保健福祉の現場から

感じるままに

O145集団感染とパルスネット

2016年08月23日 | Weblog
朝日新聞「高石の保育施設でO145集団感染 2人が入院」(http://www.asahi.com/articles/ASJ8R2RFNJ8RUBQU007.html?iref=com_apitop)。<以下引用>
<大阪府は22日、高石市内の保育施設で腸管出血性大腸菌(O(オー)145)の集団感染が発生した、と発表した。府医療対策課によると、下痢などの症状が出た同市内の女児(1)が1日、診療所を受診。便からO145が検出された。12日に届け出を受けた和泉保健所が調べたところ、女児が通っていた保育施設で、0~2歳の園児13人と園児の家族1人の計14人の便からもO145が検出された。1歳の女児を含め2人が入院したが、すでに退院しているという。>

腸管出血性大腸菌感染症は感染症法の3類感染症(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-03-03.html)である。腸管出血性大腸菌感染症は国立感染症研究所で度々記事がでている(http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ta/ehec.html)。5年前のユッケ事件(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025ttw-att/2r98520000025tz2.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025ttw-att/2r98520000025tzb.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000025ttw-att/2r98520000025tzk.pdf)ではO111とO157が検出されていたが、今回のO145の集団感染は珍しいであろう。そういえば、国立感染症研究所病原微生物検出情報月報;IASR(http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr.html)の2014年5月号で腸管出血性大腸菌感染症が特集され、「2013年に広域において見出された同一PFGEタイプを示す腸管出血性大腸菌O157およびO26について」(http://www.nih.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2295-related-articles/related-articles-411/4640-dj4119.html)では「広域分離株の探知のためには、迅速な情報還元を可能とするMLVA法が有効」とあった。食中毒調査支援システム(NESFD)ではパルスネット(http://www.nih.go.jp/niid/ja/ehec-m/2055-bac1/related/713-ehec-bac1-pulsenet.html)の結果が随時公表されており、全国ネットでの疫学調査の強化・充実との連動が必要であろう。以前の全国食品衛生関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077220.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000077218.pdf)で、食品衛生担当部局と感染症担当部局等との連携について、p92都道府県等に対する要請として、「①食品衛生担当部局においては、感染症法の規定に基づいて把握された情報を感染症担当部局より入手し、食品が感染の経路と推定される事案や、一般に食品を媒介とする病原体(サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌、細菌性赤痢、A型肝炎等)によるものと疑われる事案について、食中毒として対応する必要がないかどうかを十分に検討するとともに、食品衛生担当部局と感染症担当部局の連携による共同調査体制を整備するなど、食中毒調査に係る初動対応の迅速化を図ること。②一般に食品を媒介とする病原体(サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌、細菌性赤痢、A型肝炎等)を検出したときは、食中毒の広域散発発生との関連性の有無を確認するため、菌株等を国立感染症研究所へ迅速に送付すること。」とあった。全国健康関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000078305.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000078261.pdf)p69「感染症に関する情報の収集体制の強化」で、地方衛生研究所、国立感染症研究所への検体送付、疫学調査の強化・充実が出ていることも踏まえたい。
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