近くて遠い隣国、中国。
世界のバランスが米ソから米国一極にシフトし始めたのは約20年前。最近はもはや米国一極ではなく複数の軸でバランスしている。その中でも米中という軸はかなり太い軸と言わざるを得ない。中国のプレゼンスがそれくらい高まっている昨今、少しお隣さんのことを踏み込んで知ろうとしてもいい時期かも。
難しい世界情勢はともかく、サッカー観戦や上海万博での行列マナーなど、世界的に行儀のいい日本人にしてみれば、そんなマナーを通じても、同国のプレゼンスの高まりと(未)成熟度のアンバランスに漠然とした不安感を抱く人も多いのではないだろうか。
「周恩来秘録」は単なる推測ではなく、中国共産党の中枢から、天安門事件を契機に米国に亡命した著者が秘中の実在資料をもとに記した、毛沢東と周恩来の関係を記したノンフィクションだ。建国期から文革、党内のクーデター、外交などを通じて、中国共産党=中国の「権力」をめぐる内幕・闘争とその本質、中国とはどんな国なのかを勉強できる一冊(上下なので二冊か)。
この本を読むと、昨今の中国関係のニュースの見方がちょっと変わる(かも)。
文庫版も出てますよ。