ringoのつぶやき

音楽、ガーデニング、株、社会経済政治、etc・・・・日常の色々なことを書きたいと思います。

村上ファンド元代表に改めて聞く「インサイダー取引」疑惑の真相

2017年08月02日 08時15分08秒 | 
激動の半生を振り返りながら
<iframe title="fb:like Facebook Social Plugin" name="f1a9947e09a8d6" src="https://www.facebook.com/v2.7/plugins/like.php?action=like&app_id=229592243741014&channel=http%3A%2F%2Fstaticxx.facebook.com%2Fconnect%2Fxd_arbiter%2Fr%2FXBwzv5Yrm_1.js%3Fversion%3D42%23cb%3Df10b0dd006ced6%26domain%3Dgendai.ismedia.jp%26origin%3Dhttp%253A%252F%252Fgendai.ismedia.jp%252Ff155daf48fe7d24%26relation%3Dparent.parent&container_width=640&href=http%3A%2F%2Fgendai.ismedia.jp%2Farticles%2F-%2F52399&layout=button_count&locale=ja_JP&sdk=joey&share=true&show_faces=false&size=small" frameborder="0" scrolling="no" width="1000px" height="1000px"></iframe>
  <iframe class="hatena-bookmark-button-frame" title="%E6%9D%91%E4%B8%8A%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%89%E5%85%83%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E3%81%AB%E6%94%B9%E3%82%81%E3%81%A6%E8%81%9E%E3%81%8F%E3%80%8C%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC%E5%8F%96%E5%BC%95%E3%80%8D%E7%96%91%E6%83%91%E3%81%AE%E7%9C%9F%E7%9B%B8%20%E6%BF%80%E5%8B%95%E3%81%AE%E5%8D%8A%E7%94%9F%E3%82%92%E6%8C%AF%E3%82%8A%E8%BF%94%E3%82%8A%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%89" frameborder="0" scrolling="no" width="115" height="20"></iframe>
 
「村上ファンド」を立ち上げ、一世を風靡しながら2006年にインサイダー取引の疑いで逮捕された村上世彰氏が戻ってきた。自身の半生を描いた『生涯投資家』を上梓し、公の場で再び、ライフワークであるコーポレート・ガバナンス(企業統治)論を語るようになった。
今回のインタビューでも村上氏はガバナンス論を熱く語り、日本的ななれ合い経営の元凶として「株式持ち合い」を挙げた。法的に規制するのは難しいけれども、株主によるチェックで持ち合い慣行をなくしていくことは可能――村上節全開である。アクティビスト(物言う株主)のパイオニアであると自負しているからこそだ。

村上ファンド事件にも触れ、自分に下された有罪判決に対して残念な思いをにじませた。『生涯投資家』でも書いているように「僕にだけ適用された司法判断なのかもしれない」と振り返る一方で、「裁判をしていて驚いたのは、裁判中に裁判官が眠っていること。裁判を受ける側は人生がかかっている」と語ったのである。

『生涯投資家』は6月21日の発売直後から話題を集め、すでにベストセラーだ。1カ月足らずで5刷まで重版が決まり、発行部数は8万部を記録。「拝金主義者」「ハゲタカ」とレッテルを貼られた同氏の素顔を知って驚く読者が多いようだ
前編と同じく、<>内はインタビュアーである私の補足説明 / 撮影:西﨑進也)

元祖アクティビストファンド

――日本企業のガバナンスで最大の問題は何でしょうか。例えば株式の持ち合いは全面禁止すべきですか?

村上: できることなら株式持ち合いはやめさせたほうがいい。経営者は持ち合い株の保有理由をいろいろ挙げているけれども、実は保身のために続けているケースが多い。とはいっても法的に持ち合いを禁止することは難しい。政府にできることは限られている。だから株主が追及することで持ち合い慣行をやめさせていくべきです。

少なくとも一定数以上の持ち合い株についてはきちんと理由を書かせたほうがいい。なぜ持っているのか、どれくらいの利回りを得ているのか、持ち合いを続けなければ相手企業と取引ができないのか――こういうことについて説明するということ。

(2015年に金融庁と東京証券取引所が導入した)コーポレートガバナンス・コードには持ち合い株について企業側に説明責任があると書いてある。だけどそこには強制力がない。

――旧村上ファンドは日本ではアクティビストファンド第一号と見なしていいですか?

