレになった時やこういうシュミレーション、出してください。

トヨタにしろ、ホンダにしろ、現時点で5兆円(天然ガス輸入コストを上回る金額)も輸出で稼げますか?

 

 

                               

 

みなさんもご存知の通り、日本では安易に原子力発電所に頼れなくなったために、火力発電所による発電が急増しています。そこで、液化天然ガスを中心としたエネルギー資源の輸入が膨大に膨らみ、日本の貿易収支は2011年に2兆5000億円の赤字に転落しました。これは、第2次石油危機で2兆6000億円の赤字を計上した1980年以来、31年ぶりのことでありました。

さらに悪いことに、2012年の貿易収支は赤字額が6兆8000億円にまで拡大する見通しにあります。多少は今後の液化天然ガスや原油の価格が下がったとしても、2013年の赤字額はドル円相場が2011年~2012年と同じ水準という前提で、6兆円超の額は免れない情勢になってきています。

小泉政権の時とは違い、今の日本ではエネルギー事情がひっ迫しているため、売り手の国々からも足元を見られています。特に液化天然ガスは東南アジアや中東、オーストラリアなどから法外な高値で買わされています。日本の2011年~2012年における液化天然ガスの輸入価格は100万BTU(英国熱量単位)あたり16台ドル~18ドル台で、液化していないとはいえ米国の天然ガス指標価格の2ドル台~3ドル台や英国(欧州)の天然ガス指標価格の9ドル台~10ドル台と比べても突出して高い状況にあるのです。

2012年における日本の液化天然ガスの輸入量は9000万トンで、日本が世界の液化天然ガスの供給量の約3分の1を買った計算になっているので、高値で買わされるのはある程度やむをえないのかもしれません。

しかし、ドル円相場が1円安くなるごとに、液化天然ガスや原油の輸入コストが2700~2800億円ほど増加することを考えると、円安が急激に進むことは一昔前と違って決して喜べるものではありません。2011年の平均為替レートが1ドル79円であるので、仮に90円まで下落すれば、貿易赤字がエネルギーだけで2兆9700億円~3兆800億円も増加する計算になってしまうのです。

輸出企業の経営者の中には「100円まで行ってほしい」などとコメントしている方が多いようですが、そんなことになったらエネルギーだけで5兆6700億円~5兆8800億円ものコスト負担が増加してしまいます。現在の原油価格は2005年~2007年の円安期よりも平均して2倍近く高いのに加え、液化天然ガスは2倍超にも急騰している状況にあります。おまけに、液化天然ガスの輸入量は数倍にも増加しています。エネルギーや原材料を輸入に頼る日本企業にとって、120円~130円の円安期と比べても、現在のほうがエネルギーコストの負担が大きく増えているのです。だから、90円からさらに100円まで円安が進んでしまうと、一部の輸出企業が競争力を高めて輸出を増やしても、その他の企業は人件費を引き上げることがいっそう難しくなってしまうのです。


ですから、大多数の企業が従業員の給料を増やすことができない中で、過度な円安によりエネルギーをはじめ、すべての輸入品の価格が上昇してしまうと、国民の生活が苦しくなるのは避けられないでしょう。

グローバル経済下では、「所得の増加→物価の上昇」というプロセスは成り立ちますが、その逆の「物価の上昇→所得の増加」という順序立ては決して成り立ちません。日本でインフレが起こるとすれば、それは、国民の所得が伸びない中での悪いインフレしかないでしょう。金融緩和に過度に依存しようとしている安部政権には、この当たり前の考えが完全に抜け落ちてしまっています



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