21日、厚労省から、「診療報酬・介護報酬改定等について」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001yvtf-att/2r9852000001yvwy.pdf)が出た。診療報酬の重点項目は、急性期医療、在宅医療、がん治療、認知症治療が掲げられている。また、介護報酬改定の方向について、施設から在宅介護への移行、在宅サービスやリハビリテーションなど自立支援型サービスの強化、介護予防・重度化予防の効率化・重点化、介護職員の処遇改善のための加算が示されている。さて、介護報酬改定率 +1.2%(在宅 +1.0%、施設 +0.2%)が出たことによって、各市町村における第5期介護保険事業計画の平成24年度からの1号(65歳以上)保険料の設定がしやすくなった。果たして、県内市町村はそれぞれいくらの基準額になっているであろうか。管内の2つの保険者では第四期から今回の第五期にかけての1号(65歳以上)保険料大幅アップは必至のようである。おそらく、全国同様であろう。要介護高齢者数の増加もあるが、①1号(65歳以上)被保険者の負担割合が20%から21%に引き上げられたこと、②介護職員処遇改善交付金(http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/10/tp1023-1.html)について、介護報酬の加算で「税対応から保険対応への振り替え」が行われること、③低所得段階の保険料負担の軽減(従来の第三段階のうち所得合計120万円以下の者の保険料率引き下げ)の影響が大きいらしい。また、介護給付費準備基金の取り崩しは第四期計画のようにはいかないようである。①と②については各保険者ではどうしようもない。来年度分から年金減額の中で、高齢者の介護保険料のアップは少々目立つかもしれない。しかし、介護保険料を無理に抑制し、赤字が出て財政安定化基金から借り入れ(http://www.tmnf.net/kourei9.html)すれば、次回以降計画で65歳以上の保険料に上乗せされる仕組みになっていることは理解したい。とにかく、介護保険料はサービスと一体である(サービスが少なければ保険料が下がり、サービスが多ければ保険料が上がる)。介護保険料を抑えるためには、施設から在宅への移行、そして、介護予防が進められなければならない。介護予防・日常生活支援総合事業(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/kaigokentou.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/yoboukouka.pdf)はもっと関心が持たれるべきと感じる。そういえば、昨年10月の平成21年度介護予防事業の実施状況に関する調査結果(http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/10/tp1029-1.html )では、高齢者人口に占める参加率は0.5%に留まり、制度開始当初目標としていた5%(20年度)に遠く及ばない。平成22年度の65歳以上高齢者のうちの二次予防事業施策参加者は0.6%と報じられている(保健衛生ニュース12月5日号)。 各市町村ではどういう状況か、果たして知られているであろうか。今年度までに各市町村で実施された「日常生活圏域ニーズ調査」(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/hokenjigyou/05/dl/niizucyousa.pdf)の結果をみれば、介護保険予備群のあまりの多さにビックリする方が少なくないかもしれない。もはや、国が~、県が~、市町村が~、といっているばかりではいけない。平成22年の国民生活基礎調査(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/index.html)では、介護が必要となった主な原因の構成割合(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/4-2.html)をみると、脳卒中が21.5%を占め、第一位である。特に要介護4、5では脳卒中が3割以上を占めていることは知っておきたい。来年度からの第5期介護保険事業計画の社会的注目度は今一と感じるのは気のせいであろうか。
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