村上: 日本では外資系も含めて村上ファンド以前にはアクティビストファンドはなかった。だから第一号です。

――日本で「元祖ハゲタカファンド」と呼ばれたのは米投資ファンドのリップルウッドです。1999年に旧長期信用銀行(現新生銀行)を買収して猛烈なバッシングに見舞われました。

村上: アクティビストは上場企業のみが対象です。リップルウッドはプライベートエクイティファンドだから上場企業はやらない。米スティール・パートナーズもアクティビストファンドとして日本に進出したけれども、日本での事業を始めるときに私のところに何度も相談に来ていました。

「本当はもっとリアリティがあった」

――私は記者として『生涯投資家』が描いている世界を直接取材していたので、非常に興味深く読むことができました。取材を通じて知っている話を村上さんの視点で読むのは楽しかったし、まったく知らなかった話を読むのはもっと楽しかったです。

まったく知らなかった話としては、村上さんがイトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんに怒られるシーンがあります。伊藤さんのことは個人的によく知っているだけに、なおさら生々しかったです。

村上: 伊藤さんとの一件については本当はもっとリアリティがあって、実は担当編集者からももっと書き込めと言われたんです(笑)。けれどもあまり詳しく書くわけにもいかなくて……。僕が本当に書きたかったのは第8章と第9章。そこで日本という国をどうしたらいいのか提言したんです。

――もう一つ知らなかった話として印象に残ったのは、敵対的買収のパイオニアとして知られる米国の名門買収ファンドKKRとの接点です。村上さんはKKR共同創業者のヘンリー・クラビスさんにも会って、助言を受けていたんですね。

村上: クラビスさんはいろんな人と会っていて、日本で何かできないか常に考えているんですよ。

――KKRは1980年代のアメリカでは「乗っ取り屋」と呼ばれて、企業経営者の間では毛嫌いされていましたが、今では全然違います。むしろ経営者の間でリスペクトされています。

村上: KKR自身も昔とは違います。かなり前に敵対的買収をやめているんです。クラビスさんに会ったときには「今は穏やかにやっている。でも君には敵対的買収をやってもらいたい。これをやり遂げないと国は変わらない」と言われました。それで「よし、頑張ろう」と元気づけられたんですよ。

――KKRがアクティビストをやめても、アメリカではアクティビスト文化はしっかり根付いています。最近面白いと感じたのは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフリー・イメルト最高経営責任者(CEO)の退任。なぜかというと、アメリカを代表する優良企業と言われたGEのトップが、ネルソン・ペレツというアクティビストの圧力で退任に追い込まれたんですから。

村上: でもペレスが運用するファンドの保有分はGE株全体の1%だけ。

――はい。でも、アメリカではまともな提言をするアクティビストに賛同する機関投資家が多い。だから持ち株数が少なくても大きな力になる。

村上: そういうことです。

「インサイダー情報」の定義

――村上さんが2006年にインサイダー取引の疑いで逮捕されると、「お金儲けは悪いことですか?」というセリフばかりクローズアップされて報道されました。「インサイダー取引に手を染めてまで金儲けしようとした男」と今でも思っている人が多いのではないでしょうか。

改めて聞きます。インサイダー取引をやったのですか?

