ringoのつぶやき

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受注後の業者のカバー取引――不十分ならリスクも(FXウオッチ)

2012年01月12日 18時46分14秒 | 為替

2012/01/11 日本経済新聞 夕刊

外国為替証拠金取引(FX)業者(店頭取引型)は通常、顧客から注文を受けると、その裏側で同じ注文を銀行などに出す。カバーと呼ばれる行為だ。これがしっかりなされないと、業者がリスクを抱え、投資家にも悪影響が及ぶ恐れがあると指摘される。


 例えば、顧客の円買い・ドル売り注文に応じた業者はドルを抱える。そのままにしておくと、為替変動で損失を被る恐れがあるので、銀行などにそのドルを売って円を買い戻す。これがカバーだ。顧客からドルを買う際の相場と、それをカバー先に売るときのレートの差が業者の利益だ。
 カバーが不十分だと、相場の急変動時に業者が大きな損失を被りかねない。過去には経営破綻に至ったケースもあった。そうするとFX利用者に何が起きるか。証拠金は保全されるのが原則だが、破綻に伴う強制的な決済で、投資家が望まないタイミングに外貨の含み損が実現損になるなどの問題は起こりうる。
 では、すべての業者がFX利用者の注文を100%迅速にカバーしているのか。答えはノーだ。金融庁の調査(2010年)で、カバー率が100%に達していない会社が約3割あった。30%未満という会社も7%いた。


 複雑なのは、100%カバーしていないと問題があるとは必ずしも言えないこと。売買が交錯し、ある顧客のドル買いと別の顧客のドル売りとを業者内で迅速に相殺できるなら、リスクは小さくなる。カバーの必要性は低下するのだ。


 このような相殺をマリーと呼び、外貨の買値と売値の差が業者の利益になる。「カバーする場合より利幅が大きいことが多く、その分顧客の取引コストも安くしやすい」(マリーを多用するある業者)とメリットを指摘する声もある。
 カバーをめぐる状況は込み入っているが、重要なポイントであるのも事実。取引先を選ぶ際に、どのようなカバー体制をとっているのかを問い合わせてみるのもいい。
(編集委員 清水功哉)



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