保健福祉の現場から

感じるままに

市町村と保健所の連携・協働

2014年01月27日 | Weblog
昨年末、12月18日の厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会「難病対策の改革に向けた取組について(報告書)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000032632.html)、社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の報告書「慢性疾患を抱える子どもとその家族への支援の在り方(報告)」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000032555.html)、12月20日の社会保障審議会介護保険部会意見(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000033012.html)、12月27日の社会保障審議会医療部会の「医療法等改正に関する意見」(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000033983.html)等が相次いで出た。難病新法、介護保険法改正、医療法改正とともに、注目されるのが、4月からの改正精神保健福祉法の施行である。今回の精神医療指針案(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000032568.pdf)p6~では、「保健所は、保健師や精神保健福祉相談員等の職員等による相談支援や訪問支援等を通じ、精神障害者(未治療者を含む。)やその家族等に対して精神疾患に関する知識の普及を図ることにより、治療の必要性を説明し、早期に適切な治療につなげることを目指す。」「保健所は、精神障害者が適切な医療を受け、安心して地域生活を送ることができるよう、医療機関等と協力して急性増悪や再発に迅速かつ適切に対応する等の体制整備に努める。」「保健所は、特に重い精神症状を有する精神障害者に対しては、必要に応じて移送による医療保護入院を検討し、調整する等、関係機関と連携して適切な医療を精神障害者に提供する。」「保健所は、措置入院患者について入院早期から積極的に支援に関与し、医療機関や障害福祉サービスの事業者等と協力して退院に向けての支援の調整を行う。」「精神障害者が適切な医療を継続的に受けることができるよう、精神障害者及びその家族からの相談及び精神障害者に対する訪問支援並びに関係機関との調整等の保健所の有する機能を最大限有効に活用するための方策を、市町村等の他の関係機関の在り方も含めて検討し、当該検討に基づく方策を推進する。」とあり、保健所の役割が強調されている。一方、来年度策定の「第4期障害福祉計画」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000029818.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000029819.pdf)に係る資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000029818.pdf)p5では、精神障害者の退院促進の指標として、「入院後3ヶ月時点の退院率、入院後1年時点の退院率、在院期間1年以上の長期在院者の退院者数を新たな目標とすることが考えられるが、どうか。」とあったが、これは、障害福祉施策だけではなく、精神医療施策とセットでなければならない。まさに市町村と保健所の連携・協働が要請されている。地域保健法第8条(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)、介護保険法第38条(http://www.ron.gr.jp/law/law/kaigo_ho.htm)、精神保健福祉法第49条第3項(http://www.ron.gr.jp/law/law/seisin_h.htm)、健康増進法第18条第2項(http://www.ron.gr.jp/law/law/kenko_zo.htm)、母子保健法第8条(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40HO141.html)など、各種法律で保健所による市町村支援が規定されていることも踏まえ、市町村をサポート・アシストする「保健所」の存在がもっとクローズアップされるべきである。それは地域包括ケアについてもあてはまる。地域保健法(http://www.ron.gr.jp/law/law/hokenjo.htm)第4条に基づく「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(http://www.pref.akita.lg.jp/www/contents/1344472453581/files/zenbun.pdf)p5では、2 保健所の運営 (1)健康なまちづくりの推進で、「地域の健康課題を把握し、医療機関間の連携に係る調整、都道府県による医療サービスと市町村による保健サービス及び福祉サービスとの連携に係る調整を行うことにより、地域において保健、医療、福祉に関するサービスが包括的に提供されるよう市町村や関係機関等と重層的な連携体制を構築すること。」とある。地域包括ケアの推進は、健康なまちづくりの一環であるとともに、重層的な連携が要請されていることは認識したい。そういえば、昨年10月発行された厚労省「平成24年度 在宅医療連携拠点事業 総括報告書」(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/zaitaku/seika/dl/h24soukatsu.pdf)p60で、「保健所は、これまでに医療計画を通じた在宅医療の推進に留まらず、難病対策、地域リハビリテーション対策、がん緩和ケア対策、認知症対策、介護予防対策等の実績があり、地域の関係機関・団体に働きかけやすく、これらの技術的なノウハウがある等の強みがある。これまで取り組みの経験がない市町村に対して市町村どうしの情報交換を促し、市町村を越えた広域での調整を行うなど、積極的な支援が期待される。」と記述された。なお、「地域における保健師の保健活動に関する指針」改定(http://www.jnapc.co.jp/material/pdf/news/no108.pdf?PHPSESSID=158b15556ef437d9291c676369ab7995)で、介護保険事業(支援)計画、医療計画、障害福祉計画の策定にも保健師の役割が示され、「計画が適切かつ効果的に実施されるよう各種保健医療福祉計画の進行管理及び評価を関係者及び関係機関等と協働して行うこと。」、「地域のケアシステムの構築」として、「保健師は、健康問題を有する住民が、その地域で生活を継続できるよう、保健、医療、福祉、介護等の各種サービスの総合的な調整を行い、また、不足しているサービスの開発を行うなど、地域のケアシステムの構築に努めること。」とされた。もはや、「保健所の対人保健は精神、難病、結核」といっている時代ではない。
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