村上: 解釈の違いだと思っています。ニッポン放送株の5%以上を買いたいという趣旨の話を(ライブドア社長の堀江貴文氏から)聞いたのは事実です。実現可能性が限りなく低い人、つまり誰がしゃべっても、可能性が少しでもあればインサイダー情報になるという判決だった。

例えば僕が「これはいい企業だから、いっぱい株を買いたい」と言ったのを牧野さんが聞いたら? そしたらもうアウト。この判決でインサイダー取引の解釈の範囲が大きく広がったことになります。

――一審判決で高麗邦彦裁判長は「買収の実現可能性がゼロでなければインサイダー情報になる」との判断を示しました。最高裁も同じ結論を出しました。個人的に取材した限りでは、M&A(企業の合併・買収)のイロハも分からないようなひどい判決だと思います。M&A専門家の多くは絶句していました。

村上: 今までこのような解釈で摘発された人はいないので、専門家の方には「このような解釈をしてしまっていいのか?」と思っていただけているようです。でも僕は有罪判決を受けた。今となっては、僕にだけ適用された司法判断なのかもしれない。

<「買収可能性がゼロでなければインサイダー情報になる」との判断では、裁判官はライブドアによるニッポン放送買収のことを念頭に置いている。『生涯投資家』にも詳しく書いてあるが、これは堀江氏の願望にすぎず、当時は資金的な裏付けもない。さらにはニッポン放送内部の未公開情報ですらない。

ファンドも含めた機関投資家は調査活動の一環として投資先企業の経営者と日常的に面談している。経営者に直接会って経営戦略を詳しく聞き、投資判断に役立てるためだ。当然ながらM&Aも話題にする。経営者から「あの会社を買収したら面白いだろうね」といった話を聞くこともあり得る。

だが、投資家は通常このような会話をインサイダー情報に分類しない。「願望」ベースの話にすぎず、なんの裏付けもないと考えるからだ。そもそもこれをインサイダー情報と見なしたら、株式投資するうえで大きな制約を受ける。こうなると調査活動そのものをやめようということにもなるのではないか。

ところが、裁判官は「実現可能性がまったくない場合は除かれるが、可能性があれば足り、その高低は問題とはならない」と断じたのである。最高裁も同様の判断を示し、村上氏の有罪が確定している。これではM&Aについて意見交換するのは事実上不可能になり、「うっかりインサイダー取引」を誘発しかねない。

百歩譲って当該企業から直接聞いたM&Aの話がインサイダー情報になるとしよう。だが、繰り返しになるが、村上氏の場合はニッポン放送から直接聞いた話ではなく、ニッポン放送とは無関係で単に「願望」を抱いていた部外者のライブドアから聞いた話である。>

「安く買って高く売る」のは商売の基本

――でも、当時は判決の問題点を指摘するメディアは事実上皆無でした。「かつての乗っ取り屋よりもはるかに悪質で、村上被告が断罪されるのは当然」(毎日新聞)などと村上さんを糾弾するのに忙しくて、主要紙は検察が喜ぶような記事で紙面を埋めていました。専門性のなさを露呈しています。

村上: 怖いですね。もう一つ裁判をしていて驚いたのは、裁判中に裁判官が眠っていること。裁判を受ける側は人生がかかっている。大変残念でした。

――検察側の主張をそのままラバースタンプで認めるだけ、つまり結論ありきの裁判だったからじゃないですかね。

村上: その裁判官は判決文で「被告は『ファンドなのだから、安ければ買うし、高ければ売るのは当たり前』と言うが、このような徹底した利益至上主義には慄然とせざるを得ない」とも書きました。

投資家にとっては、安く買って高く売るというのは当たり前だと思います。投資家ではなく事業を行っている場合でも、安く仕入れ、高く売ることによって会社は利益を出します。 判決を受けて、欧米のメディアは当時「日本はおぞましい」と書いていました。ここまで違うのかと思いましたね。

――ファンドマネジャーだったら他人から資金を預かっているわけですから受託者責任を負っています。意識的に「安くても買わない、高くても売らない」行動を取ったら、それこそ責任放棄で訴えられかねません。

村上: その通りです。

国民の考え方も変わってきた

――一審判決にはもう一つ見逃せない点がありました。裁判官は「本件は村上ファンドの組織上の構造的欠陥に由来する犯罪」と断じました。ファンドマネジャーとアクティビストの活動を一人で行っていた点を問題視しているのです。

村上: あの時は、会社のことや社員のこと、家族のこと、いろいろなことがありすぎて、毎日精いっぱいだったから、覚えていないことも多いな(笑)。

――当時の判決文から正確に引用すると、「巨額の資金により大株主となり、自らインサイダー状況を作り出した後、一般投資家が模倣できない特別な地位を利用した犯罪」と書かれています。

本当ですかね? ファンドや年金など機関投資家が株式を大量取得して大株主の立場で経営改革を促すのは当たり前の行為ではないですかね?

これが構造的欠陥なら、米著名投資家ウォーレン・バフェットが経営するバークシャー・ハザウェイも構造的欠陥を抱えていることになります。大株主として経営改革を迫り、トップを交代させることもあるのですから。バフェットもファンドマネジャー兼アクティビストです。アクティビスト部門を分離なんかしていません。

村上: 日本では株取引は悪いものだという国民感情があったのかもしれない。でも、今は年金や日銀がメーンプレーヤーになっています。株式を大量取得して多くの企業の大株主なり、大株主の立場で経営に注文をつけて儲けなくちゃいけなくなった。また個人投資家も増えている。公的マネーがアクティビストになったら、さすがに悪者にはできないでしょう。

だから国民の考え方も変わってきている。「儲けてくれないと困る」と考える人が増えている。昔は特定の人だけが株取引をしていたけれども、これからは違う。国民から大事なお金を預かる人がメーンプレーヤーになっているから。

制度面でも伊藤レポート(一橋大学教授だった伊藤邦雄氏が座長を務めた経産省の研究会がまとめた報告書)、日本版スチュワードシップコード、コーポレートガバナンス・コードが出そろった。これで企業経営者も機関投資家もきちんとやっていくようになるのではないか。

日本でバフェット流投資は不可能に

――村上ファンド事件では司法が悪い判例を残してしまったと思います。そればかりか、あまり指摘されていないことなのですが、事件を受けて制度改悪も行われました。2006年6月の金融商品取引法成立によって施行された改正5%ルール(大量保有報告制度)です。

村上さんの本を読んでいると、阪神電鉄株の大量取得で苦労している話が書かれています。大量取得報告を出すといわゆる「ちょうちん買い」が入って株価が急騰してしまいかねないから、村上ファンドとしてはいろいろ工夫して水面下で阪神電鉄株を買い集めていたのですよね。

村上: ここまで厳しくしてどうするの、というのは確かにあります。僕は阪神電鉄株の買い集めではすごくたたかれた。ルールに従っていたけど、突如として阪神電鉄株の30%を握ってしまったから「何でこうなるんだ」といった批判が噴き出しました。

<改正5%ルールの下では、ファンドなどが特定企業の株式の5%超を取得したり、その後に1%以上の変動を伴う売買をしたりした場合、2週間ごとに開示しなければならない(改正前は3ヵ月ごと)。村上ファンドによる阪神電鉄株の取得が不透明だと批判を浴びたためだ。

これは世界的にも例がないほど厳しい。これはと思った銘柄に集中投資するバフェット流の投資を不可能にしかねない。言い換えると、お金と時間をかけて有望銘柄を発掘する意欲を削ぎかねない。

例えば、バフェット氏が初の本格的ハイテク株投資としてIBM株を大量取得したのは2011年。この時、同氏は「IBMは魅力的」という投資判断について8ヵ月間にわたって秘密にできた。それまで開示義務を免除されていたのだ。

理由は「IBMは魅力的」という投資判断は企業秘密であり、知的所有権に相当するからだ。当時、一部の有力機関投資家は米メディア上で「銘柄保有をすぐに開示させるルールは違憲。コカ・コーラに対し企業秘密の『コカ・コーラの処方』の開示を強制するのと同じ」とコメントしていた。

村上氏の「最初で最後の告白」は、どう受け止められるだろうか>

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。